※この作品はR-18です。

復讐の機装少女   作:長之助

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少女一勝

「さぁて、エネルギーが回復したところで……いだいっ!!」

 

 カリオストロの謎パワーによって、シールドのエネルギーが回復した私。しかし、その直後に私は白い機体にその身を斬られていた。確かにシールドエネルギーは回復したが、このままではまた同じことの繰り返しになってしまうだろう。

 

「ぐっ……なら、逃がさない迄!!」

 

 武器である剣を掴んで、ほんの一瞬だけ拘束する。機械である以上、やることは最高効率の動きである。つまり、掴まれたとしても即座に話してしまう可能性が非常に高かった。だが、それでも一瞬のラグは生じる。掴まれてから、判断するまでの時間……機械であろうと人間であろうと、その判断を摂るための思考がほんの一瞬だけ使われる。

 

「私、別にこんな趣味ないけどね……!」

 

 がっちりと、その一瞬の隙をついて体全体を私が抱きついて拘束する。こんな事をしてしまえば、本来ならば一切の攻撃が出来ないのであまり宜しくない戦法ではある。

 けれど、今使っているのはIS……それも相手の武装をコピーする猿真似ISである。

 

「ほーら、ビットのお時間だ」

 

 抜け出そうともがく白い機体に対して、私は間髪入れずにブルーティアーズのビット、それにマライアが使っているソードビットを合わせる。

 つまりは、遠隔操縦武装による集中攻撃。相手のシールドエネルギーはガンガンに浪費されていることだろう。完全になくなった時、それが決着のときである。

 

「ふふふふ……」

 

 ソードビットが相手に向かって飛んでいき、シールドに弾かれて少しの間操縦が不可能となって落ちていく。エネルギーを浪費するが、確実に遠隔操作が可能なセシリアのビームビット。背中にレーザーが当たろうとしては、エネルギーがその攻撃を防ぐせいで、ほんの少し拡散されては消えていくの繰り返しである。

 

「って、言ったけど……きついわこれ……!」

 

 五十冬はきついと言っているが、当たり前の話なのだ。ISによる負荷があるとはいえ、少女1人で人口知能を載せたISを抑えているのだから。下手したら単純な腕力でも負けている可能性があるのだ。

 

「ついでにこのまま……!」

 

 攻撃を続行しながら、私は速度を全開にして上に向かってすごく高い位置まで飛んでいく。Gが凄まじいが、しかし酸素ギリギリまでのところまで上がってこれた。

 

「……よし、止まったな」

 

 白い機体はいつの間にか動かなくなっていた。自爆装置があったら不味かったが、どうやらただエネルギーが尽きただけのようだ。いやぁ、自爆されてたらさすがの私も死んでたよこの体勢だと。

 

「ほーら、白と黒なんだから二人一緒にいなよ……って!!」

 

 そして、そんな酸素ギリギリまでのところから私はUターンして……あの黒い機体目掛けて超高速で落下していく。重力の影響もあり、そして私のそもそもの加速もあって、恐らく人類が生身で到達することは無いであろう早さに突入する。

 紅椿より早いと自負し始めてるくらいには早い。さて、このまま黒い機体諸共海の藻屑になってもらいましょうか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 side楯無

 

「はぁ、はぁ……」

 

 私は相変わらず目の前の黒い機体に翻弄されていた。ほとんど動いていないにもかかわらず、体ごとを向きを変えるなどして私の対して常に正面を向いているこの機体は、私も骨が折れていた。

 

「くっ……」

 

 それでも、攻略法は見つかった。確かに、ある程度近づいた瞬間に狙い撃ちにされるものの、四方八方から同時に攻撃をかける……そうすれば、防御が追いつかなくなってある程度のダメージは与えられる。けれど、それは私も傷つける捨て身の方法……

 

「でも、やるしか……」

 

「━━━━━━━!!!」

 

