side?
『状況確認。篠ノ之箒、セシリア・オルコット、シャルロット・デュノア、ラウラ・ボーデヴィッヒ……潜入、別離完了。これよりワールド・パージを開始します』
声が響く。そこは誰も訪れていない空間、しかし電脳ダイブをした専用機持ち達を翻弄しているのは、ここにいる一人の少女だけである。綺麗な銀髪……そう、例えるならラウラのような髪をした少女である。
『ワールド・パージ……完了……』
その声は響く、響いている。しかし、ただ一つだけ拭えない違和感がそこにあったのだ。篠ノ之箒、そしてセシリア・オルコット。彼女達にだけ妙な違和感を覚えてしまっていた。
『……ほんの少し、ほんの少しだけ……ワールド・パージの効力が低い……』
ワールド・パージ。外世界から人の意識を切り離して、その人物が強く望んでいることをその世界に表す技術。電脳ダイブならではといったものだろう。
『……これは、一体……』
全員外世界からの切り離しは完了している。だからこそ、彼女達2人だけ妙な違和感があるのが気持ち悪かったのだ。しかし、その空間を進んでいく内に……彼女はようやく目的のものを発見する。
『見つけた……これが織斑千冬専用機……暮桜のコア……』
氷漬けになったそれを眺めながら、少女はただ一言だけそう伝えるのであった。
sideセシリア
私はセシリア・オルコット。世界のほとんどで活躍しているオルコット家の令嬢で、この学校……IS……いえ、女学院の生徒会長をしていますわ。けれど、この女学院では私がオルコット家の令嬢と言うのは黙っていますの。
だってそうなれば、私を見る目が『セシリア・オルコット』から『オルコット家の令嬢』になってしまいますもの。だから、私は昔からの幼なじみで……尚且つ、私の事を『セシリア・オルコット』としてみてくれる友達の家に居候させてもらっていますの。
そんな彼女は、日本からやってきた━━━
「セシリア〜」
「鬼村さん!」
「もう……2人きりの時は五十冬でいいって言ってるじゃん……」
「ご、ごめんなさい……五十冬」
━━━妙に、違和感がありましたわ。何故かは分かりませんが、『こうじゃない』『こんなことはありえない』と脳が必死に教えてくれてるような気がしました。
「セシリア? どうしたの?」
「……あ、あの……私達は……いつから友達をやっていましたか……?」
「変なセシリアだねぇ……子供の時から……なんだったら、生まれた時から一緒だったじゃん、それに今まで1度も離れたことないし……あぁごめん、家帰る時とどっちかの家で遊んでるときのトイレくらいは離れてたわ」
そう、昔から周りを茶化すような発言をして……それでも屈託のない笑みを浮かべて……真面目な時はきちんとやって……そんな彼女、そう、1度も離れたことがないから……
「……本当に、それだけでしたか?」
「……何? どういう事?」
「……私は、あなたと1度離れました……なにで、どういった理由かはわかりませんが……私の心が絶望するほどには、悲惨な別れ方をした……そんな気がします」
「……気がするってだけでしょ?
━━━あぁ、理解してしまいました。私がどうして、ここまで違和感を持っているのか。どうして、こんなに心がざわつくのか。
「……貴方は、五十冬……さんでは……ありませんね」
「……根拠は?」
「だって……五十冬さんは、私から……『IS学園』から離れたんですもの。いるはずがありませんわ」
「……」
『エラー、ワールド・パージ、エラー』
無機質な機械音、その声の後……世界が砕け散りました。そして、そのまま私は踵を返して、全てがなくなった黒い世界に一つだけ残っているドアをくぐったのでした。
「セシリア!?」
「あら? 一夏さん? どうしてここに……」
ドアを抜けると、草原が拡がっていて……目の前には一夏さんがいました。確か、倉持技研に行っててすぐには戻ってこられないと聞いていましたが……?
「嫌な予感がしたんだ……それで、大急ぎで戻ってきたらこんな状況になってて……」
『セシリア、戻ってきて。織斑君はまだ大丈夫だけど……あなたは一度精神に負荷をかけられてる』
簪さんから、説明が来ました。確かに、一時的にとはいえ頭の中をいじられたようなものですし……1度戻った方が良さそうですわ。しかし、それよりも先にしておくべきことはある訳でして。
「一夏さん、今起こっている現状をお話しておきますわ」
「……頼む」
「私は自力で脱出出来ました……しかし、恐らく……他の人達は……いえ、箒さんなら大丈夫だとは思いますが……ラウラさんとシャルロットさんは助けてあげて欲しいんです」
「……わかった」
「この空間……恐らく、私達が『望んでいること』を無理やり見せる空間です。後から入ってきた一夏さんは恐らく大丈夫ですけど……」
「あぁ、全員助ける……!」
一夏さんの強い言葉。それを聞いて安心した私は、そのままその電脳空間から1度出ることにしました。メンタルチェック、その後脳に何らかの異常がないかを調べてからの検査待ちということになりそうです。
sideシャルロット
僕はシャルロット・デュノア。豪商織斑家に使えるメイド……昔に、日本に迷い込んだ僕の先祖が、同じく織斑家の先祖の人に拾われて以来、付き人になったのが始まりで以来一族で織斑家をサポートしているのだ。
けれど、僕以外の付き人は皆日本人……更に、僕のことをよく思わない人も多かった。
「おいデュノア、少しこちらへ来い」
「は、はい……」
