「え……王女様が拉致されかけた?!」
とある日のこと。王女アイリスがとある集団にさらわれかけたという話が出てきた。その時は織斑一夏が一緒にいたおかげで何とか助かったが、アイリスの事を守っているジブリルはたいそう憤慨しているそうな。
「そうらしい……だから一応、私たちで様子を見に行く、という話になった」
「そうだったんだ……織斑君は……」
「……絶賛、叱られ中だ」
箒、セシリア、五十冬の3人で学生寮にある一夏の部屋へと向かっていた。アイリスは恋のライバルとなっているが、それ以上にいい友人でありたいとも彼女たちは思っている為に、様子を見に行くのだ。
「一応、他の先生が対応してくれているという話だが……」
「心配だね……」
「あぁ、全くだ」
様子を見に歩き続ける3人。そして、到着してからすぐ様目を覚ましたであろう王女の1言が3人の……この中では主に2人に刺さる言葉を投げかける。
「━━━織斑一夏を我がルクーゼンブルク国に招く。妾の世話係として、一生を共にするのじゃ!!」
「は?」
最初に声を上げたのは一夏だった。恐らく寝耳に水だったのだろう。なにせ、この言葉が意味することはほとんど結婚だからである。
「はぁ?」
次に声を上げたのはジブリル。当たり前だ、王女が拉致されてから助けに行く男に今説教していたのに、主がその男と結婚するのだというのだから、そんな声も出てしまうだろう。
「「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!?」」
そして、最後に五十冬と箒が大声をあげる。王女特権とも言うべき、彼女の暴君っぷりに驚きながらも怒りを滲ませた言葉である。だが、それらの言葉をアイリスは全て無視して進めていく。
「意義のある者は名乗り出よ! さもなくば永遠に口を閉ざすがよい!!」
「あ、あります! あるに決まってます!!」
意外にも、声を出したのは五十冬だった。今ではそれなりに消極的になってしまった彼女だったが、それでもこの件だけはどうしても許せない様だった。
「ほう? 貴様……ジブリルを見ていた者か……名は?」
「……お、鬼村……五十冬です」
記憶を失っているが、そういう風に名前を伝えられた以上自分はこう名乗る方が良いだろうと思い、五十冬はその名前を語る。
「ふむ……ならば鬼村五十冬よ、この妾と対決するか? 無論、女同士の真っ向勝負ISでの対決じゃ!」
「いいですよ!? やってやりますよ!!」
胸板の2人が燃えている最中、突如として2つの大きな果実……ジブリルが割って入ってくる。
「いけません王女! このような者と争うなどと、王族のすることではありません!」
「格の違いを思い知らしめるにはいい機会じゃ」
「そのようなこと! ならば、私が代わりに戦います!!」
「何を言う! 王たるもの、先陣を切って敵を蹴散らさねばそれこそ戦場の恥ぞ!!」
2人が言い合う中、気が気でない五十冬は冷静な判断が出来なくなってきた。つまり、どういうことかと言うと……
「私は別に二人がかりでも構いませんよ!?」
「ならば2対2の決闘といこうかの!! そちらも1名手配せよ!!」
「いいですよ!? 篠ノ之さん! 一緒に戦いましょう!?」
「えっ」
突然の指名により、困惑する箒。だが、思うところがあったのかその首は縦に振られる。恐らく彼女も一夏がこのままぽっと出と言っても過言ではない王女に取られるのは癪なのだろう。
「はぁ……わかった……」
「話は決まったようじゃの、では決戦は1週間後の日曜、第三アリーナで開始する!!」
「……で、受けちゃったと」
「う、うん」
その後、五十冬は簪の元を訪ねていた。というのも、現在の彼女ではISの経験はほとんどないと言っても過言ではないのだ。つまり、頼るにはメカニックの視点がいるという話である。
「……まぁ、こっちも丁度よかった」
「へ?」
「……試してみたいこと、あったから」
「試してみたい……こと?」
「そう……まぁ、ISの移植というか……」
「……?」
何の事だか全く理解できない五十冬だが、しかし自分のためにやってくれてると言う話だと、ほんの少しだけ嬉しくなれる。前に見せられた映像のせいで、苦手意識は少し残ってしまっているが、比較的簪はまだ話せる方である。
「……その辺は任せておいて、決闘までには間に合わせられるから。あとは、貴方次第」
「う、うん……分かった」
一旦、五十冬は簪に全てを任せることにした。この五十冬は後から知った事だが、簪は自分のISを自分で作成したので改造だけならばある程度お手の物ということである。
「だから……サクリファイス、貸して」
「は、はい」
残っていたもう一機、サクリファイスを五十冬は簪に渡す。一体どんな改造をされるのかはわからないが、別に改悪を施される訳では無いだろうとだけ思い、五十冬は1度その場を立ち去るのであった。
「━━━どうする気?」
そして、立ち去ったあと……その場にはマライアが現れる。サクリファイスとカリオストロ、一体どうさせるつもりなのかを拝見しに来たのだ。
「カリオストロ・フィフス……その武装をそのままサクリファイスに移動させて、新しいパックとして換装させる」
「……それもう、新しいISじゃないの?」
「うん……まぁそんな所……かな……」
「……でも、楽しみにしておくね」
「うん……一応、今の五十冬を勝たせたいし……前の五十冬の為でもある、から」
簪はカリオストロ……それにもう1つ、大きな機械の中に詰められているものを眺めながら、そう告げるのであった。
side五十冬
