「……うーん」
今現在、私たちのISは調整に行われている。何せ宇宙に行くのだ、それなりの準備が必要となる。しかもただ宇宙に行くだけじゃなく、トンデモ兵器と戦うことにもなっている。
「さて、どうやって戦うつもりなのやら……」
実戦仕様、追加装甲……更にはブラックボックスとなっているパッケージ。さてさて、色々追加するものがあるわけで。というか、ISってパッケージとか装備する際にちょっと容量制限みたいなのがある。白式はそれが埋まってるから、難儀しているようだ。
因みに私は……というかカリオストロは、5つもコアがあるせいかガラガラに空いている。だから余裕で付けることが出来る。
「……けど、宇宙かぁ」
宇宙と水中は似たようなもの、なんて誰かが言ってたような記憶がある。実際にその通りならいいのだが、多分実態はそうもいかないだろう。
「今回先輩達お留守番だよね」
「まぁな、また本調子じゃねぇし」
「あれ掠っただけで、ISがボロボロになるのやめて欲しいっすよほんと」
「……掠っただけで、か」
気をつけてないといけない。恐らく余程のことがない限り、私も同じ運命を辿るかもしれないからだ。あれは受けるものじゃない、避けなければ死ぬ物だ。ISであっても、それは変わらない。
「……にしても、まさか共同とはね」
今回の作戦、IS学園と亡国機業の共同作業となっている。生徒会はほとんど亡国機業なのだが、一応名目上はそうなっている。まぁ亡国機業としてもあれは止めたいし……万が一の為に回収しておきたいものもある。
「やぁやぁやぁ! いーちゃん元気かな!?」
「篠ノ之束……何、喧嘩売りに来た?」
「いやいやいや! そんなことないよ! ちょーっと面白そうな事がおきそうだから、セシリアちゃんといっくんの所行ってあげて! はいここのマーカーが2人のいる所だよ!!」
私は驚いていた。やたら献身的な篠ノ之束にではなく、篠ノ之束がセシリアを名前で呼んだことだ。本来こいつは、認めた人間以外は全て同じ扱いだ。空気やチリ、いてもいなくても変わらない存在なのだ。
それが、セシリアを認識した。明らかに何かしらの思惑を感じられるが、しかしやることがないのも事実。そして今はこいつと争っている暇がないのも事実……
「わかった」
とりあえずは向かってやろう。ISは調整中だから……って思ったけど、カリオストロは無いのに、サクリファイスまだ残ってたんだ……ま、護身用のISとして使わせてもらおうかな。武装が全くないけど!!
「ここか……」
マーカーを追ってきて、私はセシリア達のところに辿り着いた。そこでは……全てが終わったようだった。織斑一夏、セシリア、そしてそのメイドのチェルシーがいたのだ。
「……終わった?」
「五十冬、さん……?」
「……何でここが……」
「あんたらをこっちに寄越した篠ノ之束のご意思だよ」
「……束博士が……」
何故かセシリアは下着のみとなっている……のだが、傍に落ちていた2振りの剣が何となく起こったことを教えてくれていた。
「なるほど、2人で斬り合いでもしてた訳? 随分とイチャイチャしているようで」
「それは……」
「おい……」
「そろそろ作戦開始だから……セシリア、ちゃんと服着て帰ってきなよ? メイドのチェルシーだっけ? あんたも……ちゃんと『やるべき事』やってほしいよ」
「……分かっています」
分かっていない。いや、分かっていてこの女はそれを行わない。ダイブトゥブルー……チェルシーの所有するIS。今この女は一応亡国機業側の人間だ。けど、恐らくその目的を達成したらセシリアの元に戻るだろう……そのISを持って。
「今回の作戦……全員の力が必要になるから」
「お前も……出るのか?」
「当たり前、エクスカリバーは本当に恐ろしい兵器なんだから」
まず誰かが死にかねないだろう。というか、この作戦で死なない可能性はかなり低い。実力やレベルが低いとかじゃない。一撃でも当たれば終わりなのだから。
緊張が油断を産み、油断が死を招く。今回の作戦はそこまでのものだ。
「……意外だよ、本当に……亡国機業が今回の暴走を見逃さないなんて」
「私も意外だよ……でもまぁ、目的が達成されても自分たちが死んでちゃ話にならないしね」
「……セシリアに服を着せてから戻る」
「ん、わかった」
