さて、私こと鬼村五十冬はとある事業を始めた。ネットを介しての、お仕事である。無論使っているパソコンは遠隔で操作しており、使っている部屋もちゃんと偽の部屋である。
というのも、行っていることが法律上では完全な違反行為である。バレて警察でも来たら、簡単に捨てれるような部屋でないといけない。因みに行っていることは未成年女子高生による身売りである。
「さて、更識楯無生徒会長様。今日から仕事に行ってもらいますよ」
「……本気、なのね」
「テロリスト相手に何を言ってるのやら? 今日のお相手は……お、やったね! 相手は男子高校生だ!」
「なっ……!? 未成年が相手だなんて……!?」
「え、別に私成人男性だけが相手だとは言ってないけど?」
「っ……!」
「安心しなさいな、中高生でも安心して使えるように会員登録は無料で行えるよ」
多分そっちじゃないとか突っ込まれそうだが、私はそれをガン無視する権利がある。というか、法を逸脱した奴に法を説くのってどんな気分でやってるのだろうか? 私は、とてもアホだと思います。
「こんな事に、子供を巻き込むなんて……」
「子供? 中学生ならいざ知らず、男子高校生なんて私達とほとんど変わらんじゃん。特に男子高校生の性欲ってやばいらしいからさ、まぁ妊娠しないことを祈るんだね」
「……避妊は、させないの?」
「え? そりゃあ向こうの良心に任せるしかないけど? 高校生がコンドームなんてものを、買おうと思っているのかは知らないけど」
第一、仮に私に決定権があるとして私がつけさせると思っているのだろうか? 安心材料を、付けるとでも思っているのだろうか? そんなものを、付けさせるはずがなかろうに。寧ろ、人によって変わってくる方がまだ救いはあるかもしれない。
「っ……」
「ていうかさ、自分の事をお姉さんお姉さん言うんだったら、リードしてあげてよね? 私、仕事を斡旋するだけで基本貴方の傍に寄る気は一切無いんだから」
「分かってるわよ……」
果たしてこの女は本当に分かっているのだろうか? しかし、男ウケする体をしているのは明白なので、そのまま行かせて十分問題は無いだろう。当たり前の話だが、IS学園の制服は勿論脱いでもらう。
「ほらほら、住所貼り付けてやったからさっさと行った行った。そんな離れた場所じゃないしスグ着くんだから」
「……分かってるわよ」
悔しそうに表情を歪ませるも、すぐに悲しげな顔となって更識楯無は、その場を後にした。しかし、私はその後すぐに向かう場所を調べていた。少し気になったところがあるのだ。
住所で検索したまではいいのだが、住所のある場所が古い学校が立っている場所となっている。いや、今でも何百人何千人もの生徒が通う学校ではあるのだが、なぜ住所にここを指定したのかは全くわからないのだ。
「……あ、この学校……」
そして、私はとある情報にたどり着いた。その学校の評判である。端的に言うのならば、評価はとても悪い。レビューがあるんだったら1を切っている程度でかなり評価は悪い。
というのも、この学校とんでもなく悪い生徒ばかりなのだ。ISなどがほとんど浸透していない田舎であるにも関わらず、ここにも女尊男卑の世界が成り立っている。まぁ、要するに女たちの鬱憤ばらしのために逆らえない他の女を使おうとしているという話である。
「……これ、下手したら生徒会長帰ってこない可能性あるな……」
それは少しまずい。今の段階で更識楯無が行方不明になるのは非常にまずい。かといって、私が行けば何かしらのセンサーに引っかかる可能性がある。IS学園に見つかるのは、とんでもなく面倒なのでならべく避けていきたい所である。
「……ま、なるようになるって祈っておくしかないか 」
例え行方不明になったとしても、その時はそのときで対処するしかねぇのだ。私はなるべくISを使わない方針を立てているのだから。
side楯無
「……ここ、かしら……?」
私が訪れた場所は、随分と古い風貌の学校だった。時代が切り抜かれて、ここだけ30~40年ほど遡ったのではないかとさえ思える。
「……こんな、古い学校に呼び出しだなんて……私、まともに帰れるかしら」
自分のために言った皮肉だが、思いの外自分の心に突き刺さっていて、ついため息を吐いた。しかし、ここでバックれるわけにはいかない。そもそも、バックれたところで自分に一体何ができるのか。