あのIS……カリオストロを手放してから、私は妙に体が楽になったように感じました。何故かはわからないけど、重荷が手放されたような……完全に疲れが取れたような……つまりは、スッキリとした感覚を味わっていました。
「……けど、やっぱり緊張するな」
今、新しくISを改造してもらっていて……一体どうなるのか少し楽しみでもあります。ただ、戻ってきたISで私が私でいられるのか、という疑問も抱いてしまいます。
「鬼村、少しいいか?」
そんな中、篠ノ之さんが私に話しかけてきました。恐らく、次の王女殿下との戦いの為でしょう。けど、今の私にはISはありません。ぶっちゃけて言えば、作戦なんて全く立てようがありません。
「なんですか?」
「……次の王女との戦いだが、どう思う?」
「……どう思う、って言うのは?」
王女殿下の事なのは間違いがなかったけど……どうやら別の話題だったようです。けれど、その話題の意味が私にはよく伝わりませんでした。
「簡単な話だ、相手が妙に自信ありげだったのが気になってな」
「お付きの人の……ジブリルさんだっけ? その人の力を信用してる……とかじゃなくて?」
「いや……あの感じは……恐らく、王女自身のISも強いと見るべきだ」
けれど、王女殿下は私たちよりも年下……今まで戦場に立つようなところにいたとは考えづらい。そうなると、経験がなくても戦えるようなISなのかそれとも自信過剰なのかの2択になる。
「……強いのは確定だけど、王女の経験値の問題……なんですよね」
「私達もISを使い始めて1年も経っていない。だが、それでもあちらの方が経験は下なはずだ」
「それに、お付きの人も戦おうとすること自体止めようとしてたけど……」
「理由は、私達のような人物が王族と戦うなと言っていたな……」
つまり、王女殿下自身が戦うこと自体は反対していないのだ。相手が、私達みたいな一般市民と言うだけで。
「……つまり、私達が相手でも勝てる可能性を持ってるってこと、ですよね」
「舐められてる、と言えばいいかもしれないが……実際私達はどれだけ強いのかを知らない。準備してかからないとな」
「はい!」
ふと、篠ノ之さんの目を見ると……一瞬だけ赤く光ったような気がした。少しだけ気になったけれど、もしかしたら気のせいだったかもしれないので、私は特に言及することなく終わった。
「……ところで、ISはどうしたんだ?」
「今更識さんがサクリファイスを改造してくれてるって……」
「……そうか」
少し考え始める篠ノ之さん。何か気になることがあるんでしょか? 私は尋ねようとしましたが、直ぐに振り返って篠ノ之さんはその場を離れていきました。
「……どうなるんだろ? 私のIS」
期限は1週間……それまでに完成してくれるらしいけど……ぶっつけ本番で使うことがないようにしたいなぁ……なんて事を考えながら、私はドキドキしながらこの1週間を過ごす事になるのでした。
side?
「ISサクリファイス……マルチ戦闘型パッケージ『軍神』」
「最弱のISが、パッケージを変えただけで軍神クラスまで強くなったって事? 随分と盛ったね」
「……名前は大事、それに見合った戦闘能力は一応ある。使いこなせれば……だけど」
「お姉様だったらどうなってた?」
「五十冬はあるものを使おうとするタイプだから……多分、大丈夫。今の五十冬は知らない……けど、使いこなせてもらわないと」
簪とマライアの怪しい会話が光る。その中で、簪は新しいサクリファイスのデータとは別にまた別のデータを広げる。
「カリオストロ・フィフスの装備データを改造、ひとつのISとして収めたそれを『全て』サクリファイスに移動」
「おかげで、カリオストロの中身は全てすっからかん……」
「これで……『器』はできた。あとは、カリオストロの中のコア全てに……情報を打ち込んでいくだけ……その為に、五十冬に1度ISを着てもらって体のデータを取らないといけない」
「ふふ……方法としてはかなり狂ってるけど……お姉様の意識がカリオストロに残っているっていう一か八かの賭け……それは成功しそうだね」
「……成功したら、IS界における革命……別に革命を起こしたいわけじゃないけど……」
データを閉じた簪。気づけば既に決戦の日は近くなっていた。ぶっつけ本番になってしまったことは五十冬に悪いと思っているが、王女殿下のISが余程の強さじゃない限り……確実に勝てる性能となっている。
「まだ第二形態移行すらしてないサクリファイスだけど……頑張ってね、五十冬」
そして、簪はサクリファイスを持って五十冬にそれを届けに向かう。何があっても、五十冬はこれを使わなければならない。カリオストロでは無いので問題ないと判断しているが、勝負は何があるかはわからない。
その分からないことに対して……屈することは五十冬には許されていないのであった。
アーキタイプブレイカーをダウンロードしようとしたら、自分のスマホだと出来なかったみたいで…ちょっと残念な思いしました。
五十冬の見た目
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黒髪ロング、胸はない
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黒髪で肩までの長さ、胸はない
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茶髪ロング、胸はない
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茶髪で肩までの長さ、胸はない
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なんでもいいけど眼鏡が欲しい