「ん? あの子? あー、今は部屋で寝てるんじゃないかな。主人と一緒に」
どうも、五十冬です。私は今とある屋敷の目の前……というか、凰鈴音が飼われている男の屋敷の前まで来ています。何故こんなところに来ているかと言うと、わざわざ話してやろうと思ったからです。
「ん? 君誰?」
「貴方が飼っている、ドイツの女達と元中国代表候補生を捕獲した者です」
「……あぁ、例の組織の? それで? 何の用だい?」
「いやいや、ただちょっと凰鈴音……いやツインテールの子を呼び出して欲しいんですよ」
「え、二人きりにしろってこと? 君と? 今更返せ、だなんて虫が良すぎるよ?」
「そんな話じゃ無いんですよ、ただ……彼女の未練を断ち切ってやろうと思って。もうどうせ、日本に戻って来れないことだし。何だったら、貴方も一緒にいていいですよ?」
「……何をするかは知らないけど、まぁ一緒にいていいって言うなら、呼び出してあげるよ」
という訳で、サクサクのテンポで呼び出してもらえることになった。因みに、今回は本当に私一人でこの屋敷に来ている。マライアとかには心配されたけど、まず特殊な訓練受けてない限り私に勝てるとは思えないよ。男とか女とか関係なくね。逆に、私の体のことを知っている軍人とかいたら、私勝てないかも。
「あんた……!? 何で……いや、あんたも1枚噛んでたのね」
「あらあら、随分と素晴らしい格好になったご様子で……」
そう言えば、凰鈴音は私が怪しいって言ってただけで直接こういう形で会ったことは無かったっけ? まぁ今となってはどうでもいいことなんだけど。
「……何しに来たのよ」
「んー……凰鈴音さんに、2つのお知らせがあります。いい事と悪いこと、2つあるけど……どっちから聞きたい?」
「は? そんなのに私が応えるとでも……」
「織斑一夏に関することでも?」
「っ!? あんた一夏に何したのよ!!」
おーおー、名前出しただけで物の見事につられてるね。『私は』特に何もしてないのは事実なので、その辺のことをちやんと喋っていこう。
「……いいこと、から」
「じゃあいい方のお知らせから……なんと、織斑一夏はIS学園生徒会長更識楯無とお付き合いを始めましたー、わーぱちぱちー」
「……え?」
凰鈴音の顔が青く染まる。絶対に信じられない、と言った表情にもなっている。まぁ、それも当たり前だろう。自分のいない間に、1組の専用機持ち達ならともかくとして、全く知りもしない女が自分の好きな男を貰っていったというのだから。
「な、何でよ……何を言ってんのよ……」
「言葉通り文字通り……何だったら証拠を見せてあげようか?」
あの生徒会長、セックスさせた時はあまり乗り気ではなかったが……普段からの織斑一夏に対する対応の仕方が、過激すぎたのだ。おかげで、証拠となる映像や写真がザクザク出てきている。
寧ろ、ワイシャツと下着だけで男の部屋にいる時点でもう付き合ってるだろあの二人。
「み、見せてみなさいよ!!」
「じゃあご要望通りに……あぁ、最初に見せるのは写真ね? 映像はちょっと準備するからその間に見てて」
そう言って、封筒にギチギチに詰め込まれた写真を私は渡す。その間に映像の準備と、この女の飼い主を呼ぶ。どうせなら、気持ちよくなりながら未練を断ち切りたいよね。
「う、嘘よ……こんな……」
「本当に嘘だと思ってるー? そもそも、IS学園は君がいない間に学園祭とか色々してたけど……何と言うか、クラス全体で自粛したのは元々あなたがいた2組だけだったよ」
その2組も、マライアが扇動してるせいで凰鈴音という人物を盾にして色々と過激になりかけてきてるっぽいし。
「ぁ……」
「貴方が居なくなってから、織斑一夏はまぁそれはそれは傷心してたよ。周りに迷惑をかけまいと、表面上は何も無い風を装ってたけど……そんな時に、年上の人から甘えさせられたら……まぁ事はトントン拍子で進むよね」
適当なことを伝える。勿論、こんなのは全て嘘だ。だが、話している内容が嘘であっても、物的証拠である写真や映像がある以上、全てが真実となる。
というか、私はしてるのは写真や映像から織斑一夏と生徒会長更識楯無とのラブストーリーを作り上げてるだけだしね。寧ろ、話なんておまけ要素にしか過ぎない。重要なのは『如何に真実味を持たせるか』だ。
「い、一夏は……私を探そうと……してたのよね……?」
「そうだね、してたかもしれないし……してないかもしれない……細かいところまでは、私は把握出来ないよ。まぁ強いて言うなら……学園祭、1組はメイド喫茶をしてたって事かな?」
本来、自分も楽しむはずだった学園祭。しかし、それは叶わずに男たちにひたすら嬲られて今やこうして性奴隷。自分がこうなっているのにも関わらず、知り合いは学園祭を楽しんで生徒会長は織斑一夏と付き合っている。
果たして、凰鈴音の心境や如何に。
「あ、あはは……なんだ……一夏は来ないんだ……」
「……そうだね、私が来てるのは兎も角としても……織斑一夏がここに来てない時点で、彼は全てを投げ打って助けにこれない……自分の身が大事な男なんだから」
正直、我ながら酷いことを言っているだろう。国から止められていれば、誰だって助けになんて来れるわけがない。下手をすれば銃殺なんて言うのもありえる。まぁ、織斑一夏の場合は世界で唯一ISを動かせる男としてのモルモットがいい所かもしれないが。
どちらにせよ、100%来れない状況ではこれるものも来るわけが無いのだ。
「あたし一人で、我慢して……」
「彼一人で気持ちいいことしてるね」
