やぁ皆、夏季休暇楽しんでる!? 私こと、鬼村五十冬も今夏のこの残暑を乗り切ろうと必死だよ! 体改造して鉄まみれなんだけど、おかげで夏だと金属の体に熱がこもっちゃって!!
夏場の平均体温80℃超えちゃって参ったよ!! HAHAHA!!
……うん、テンションおかしいのは分かってる。内心でもこんなテンションで居ないと、私流石に困惑のし過ぎで死にそうになるから。
「お茶飲むかー?」
「う、うん!」
「あ、ありがとう一夏!」
「織斑君、シャワー借りていい?」
何故か私はシャルロット・デュノア、そして篠ノ之箒と一緒に織斑一夏の実家にやってきていた。いや、私自身狙ってきた訳では無い。何故か偶然ここに辿り着いてしまったのだ。
因みに、シャワーを借りるのは冷房があっても私の体から熱気が取れないために、急激に冷まそうとしてるため。流石に冷房ついてる家で熱気浴びるのはきつい。
「あ、あぁいいぞ」
警戒されてるのか、それとも単純に異性が風呂に入るというのを聞いて焦ってるのか……どうでもいいか、今は身体の熱を取りたい……ひとまず、シャワーを浴びている間に何故こんな事になったのか思い出そう。
「あのめちゃくちゃ硬いアイス買ってきて」
「急に何言ってんの?」
「わざわざ日本に来てやったんだから、食べたいだけ」
「サファイアと同じ硬度を持つあれを食おうというのか……じゃあ買ってきます。いつ帰ってくるのかわかんないけど」
突然来た担当女医、サファイア鉱石を食べたいと言うのでそれを適当なコンビニで買ってきて、帰っている最中のこと。
「……」
「……ねぇなんか肌痛くない?」
「わかる……なんかさっきまでそうでも無かったのに、やけるように痛い……」
私の隣にいる人達がひそひそとそう話していた。ごめんなさいね、多分それ私の体から出てる熱気だよ。まさか一緒に買った某擬音語アイスが冷房効いてるコンビニの中で一斉に溶けるのなんて初めて見たよ。流石に私のせいだとは疑われなかった。当たり前だが。
「……いやほんと、私何してんだろ」
実際問題、やることがないというのは非常に面倒だ。セシリアもラウラも鈴も、私が直接しなくても勝手に周りの男性がやってくれるんだし。
まぁ、もう時期シャルロットもそうなんのかな。どうでもいいけど。
「……ん?」
車や自転車なんかを避けるために、私は一々住宅街に入って移動していた。そんな中、途中でとある一軒家の入口に固まる2人組を見つけていた。
それこそ、シャルロット・デュノアと篠ノ之箒だった。
「……うん?」
「……君、なんでこんな所にいるの?」
「アイス買いに来たんだよね……で、2人してこんな所で何して……」
ふと見ると、織斑の2文字が目に飛び込んできた。その時点で理解したので、特に用事もないのでそのまま帰ろうとしたところ……
「あれ? 何してんだ3人とも、中に上がっていけよ」
「なんで私ここに居るんだろう」
「じゃあ帰ったら……?」
シャルロットがやたら冷たい反応をしているが、私は無視をする。というか、なぜ風呂場なのにシャルロットがいるのか? 私とそういう事したいの?