何をどうしたのかは知らないが、自分のISミステリアスレディは制御権のようなものが鬼村五十冬にある。彼女の意思1つで操れるようになってしまっているのだ。
「……それにしても、人気がないわね」
古い学校とはいえ、そこまで過疎化しているようなところでは無い。ここまで人気がいなくなっているのは、何か理由があるのだろうかとつい訝しんでいた。
「……向かうしか、ないわね」
幸いというかなんというか、あまり広い学校ではないので虱潰しに探すことが可能である。可能なだけで、時間がかかるのは明白ではあるが……やるしか無いだろう。今すぐ帰ってしまったら、バレかねないのだから。そうなった場合……
「簪ちゃんが標的に……」
私としては、それは何としてでも避けたい事態である。けれど、一体全体どうしたら簪ちゃんが完全に狙われなくなるのかが私には分からない。標的にされた時点で、やはり終わりなのだろうか。
「……余計なことは、考えずに行きましょうか」
私は頭を振り切って、再び歩いていく。ある程度進んだところで、どこかから声が聞こえてきていた。私はすぐさま音の出処に目星をつけて、目当ての教室に耳を押し当てる。
「━━━へへ、初めからこうすりゃあ良かったじゃん」
「いや! 辞めて!!」
教室から聞こえてくるのは女の子の声、そしてその声の持ち主を脅迫してると思わせている男の子の声が聞こえてきた。腐っても高校生、性欲が旺盛だと彼女もそういえば言っていた。
「失礼するわよ」
「お? きたきた……あんたがIS学園のお姉さん?」
「貴方……その子をどうしようとしてたの?」
男の子の傍には、服がはだけた女の子。よく見れば、制服のボタンは弾けており、無理やり脱がされたのは明白である。しかし、男の子は一切悪びれもせずに、私に近寄ってくる。
「やだなぁ、クラスメイト同士で交流を深めようとしていただけですよ。お姉さんも交じるんでしょ?」
「……私は、無関係の子を巻き込む趣味はないわ」
「つってももうここまで来たしなぁ、やるしかないっしょ」
「貴方達……退学になるわよ?」
「別にいーよ、男ってだけで濡れ衣着せられたり点数下げられたりしてんだしな」
「そうそう、20〜30の女くらいだぜ? あぁやって自分たちが上に立ってるとかって思い込んでるの」
……相当拗らせているわね。1部とはいえ、確かにISの登場によって自分たちに絶対的な正義があると思い込む女性が増えた。それによって、男性が意味の無いいじめを受けたり冤罪を受けたりしているのも事実。
「それでも、その子は関係ないでしょ?」
「いーや、関係あるね。教師の言うこと真に受けて、自分たちにも力があると思い込んでるこいつらに、現実見せてやんねぇと」
「犯罪よ?」
「いーよ、やってないことで捕まるくらいならやって捕まるほうがいいじゃん」
聞く耳は、持ってもらえない……仕方ない、流石に目の前で起きていることを無視できるほど、私は馬鹿ではないし見過ごすほど正義感が枯れている訳でもない。
「ちょっとだけ……お仕置きするわよ……!」
私はミステリアスレディを部分展開する。とは言っても、ナノマシンを使って水を被らせる程度だけど……武装なんて使えるわけが無い。
「な、なんだコイツ!? 水操ってんぞ!?」
「はいはい、痛い目を見たくなかったら警察に自首しなさい……っ!?」
突然、私が操っていた水が私の意志とは無関係に動き始める。まるで意思があるかのように、私の体に巻きついていく。引っぺがそうにも、ミステリアスレディの展開が出来なくなっている。
これは、まさか……
「はーい、大切なお客さんに手を出すのはダメよー」
「鬼村、五十冬……んぶぐっ!?」
「あ、あんたこの女の仲間か!?」
「いやいや、私はコイツの敵よ。因みにこの女はIS持ちでさ、水をなんやかんやして操れる力を持ってるIS何だよね。ま、今は私が制御してるから無害よ」
私は彼女の操る水によって口を塞がれていた。まさか、ここまでついてくるなんて思いもよらなかった……一体なんのために……
「にしても君達結構ハッスルするねぇ……あ、その子も巻き込んでいいよ」
「ひっ!?」
