※この作品はR-18です。

復讐の機装少女   作:長之助

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少女交代

 side? 

 

 ゴーレム襲撃事件から数日経ったある日の事。全校生徒は集会として集められていた。無論、教師達もなにも知らされていない。そうなれば当たり前の話だが、生徒達も何も知らない……少なくとも、今壇上にいる生徒達を除けば、だが。

 

「……何だ、これ……?」

 

 この学校唯一の男である織斑一夏、彼もまた困惑しながらもこの周会に集まっていた。しかし、彼は妙に嫌な予感がしていた。まるで、知らない間になにか大切なものを無くしてしまったかのように。

 

「……生徒会長から、挨拶があります」

 

 そう読み上げたのは、2組の専用機持ちであるマライア。それだけで会場はどよめいていた。何故ならば、彼女は別段生徒会メンバーでもなければ身内がいるという話もないからだ。

 かと言って、つい最近こちらにやって来たのだから代理を任せられるほどの友人関係を生徒会と築けているとも思えない。だからこそ、場は混乱していた。

 そして、少し大人しめな足音ともに……壇上には『更識簪』が立っていた。それにより、会場はさらに困惑が拡がっていた。

 

「━━━静粛にお願いします」

 

 簪のその一言により、場が静まりかえる。その目には、確かな覚悟と決意がみなぎっているように感じられたからだ。

 

「……前生徒会長更識楯無は、この学校から去りました。まず理由として、彼女はロシア代表の座を降ろされたからです」

 

 また、どよめきが拡がっていく。だが簪はそれを静かにはさせずそのまま語り始めていく。

 

「ロシア代表を剥奪されたからといって、生徒会長を下ろされる訳では無い……しかし、彼女は『専用機を使っている』状態で私に負けました。つまり、私が更識楯無を倒した……という事になります」

 

「証拠の映像もございますので、確認したい方は生徒会室までこの後お願い致します」

 

 マライアの一言が添えられる。聞こえているのか聞こえていないのかは関係なく、言うことこそが目的なのだから。

 

「……とは言っても、ほとんど前と変わりません私が更識楯無を倒したのは、学園の乗っ取りを計画していた……という訳では無いのですから」

 

「━━━じゃあ、なんのために?」

 

 その一言が、2年生が集まるところから聞こえてくる。彼女達は更識楯無と同期である。思うところはあるかもしれないが、それが理由で彼女を生徒会長の座から下ろそうなどとは考えたこともない。

 

「『更識楯無の織斑一夏の独占、並びに専用機持ちの独占』これは誰も大声では言えませんでしたが、しかし確実に思っていることがあったと思います。

 生徒会長である彼女が、生徒会長権限を利用しての独占は許されないことです。織斑一夏を例に上げましたが、要するに彼女はその権限を使って好き放題やってきた……それを認められない者も、居るということです」

 

「だけど、彼女は学園のために━━━」

 

「貴方は、国の為にやって来ていたなら国を私物化していいと? 国民を私物化していいと?」

 

「それは……極論だわ!」

 

「極論でも正論、1組織のトップがその組織のメンバーを好き勝手にする権限はない……それではただの独裁者だ」

 

 簪の目線に、2年生は言葉に詰まっていた。そして、同時に彼女を知る1年4組のクラスメイトは、変わり果てている彼女を見て畏怖していた。

 

「私はそうならない……そうならない為にも、私は私自身だけで動くなんてことはしない。学園のことは、教師と生徒で解決しないといけない……問題を共有しないといけない」

 

「……だったら、どうするんだ?」

 

 言葉を発したのは、織斑一夏だった。その目は、怒っているわけでもなく、悲しんでいる訳でもない……ただ、じっとみているだけだ。

 

「……私は、生徒会長という立場に立った。けれど、それをみんなで解決できるような学園にしていく。前生徒会長更識楯無は、最強であるか故に全てを1人でこなした。

 だけど私は……全員で全てを解決できる……そんな学園にしたい」

 

「━━━だったら、やってみて欲しいっすね!」

 

「……2年生専用機持ちの、フォルテ・サファイアさんですか……」

 

