※この作品はR-18です。

復讐の機装少女   作:長之助

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新機登場

 私達は無事到着していた。どこにって、ドイツだよ……なんでドイツ? 私達は確か、暴走したエクスカリバーと関連するであろうセシリアのメイド『チェルシー』の真実を探すためにイギリスに向かってたんじゃなかったっけ? 

 

「流石にこれだけじゃあ手が足りねぇからな、新しく作られたIS部隊で何とかするんだとよ」

 

「要するに弾除けっすね」

 

 なるほど、弾除けを今から調達するわけだ。まぁ単純に数が足りないというのは事実かもしれない。それとまぁ、他にもやることはあるって言う話。

 

「……良くぞおいでくださいました、IS学園の皆様」

 

「いえ……それで、例のものは……」

 

 現れたのは初老の男性、簪にぺこぺこしているが……その目は欲望に満ち溢れているような、野性味を感じた。性欲の方ではなく、私達を軽蔑というか貶しているというか……そんなん感じの目線だった。

 

「こちらです……私達の新型『黒い枝(シュヴァルツェア・ツヴァイク)』」

 

 その名前といい見た目といい、どうにもラウラのISを思い出す。違う点をあげるとすれば、ラウラのとは違って有機的かつ刺々しい見た目となっている。第一印象はハリネズミだ。

 

「簪ぃ、このISどうすんの?」

 

「五十冬、貴方に……貴方のカリオストロにこのISを吸収してもらう」

 

 武装のコピー、ではなく吸収と来た。いやいや、いくらカリオストロでもそこまでは出来ないってば。

 

「簪、ISがISを吸収するって話は聞いたことないよ」

 

「うん、でもしてもらう……エクスカリバーに対抗するために、わざわざ寄ったんだから」

 

「って言ってもなぁ……」

 

「……まぁ、今じゃなくていい……とりあえず、これは貴方にあげる」

 

 そう言って、待機状態の黒い枝を私は与えられる。というか眼帯なのか待機状態……腕につけとこ。それにしても、対エクスカリバー戦でこのISを吸収したところで勝てるとは到底思えないのだけど。

 

「……簪、何考えてるの?」

 

「カリオストロの能力で、今から世界で開発されているIS達を可能な限り吸収する……あげるとするなら、『五十冬を強くする』それが理由」

 

 そう言って、簪はさらに2つの待機状態のISを私に投げる。それはオレンジ色のものと黒色のもの……はっきり言ってしまうが、シャルロットとラウラのISだった。

 

「それに、貴方のもう一機のIS……サクリファイスも含めて今4機……最低でもあと一機は欲しいところかも」

 

 最近使わなさすぎて忘れてた。というか、今こいつって使えんのかな? 本当に忘れてたんだけど……というか、あと一機ってカリオストロはなんでも食べれるわけじゃないんだから、好き嫌いくらいさせてあげて欲しい。

 

「……待て、更識……お前はそれで本当にいいのか?」

 

「……何が言いたいの?」

 

 竹刀を簪に向ける箒。あまりにも黙りすぎて、織斑一夏とともに存在を忘れてしまっていたよ。にしても、やっぱりというかなんというか……私はこの2人にはまだ認められないらしい。

 

「この女は最低だ……そんな女に、何故力を与える?」

 

「私にとってはヒーローだから」

 

「世界にとっては悪意でしかない」

 

「悪意でしか世界は動かない」

 

「お前にはその女を止めようという気がないのか?」

 

「あったら驚き」

 

 何故か口論を起こしている2人。慌てふためくセシリア、織斑一夏は少し嫌そうだが思うところは同じなのか止めようともしない。

 

「……だったら、私を今ここで止める?」

 

「……なんだと?」

 

「そんなことしてる暇はない、今ここで口論してる暇はない、私がどうなろうとも貴方には関係ない……世界がエクスカリバーで焼かれたいのなら、ここで好きに口論開始したら?」

 

 簪が反論を許さずに自論を展開して行く。それに推されたのか、はたまた反論材料を無くしてしまったのか、箒はそれで黙ってしまう。

 

