「レインとフォルテが、エクスカリバーに落とされたわ」
スコールから伝えられた一言。その一言で、異常が起きているのは理解した。
突如として暴走し、軌道を離れ始めた高度エネルギー収束砲『エクスカリバー』の真相を確かめるべく、レインとフォルテのふたりが向かったのだけれど、途中で撃たれて落ちたという。
「……やばくない?」
「えぇ、かなり…なんとか回収は済んだわ。けれど2人は無事でもISは駄目ね。戦えはするけど…長期戦は不可能よ、ただの1撃が掠っただけで2人ともほとんど戦闘不能」
エクスカリバーのある場所は衛星軌道上……まぁつまるところ宇宙だ。ISでも専用のパックをつけなければたどり着くことすら難しい場所。
そして、エクスカリバーの強みは宇宙にあることと……その強力なレーザー攻撃である。
「……万が一、あれがばらまかれて撃たれるようなことでもあれば……」
「私達の……亡国機業としての目的は達成できるけど、私達も死んでしまうかもしれないわね」
混沌を求めるは亡国機業の目的でもある。一枚岩じゃない為に、理念がバラバラなのが問題だけど……根本は、世界を混沌に落とす。まぁ私とスコールでさえ微妙に食い違ってるんだから、全部叶えたら混沌になるのは当たり前だけど。
というのはどうでもいい、問題なのは大体のものを一撃で蒸発まで持って行けるレーザー攻撃が、雨のように降らされる可能性があることである。
「……実際、撃たれたし」
「待って待って、スコール今なんてった?」
「撃たれたのよ、実際に。日本のとある遊園地にね」
「マジか……」
何故か妙に、そこに織斑一夏がいて巻き込まれたような気がするんだけど……いやまぁ、多分ただの気の所為だと思うけど。
「……ん?」
「……どうしたの?」
「マライアからメール、どうにも……織斑一夏達イギリスに向かうんだってさ」
「イギリス……」
「セシリアの実家に向かうみたいだよ、どうする?」
「……丁度いいわ、向かいなさい」
「はーい」
そういえば、最近オータム見てないけど別の作戦中なんだろうか? 私はなにも聞かされてないけど、オータムの方も私の事なにも聞かされてないことあるみたいだし……ま、スコールのことなら言うこと聞いちゃうのが私たちなんだけど。
「……五十冬さん」
「私はその場にいなかったから知らなかったけど、巨大なレーザーが降ってきて、その後にセシリアのメイドがブルーティアーズ3号機『ダイブ・トゥ・ブルー』を着て現れたんでしょ?」
セシリアの自家用ジェットの中に乗って、私達は空を飛んでいた。メンバーは生徒会メンバー5人と、織斑一夏と篠ノ之箒、セシリアの計8人である。
「……あぁ」
「やだぁ、そんな怖い顔して睨まないでくださいよ織斑くーん」
「お前……シャルロット達をどこへやった……!」
「……さぁてね、私はただ他のISがある施設に飛ばすようにお願いしただけだよ。所詮庶務なんでね、生徒会長に頼んで……その生徒会長が政府に頼まないと、どこに行ったかわかったもんじゃない」
「というか、そんな話する余裕はねぇよなぁ?」
レインが煽る。織斑一夏は怒りを溜め込んでいるようで、プルプルと震えていた。まぁ、たしかに今はそんな話をするつもりは無いわな。
「……あ、各人ISの起動をオススメするっすよ。じゃないと、命が落下死するんで」
「「「は?」」」
生徒会メンバーが間抜けな声を出す。フォルテの後ろをよく見てみると……巨大なミサイルが飛んできていた。やっべ、バカやってる場合じゃなかったわ。
「……問題ない」
そういったのは簪だった。途端に、ミサイルは方向転換をして飛んできた場所に飛んでくるよりも早く戻っていく。
「……攻撃されるのは、初めから分かってた。でも、今やれる事は外に出ない限り防ぎ続けるだけ」
「だったら、私がいってきますねお姉様!!」
「頑張れマライア、新しいパックの力見せつけてやれ」
「はい! 四象with麒麟! 行ってまいります!!」
私たちに攻撃してきたのは、遠目から確認した感じIS乗りだった。遠くから確認して……誰だアレってなったのは私だけではないはず。
「……あの人、お姉ちゃんに1回ロシア代表の座を奪われた人じゃん」
「えぇ……」
つまりなにか、ここに元生徒会長が乗っていると勘違いしたのか? なんというはた迷惑。そんなので攻撃するなんて、随分とご執心なようで……あ、そうだ。
「ハロハロマライア? 彼女捕獲よろしく!」
『お姉様のために頑張ります!!』
凄い、マライアと私は阿吽の呼吸で結ばれている。ジェット機は止まらないから、とりあえずマライアに任せて私達はさっさと向かうことにしよう……何故かドイツに行ってきます!!
sideマライア
私は残った。お姉様のために目の前に敵を排除しないといけない。目の前にいるのはかつてのロシア代表……因みにかつてだったとか元だったとか色々言われてるけど、更識楯無が排除されたことにより繰り上げ方式で再びロシア代表の座に戻っている。
だが、そんな経緯もあったせいか再びロシア代表の座に返り咲いたのにも関わらず、異名は『元ロシア代表』である。悲しすぎる。
「……貴方は?」
「IS学園! 新中国代表候補生マライア! お姉様の為に貴方を捕まえるわ!!」
「……私は貴方たちを許さない……!」
初対面なのに許さないとか言われたんですけど……なんでろうかこの人? 精神がちょっと不安定な人なのかしらん?