鬼村五十冬の言葉で、被害者の女の子が悲鳴に近い声を上げる。私が助けたいが、動こうとする度に体に水がくい込んでくる。我ながら、こんな特殊な水を使っていたのかと感心したくなる。
「マジで? いいの?」
「何だったら、あんた達が憎いって思ってる女たち皆捕まえてあげるよ……ま、大事にならない程度に、だけどさ。ただし、一つだけ条件がある」
「何、条件って」
「自分の事を強いと勘違いしてる女限定」
「え、そんなんでいいの? そんなんでいいなら、俺らの学校そんな奴ばっかだぜ?」
「マジで? この学校終わってんな」
調子を合わせるかのように、鬼村五十冬は男の子達と似たような口調にしていた。それでより親近感を覚えたのか、男の子達は盛り上がり始めていた。
「まだ残ってるやつもいるだろうし、呼んでこよーぜ」
「だな! 呼ぼうぜ!!」
そう言って、1人が教室から出ていく。残されたのは女が3人……被害者の女の子と、私と……鬼村五十冬である。
「さて……」
「あ、貴方女の癖に男の味方につくの!?」
「あれ、なんだまだそんな口聞けるんだ? 随分と余裕あるね……明日からまともな人生歩めなくなるようにしていい?」
「え……?」
サラッと言われた言葉。その言葉に彼女は顔を青くして言葉をなくしていた。色々起こりすぎて、感情が抑えきれなくなっているようだ。
「ま……君ら2人がまずは生贄かなぁ? 偶然巻き込まれたみたいだけど、自分の今までの行いを反省しておくことだね。まぁ反省したところでもうこの学校の男たちは女を許すわけないと思うけど?」
「い、いや……」
「その子は……その子だけは……」
「あれー? 生徒会長、この子関係ないのに助けるんですかー?」
茶化しながら鬼村五十冬はケラケラと笑っていた。愛想笑いじゃない、本当の笑い方のように私は思えた。異常だ、私の直感が感じとっていた。この鬼村五十冬という女性は、異常者だ……と。
「私ねー、嫌いなんですよ」
「……え?」
「こういう……自分の力でもないのに無駄に偉そうにする奴って。この社会にいる女達が、大体嫌いなんですよ。殺したいくらい」
「……そういう、貴方はどうなの?」
「私? 私は別ですよ?」
自分の事を棚に上げて、他人のことだけを許さない……そういう類なのかと私は思った。だが、違っていた。
「━━━そういう女達と、元凶が痛い目を見たら私も同じところまで堕ちるつもりですし」
「え……」
「あぁ、もっとひどい所まで堕ちてもいいかもしれないですね」
「……あなた、何を……」
「業は背負っちゃってるんですよ、私は私の復讐が終わったらそのまま社会に消えますよ。それが出来ないくらいなら、ハナからこんなことしてませんし」
何を言ってるのか理解できない。自分のことを大切に思っていないのか、それともそういう趣味なのか。余りの異常性に脳が追いついていなかった。
「あぁ、簡単には死なないようにしますよ。私がたくさん苦しめるようにしとかないといけませんし……あ、一応生きてる前提で話してますけど、死んでる可能性もありますよ?」
「……貴方は、自分の事をどう思ってるの?」
「人を殺してるんですし、死んでもいい人間じゃないんですか? というか、私の事心配してる暇あります?」
「え?」
「団体のお客様のご到着ですよ」
気がつけば、教室の外からは大量の足音が響いていた。私達は……もう逃げられないところまで来ているのであった。
頭がおかしいやつの書き方を知りたい
五十冬の見た目
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黒髪ロング、胸はない
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黒髪で肩までの長さ、胸はない
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茶髪ロング、胸はない
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茶髪で肩までの長さ、胸はない
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なんでもいいけど眼鏡が欲しい