「……フランスから、なにか連絡は?」

 

「えぇ、『コスモス』の準備が整ったと」

 

「ん」

 

「……コスモス?」

 

 また新しいISだろうか? と私は首を傾げる。簪は特になにも言わず、再び飛行機に戻っていく。

 

「ちょい待ちちょい待ち、まさか次はフランスに行くつもり?」

 

「時間はないけど、戦力は欲しい……とりあえず、あとは頼みました」

 

「はっ……!」

 

 男はぺこりと頭を下げる。どうやら、フランスの方とも提携を結んでいたらしい。フランスというと……デュノア社だろうか? しかし、あそこは多分IS学園のことはかなり嫌っていると思うが……

 

「にしても、随分と偉くなったね簪……あぁいや悪い意味じゃなくてね?」

 

「……ラウラ・ボーデヴィッヒ、シャルロット・デュノア、更識楯無……この3人のおかげで、ドイツ、フランス、ロシアは浮いてる。IS学園が仲介しないと、ISの資材すら輸入できないくらいには」

 

「つまり、今は仲介しているってこと?」

 

「そういうこと……だから、実質的にこの三国はIS学園には逆らえない」

 

 改めて、IS学園の立ち位置がとても強いものだと理解し直した。というか本当に強いな? ここまで強いと逆に怖くなってくるわ。しかも、簪は生徒会長……実質長みたいなものだ。

 

「……さて、じゃあ次はフランスに向かう」

 

「デュノア社かぁ……」

 

 一体どうなっているのか、私はよく知らないが……まぁどうとでもなるだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お待ちしておりました」

 

「え、誰?」

 

 セシリアの自家用ジェットでフランスに到着……出てきたのは男性……なのだが、デュノア社の社長じゃなかった。写真でしか見た事ないけど、こんな見た目じゃなかったよ。

 

「この人は社長代理……デュノア社は今少しだけゴタゴタしてるみたい」

 

「……ゴタゴタ?」

 

「それに関しては、私が説明致しましょう」

 

 私が疑問に思ったことを、社長代理の人が説明してくれるようだ。まぁ内情込みで話してくれるなら、身内の方がわかりやすいだろうし、素直に聞いておこう。

 

「元社長は、妻の他に愛人を抱えていました。そこから子が生まれたのですが……」

 

「妾の子、それがシャルロットって話は全員知ってる……ということはゴタゴタはそれ関係?」

 

「えぇ、何故妾の方が先に子を産んだのか……ということに焦点が当たりました」

 

 そう言えばそうだ。妾の子って話は別に違和感を感じていなかったが、よく考えたら正妻との間に子をなしていたという話は聞いていない。

 妾の方しか手を出していなかった……というのが自然な話だけど……

 

「そこはすぐに理由が判明しました。正妻には、子を成す事が出来なかったのです。単にタイミングが悪かった……というのではなく、子を成せる体ではなかったのです」

 

 つまり、子供が作りづらい体だったと。確かにそれで妾の方にも手を出していたら、妾の方が先に産んでしまうのも理解できる。だが、それで起こるゴタゴタで社長すら出てこない事ってありうるのだろうか? 

 

「……けどよ、流石にその程度はまだよくある話じゃねぇか? あるんだろ? もっとおかしい話がよ」

 

「先輩の言う通りっす、他に何があったんすか」

 

 レインとフォルテのふたりが切り込む。特に言い淀む様子もなく、社長代理は語り始めていく。

 

「元社長、並びにその正妻は妾の子を自分たちの子として……そして妾を秘密裏に処理するという計画があった……という結論に落ち着きました」

 

「そう言えば、シャルロットの母親って亡くなってたんだっけ」

 

「待ってくれ……それって……」

 

 織斑一夏が声を発する。流石にありえないと思ったのだろうか? いやいや、そもそも必要のない男性としてのIS学園送り込みをさせる親だし有り得なくもないでしょ。

 

「えぇ、社内はこう結論づけました。『人を人とも思わないトップはいらない』と。

 結果元社長は逮捕、正妻は逮捕こそされませんでしたが多額の借金を背負う羽目になり……今は行方不明です」

 