 どこからか、叫び声のようなものが聞こえてきた気がした。けれど、聞こえるとしたらそれは……鬼村五十冬、彼女のものだけのはず。けど、私がそれを聞こえたと認識したのは上から……仮に上にいたとしても、姿が見えないほど上に行っている訳が無い……そうおもっていた。

 

「……えっ?」

 

「どいてぇぇぇぇえええええええ!!!!」

 

 確かに、上から降ってきたのだ。ISとは思えない……恐らく落下速度なども含めた、加速によってあそこまでの速度を出しているのだと思うが……けれど、よく見ればもうひとつの方である白い機体を彼女は掴んでいた。

 

「ちょっ!? 何を━━━」

 

「どっ━━━━」

 

 そのままの勢いで激突する白と黒。しかしそれでは飽きたら無いのか、彼女はそのままの加速のまま一気に海へと直進していく。予め言っておくけど、ISは別に水中戦に向いていないという訳では無い。けれど、着水するのはまた別……あれだけの速度をまとって水面に激突すれば、それだけで人体は文字通りバラバラになる。ISと言えど、そのダメージは計り知れないはず。

 

「━━━せぇぇぇぇええええええええええええいっっっっっっっっっっっっ!!!!!!!!!!」

 

 盛大な掛け声とともに、彼女は水面へと激突……する寸前に、白い機体を離して叩きつけていた。そのまま彼女自身は無理やりカーブをかけて、水面ギリギリをその速度のまま飛行していた。しかし、やはり制御が効かなかったのか、そのまま水面に打ち付けられていた。

 

「あっぶぇ……!!!」

 

「……今、ここで……」

 

 私の脳内に、1つの嫌な感情が芽生えていた。『あの女をここで始末しろ』という思いが鎌首をもたげていた。彼女は、おそらくエネルギーを使い果たしているだろう。なればこそ……相打ち覚悟でなら倒せるのではないか、と。

 

「……卑怯、ね」

 

 自分でも嫌気がさす。捕まえるのではなく、殺すことを考えてしまっているのだから。でも、殺すのは私自身にも……彼女自身にも駄目な話だ。彼女には、きっちり罪を償ってもらわなければならない。

 

「妥協案よ、更識楯無……今ここで、彼女を捕まえる」

 

 それで私の欲望を無理やり納得させる。でなければ、本当に抑えきれなくなりそうだった。彼女を捕まえる、今私がするべきことはそれだけだ。

 

「……行くわよっ……!」

 

「ぶはっ!! んぇ?」

 

 間抜けな声を上げる彼女。水面に激突し、水面をはねる石の如く弾かれていき、少しの間水に浸かっていた。起き上がったのが、私が槍を振り下ろす寸前だった。

 

「━━━は(・)い(・)は(・)い(・)、(・)そ(・)う(・)し(・)た(・)く(・)な(・)る(・)の(・)も(・)分(・)か(・)り(・)ま(・)す(・)よ(・)」

 

「……え?」

 

「っていうか、助けを求めたのは私ですけどね? 誰のおかげで学園に違和感なく潜り込めてるって思ってます?」

 

 後ろにいた。先程まで水の中にいた筈の彼女の姿が……私の後ろにあった。この超速度、まるで先程の白い機体の様な……

 

「くっ……!」

 

「IS、ミステリアスレディ……水を操ると言っても過言ではないIS。海の真上なんていう絶好のシチュエーション。私をしとめたくなるのもわかりますよ? せっかくの機会ですもんね」

 

 振り向きざまの一閃……けれど、その攻撃は届く前に彼女の砲撃で破壊されていた。これは、先程の黒い機体の……まさか、武装を……

 

「私と一緒にいる時は、基本ISは使えませんもんね。私が預かってますし……でも、忘れてません? ISは所詮兵器、学生にも扱えるようにしてあるとは言っても、本質は兵器」

 

「……何が言いたいわけ?」

 

「結局、どれだけ強い武装を整えているかが勝負の分かれ目なんですよ」

 

「……使い手次第、とも取れるけど?」

 