なんて冗談が言えるほど、まだ余裕にはなれなかった。水被った瞬間ぬるま湯になってしまう。
「……ねぇ、何が目的なの?」
「今ここで話して、私が得られるメリットはある?」
「少なくとも、まだ罪がただ重いだけで済むよ」
「だったら、私は既に死刑ものだよ……成人ならね」
「そんなことは聞いてない……さっさと一夏の家から出ていって、出来れば学園からも出ていって」
「そんな言うことを聞くほど、私は立場が君より弱くなってないよ」
そこで会話が途切れる。被る水が、今この場と同じように段々と冷たくなっていく。
しばらく、シャワーの音だけが流れていたが……しばらくして再びシャルロットが口を開く。
「今ここで、本当のことを話したら間違いなく君は学園にいられなくなる」
「別にいいよ、言っても。私は困らないし、一向にやって貰って構わない……ただ、『抵抗はしない』」
わざわざ強調して言った意味が伝わったのか、返事はなかった。抵抗しないというのは、問答無用で逮捕されるとかいうアレではない。端的に言うならば、ボコボコにやられてやるよという意味である。
ま、代表候補生が日本の生徒1人をボコボコにした場合どうなるかは想像にかたくない。
そもそも、私の素性なんて本気で調べられたら簡単にバレるようなものだ。今までバレてないだけ、マシとも言える。
「……だったら、遠慮はしないよ?」
「どうぞどうぞ、言ってもいいけど凰鈴音の場所は分からなくなるよ」
あ、これ脅しに使っちゃった。そんな意図はなかったのだけれど、向こうからしてみたらこれ完全に脅しだ。
まぁ、そんなこと向こうも分かってるからわざわざ私に話しかけてるんだろうけど。
「……いいよ、私にも考えがあるから」
「考え、ねぇ?」
「もし一夏に手を出したりしたら……絶対に許さないからね」
気配が、私のそばから離れて行く。どうやらシャルロットは、何か策があるようだ。怖い怖い……とは言ってられない。本気で私を潰しに来るとしたら……彼女自身の身を擲つ可能性だってあるのだ。自爆特攻の覚悟した奴の作戦は辛いもんだ。
「……あれ? 二人とも帰ったの?」
「あぁ、なんかやたら深刻な顔してたけど……なんか知ってるか?」
シャルロット・デュノアはともかく、篠ノ之箒に関しては何があったのか私にはわからない。まぁ、シャルロットが私の事を篠ノ之箒に話したのだとしたら、合点はいくが。
「ううん、わかんない」
「そうか……なぁ、鬼村……話がある」
「……話?」
何だろう。この鈍感唐変木野郎が、私の何かを勘づいたのだというのだろうか。仮にそうだとしたら、どうしたものか考えなければならない。
「シャルロットとの事だ」
「デュノアさんがどうかしたの?」
「まだあいつが男として学園にいた時、俺達が戦ったあの試合でシャルロットに何を言ったんだ?」
「知ってて聞いてる? それとも、知らずに聞いてる?」
「あいつの事を、『ちゃん』付けで呼んだらしいな。何であの時点で、あいつの事を女だと知ってるんだ?」
「織斑君とデュノアさんが話してるのを偶然聞いちゃったんだ。なんか重要そうな話してたし、隠れてやり過ごそうとしたけどそこにいた時に聞いちゃってね」
「俺達が話してたのは夜だ、なんであんな時間帯に外にいたんだ?」
「ほら、私とボーデヴィッヒさんってチームだったでしょ? その時、彼女から生身の特訓をして貰ってたんだよ」
「あんな時間まで、それ人気のない道を通ってか?」
なんか、随分とグイグイ聞いてくるな……ここでわざとらしくはぐらかしたら、余計にくい込んだ質問してきそうだからそれなりに違和感のない返答をしてるつもりなのだが……ミスった?