「お姉様のために!! 愛は、爆発!!!!」
……あ、いやこれ……更識楯無が大好きな感じの人だ。てっきり恨んでいるものかと思ってたけど……あの女、同性愛者の気があったのか……と、そんな事より……どうやら相手はナノマシンを使うようで……
「危なっ!!」
「なぜ避けるんですカ!」
「いやいや……爆発は避けますよ本当……」
今回、四象はとあるパックを装備してる。四象のパックは武装すら丸々変更されるのが難点だけど、その分威力は保証できるものがある。今回の武装は……対IS近距離特化型パック『麒麟』金色の特殊な装備……けどテストでの全力発動によって壁が豆腐のように崩れるという事故もあった。
「さて……このパック、ちゃんと対ISとして戦えるか……チェックと行きましょうか」
大きな大きな槍、それが唯一にして絶対の装備。そしてブースターは肩と足に計4箇所……高速移動しながらも、一瞬で距離を詰めれるように無理やり曲がるためのもの。
「そんな大きな槍が……当たるとでも?」
「実は……それが当たるんですよ……この槍、ただデカいだけとは思わないことですよ」
独特の機械音を鳴らしながら、私は槍を構える。これは……超回転しながら風と電撃を放出する特殊な槍……名付けて『
「行きます!!」
「っ……!?」
向こうは私の速度が見切れてないことでしょう。あたり前田のクラッカー……なぜならこの装備の時の四象の速度はMAXマッハ7、絶対守護領域前提での使い方しか出来ないけれど、その代わり私自身が強力なミサイルも同然の代物。しかも、この速度を維持したまま移動も可能!!
「━━━━━━!!!」
「今なんか!! 言いまし!! た!?!?!!!?」
相手が避けながらなんか言ってるけど、私高速移動しすぎて何も聞き取れない。というかこの速度本当に大丈夫!? MAX速度出しちゃったらまずいんじゃない!?
「くっ……!」
side?
ロシア代表でありながら元ロシア代表と言われる女性ログニー・カリニーチェ。今彼女のISは
何故かと言われれば、マライアの四象の麒麟の威力だろう。直撃しなくても、なんだったら移動時の風圧と電撃だけで装甲がガリガリと削られているのだ。幸い人体へのダメージは絶対守護領域が防いでくれているが、それも時間の問題だろう。
高速移動によるソニックウェーブ、さらに装備の槍から発せられる風と電撃……シールドエネルギーでさえも通り過ぎただけでかなり持っていかれていた。直撃が当たれば、エネルギーがMAXでも全て持っていかれていただろう。
「なんて言う装備……!」
「━━━!」
難点というべきかは分からないが、相手がなにを喋っていてもマッハクラスの移動により何も聞こえないということかもしれない。それに関しては、向こうと同じなのだが。
「こんな、一方的に……!」
本来、超高速移動する場合においての軌道変更はブレーキが必須だ。しかし、向こうの装備は
「ぐうううううう!」
上から攻撃されたと思った瞬間には、下から右から左から……ほぼ一瞬で4回攻撃されるほどの高速移動をしていた。
こんなものでは、たとえ自爆覚悟でナノマシンを自分の周りで爆破したところで、本当の意味で自爆しか出来ないからである。
「はや、過ぎて……!」
あまりの速度に、ブースターから出る炎の光が線を描いていた。橙の直線が、ログニーの周りを囲うように描かれていた。目の錯覚かもしれないが、その直線的な光の軌道は……ログニーにはとても恐ろしいもののように思えた。
「と━━━」
そして、突如としてマライアの声で比較的聞き取りやすい一音が聞こえたログニー。マライアは一気に上まで上がり、高速で落下してくる。その動きには槍自体の回転の他に彼女自身も回転を加えているという中々自殺行為に等しいことをしていた。
「ど━━━」
「がっ……!?」
そして、マライアの槍が直撃した。シールドエネルギーは勿論0となり尽きる。だが、元々削られていたのもあってそのまま受けてしまうとログニーの体が肉そぼろになってしまいかねない。
故に、ログニーは敢えてそのまま動きを受け入れて、マライアの回転に晒されることで、貫かれる前に吹き飛ばされるようにした。
「め━━━」
「今回は……負けを認めて━━━」
「━━━ぇぇぇえええええええええ!!!」
吹き飛ばされ落ちるログニー。マライアは何とか動きを止めるために、海に飛び込んでスピードを無理やり落とす。衝撃で意識が一瞬ブラックアウトしたが、マライアはなんとか生きていた。
「……お姉様……マライアは、やりましたよ……!」
水面から親指を立ててグッドラックをするマライア。飛行機は既にこの空域から離脱しているので、それが届いているわけがないのだが。
「……にしても、なぜこの女をお姉様は捕まえようと思ったのでしょうか……?」
理由を特に知っている訳では無いマライア。監禁されている更識楯無を見た五十冬と、生きているのはなんとなく理解出来ているが、行方も何されているかも五十冬が相手ではないのでどうでもいいという態度を取っていた。
「……はっ!? まさか新たな愛人に!?」
……そのどうでも良さが回り回って何故か五十冬の愛人となっていることに関しては、他人に興味が無さすぎるのと五十冬にだけ異常な執着心をみせるマライアの矛盾が生み出していることである。
尚、この後ログニーを運んで自力で向かっていったのであった。
2019/09/20
フォルテとレイン関係変更しました…すいません……
五十冬の見た目
-
黒髪ロング、胸はない
-
黒髪で肩までの長さ、胸はない
-
茶髪ロング、胸はない
-
茶髪で肩までの長さ、胸はない
-
なんでもいいけど眼鏡が欲しい