現在私は学園祭でお客にお茶を出している。IS学園はその性質上、学園祭は誰でも入れる……という風になっていない。チケット1枚が生徒一人一人に手渡され、そのチケットを持っている部外者だけが参加出来る……という仕組みになっているのだ。
かく言う私も、誰を誘おうかと少し悩んだのだが……Sの方に相談したらそちらで処理をすると言っていたので、預けておいた。因みに、私もメイド服を着ているが接客業はしていない。というのも、織斑一夏目当ての女生徒…&部外者の女性、+1部の呼ばれた男性がIS学園の美少女を見に並んでいるのだ。圧倒的に女性が多いので、男性はあまり並ぼうとしていないが…まぁ浮いた存在になるのは、なるべく避けたい気持ちはわかる。
とまぁ話はズレたが……その長い長いお客の処理をしなければならなくなっており、その処理をするために整理券の様な『制度』を作って捌いている最中となっている。
別に回りたいところとかは無いが、3時間回せば休憩をくれるとの事なので、その時に色々とみて回ろうと思っている。後色々あるので、暇な人に作業中の専用機持ち達を画像に収めてもらっていた。
とまぁ長々と話したが……私の仕事ぶりを見せてあげよう。
「はい、整理券を渡します。もし他に回りたいところなどがございましたら、メールアドレスまたは電話番号により連絡をさせていただきます」
『メイド喫茶入りたいけど、他に回りたい所がある』そんな人の為に整理券を手作りして、渡している。メールアドレスか電話番号を教えて貰って、そこに機械に強い人物を集めて作った自動連絡機器を使って連絡を飛ばす。
5分以内に来なければ次の人に回すことを了解してもらって、待っている間並ばずに席を予約するシステム…作りました。今これ全部捌くのめっちゃきつい。手作りだから番号が手書きだけど、書きすぎて腱鞘炎になりそう。
「鬼村さーん、5番の席空いたよー」
「はーい、じゃあ連絡飛ばすねー」
「鬼村さーん、予約状況どうー?」
「予約待ち75組、その内整理券を貰ったのが72組」
残り3組は待っててくれてるので、こちらを比較的優先させている。開いてるのに、座れないのを待たせるわけにもいかないだろう。それでも整理券をいっぱい貰ってる人がいるのを考えると、やはり自由にみて回りたい人が多いのだろう。因みに、織斑一夏目当てが9割である。残り1割の中の7割が可愛い女子目当て、残り3割が男性客である。
女学園なのに、女生徒目当てというのは……つまりはそちらのご趣味があるということなのだろうか。まぁ、共学高あるあるらしいが。男子校でも寮生活してると境界線おかしくなるらしい……また話しズレた。
「うへぇ、すごい状況だねぇ…でも並んでる割に…?」
「ちなみに言うと、回すこと前提なのでなるべく4人1組にしてるから、300人はくだらないよ」
全く知らない人同士で一緒にさせるのはとても悪いと思うが、こうでもしないとクレームが多くなるのだ。今の時点でクレームがなかなか凄いので、クレーム対応班は頑張ってくれている。
「うわぁ…」
「一応言っとくけど、店に入ってる人と既に出ていった人を含めたら1.5倍には膨らむし、まだピークすら来てない事考えたら…」
「忙しすぎて生きていられるかわからないや」
「そうだね」
その意見に関しては、私も同意見だ。これから更に忙しくなるというのに、私たちの人数は変わらないのだ。
前もってシフト表で、昼に入ってる人を多くしておいてよかったかもしれない。
「……」
「そう言えば、鬼村さんは家族の人学園祭に誘った?」
「今日仕事だしね、代わりに知り合い呼ぶらしいからその人が来るかもね」
適当な誤魔化しだけを入れておく。実際、来るのかすらもわからないのでなんとも言えないのが事情であるが。
「…店の中どんな感じ?」
「織斑君での集客効果はバッチリだね。それと、篠ノ之さんが目当ての人が次いで多いね」
「え、意外……なんで?」
「胸じゃない?メイド服で凄い強調されてるし……3番目はセシリアなのも、拍車を掛けてるよ」
なるほど、確かにあんな牛みたいな胸で接客したら男女問わず気になってしまうだろう。ブラつけてんのかってくらい動いているけど。因みに胸の大きさ的に篠ノ之箒、セシリア、シャルロットという順番である。他のクラスメイトは知らないけど……
「それにしてもさ……」
「うん、どうしたの?」
「この『執事にご褒美セット』ってどうなの?」
執事にご褒美セット……その場のノリと勢いで決まり、なおかつ私達ですら意見が認められないくらいに、熱意が込められているセットである。
内容としては、アイスハーブティーと冷ましたポッキーのセットで値段は300円である。ぶっちゃけ、これだけなら私もちょっと食べに行きたいくらいのお手ごろ価格ではあるのだが……なんとこれ、織斑一夏に食べさせるのだ。そういう仕様なのだ。
「需要あるでしょ?」
「あぁうん、本人が心を殺すくらいには本人以外の需要は叶ってんだろうね」
何とかして逸らそうとするも、結局それを頼まれてひたすらポッキーとアイスティーを胃袋に収められる織斑一夏を見ていると、悲惨に思えてくる。
「あ、もうそろそろ交代してもいいよ?」
「…まだ早くない?」
「いやぁ、あれみてよあれ」
「…?」
ふと目線をずらすと、いつの間にか更識楯無が織斑一夏の目の前に座っていた。しかも何故か、このクラスで着ているメイド服と同じものを着用している。整理券システム無視すんなよ。
「どうもー、新聞部でーす。話題の織斑執事を」
「あ、お客として来てるなら整理券お願いします」
「…整理券貰わないと……入れない?」
「入るのは別に構いませんけど、席への着席とメニューの注文が不可能となっております。後入ると迷惑になっている場合、周りのお客様とクラスからの痛い視線が入りますんでご了承ください」