「そりゃあ、先生達に見つかったら怒られるじゃん?」
「あの時間帯、他の先生達は職員室で会議だ」
「へ? そうだったっけ?」
マジでそんなこと私知らなかったんだけど。適当に惚けたけど、これ本当だったら今の回答はまずかったかもしれない。
「だから俺達は普通に外に出ていたんだ、けど他の生徒が出てないのは、単純に出る必要性がないからだ」
「けど、出れない理由にはならないでしょ? 私は知らなかったけど、ボーデヴィッヒさんは知ってたんじゃないかな? だからあそこまで特訓に付き合ってくれてたんだろうし」
「それをお前に教えないでか?」
「そもそもあの時のボーデヴィッヒさんって、結構ツンツンしてたじゃない? 私に特訓つけてもらってただけでも有難かったよ」
「そもそもの話をさせてもらうけど……じゃあなんでラウラと特訓してるのにかすり傷ひとつ付いてないんだ? 俺ですら、毎日何かしらで傷つけられてるぞ?」
そこに触れてきたか……というか、ラウラと特訓にしたのはまずかったかもしれない。ここで『えー? 覚えてないだけじゃないのー?』なんて言った日には、織斑一夏は確信を得てしまうだろう。
「だって、ボーデヴィッヒさん織斑君にいろんな意味で容赦ないじゃん? そもそも織斑君って、女性から本気で殺されかかってる時あるけどその類じゃないの?」
「皆、そんな事するわけないだろ」
篠ノ之箒からは本気で木刀を振り下ろされて、凰鈴音からはISの装備で狙われて、シャルロットは知らないけどラウラからはレールガンで狙われて……これで本気で殺されかかってないと本当に思っている辺り、織斑千冬と篠ノ之束という人類最強2人組からの英才教育はちゃんと生きているようだ。
「それ本気で言ってる?」
「いや、本気だけど……」
「普通の人は木刀なんて他人に振り下ろさないし、一瞬で3度叩く……みたいなことできる人なんていないよ?」
「え、そうなのか……い、いやそうじゃなくて!」
話をずらす気はなかったんだけど、何だろう……今ちゃっかり織斑一夏の黒歴史的なものを垣間見たような気がする。
「……この際、直接言った方がいいんだな」
「何が?」
「お前は敵か? 味方か?」
なるほど、こう来たか。別に敵か味方かなんて質問はどちらでも正解でどちらも間違っているというのが、正式な回答だろう。けど、その論理を私に振るうくらいなら、もっとそれを聞くべき人物がいるだろう。
私は、織斑一夏に向かってこう言い放つ。
「私がそれを答える前に……その質問、篠ノ之束にした事ある?」
「……は? 束さんはISを作った……ちょっとおかしな人だけど、れっきとした俺達の味方だ」
「じゃあ、私はあなたの敵だよ」
「……まるで、束さんが嫌いみたいな言い草だな。馬が合わない、って程度じゃないだろ?」
「あったのはあの時が初めてだよ。でも嫌い、大嫌い。心の底から憎んでるし、軽蔑なんてあたりまえのようにしてる。あのテンションや見た目なんか一切関係なく、ただあの考え方と性格を目にしただけで胃液が飛び出そうになるくらいストレスが溜まる。彼女の事が世界で1番嫌いだし、1番憎んでるし、1番恨んでる。科学の発展だとか、戦争を煽るとかそんな理由も一切なく、作ったあとの世界に興味もない所がただただ嫌い。自分は一切関係ないと言わんばかりに、おちゃらけてるのも腹が立つ。そんな最低最悪な性格の癖に天才的な頭脳も人並外れた運動神経を持っているのも腹が立つ。他人をナチュラルに見下しているのも、上から目線なのが吐きそうになるくらい嫌いだしそれを擁護してるまたは一切糾弾しない奴らも嫌い、身内だったら問答無用で嫌いだしなんなら細切れにしてミンチにして燃やして灰にしてビニール袋に詰めて肥溜めに捨ててやりたいくらいには無茶苦茶してやりたい。タダで殺すより、滅茶苦茶なやり方で殺してやりたいし、例外なく身内ももれなく全員死んで欲しいと思ってる」
恨み辛み、怨恨怨念、怒り悲しみ飽きれ慟哭……色々な感情と言葉が口から溢れ出ては、体に再度吸収されているのかと言いたくなるほどに、私はひたすらに喋っていた。表情筋が動いているような気がしないので、恐らく真顔でひたすら喋っているのだろう。
「……おまえ、それならなんでIS学園に入学したんだ」
「さぁ? どうしてだと思う?」
「……ふざけてるのか?」
「ふざけてないよ……私は貴方と篠ノ之箒に近づくためだけにここに入ったようなもんだし、それ以上の理由がなかっただけだよ」
「……出ていってくれ」
「いいよ……けど、この場で私を捕まえなくていいのかな?」
「シャルロットが捕まえてないんなら、そんな理由がどこかにあるんだろ」
こんな時は鋭いらしい。純粋に織斑一夏の本気のマジの顔を見れた気がしたので、私はそれに対して手を振りながら気温の下がった空をただ歩いていくだけなのであった。
五十冬の見た目
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黒髪ロング、胸はない
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黒髪で肩までの長さ、胸はない
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茶髪ロング、胸はない
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茶髪で肩までの長さ、胸はない
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なんでもいいけど眼鏡が欲しい