そうして私だけ先に戻る。今から私は、エクスカリバーを攻略したあとのことを考える。攻略はしないといけない、だから攻略方法は作戦を考える担当の人達に任せるだけだ。
一応名目で政府から『大人』は配置されているが、こちらの作戦に任せるといった状態なのでガン無視である。
「じゃあ……作戦を説明するね」
作戦はこうだ。セシリアが地上からエクスカリバーを撃ち抜く。勿論、ただのブルーティアーズでは不可能だ。そのため、専用装備『アフタヌーンブルー』によって攻撃を最大強化、地上から宇宙に向けての一閃でエクスカリバーを破壊すると言ったものである。
ではセシリア以外はどうするか?
「先輩たち2人は地上でセシリアのサポート、残りは私を含めて……エクスカリバーに突撃 」
「ただ突貫するだけじゃダメだよね?」
「そう、その為に……防御膜を張る」
「膜……というと?」
箒が簪に質問する。エクスカリバーの為に、一応シールドは支給されている。理論上1発までなら防ぐことは可能とされている装備だが……
「私がナノマシン全てを使って、みんなの前方に巨大なバリアを形成する。ただ私は後ろからついて行くだけになるし……エネルギーもかなり消費されると思う。
だから、篠ノ之さんには私のフォローをお願いしたいの」
「……絢爛舞踏」
確かに、エネルギーを回復できる絢爛舞踏なら簪のサポートができる。だが、それでも防ぎきれる気がしないのは何故だろうか?
「そう……でも、多分それでも足りない。だから……五十冬に2つ目の膜を任せたいの」
「あー、ハイハイそういう事ね?」
進化したカリオストロ……もとい、カリオストロ・フィフスは五機のISのスペックその全てを引き継いでいる。
特にドイツ側の二機……ラウラのISには知っての通りAICが搭載されている。それが新型の方にもあるのだ。無論、ラウラのを盾のAICだとするならこちらは矛のAICだが。
要するに、その2つを使ってナノマシンの内側に更に防御をつけろということらしい。ないよりはマシ、というわけだろう。
「全装備を使って、レーザーを防いで欲しい」
「思ってたよりえぐかった」
AICだけじゃなくて全装備なのね……まぁ私は頑張りますよ。ミスったら終わりなのに頑張らないのは間違いでしょ。後足引っ張ったとか思われたくない。
「まぁいいですよ、やりますよやってやりますよ」
「……私達は囮。本命はオルコットさん……でも、万が一のことも考えて私たちの誰かが……または私達全員でエクスカリバーを破壊できるようにしておかないといけない」
「……だから、全員のISの制限をとっぱらったって訳?」
まぁ亡国機業側のISならやってる事だけど……まず、ISは簡単に人を殺せないようになっている。IS学園にあるISはもれなく全員そうなっている。
簡単なことをいえば、これで人殺しができないようにするためだ。無論、殺せないだけで怪我をさせることは出来る。しかし、その制限があるとISの攻撃力にも影響が出てくる。簡単に言えば威力が落ちる。
つまり、これを外すことでIS本来の火力に戻るというわけである。
「そう……何としてでも、破壊しないといけないから」
「ふーん……」
「……それで、ようやく本題。そもそもエクスカリバーが何なのか……説明してもらう」
「……はい」
そこに居たのはチェルシーだった。どうやら、エクスカリバーの事情を知っているようだが……
「あのエクスカリバーはイギリスとアメリカが極秘に開発、運用していた攻撃衛衛星……というのは建前。本当の所は生体融合型のISです」
「……何でそんな事情を知ってるんですか?」
何となく気になったこと。恐らくこの場の全員が思ったことだろう。一介のメイドが知っている事実ではない……と。
「……あれには私の妹、エクシア・カリバーンが搭乗……いえ、搭載されていますので」
「チェルシーに妹……? そんなことは━━」
「いたんですよ、戸籍から抹消された私の妹が。ずっと、探していた妹が……」
つまり、何らかの理由でチェルシーの妹……エクシアが拉致。そしてそのままエクスカリバーの部品にされたということだろう。さて、部品となっているということは殺すしか取り出せないだろうけど……
「……」
ところで私の隣にいるエムが無茶苦茶不機嫌なんだけど……理由わかる人いるかな? え? 私のせい? そんな馬鹿な……まさか織斑千冬が捕まっただけでここまで不機嫌を明確にするやついる?
