side?
ラウラ・ボーデヴィッヒ、そしてシャルロット・デュノアの2人は共に歩いていた。本来同室の2人だが、流石にいつも二人一緒という訳では無い。
なぜ二人で歩いているのかというと、先日のゴーレム襲来の事件の際に、何人かのISは大破していたのだ。そして、大破したISがあるということはしばらくISを使えないということ、そんな中で狙われてしまえば一溜りもない。
故に、専用機持ちが2人以上常に行動するように義務付けられたのだ。一応緊急防御システムがあり、持ち主に危険が及ぶと即座に展開されるようにはなっている……のだが、今は修復のために普段の待機モードではなくパーソナルロックモード……つまりある程度ロックがかかっている状態になっている。この状態だと、緊急防御システムが作動しづらいという弱点があるのだ。
「……その、ラウラ」
「何だ……?」
「……最近、行ってないけど……大丈夫、だよね? 僕達……」
「……大丈夫、大丈夫だ……」
……そして、2人は鬼村五十冬の手によって男達に嬲られている。無理矢理の快感を感じさせられていたのだが、ココ最近はそんなことは無くなっていた。
鬼村五十冬が居なくなったことで、従う理由もない……とラウラは自分を安心させるために必死に思い込んでいた。シャルロットは、いなくなった最初こそ五十冬に情報を貰うために必死だったが、本人からの連絡が繋がらなくなったため、行く必要がないと判断して……逃げていた。
「……っ!?」
「防御シャッター?! 何で降りてるの!?」
だが、そんな話をしていた時に突然停電が起きる。まだ昼間なので明かりには困らない……と思ったのもつかの間、今度はIS学園の防御システムであるシャッターが降りたのだ。そして、そこから本来は非常電源に変わるはずなのだが……一向に変わる気配がなかった。
「……シャルロット」
「うん、非常電源までつかないのはおかしいよ」
すぐさま、2人はISを展開する……と言っても、視界確保のためのローエネルギーモードである。ISのステイタスウィンドウを暗視モードに切りかえて、温度センサー、動体センサー、音響視覚化レーダーナドノ機能をセットしていく。
『箒だ、デュノア、ラウラどこにいる?』
箒からの通信、それぞれが返事をしていると割り込み回線が入り込む。
『専用機持ちは全員地下のオペレーションルームへ集合。今からマップを転送する、防壁に遮られた場合、破壊を許可する』
織斑千冬の声が聞こえてきた。先のゴーレム事件から、ほとんど間をあかずに……どうやら新しい事件が始まったようである。
「現在、IS学園は全てのシステムがダウンしています。これは何らかの電子的攻撃……つまりハッキングを受けているということになります」
IS学園地下特別区画、オペレーションルーム。そこで今現在、織斑一夏を除いた1年生の専用機持ち達と織斑千冬、そして山田真耶が勢ぞろいしていた。
因みに、織斑一夏は先のゴーレム事件で白式が破損しているために白式の開発所……倉持技研に行っている最中である。
「今のところ、生徒に被害は出ていません。防壁によって閉じ込められることはあっても、命に別状がある訳でもありませんし、閉じている防壁も1部だけのようです」
「現状で質問のあるやつはいるか」
「はい、IS学園は独立したシステムで動いていると聞いていましたが、それがハッキングされることなど有り得るのでしょうか?」
ラウラが挙手を行う。その疑問は至極その通りだが、千冬は首を横に振る。
「それは問題ではない……問題は、現在何らかの攻撃を受けているということだ」
「敵の目的は?」
「それが分かれば苦労はしない」
ラウラも、その言葉に納得して質問を終える。その後質問ないことを確認してから、真耶は作戦の説明へと移行した。
「それではこれから簪さんを除いた専用機持ちの皆さんは、アクセスルームに移動。そこでISコア転送ネットワーク経由でダイブをしてもらいます。簪さんは、それのサポートをお願いします」
真耶が告げた言葉に唖然となる簪を除いた専用機持ち達。その事に気づいた真耶が、首を傾げる。
「あれ? 皆さんどうしたんですか?」
「「「で、電脳ダイブ!?」」」
「はい、理論上可能なのはわかっていますよね?」
本来はアラスカ条約で規制されていることなのだが、今回特例なので行うことが出来る……というのが簡単な説明である。
しかし、理論上可能かつ今は行える……ということを専用機持ち達は聞いているつもりは無い。そもそも、行えないものをするという発想を持ち合わせていない。
「電脳ダイブ自体に危険性はない、しかし……まずメリットがない。どんなコンピューターであれ、ISでの電脳ダイブよりもソフトやハードをいじった方が早い」
「……それに、電脳ダイブ中は操縦者が無防備。何かあったら困ると思いますが……」
ラウラの言葉のあとから、簪が続ける。簪自身も、この電脳ダイブに意味があるとはとてもじゃないが考えていなかった。
「それに、専用機持ち達を1箇所に集めるというのはやはり危険では?」
そして、箒がもっともな発言を行う。色々と理由もつけられるが、1番はここである。何故複数人もいる専用機持ち達を集めているのか、それが理解出来ていないのだ。
「ダメだ、この作戦は電脳ダイブでのシステム侵入者排除を絶対とする。異論は聞いていない、嫌ならば辞退するがいい」
その言葉に、誰も辞退を申し出る者はいなかった。それを確認した後に、千冬は手を叩いて指示を出し始める。
「よし! それでは電脳ダイブを始めるため各人はアクセスルームへ移動! 作戦を開始する!!」
その言葉によって、全員が移動を開始する……のだが、マライアだけはその場から離れなかった。
「……お前には別任務を与える。このハッキングとは別の部隊が、侵入してくる可能性がある」
「敵ですね」
「あぁ、お前のISはそこまでの深手を負っていなかったはずだ。頼むぞ」
「了解しました」