「あ、はい……」
新聞部エース、
どうやら本当に写真撮影するためだけに来たようで、そのまま入っていった。まぁお客様として来たら歓迎しますよ、ええ。因みに私はこの人が少し嫌いだ。ズカズカ質問してくるし。
中で写真撮影始まった。とは言っても、織斑一夏とほか専用機持ち達の撮影。シャルロットと篠ノ之箒はイチャついていたが、ラウラは少し気まずそうに…セシリアは隣に立ち、私は普通に立っていた。嫌がらせする程でもないし。
とまぁ、そんな写真撮影が終わってから私と織斑一夏はほぼ同時に休憩に入った。とは言っても、私は引き継ぎしないといけないので少しだけ遅れての休憩だけど。
というわけで、遅れて少し休憩に入り私は適当に歩いていた。特にやることも無いし。
「━━━」
とまぁ、正面玄関に向かう途中にある階段の踊り場で話し声が聞こえてくるまでは、私は少し楽観的になっていた。話し声は男が1人と女一人の声。片方は織斑一夏だと分かったが、もう1人はここからは聞こえるはずの無い声。
「━━━是非、我が社の装備を使っていただけないかと思いまして」
「……なんで…?」
咄嗟に体を隠す私。いやいやいや、私今織斑一夏と話してる人知ってるんだよ。けど、演技してるのか話し方が180°違うんだよ。というか、なんだよ装備って……
「……O…」
O、オー、おー……私が基本的にそう呼ぶ相手は、亡国機業の人間だ。そして、私は彼女によく合う…というかSの彼女だ。ん?Sは女だよ勿論、要するに同性カップル。
「…まさか私のチケット使ったのって……」
明らかにOだ。というか、偽造することくらい訳ないと思うのだが…あれ、じゃあ私のチケット使ったの誰だ?って事になる。
「……ちょっと聞き取りづらいけど…」
ガヤガヤと騒いでいる学園祭内で、少し離れた位置から会話を聞くのは至難の業だ。けれど、聞こえてきた単語とかを考えてみるとISの装備の話をしているらしい。ただ、ISの装備というのは機体の量子変換容量と機体の『好み』で決まってくる。
織斑一夏の白式は、射撃武器に盾に雪片弐型以外の近接武器が全てダメという突出極まっているISである。代わりに、その突出だけで戦えるのだが……因みに私のカリオストロは真逆だ。好き嫌いしない代わりに、突出したところは無い。装備をコピーできる代わりに、『初めからカリオストロ専用の装備』というものを嫌うのだ。
「…ISの会社の重役のフリしてるって所かな?」
あ、そんなこんなで織斑一夏が逃げた。ま、ああいうのは普通だったら逃げるに限るよね。あ、舌打ちしてる。目立たなくてよかったね。
ってなんかこっち向いた……うわ、来たよ。
「てめぇ……見てたのか?」
「レア過ぎて動画撮りたかった」
「はっ……ろくに織斑一夏に接近出来てねぇからこっちにお呼びがかかったよ」
「あっそ、でも私はまだ手を出すつもりは無いからさ」
「……おいおい、卒業まで手を出さねぇとか言うんじゃねぇだろうな?」
「さぁ?けどそれまでに、カタをつけたいとは思ってるよ」
「周りにいる専用機持ちの排除、っていやぁ聞こえはいいが……まだ1人しか排除できてねえ上に、人数が増えてんじゃねぇか」
お互い背中合わせで、語り合う。私とこいつは、仲が悪いように思えるが、いやはや存外コンビネーションは良かったりするのだ。なんでかよく分からないけど。
「専用機が増えれば、それだけカリオストロの装備が増えるって事だよ」
「それで?反逆でもしようってのか?」
「そんな事するほど、暇だと思う?」
「いいや全く。けどな、さっさと手を出さねぇ限りは……私達が、織斑一夏を……いや、白式を奪い取るぜ?」
「取れればいいね、城の壁を破壊せずに中の人を狙い撃つなんて不可能だけど」
「そりゃあお前の勘違いってこった、まぁせいぜい指を咥えているこったな」
そう言って、彼女は私の傍から離れていく。多分、と言うかなんというか…生徒会長がいるのは彼女も知っているはずなのだが…いや、もしかしたら知らないのかもしれない。
となると、私が助っ人をやらないといけない立場だったりするのかな……
「はぁー……面倒だけど、仕方ないか」
Oを助ければ、それだけ亡国機業そのものも助かる。正確に言うと、OじゃなくてOが乗るであろうISのコアを守る事……なのだが。パイロットも替えがきくわけじゃないし、コアが守れれば大抵パイロットも助かっているので問題は無いだろう。
まったく、実力はあるのにいざと言う時にドジを踏まれて困るのはこっちなのに……
「さて、行きますか……ひとまず、織斑一夏がいる所にOの姿ありとしておこう」
まぁそれに付随して他の専用機持ち全てが着いてくるのだが、それはそれこれはこれだ。それに、カリオストロの性能なら紅椿以外なら恐らく問題ないだろう。紅椿相手では、多少きつい部分があるかもしれないが。
そう考えながら、私は織斑一夏の後を追うのであった。
五十冬の見た目
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黒髪ロング、胸はない
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黒髪で肩までの長さ、胸はない
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茶髪ロング、胸はない
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茶髪で肩までの長さ、胸はない
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なんでもいいけど眼鏡が欲しい