side簪
専用機持ちタッグトーナメント。過去に起こった敵機の襲来、それが何度か起こったので特訓という名目で皆のレベルを上げていこうっていう大会……専用機を持ってる私も、もちろん参戦する。
私は、マライアと組むことになった……今日はお姉ちゃんを倒す……そう覚悟してきたんだから。私一人では組めなかった、けどみんな手伝ってくれて出来上がったこの機体で……打鉄越式で、ミステリアスレディを撃破する……今の私の目標は、それ。
今私達は、ピットで待機している。理由としては、各ペアは同ピットで一緒にいないといけないから。
「……調子はどう?」
「バッチリ……緊張は、してるけど」
マライアが話しかけてくれる。私はそれに答えるけど……ちょっとだけ嘘ついてる。調子はバッチリじゃない、むしろ不安定。でも、それは今からお姉ちゃんと戦うっていう過度な緊張感がそうさせてるだけ。
「……お姉様は、今回は来れない」
「分かってる」
「だから、問題が起きても来ることができない」
「……問題?」
「前にねぇ、お姉様言ってたのよ……『変なISと戦った』って……あぁ打鉄越式の材料に使われたISね。あれ、私達が出したものじゃないらしくて……」
「……確か、未登録のコアだったって」
私が聞いたのは、五十冬が戦った後に引きずり挙げられたISのコア……それはどこにも登録されていない未知のコアだったって事くらい。でも、考えてみればおかしな話……だって未登録って事は今まで誰も発見できなかったってこと。
それを国に見つからず動かすことなんてできるはずがないし……あるとすれば、新造されたものということでしかない。
「そう、未登録……つまり新しく作られたかもしれないコアってこと」
「でも、そうなると……」
ISのコアを作れるのは、ISを作りあげた張本人である篠ノ之束ただ1人だけ。けど、彼女は織斑一夏と織斑千冬の2人と仲がいいし、妹もいるIS学園にテロまがいのことをしてきたかもしれないのだ。
流石に、幾らなんでもそこまでしてやる意味が私にはわからなかった。仲云々以前に、死んでいたかもしれないのに。
「……やるメリットが、全くわからない」
「多分、あれは天才とキチガイの2つを兼ね備えた何かなのかもね」
確かに、五十冬が言うには10年前の白騎士事件も篠ノ之束が起こしたって言ってた。日本が亡びるかもしれないのに、全世界のミサイルをハッキングすることによって発射させてそれを白騎士が全部撃ち落とす……要するにマッチポンプな訳だけど、それを篠ノ之束は行ったかもしれないのだ。
「お姉様は言ってたわ……自分のためなら、身内の命すらも簡単に捨てることが出来る倫理観の持ち主、しかも殺すつもりだった相手が身内だったら何事も無かったかのように話しかけていくタイプだって」
私も噂程度だったけど、随分と自由奔放な人だったって聞いた。けど、自由奔放って言うだけで一学期の無人機の事件も臨海学校の時も五十冬が出会った事件も……全部ISが絡んでる。しかも、もれなく全部無人機が暴走しているもの。
「……サイコパス、なのかな」
「私も同じこと思ってるし、お姉様に至ってはあれと深い関わりを持つ織斑千冬と織斑一夏も傾向としては危ないかもしれない……って言ってた」
篠ノ之束はサイコパスかも知らないけど、その2人が同じようなサイコパスという可能性はあまり信憑性はないだろう。そもそも、同じようなサイコパスだったら多分今頃IS学園にいられるとはとても思えないのだ。
「……そう」
「ま、あんまり関係ないけれどね……今はタッグマッチに━━━」
マライアが未だセリフ途中の中で、突如大きな爆発音がアリーナに響いていた。私もマライアも、一気にスイッチを切り替えてことに当たろうと動き始める。
「何今の音……」
「わからない……けど、出ないと」
この反応的に、多分亡国機業は一切関係のないISなのかもしれない。けど、だからといって止めない理由にはならない。それはマライアも同じみたいで、ISの調整もそこそこにして向かう気満々であった。
「まったく……下手にIS出すとウチが疑われるんだから、篠ノ之束にはIS作るのを辞めて欲しいよほんと……できたら苦労はしないんだけど」
愚痴を言っても始まらない、私達はそのまま爆音が響いた場所にまで、ISを展開してから向かうのだった。
「……前に来た無人機……ううん、あれの発展機かも」
「発展機、ねぇ……私は1年の後半に転校してきたから分からないけど……うん、あれは趣味が悪い」
来たのは合計7機らしい。うち5機は同型……確か、ゴーレムだったっけ……あれが強化されたって感じ……女性のマネキンを乗せてるみたいな、はっきり言えば無機質で『怖い』機体。その内の1機が私たちの元に来てた。
「……腕がやばそう」
「同意、あれはやばい」
右腕、肘から先が巨大なブレードになってる。反対に左腕は巨大になっているけど代わりに、超高密度圧縮熱線を放つ砲口が4つついてた。
「……で、あれは?」
ゴーレムが元になっているのか、はたまた逆なのかはわからないけど……私たちの元に来たのはもう一機いた。赤い機体、赤椿よりかは深い紅ではないけれどそれでも赤い。
両腕が大きく出ており、脚部よりも長いのか多関節上になっていた。しかし、長さと大きさがある分それがいかに凶悪なものなのかは雰囲気だけでも伝わるくらい。
「……あの腕以前に、私達結構危ない目に遭うかもね」
「それって、どう言う……」
「ん」
そう言ってマライアはモニターが見えるであろう場所を指さしていた。私もモニターを開いて確認する……すると。
『敵ISの腕部から未知のエネルギー放出を確認、シールドバリアー展開に障害が発生しています』
「これって……!?」
「ISのシールドが役に立ってない……今から受ける攻撃、全部まともに体にダメージが行くって考えた方がいいよ」