マライアはそう言って部屋から出ていく。簪はマライアのサポートも行うため、ISを1部展開させて打鉄越式のナノマシンを学園中に散布させていく。
量が学園を覆えるほどある訳では無いが、マライアとは別のコースを移動させることは出来る。因みに、これは千冬の指示ではなく……簪自身が行っている事である。
「……ぼんやりしている暇はない、私達も急ぐぞ」
「はい!!」
そして、残された2人も最後に部屋から出て準備に取り掛かるのであった。
sideマライア
「……本気展開、する必要ないもんね」
朱雀・翼を展開しているんだけど、理由としては敵がISを装備していない可能性が高いから。それに、装備していたとしてもそこまで強い装備を持ったものを送り込むことはまずありえないという考えから。
だってここには世界最強と名高い織斑千冬がいる。あれを倒そうと思う奴がいたら、9割が相当のバカだ。
「……ね、貴方達もそう思うでしょ?」
そう言って私は目の前にいる『敵』に向かう。銃やらなにやら装備してるけど、それが通用するのはISが配備されていない軍隊だけ。少なくとも、IS学園においては普通の生徒たちが相手でも多分勝てないだろう。無論、ISを装備していることに限るという話なんだけど。
「小娘が……いきがるなよ!!」
「いきがってないけど……まぁ、安心してよ殺す気ないから……それに、学園を血で汚したら私が殺されかねないし」
「この……!」
敵はライフルを構える……けどそれは発砲される前に、銃口やらなんやらがバラバラに切り裂かれていた。もちろん、私がそうさせたんだけど……相手からしてみればとんでもない恐怖に違いない。
「ほらほらー、逃げろ逃げろー?」
丁寧に丁寧に……私は相手の武装だけを切り裂いていく。とは言っても、最初にライフルを切り落とした時点で勝負はもう決まっていたようなものだと思うけど。
「くっ……! 退け! 退けー!!」
「そうそうそれでよし」
敵はまだまだ来ている。私も対処しないといけないんだけど……というか、このハッキングしたのなんて誰かは明白でしょうに。ISを作った、というだけで無駄に信用されてない?
あの人間性は邪悪そのものだと思うんだけど私……ま、ほとんど会う人はいないから疑わないんだろうけど……にしても、織斑千冬はあの女を止めようともしないのね。いや、止められないのかな? 人の言うことを聞くようなタチじゃないと思うし。
……ともかく、今からでも遅くはないし……さっさと止めてあげますかね。ここの敵達。
side簪
「……」
私はサポートをしながら、織斑先生と山田先生の動向を探ってた。単純に敵の姿を確認したかったというのも大きいけれど、それ以上に相手がどれだけ強いか……彼女の敵であるあの二人を、どう攻略するかを考えないといけなかったから。
「……それでも、随分と人間離れしてる……」
織斑千冬はISを身にまとっていない。逆に、相手は身にまとっていた。普通に考えて、通常兵装ではISに勝つのは不可能。逆に言えば
今織斑先生は、ISの装備を生身で装備してた。ブレードよりも細い剣……いわゆる『カタナ』を。IS装備を身にまとっている時点で、人間かどうかを疑いたくなる上に、相手に善戦しているのだから余計に意味がわからない。
とは言っても、カタナはボロボロ……善戦している理由は、相手が絶対防御に頼りきっていたために、首に巻きついた紐に反応が遅れたこと……である。戦い方が恐ろしい。
「それに、山田先生の方は……」
むしろ、彼女の方が恐ろしいまである。ISと戦っている織斑先生も相当だが、相手が舐め切ってなかったらもう少し苦戦していただろう。
けれど、山田先生は違う。
『クアッドファランクス!!』
移動を捨てたと言っても過言ではないほどの重武装。口径25mm7砲身ガトリングを4門搭載したパッケージである。その攻撃力は、まさかのISの絶対防御を飽和させてしまうようで……
「……あれは、なかなかに強敵……」
あれをくぐり抜けるのは、なかなか至難の業のように思える。多分、私の越式でも厳しい。まともに勝負するなら……って話だけどね。さて、私は……色々サポートをしてあげないとね。これでもIS学園の生徒会長、電脳ダイブした皆を誘導してあげないと……
「……ハッキングされてるから……なるほど、役割を演じないといけないってこと……」
にしても、専用機持ち達が全員かの有名な童話……不思議の国のアリスの格好をしているのが、また煽っているように感じられる。何故そんなめんどくさい事をさせているのかが、私には理解できない。
「……とりあえず、織斑君が戻ってくるまででいいかな」
大体アニメだと、こういう場合最初に入った味方はその世界の餌食になってしまって……そのあとから来る人に助けられるっていうのが一般的だ。
「……早く戻ってこないと、色々と面倒になっちゃうよ」
私一人では解決できない。サポートはするけど……電脳ダイブしていない以上、出来ることが少なすぎる。1番いいのは、マライアが無事に戻ってきてくれることなんだけど……
「……ま、なるようになるよね」
そう言って、私は予想通り専用機持ち達との連絡がつかなくなったことに辟易しながら、誰かが来るのを待つしかないのであった。
五十冬の見た目
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黒髪ロング、胸はない
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黒髪で肩までの長さ、胸はない
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茶髪ロング、胸はない
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茶髪で肩までの長さ、胸はない
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なんでもいいけど眼鏡が欲しい