 フォルテ・サファイア。専用機『コールドブラッド』からの一撃を、簪に浴びせようと動く。それと同時に、彼女とコンビネーションが抜群のもう1人……3年生、ダリルケイシーの『ヘル・ハウンド・ver2.5』の攻撃が狙ってくる。

 

「これを止めれたら……!」

 

「……無駄ですよ」

 

 攻撃を仕掛けようとした、2人の動きが止まる。それは2人が止めているのではなく、2人も意識していない停止だった。それ以前に、ま(・)る(・)で(・)何(・)か(・)に(・)引(・)っ(・)か(・)か(・)っ(・)て(・)い(・)る(・)か(・)の(・)よ(・)う(・)な(・)、(・)そ(・)ん(・)な(・)止(・)ま(・)り(・)方(・)を(・)し(・)て(・)い(・)た(・)。

 

「なっ……!?」

 

「動けない、動かない……例え武器を出したとしても、それを持つことさえ叶わない。更識楯無が持っていたISは、ナノマシンを使って水を動かしていたけど……私は、全(・)て(・)を(・)止(・)め(・)る(・)」

 

「まさか、ISの装備で……!?」

 

「私の前では、どんなことをしようとも……止められる。それは絶対」

 

「……はっ……! 貴方達! 何をしているの!!」

 

 いきなり動きの止まった二人に、唖然としていたが……ここでようやく教師陣が、教壇に上がってくる。反撃をしていれば、簪もおそらく懲罰対象だったかもしれないが、今回は攻めてきた2人が説教の対象となっていた。

 

「……まぁ、そうですね……あと一つだけ伝えておきます。現生徒会……いえ、前生徒会長更識楯無が作った生徒会は一時的に解散します。その後、私が選んだメンバーを元に一時的に再編成します」

 

「なっ……!?」

 

「これはあくまでも、一時的な措置……但し、前生徒会メンバーの生徒会役員入りは今後認められないものとします」

 

「……更識、生徒会長と言えどもそれ以上の好き勝手が出来ると思っているのか?」

 

 今まで黙りを決め込んでいた織斑千冬だったが、壇上に上がってきて簪を見据える。以前の簪ならば、それだけで恐怖してしまい腰を抜かしかねなかったが、今の簪はそれでは怯まなくなっていた。

 

「好き勝手にするつもりはありませんよ、けれど私は前生徒会長が好き勝手やってるのを見過ごしてきた生徒会メンバーを、加えたくないだけです」

 

「それが認められないと言っている」

 

「決めるのは先生じゃありませんよ、勿論私が倫理に反していた場合はその限りじゃないですが……少なくとも、生徒会役員としての責務が果たせていなかった者達は資格がないと言っているだけです」

 

「お前の選ぶメンバーに、それがあるとでも?」

 

「なかったら切るだけです、私は皆で解決出来るIS学園を作るつもりですが、その為にも引っ張る役回りが必要……その引っ張る役割、資格がある人を生徒会に入れていこうとしているだけなんですから」

 

「言うようになったな……小娘が……」

 

 キッと睨みつける千冬、その視線にも怯まずに簪は淡々と返事をしていく。蛮勇でも、無謀でもない。それは、簪にとっての覚悟の現れなのだから。

 

「だったら、せいぜい見させてもらおう……但し、見方によっては即座に解体と再編成を行うからな」

 

「えぇ、先生のお眼鏡に叶うように頑張ります」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 それから、2週間程が経過した。織斑千冬が危惧したような事は一切起こらなく、また新しい生徒会になったとしても特に問題は起こらなくなっていた。

 あえて違いをあげるとするならば、織斑一夏の扱いの違いである。まず、教師を含めて彼の部屋に入ることは無断また許可されているものであっても禁止となった。連絡事項なら通信機器でも問題がなく、また彼の部屋に侵入する女子がこれまでに大勢いたのと、その度に彼の部屋のものが壊れるため……という表向きの目的があった。

 

「生徒会長、資料まとめたよ」

 

「ありがとう」

 

「はいはい、これでいいっすか?」

 

「うん、ありがとう」

 

「……3年生なんだけどな」

 

「いいの、私が選んだんだし」

 