ゾッとする……これが本当に篠ノ之束が作ったものだと考えたら、本当に何を考えているのかわからない。ISを倒すためのISだなんて、一体どうしたら思いつくのか。
「さて……本当に辛いのは、これからだよ」
……私達の、辛い戦いが今始まろうとしていた。
side五十冬
「━━━対IS用IS、って感じ? 随分とまぁ……」
IS学園の前、私はそこにいた。理由としては、ちょっとだけ簪が気になったからなのだけど……結果としては、無駄に巻き込まれてしまったと言うだけである。
「……回りくどい、面倒臭い……気が変わって様子なんて見にこなかったらよかった」
向かい合っているISは、じっと私を見ていた。ISを展開していない私は敵じゃないと認識しているのか、はたまた……敵であるが故に待ってくれているのか。
「……本当に、性格が悪い」
自分のことは言えない。けれど、これを作ったやつの性格の悪さは分かってる。だから、早くさっさと倒しちゃって終わりにしたい。
というか、これゴーレムだよね……あともう一機は分からないけど……
「……にしても、でかい」
目の前にいるのはゴーレムと、そのゴーレムよりも大きな機体。最早出てくる世界を間違えたんじゃないか、ってくらいごついISが私の前にいた。武装だと言うのは理解はできるが、早期決戦の多対戦が目的としか思えない武装の重さをしていた。でかいし。後機体は赤紫色みたいな色をしていた。
「……カリオストロで触れられればいいけど……」
仮にどちらかに触れることが出来たとして、先に触れるとしたらゴーレムからだろう。もうひとつのごつい方なんて、近づいたら一気に殺されかねない。
「……戻ろうとして背中向けた瞬間、殺される可能性もあるからなぁ……仕方ない、やるか」
カリオストロを展開する私。そして、展開し終わると同時に赤紫色の装甲が一斉に開いていく。嫌な予感しかしない。
「……嘘でしょ……!?」
そして、開き終わった瞬間に開いた装甲の中からビームが放たれる。しかも、よりにもよって偏向光線……つまりは途中で曲がってくるビームだと言うのが厄介さをさらにあげる。
「こんなの、やってられない……!」
舌打ちをする私だったけど、そんなことをしても攻撃回避が出来るわけじゃなく……私の体の中心、それ目掛けて熱線が迫ってくるのであった。
side簪
「簪! まだ!?」
私はマライアに急かされてた。あのIS達の攻撃パターン、というか大まかな攻撃方法を覚えさせていたからだ。どんなISであっても、その機体の攻撃範囲というのはだいたい決まっている。それが分かれば、私のISは完全に無敵になる。
「……大丈夫、もうあと少し……!」
「くっ……!」
マライアの防御能力を当てにしたとしても、後1分も持たないだろう。頭を回せ、冷静になれ、最適な行動を取れ。私が出来うる限りの最大限を、冷静に行え。
スーッと頭が冷えていくのを感じながら、私はキーボードを叩いていく。音が遥か遠くに聞こえる、感覚は鋭敏になっていく、呼吸の音だけが頭の中に響く。
「━━━終わり、もういいよ」
「お疲れ様! あとは任せた!!」
一旦引くマライア。2機の猛攻を盾1つでよく凌いでたと思う。普段の私なら、前までの私なら絶対にそんなことはしてなかった。きっと、怯えながら腰を抜かしてたと思う。
「けど、今の私なら……」
赤いやつの両手、ゴーレムの巨腕から放たれる熱光線。それらが全て私に襲いかかる……が、それは簡単に防がれる。いや、私が防いだのだ。打鉄越式の力の1端、それを今起動させたのだ。
「完全防御機構『PERFECT・ATTAC・CANCEL』……縮めて『P・A・C』……この防御機構の前には、どんな攻撃も歯が立たない」
「……いやいや、エネルギーシールド……は今無効化されてるんだっけ」
「うん……だからこそ、余計に輝く。空気中に散布されたナノマシン一つ一つが、ビームを出すことで強固なシールドを即座に生み出すシステム」
攻撃パターンを読んで、範囲を知らないといけないのはこの武装があるせいである。攻撃によっては、防御範囲を広げなければならないのと……ナノマシンに、武装を瞬時に把握させなければならないからだ。
「……絶対に突破はできない」
私は立っているだけでいい。相手がどんな攻撃をしようとも、全て封じてしまうからだ。そして、攻撃方法は……今回は武装の一つだけでいい、瞬時に終わらせられるから。
「貴方達に使う武装は、この1つでいい……高速飛行砲口『ガラティーン』自立飛行して、まるでビットのように機能してるキャノンは自動で相手を追跡して……高熱の太いビームによって相手を溶かしきる……無人機用と言っても過言じゃない兵装」
高音なんてもんじゃない、ビームは本来超高熱。それをかなり太くしてるから……人一人殺すのがかなり容易。滅多な事じゃ人に使うことはないと思うけど……無人機相手なら、容赦はいらない。
私は命令を出して、その2機に向けて熱線を放たせた。
「……これから、ここからだよ。私達の反撃は……」
熱線に焼かれた2機の爆発を見ながら、私はそう宣言するのであった。
ゴーレム以外の敵機はギアスのガウェインと紅蓮とランスロットとモルドレッドモチーフです。
五十冬の見た目
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黒髪ロング、胸はない
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黒髪で肩までの長さ、胸はない
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茶髪ロング、胸はない
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茶髪で肩までの長さ、胸はない
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なんでもいいけど眼鏡が欲しい