「……」
織斑一夏が、王女殿下の付き人となった。その事実に五十冬と名付けられている少女は少し面白く感じていなかった。同じように、箒もまた面白くないようで2人して少し拗ねていた。
「……偶には、歩こうかな」
IS学園は本日はおやすみ、街に出かけた五十冬は気まぐれで自分のイメチェンを始めた。なにも縛っていなかった髪をサイドテールに纏めて、メガネをコンタクトに変える。
たったそれだけの事だが、パッと見ただけでは既に彼女を五十冬と認識する女性はいないだろう。
「……けど、何をしようかな━━━」
特に理由もなく、五十冬は街に出かけていた。やることがあるわけでもなく、かと言ってIS学園でやることがある訳でもない。そんな暇な時間が彼女に退屈を与えていた。
だが、その裏で……彼女の後ろをつけている少女が二人いた。マライアと簪である。
「……お姉様の記憶を取り戻すための、計画……」
「……それは、何度も聞いたけど……どうするの?」
「……ここに秘蔵のビデオがある、それを使って……!」
「……ビデオ? 五十冬の日常風景を撮った、とか?」
「違うに決まってるでしょ……お姉様がどんな性格だったかを思い出してもらうために……した事の一部が乗ったビデオ……! その最新弾……!」
「……?」
マライアが取り出した1枚のディスク。なにもタイトルが書かれていないそれを、一体どこで再生するのか……簪は分からなかったが、とりあえず碌でもないということだけは彼女は理解していた。
「……ところで、なんのディスクなのそれ……」
「……シャルロットとラウラの、その後というか……まぁその序章が乗ったもの、かな」
「……そりゃまた、悪趣味……」
「なんとでも言いなさい、私はお姉様のためなら……阿修羅にでもなるわ……というわけで行くわよ、お姉様を拉致しに」
「……」
あまり乗り気ではなかったが、簪は仕方なくついて行くことにした。彼女もまた、今の五十冬ではなく前の五十冬に戻ってきて欲しいと思う1人なのだ。
故に、マライアの作戦はあまり乗り気では無いものの彼女を取り戻すためならなんだってする所存ということである。
「……ところで、それ……シャルロットとラウラって話だけど……」
「あ、見る? ちょっと待って携帯デバイスに保存してるから……」
イヤホンをつけたデバイスを簪に投げ渡す。簪はマライアの後について行きながらも、その映像を見始める。音漏れがないように、イヤホンはきちんと確認済みである。
少し前の時間。シャルロットがとある場所に移されてからの話だ。彼女が今どこにいるのか、それは彼女自身も映像を見ている人物も理解できない。
ただ、唯一分かることがあるとすれば……窓もない明かり一つだけの部屋に、シャルロットは全裸で捨てられているということだけである。
「……へへ、まさかあのデュノア社の娘とやれるなんてな」
「つっても、妾の子だって話だぜ? んで、男だと偽って入れと言われ……IS学園に入ったばっかりにこうよ」
「……貴方達、僕みたいな子供にこんなことして楽しい?」
映像の中で、シャルロットは男たちを睨みつける。だが、全裸という状況である以上男達にその睨みは通じない。
「子供つってもよ……15だろ? 孕む準備が出来てる年齢じゃねぇか」
「まぁ、それ以前にこんな体しといて食わないなんて……んな恥知らずな真似ができるかって話だ」
「たしかにな」
男たちはゲラゲラと笑いながら、ゲスな話題を繰り広げる。そんな男達の態度に、シャルロットは辟易していた。どうせ、こういう目に遭わされるのは覚悟の上である。
だから、幾ら犯されようとも彼女は自分の心まで侵食されることはないと自負していた。
「……好きにしたらいいよ、僕は絶対に折れないから」
「……ほーう? 虚勢張ってる……って訳じゃねぇな、こいつぁ本当に骨が折れそうだ」
「んじゃあどう済んだよ」
男はわざとらしく考えていく。なにをどうすればいいのか、既に決まっているのだ。だが、それを仄めかすようなことさえ差せない。
「そうだな、お嬢ちゃんの頑張り次第では……ここから解放してやってもいいぞ?」
「……なんのつもり?」
突然の言葉に、シャルロットは信用をすることは有り得なかった。自分をこんな目に遭わせている男達を、簡単に信用できるわけがないのは当たり前である。
しかさそれは、シャルロットから見て+に働き掛けるようなことが起こった場合である。
「ただし、逆に言えば頑張らなかったら……『お友達』に被害が及ぶって話だ」
「っ!? まさか、ラウラ!?」
「さて、どうだろうな? まぁそのラウラってお友達の他にも友達はIS学園にいるだろう? そっちに手を出す可能性はあるかもなぁ?」
「っ……! 卑怯者!!」
「好き勝手言ってくれてどうぞ、俺ァそういうことしてるから今まさにこの場にいるんだしな」
「くっ……!」
『従わなければ、他の人物に危害を加える』というのは、嫌でも目標の人物を自分に屈服させる事が出来る魔法の言葉である。目標の人物が他人と全く関わらないような生活を送っていたら話は別だが、まずシャルロットは有り得ないだろう。
「……分かった、僕が頑張るから……皆には手を出さないで……」
「いい応えだな、って訳で……今から面白いことをしてやろう」
「……? 面白い、事?」
男の言葉に耳を傾けるシャルロット。男は手に持っているリモコンを操作する。上からプロジェクターのセットが現れる。そして、そのまま映像が壁に映し出されていく。
その映像に写っていた人物に……シャルロットは息をのんだ。
「━━ラウラ!?」
その映像には、カメラに向かって睨みつけているラウラが映し出されていた。しかし、向こうに映像は届いていないのかラウラは特に反応を返していなかった。
「ラウラをどうする気!?」