 社長代理の顔が少しだけ笑みを浮かべていた。どうやら、『そういった店』に正妻は送られてしまったらしい。まぁ子をなせないだけマシだと思うようにしよう。

 

「それで……例のものは?」

 

「コスモスは既にあります、着いてきてください」

 

 社長代理の案内の元、私達はISコスモスの元へと案内されていく。静かな社内に足音だけが響くのが、妙に緊張感を煽っているような気がする。

 

「静かっすね」

 

「もうデュノア社はおしまいでしょう。しかし、最後までISに関しては続けるつもりですよ」

 

「……確か、他のIS企業に……」

 

「えぇ、吸収合併されますよ。そうでもしないと……生き残れないくらいにこの事件の傷跡は大きかったんですから」

 

 社長に振り回されて……私は実に可哀想だと思ったよ。振り回されるのは本当に面倒なんだから。

 

「……あれが、コスモスです」

 

 誰かが乗っている。恐らく起動実験でもしていたのだろうけど……でもそうなると、あのIS……まだ初期状態ろくな戦闘すら行われてない赤ちゃんじゃないだろうか? 

 

「……で? 何で起動させてるんだ?」

 

「戦闘データを得るための訓練を行おうと思ってまして」

 

「なるほど……確かにその方がいいかもしれない」

 

 少なくとも、第一形態移行(ファーストフェイズ)の状態だったらまともな戦力にすらなりはしない。ある程度実践をさせて、経験値を積ませてから強さを出しておかないと、新型も無駄になりかねない。

 

「五十冬」

 

「はいはい、私がやれっていうんでしょ……でもこれさ、カリオストロ以外も使った方がいいわけ?」

 

「使いたいなら、いいけど」

 

 私にも使えるようにされているみたいだけど、ぶっちゃけ見た目が変わるだけで武装に縛りを設けてるようなものでしょ。武装を使いたいならカリオストロだけでいいし……

 

「いや、やっぱりカリオストロでいいよ」

 

 そう言って私は、アリーナに向かう。コスモスをまとっている人物の顔は見えない……けど、何となぁく……どことなぁく……知っているような雰囲気がした。何故だろう。

 

「……」

 

 面白くなさそうに、織斑一夏が私を見ていた。直情的な彼がここまで動かないのははっきり言って珍しいけど……まぁ、大人になったとでも解釈しておこうかな。

 

「……」

 

 無言でISを起動。私はカリオストロを見に纏い━━━

 

「ぐっ……!?」

 

 直後に謎の頭痛を味わっていた。何かが頭の中で再生されていた。映像の中にいるのは、織斑一夏……それとラウラ・ボーデヴィッヒ。断片的な記憶だが……これは、シャルロットの記憶だろうか? 何故カリオストロをまとった際にこんな記憶が……

 

「……つぁー……」

 

 痛む頭を抑えながら、私は何とかモチベーションを治す。何故シャルロットの記憶が流れてきたのかは分からないが、多分シャルロットの専用機を私が今持ってるからだろう。

 

「……でもまぁ、本当に断片的か……」

 

 恐らく、シャルロットが印象に残った記憶だけが流れてきていた。その中に……彼女の母親のもあった。どうやらシャルロットも苦労していたらしい。

 

「……まぁ、今となっては遅い話だけど」

 

 もう既に、破綻している。私はただこの記憶を見ただけで終わってしまう。まぁせめて……コスモスを進化させて、強くしてあげることくらいしか出来ないだろう。

 

「さ……やろうか、謎の対戦者さん」

 

 そう言って、私達は戦い始めるのであった。




2019/09/20追記
フォルテとレインのこと頭から抜け落ちてた…すぐ修正します

五十冬の見た目

  • 黒髪ロング、胸はない
  • 黒髪で肩までの長さ、胸はない
  • 茶髪ロング、胸はない
  • 茶髪で肩までの長さ、胸はない
  • なんでもいいけど眼鏡が欲しい
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