「向こうで楽しくやってて……」
「学園祭もしてるしね」
「そうだよね……そりゃあ、私なんか見向きされるわけ、無いよね……一夏には、箒もいるし……」
ファースト幼馴染篠ノ之箒。セカンド幼馴染である彼女は、ファーストである彼女のことを少し羨ましがっていたようだ。ま、彼が篠ノ之箒を好きでいるかどうかはよく分からないが。
「あたし……もう我慢しなくてもいいよね……」
「そもそも、我慢する必要なんてないよ? 織斑一夏は確かに凰鈴音という人を見限ったかもしれないけど……世界中の誰もがあなたを要らないと言うわけじゃないんだから」
「そんな、訳……あんたの言うことなんて……」
「だって、もしそうなら……今頃貴方は殺されて海に捨てられてるのが精一杯だよ? 色んな男に犯されて……今は一人の男に所有されてる。必要とされてなかったら、こんな待遇受けられないよ 」
物は言いよう言葉は選びよう。奴隷も立場によっては、まだマシだと認識できる。言い方によっては、ただ境遇を受け入れるだけで3食飯付きで気持ちいいことをさせてもらえる。こんないい立場は他にあるだろうか? いや、多分ある。
「あは、あはは……なら……もう考えなくて……いいや……何も、もう……考えたくない、や……」
「もう考えなくていいよ、考える立場じゃないんだから……難しいことなんて何も考えないで、何もかも忘れて……気持ちいいことだけを覚えてたら……人生それで幸せなんだから……ね?」
side鈴
「いやぁ、何したの? あれだけ気丈だったこの子が堕ちてるなんて、よっぽどテクニシャンなの?」
あたしの中に、飼い主の肉棒が入ってる。膣壁を擦られて、あたしはその度に快感を覚えて意識せずに声を出している。気持ちいいことだけを感じて、気持ちいいことを声に表している。
「いえいえ、もうほとんど本人もギリギリだったんですよ。肉体も、心も……ね。行為で堕ちないのなら、堕ちるために必要な別の要因を用意してやればいい……それだけの話ですよ」
何もかもを忘れて、セックスだけの快楽に溺れていく。あたしはもうこれから、何も考えないし他の感情がほとんど必要ない生活へと堕ちていく。怖いといえば嘘になる……が、すぐにでもあたしはこんな現実から目を背けたかったのだ。
「別の要因、かぁ……それはこちらでは到底用意できないものだなぁ。何せ、IS学園には男は入れないんだし」
もうあたしには、何も無い。好きだった人からの愛情も、笑顔も、向けられることはもうない。後悔はない……既に見捨てられているんだったら、初めから助けなんて来ることはありえないのだ。
「ま、何かあったらまた専用機持ちでも非専用機持ちでも教師でも用意してあげますよ」
軽く絶頂を味わい続ける。それ程に、あたしの体が堕ちていることをあたし自身が1番理解していなかった。恐らく、このまま戻っていたとしても……彼とは付き合えたとしてもすぐに別れていたかもしれない。
「おぉ、それはありがたいね」
気持ちいい、きもちいい、キモチイイ……それだけが頭の中で反復されては塗りつぶされていく。気持ちいいという言葉を浮べることさえ、快楽に塗りつぶされていく。
「けど、頼むなら早めにお願いしますね。他にも必要な人いっぱいいるんで」
再びの絶頂、声が出ない。気持ちいい。頭、真っ白。なにか大事な事を、忘れてしまったような……記憶の片隅に捨ててしまった、ような……
「あぁ……分かっている、さ……」
「━━━んひいいいいいい!!!」
絶頂。とてもとても大きな絶頂。あたし、凰鈴音という女にトドメを指すための、絶頂。
「……いやぁ、手伝えてよかったですよ」
「はひ……はへ……」
「あぁまたよろしく頼むよ」
彼女は離れていく。あたしはそれを眺めているだけだった。ご主人様は、あたしをまた犯し始める。あたしはただ、犯される快感に身を落として……それをただ受け入れていくだけなのであった。
side五十冬
この日、凰鈴音は死んだと言っても過言ではないだろう。もう彼女は日本どころか中国に戻ってくることは無いし、戻る気も失せてしまっているだろう。
「ま、二度とそこから出ない事を……おすすめするよ」
そう独り言を呟いて、国際線を開く。相手は、マライアである。用事は全て終わったので、次はIS学園の方に目を向けるだけだ。
「もしもしマライア」
『お姉様! どうされましたか!?』
「頑張ってね、レースあるんでしよ? それじゃ」
それだけ伝えて、通話を切る。これでいい、これだけでいい……マライアは今のだけで、レースで1番になるまでは練習に練習を重ねていくだろう。
「……さて、帰ろっと」
これが、私の凰鈴音の最後の出会いだった。夏休みで遊んでいた時から一転、今では一人の男に尽くす肉奴隷である。けれど、彼女はそれで満足しているだろう。何せ、もうあれ以上失うものは何も無いのだから。
「……あそこまで堕ちたら、人間失格だね。くわばらくわばら……」
私は今はまだあそこまで堕ちるつもりは無い……やる事やったら、あとはもう成り行きに任せるしかない。その先に何があるのか……それの予想なんて言うのもすること無く、根無し草のように全てを成り行きに従っていく。
「じゃあね、凰鈴音。私はこれからも『人間』として生きていくから」
そのセリフを最後に、私は正真正銘その場から離れていくのであった。
五十冬の見た目
-
黒髪ロング、胸はない
-
黒髪で肩までの長さ、胸はない
-
茶髪ロング、胸はない
-
茶髪で肩までの長さ、胸はない
-
なんでもいいけど眼鏡が欲しい