「いやぁ、上質なメスが2人も手に入ったもんだから……ついつい面白がってゲームを始めちまったんだよ」
「……ゲーム?」
睨みながらも、シャルロットは睨んでいた。別に隠すことでもないためか、男はペラペラと喋っていく。
「あんたとあの女……早く落とせた方が賞金が貰えるってゲームだ。賞金の他に勝者に与えられるのは……あんたら2人のこれからの人生だ。逃げ出さない限り、あんた達は永遠に男に奉仕させられる生活を強いられちまうって寸法よ」
「こんな、こんなひどいことが出来るなんて……」
「嫌でも受けてもらうしかないぜ?」
「くっ……」
シャルロットは歯がゆい思いをする。届きそうで届かない。助けられるはずなのに、助けられない。ラウラがどれだけ酷いことをされたかわかっている以上、彼女は絶対にシャルロットは守りたかったのだ。
「……せめて、ラウラには手を出さないで……」
「いいぜ? あんたが折れない限り、だがな……なら早速ゲームを始めようか」
約束を守るとは思えない……それでも、ラウラを守るのにシャルロットは必死だったのだ。そして、男の一言から……シャルロットの陵辱は始まるのであった。
「貴様ら!! シャルロットを……!」
そして、こちらはラウラの視点。ラウラはシャルロットが男たちに囚われている映像を見せられていた。しかし、シャルロットはラウラに気づかない。
それもそのはずだ、ラウラとシャルロットは……お互いに捕まってすぐの映像を見せられているのだから。
「ほら、お前が俺らを満足させればいいだけだぞ?」
「っ……!」
そして、この言葉。簡単な話だ、男達はシャルロットやラウラがどういう性格なのかを熟知しているというだけの話である。
「分かってんだろ? このままお前が拒み続けたら……」
「……くっ……!」
シャルロットが受けざるを得ない状況が出来てしまう、その事実がラウラに屈辱をもたらしていた。自分が、シャルロットの足を引っ張っていると思ってしまっているのだ。
しかし、彼女達は自分の頑張りが全く無駄であるということを知らない、気づきもしない。
「……何故だ」
「あ?」
「何故……シャルロットを巻き込んだ……」
「おいおい、お前らが正式なルールの元に負けて送り飛ばされただけだろ? それに、お前の出自やもう片方の女の出自……お前らが捕まったおかげで、ある程度切り捨てられた人間もいたって話だぜ?」
「だが!! 私達をこんな目に合わせる理由には……!」
「分かってねえなぁ……」
「……何だと?」
男の言葉に、腹が立ちながらもなんとか冷静さを保とうとするラウラ。手を出してしまえば、シャルロットが危ないのは明白だからである。
「このご時世……必要なのは女じゃねえんだわ」
「……ISを動かすためには、女性が必要だが?」
「違ぇな、必要なのは『IS適性が高く、なおかつ動かせる奴』だ」
「……?」
男の言葉とラウラの言葉。一見違いがないように思える。ラウラも事実、何が違うのか理解が出来ていなかった。だが、それは100も承知なのか男も語り始めていく。
「要するに、だ。女は女でもISを使える女じゃねぇといけねぇ……確かに、女はISを動かせる……が女がいつでもISを動かせるかといえばそうじゃねぇ、ISを持ってない女もいる訳だからな」
「……それが、どうした?」
「必要なのは、必要な時に働ける従順なISパイロット……つまり……何としてでも、屈服させて自分は所有物だと認識した女だけが必要なんだよ、俺らには」
「ふん! 女に勝てないからと卑怯な手で挑む奴らはいうことが違うな……!」
「おいおい、お前……ISの戦闘でも同じことを言うのか?」
「戦闘は戦闘だ……お前らがやっていることは、どの国でも法に違反していることだ。卑怯な手と何が違う?」
「ふん……卑怯な手とか、罵ってくれても構わねぇけどよ……」
男は……ラウラを持ち上げる。力による抵抗は、やろうと思えば可能だっただろう。しかし、今はその方法は得策ではないとラウラは我慢するしかないのだ。
「お前……今から自分がどんな目に遭わされるのかわかってて言ってんだな?」
「……ただ、犯すだけだろう」
「そうだな……本来ならそうしたかったところだが……」
「……?」
「特別だ……お前には、キツイ罰を与えねぇとな?」
ラウラは背中にうすら寒いものを感じた。そして、直感的に自分が酷い目に合わされることも、なんとなく感じとった。しかし、それがどんなことであれ……我慢しなければならない……ラウラはそう決意するのであった。
「……まだ、序章?」
「本格的な映像は、これから!」
「は、離してください!!」
そして、簪は見終えた映像と共にデバイスを返す。マライアはとっくに五十冬を捕まえており、首根っこ掴んで漫画のように引っ張っていた。
「さぁて……これからのえげつなさを確認して……ちゃんと自分を取り戻してくださいね、お姉様」
悪い笑みとは、今のマライアのことを言うのだろう……簪は冷静に観察しながらも、そう認識しながら……マライアを止めることなく一緒に着いていくのであった。
五十冬の見た目
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黒髪ロング、胸はない
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黒髪で肩までの長さ、胸はない
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茶髪ロング、胸はない
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茶髪で肩までの長さ、胸はない
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なんでもいいけど眼鏡が欲しい