「使い手がいても、兵器を奪われてちゃあただの人間。改造人間じゃない限り、限界がある。それに、言ったでしょ? ISは兵器……やろうと思えば……こんなことだって出来る」

 

「……っ!? ミステリアスレディ!?」

 

 突然、私のISが光を放ち始めた。そして、そのアーマーが段々と剥がれていき……私はISスーツ1枚のみの姿となっていた。

 

「なん、で……!?」

 

 落下していきながら、私はその言葉を呟く。けれど、その理由を答える前に私は水面に叩きつけられて……意識を失ってしまうのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 side五十冬

 

「……さて、意外といけるもんだね」

 

『五十冬、調子はどう?』

 

「S……じゃなかったスコール、いやぁ……丁度いいよ」

 

 Sと言った瞬間、溜息を吐かれた。しょうがないからスコールって呼ぶことにする。コードネームのコードネーム呼びに関しては、あまり好みでなかったのだろうか? 前はそんなこともなかったと思うのだけど……更識楯無にバレたからか? 

 

『ふふ、貴方達が撮った写真……あれをロシア政府に送って、ある条件を飲ませる。それがこうも上手くいくとはね』

 

「各国政府に秘密裏に見せた、代表または代表候補生の痴態……それがIS学園の不信となって、私達に繋がっていくなんてね」

 

『その内の一つ、ISの仮使用許可……ロシア代表は知らなかったようだけど、あの子既にISを使う権利をほぼ失っているのよね』

 

「それを、逆に使えるようにしておく代わりに、いつでも停止させられる権利を、私たちに譲る……それがロシア代表の痴態なんかをバラさない代わりに、私達が与えられたもの」

 

 ま、これを作ってくれた人も自分達の国が他の国と同じように浮いた存在にされるのが嫌だったのだろう。いくら面積の広いロシアと言えども、まだ残っている他の国からの攻撃を受けてしまえば、一溜りもない。

 

「けど、よくこんなのを私達のために作ったよね」

 

『ロシアは更識楯無を切るつもりなのよ、それを私達が繋ぎ止めてる状態』

 

「薄情な事で……」

 

『しょうがないわよ、国の代表なのに勝手なことをする彼女が悪いもの』

 

 IS学園はどの国にも属さない。属さないからこそ、立場や身分などは一切関係なくなる。けれど、学園内で関係なくなるだけでその行動には常に責任が伴う。

 総理大臣が、お忍びで別の国に行ったとして……では犯罪以外のことをしても問題ないと言えるか? 答えはNOだ。たとえYesだったとしても、一般人はそれを許さない。

 

「ま、そういう事だね」

 

『早く助けてあげなさい、微力ながら私たちの資金源になってもらうんだから』

 

「へいへい、売り捌きますよっと」

 

 生徒会長、売るよ! って言いたい訳では無いが……いや、しかしあながち間違いではないのか。

 

『ところで、貴方エネルギーをどうやって回復させたのかしら?』

 

「なんかISに触ってたら、カリオストロが勝手にエネルギー吸い始めてた」

 

『末恐ろしいわね、触られてるだけで相手を無力化できるなんて』

 

「触れることなんてめったにないけど……って、今の会話で通話切るのか……」

 

 まさか、今の流れで唐突に通信を切られると思わなかった。いや、切らないといけない自体になったのだろうか? どちらにせよ、無駄話を切り上げられて助かった。

 

「ま、いいや……さっさと助けてあげよう」

 

 権利は、私のモノ。使うも消すも……ね。ミステリアスレディは、私でも扱えるようにしてある。なら、これを使ってIS学園まで戻るとしよう。

 って思ったけど……エネルギー的に飛べるのだろうか……? ま、きっと何とかなるだろう。

 私はそう思いながら、更識楯無を海面から引き上げたのであった。

五十冬の見た目

  • 黒髪ロング、胸はない
  • 黒髪で肩までの長さ、胸はない
  • 茶髪ロング、胸はない
  • 茶髪で肩までの長さ、胸はない
  • なんでもいいけど眼鏡が欲しい
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