僕は執事の1人に呼び出される。前から、この男に……いや屋敷の執事達から僕は嬲られていた。部屋で1人でいる時にしてた自慰の写真を撮られて、それを脅しで使われてる……『一夏様に見せるぞ』って。
見せたくない、ご主人様にだけは……きっと、軽蔑されるかもしれないから。
「ふん、お前もだいぶ奉仕が上手くなってきたな」
「ふぁい……」
全く嬉しくない……僕としては早く終わらせたかったんだけど、そのために必死でやってたらどうにも上手くなってたようで……この体も、男の味を完全に覚えてた。
肉棒で犯されたら、僕の気持ちに関わらず甘い声が出てしまう。それがとても悔しかった。
「へへ、今日はこっちやってみるか?」
「んん!?」
1人の執事が、僕のおしりの穴を障る。そんな所は、ご主人様にだけ触られたかったのに……と涙を流す。何故ここまで差別されなければならないのか、と考えて余計に涙が溢れて止まらなくなってきていた。
「へへ、もうぐしょぐしょじゃねぇか……この変態メイド」
「そりゃあな、男に嬲られるか女に嬲られるかのどっちかしかねぇんだから」
そう、男女問わずみんな僕の体を好き勝手していく。メイド達は僕の体をいじめ抜こうと。執事達は僕の体で性処理を。そう、僕はもう性奴隷と言っても過言では無い扱いを受けていた。
このまま、ずっと犯される……ご主人様に見せられない姿を、死ぬまで他の男達に晒し続けて━━━
「━━━てめぇらシャルに何してんだ!!」
「え……?」
聞こえてくるのは、ご主人様の……ううん、『一夏』の声。あれ? 僕はどうして一夏って……
『ワールド・パージ、強制介入』
「うっ!?」
頭が痛くなる。僕は織斑家のメイドで……ご主人様って……ううん、僕は、僕は━━
「IS学園の、シャルロット・デュノア!!!」
二人の首が跳ね飛ばされる。跳ね飛ばしたのは勿論僕なんだけど……この格好、今の痴態……見られた……見られてしまった……もう、一夏に見せる顔が━━━
「大丈夫かシャル!?」
一夏は、何も気にせず僕を抱きしめてくれた。本当に心配するかのように、僕をぎゅっと……その事だけで、僕の心は暖かくなった。涙が溢れて止まらなくなりそうだけど、泣いている場合じゃない。
「うん……ありがとう一夏……早く、ラウラ達も助けてあげて?」
「……あぁ、待ってろ!!」
side簪
私はまず違和感があった。ワールド・パージ……人の望んでいることを出す空間のはずなのに、シャルロット・デュノアが見た光景はメイドになって男達に犯されること。
本人が望んでいるからそうなった、と言うには全く望んでいないようにも思える。どういうことだろうか……とふと考えてから、私は1つの結論に達する。
「……男達に犯される、つまり悲惨な所から助け出してくれる人が来て欲しかった……って事?」
つまり、犯されているという悲惨な状況から助けてくれる織斑一夏という存在を望んだ……という事なのだろうか? となると、電脳ダイブした織斑君が早く来すぎたってことになるのかな。
「……望むのは、可哀想なところを助けてくれる王子様……」
さしずめ白式は白馬そのものと言ったところだろうか? いやはや、男のフリをしていた割には……随分と乙女なんだ。
「……そうなると、他の2人もそうなるのかな?」
篠ノ之箒はともかく、ラウラ・ボーデヴィッヒならおなじようなむ夢を見ててもおかしくは無い……おかしくは無いけど……
「……まぁ、さすがに今回は私も助けてあげないとね」
万が一の為、織斑君には衣装ケースでも貸出してあげよう。万が一、妄想の世界の織斑一夏と出会ってしまうと本人達が困惑する可能性があるんだし。
混乱すると、脳にどんな負担がかかるかわかったものじゃない。
「……さて、生徒会長らしいことしてあげないとね」
とりあえず、私はキーボードをカタカタ鳴らしながら織斑君を手伝うのであった。
sideマライア
「……」
「くっ……殺せ……!」
「うわぁ……簪の持ってるアニメでもそんなこと言うキャラいなかったよ」
私は散々に逃げ回した襲撃者たちを拘束していた。まぁなにかを仕込んでたら困るから、パンツ1枚だけ残して残り全部切り刻んだけど。油断しない、絶対。
「にしても色々仕込んでたんだねぇ……消音器付きの拳銃、靴底にはナイフ、袖にもナイフ……面白服すぎる」
色々尋問して、大体のことは理解できてきた。さて、この拘束した奴らをどうしようか……殺すのは駄目だし、このまま放置しておくのも後味が悪い。
1番無難なのは織斑千冬に渡すこと……仮にここで逃がしたとして、彼らを私の手駒に加えるとしても……今度は私が織斑千冬に殺される。
「ま、なるようになるか」
とりあえず連れていくことは確定だ。何せ、こいつらはどこから情報が漏れたのかは分からないが、この学園にこの間襲撃したゴーレムのコアがあるってことを知っていた。
つまり、どこかの国が抜け駆けしたということ。その国も検討が付いてる。言葉訛りや、肌の色……それに色々質問した時に出てくる価値観で、おおよそどこの国かの平均が付けられる。答えがバラバラになるようになら、多種多様な人種で組まれた軍という答えになるだけである。
「さーて、もうちょっと情報吐いてもらうよ」
何か、結構簡単に情報吐いてくれるけど……大丈夫なのだろうか、こいつらの依頼主とやらは。
さて、早くあっちも終わんねぇかなぁ……なんて私は思いながら再び尋問を開始するのであった。
愛の力ですわ
五十冬の見た目
-
黒髪ロング、胸はない
-
黒髪で肩までの長さ、胸はない
-
茶髪ロング、胸はない
-
茶髪で肩までの長さ、胸はない
-
なんでもいいけど眼鏡が欲しい