 因みに、新しい生徒会役員として4人のメンバーが今は選ばれている。

 生徒会長、更識簪。生徒会副会長、マライア・香取。書記フォルテ・サファイア。会計ダリル・ケイシー……となっている。

 

「……ところで生徒会長、庶務が居ないみたいっすけど?」

 

「いいの、そこに入る人は決まってるから」

 

「へぇ……ならなんでここに参加させないんすかね?」

 

「今はいないから……ちゃんと、タイミングが整えば……庶務に改めて参加させるつもり」

 

「いない……?」

 

 簪のその目がどこを見ているのか、誰のことを思っているのか……フォルテにはそれが分からなかった。しかし、きっと……フォルテにとってのダリルの様な人物なのだろうか、と思うのであった。

 

「……にしても、なんでこの2人?」

 

「……私が必要だと感じただけ」

 

「あっそ」

 

「それに……きっとケイシー先輩は意味が理解できるはずだけど?」

 

「……」

 

「へ?」

 

 サファイアは何が何だかという表情になっているが、ダリルは簪をじっと睨みつける。その内、ため息を軽くついてニヤリと笑みを浮かべる。

 

「ほんと、面白いな」

 

「そう言って貰えると、まぁ嬉しいですかね」

 

「どの口が言うんだか……」

 

「さて……今回の議題は━━━」

 

 簪が取り出した資料には、『修学旅行』の四文字があった。それに関して、まだ一波乱がある事を皆感じていた。そしてその中心にいるのが……1人の少年だということも、理解していた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 side五十冬

 

 一刺し、二刺し、三刺し……突き刺して突き刺していく。とまぁ、ポエムっぽい言い回しだが……私は別の依頼を受けていた。とある国にいる、とある人物の暗殺である。別に、どこぞのお偉いさんという訳では無いが……どうやら運悪く亡国機業の誰かがこの殺害対象に仕事を見られていたらしい。

 

「まったく……内密にしておきたい仕事なら、さっさとしておけばいいのに」

 

 わざわざ人気のない路地裏まで連れてきたのだから、殺し安くなくては困るのだが、存外暴れられた。人間、心臓刺しても案外動けるものなんだなって。

 

「━━━あ、あんた何やってんの……?」

 

「……はぁ、ほんと……私も人のこと言えないか……」

 

「ち、近づかないで! 私はISを持ってるのよ!?」

 

 そう言って、目の前にいる女は手首にあるブレスレットを見せる。いや、アホでしょ……専用機持ちだったら……いや、それ以前にISを使う人物ならまず私の拘束をする。見た目的に学生という訳でもないから、IS持ちというのはブラフだ。

 

「これだからIS社会は嫌いなんだけど……」

 

「ひっ!?」

 

「あぁ、そうそう……その方法あんまり取ってると……こういう風に自業自得な目に遭うよ」

 

 私は一気に近づく、近づかれると思ってなかった女はそのまま反応が遅れて一気に私の接近を許す。そのまま、私は女の首をナイフで軽く切り裂く。それだけでいい、それだけで死ぬだろう。けどトドメで心臓と腹にも突き刺しておく。

 

「……終わり、今度こそ」

 

 完全に人がいないことを確認してから、私は何事も無かったかのように路地裏から出ていく……にしても、結構奥深くまで潜ってたのに運悪くこんな深い所まで来るなんて……不憫な女。

 

「……はぁ、IS社会の闇だよねあれほんと……なんですぐにバレる嘘をつくのかな」

 

 そもそも、あのブレスレットって織斑一夏の白式をモチーフにした物だった。そんなのを見せつけてIS持ちだなんて、よく言えたもんだ。

 

「……さて、次は日本の京都だったかな」

 

 IS学園は、修学旅行の季節だ。私も、マライアたちに合流する予定である。それに、実は私よりも前にIS学園にいた先輩がいるらしいから……その人とも合流しないとね。

 

「さて、待っててね……マライア」

 

 任務の内容は……さて、どうなることやら……




一応楯無は死んでないですよ、えぇ

五十冬の見た目

  • 黒髪ロング、胸はない
  • 黒髪で肩までの長さ、胸はない
  • 茶髪ロング、胸はない
  • 茶髪で肩までの長さ、胸はない
  • なんでもいいけど眼鏡が欲しい
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