「私は、極秘に開発が完了していたブルーティアーズ三号機を奪い、亡国機業へと落ちた裏切り者……しかしそれでも、妹も祖国も諦めきれない半端な覚悟しか持ち合わせていないのです」
「ならば、半端な覚悟しかない奴がここに立つな。ISだけを置いてさっさと帰るがいい」
「エム、話進まないから黙っててよ」
「黙れ」
ほんとにこいつ機嫌悪いな今日……織斑一夏と共闘するって言うことも相まって、余計に機嫌を悪くしているのだろうか? とまぁ、ここまではいいとして……
「簪、さっきの作戦なんだけど……篠ノ之さんは織斑一夏のサポートに回らせた方が良くない?」
「それも考えた、けど念の為」
一応言っておくが、今回作戦を行う装備の中に
それがあればある程度はサポートも1人でフォロー出来ると思うけど……簪はそれで足らないと考えているようだ。
「そう……」
「……他に質問があったら、言ってね。今からヘリに乗って移動するから」
セシリアは地上、宇宙組はカタパルトで射出される。さてさて、一体どうなってしまうのか……見ものである。
side?
作戦開始までの時間、ヘリに乗ってじっと待つ一同。そんな中で五十冬は篠ノ之束と一緒のヘリに乗っていた。
何故一緒なのかは疑問に思わなかった五十冬だが、嫌悪感と恐怖は抜けきるものではなかった。
「んー? そんなに黙っちゃってどうしたのかなー?」
漫画やアニメならば、キラキラの表現が使われそうな雰囲気を出しながら束は視界内に五十冬を入れていた。五十冬を見ていないのは、五十冬自身勘づいていることである。
「ねぇねぇ、IS5個分のコアの情報量はどうかな?」
「……何の話?」
「んー? 君がIS5個分のコアと繋がっている……って言うのが本当かどうか気になってさ!」
「……? カリオストロとは繋がっている」
「あー、そうじゃないんだよなぁ……じゃあはっきり言うね!」
その前置きに少し苛立ちを覚えながら、五十冬は束の声に耳を傾ける。これだけでも五十冬は嫌悪感と吐き気でいっぱいいっぱいになりかける。
「君、取り込んだだけでろくにスペックもろくに使いこなせてないのに、イキってるの?」
「……お前……!」
「おぉ!? どうやら着いたみたいだよ!!」
篠ノ之束の煽りに少し苛立ちを覚えながらも、五十冬は自分を見失わないように冷静に意志を保つ。篠ノ之束はこういうやつなんだと自分の暗示をかけながら……エクスカリバーに対する兵器、アフタヌーンティーを眺めながらそう思うのであった。
五十冬の見た目
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黒髪ロング、胸はない
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黒髪で肩までの長さ、胸はない
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茶髪ロング、胸はない
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茶髪で肩までの長さ、胸はない
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なんでもいいけど眼鏡が欲しい