ついに対戦の日が来ました。私と篠ノ之さんは頑張って王女様とお付の騎士の人を倒さないといけないです。ISは直前に渡されたせいでぶっつけ本番になってますけど……一応装備の説明だけは受けました。
あとは、どうやって倒すか……なんですけど……
「……まさか、相手は2人とも第4世代型とはな」
そう、王女殿下もジブリルさんも第4世代型ISだったんです……相手の装備は更識さんが調べてくれたので、ある程度助かっています。
まず王女殿下ことアイリスちゃんのIS……『セブンス・プリンス』からです。
セブンス・プリンスは第4世代型ISの新兵器、『
次に、ジブリルさんのIS……『インペリアル・ナイト』は雷を操る剣と盾『エクレール』を装備してます。どちらのISも、油断したらまず確実に負けるでしょう。
「私が言えた事じゃないですけど……機体性能だけに頼ってたら、まず間違いなく負けますよ。強さ=ISの世代じゃないんですから」
「……ふ、たしかにその通りだな」
そして、刻一刻と勝負の時が近づいてきます。そして、ついにその火蓋が……切って落とされました。
「試合開始!!」
散開する4つのIS。まず、簪ちゃんが言うには私のISはアイリスちゃんとジブリルさん……どちらを相手して問題ない性能だそうです。けれど、紅椿はどちらかと言うとジブリルさんを相手にしていた方がいいらしいので、私は……アイリスちゃんを狙うことにします。
「先手必勝!!」
サクリファイスの超高速移動はそのままに、私はそのまま突撃を掛けます。当たり前ですが、その間にジブリルさんが割り込みます。
「アイリス様に━━━」
何かを喋っているようですが、私は色々な箇所に着いているブースターを連続起動させていきます。今手に何も持っていないので、そのまま超高速で移動しながら、ブースターによって無理矢理速度を挙げられた拳がジブリルさんに当たります。
「グッ……!?」
「はぁぁっ!!」
そのままの勢いで、私はジブリルさんを殴り飛ばします。勿論、そのままの速度を維持してると腕がロケットパンチしちゃうらしいので、少し弱めにブースターを起動させて吹き飛ばしたあとの威力を減衰させます。それにより、脱臼すら起こさない仕様にしてるんだとか。
「凄い……」
「ジブリル!! くっ……見るがいい!! 重力爆撃の力!!」
アイリスちゃんが、腕を軽く振ります……その瞬間に私の体に凄まじい重力がかかって、地面に落下していきます。どうやら、簡単な操作で重力を操れるようで……
「くっ……! うぐっ!?」
私はなんとかギリギリ回避できましたが、その直後に雷が降ってきて……それは直撃してしまいます。
「……調子に乗るなよ、小娘」
「か、雷はきつい……」
何とかそこから抜け出せましたが、かなり高威力なのでもう二度と喰らいたくない、というのが本音です。つまり、なるべく2人の攻撃は避けていかないといけないわけですが……
「なら、こっちで……!」
サクリファイスに新設された新しいエネルギーガン、『デュランダル』連射は効かない代物ですが、その分一撃の威力が相当高くなっていて下手な防御は簡単に貫通してしまう代物です。厚さ100mmの鉄板は余裕らしいです。
「アイリス様!!」
その一撃は、アイリスちゃんに直撃します。にしても、さっきからアイリスちゃんゆったり動いているように見えますけど……何故でしょう……? 勝者の余裕というやつでしょうか? まだ勝ち負け決まってませんけど。
「━━━ほう、中々やるではないか」
「っ……!?」
アイリスちゃんへの攻撃は、どうやらアイリスちゃんのISに備わっている7枚の羽により防御されてしまっていたようで……あの羽自体にも、重力操作が出来るのか強力な重力のバリアができていました。
でも、あのはねにそこまでの防御性能があるってことは……ゆったり動いているのってまさか……
「……なら、この連続攻撃なら……!」
「っ!? まさか副腕か!?」
サクリファイスの背中のパーツが変形して、巨大な4本の棘になります。見た目でいえば、蜘蛛の足っぽい感じ。背中で繋がってるとはいえ、外して遠隔操作できる代物だけど……今回はこっちはまだ使わない。
「副腕と言えば副腕ですけどね……本命は……!」
それぞれが変形していく。少しだけ前に出てから、前後ぐるっと半回転。中から現れたのはレーザーキャノン。4つともそれなので、全四門です。それぞれ1発の破壊力は、凄まじいものです。
「これで狙えば!!」
「っ!」
私の意図を理解したのか、再びアイリスちゃんは羽でバリアを形成させます。けれど、それをしたところで無意味な訳です。アイリスちゃんは攻撃を受けている間動けませんが、私は両手が空いている。どんなことも出来るわけです。
「やらせん!!」
「こちらの台詞だ!!」
ジブリルさんが私に向かって来ますが、篠ノ之さんが間に割り込んで攻撃を防いでくれます。彼女は篠ノ之さんに任せても問題ないと思って、私はそのままアイリスちゃんに近づいていきます。
「ひっ……!?」
レーザー撃ちながら近づいてくる私の姿は、アイリスちゃん敵には恐らくかなりの恐怖を与えているんでしょう。私たちと年齢はそこまで変わりませんが、実戦経験は全く皆無……あれ? そう言えば━━━
「私、ISを使うの初めてなのに……どうしてここまで━━━」
アイリスちゃんは、圧倒的な力を持っていながら相手に好き勝手されたことに対して、恐怖を覚えています。それは、実戦経験があまりにも無さすぎるが故に、経験を持つ相手に対して自分が格下だと認識してしまうためです。
けど、なら……ISを全く使ったことがない私は……どうして、恐怖心がまったく……
『私がいるからに決まってんじゃん、まぁ一旦抜けさせてもらうから……後は頑張ってね? あ、この姫様は脅かしていくけど』
そんな声が、私の頭の中に響いたと思ったら……私は急に力が抜けていました。そして同時に、私の体から黒い粒子みたいなのが現れていきました。
「な、何を……!?」
『アイリス王女殿下、あんた……
黒い粒子は人の腕のような形になり、アイリスちゃんのバリアを簡単に通り抜けていきました。攻撃力が高くて無理矢理貫通させられた……なんて言うものではありませんでした。
まさしく『通り抜けた』と言わんばかりにスルッと入っていきました。
「がはっ……!?」
「アイリス、ちゃん……!」
謎の黒い手は、アイリスちゃんの首を掴んでいました。しかし、その力は弱いのか跡すらろくにつかない程の物だったようで、それが加減しているのかそう出ないのかの違いがわかりませんでした。
『できればあんたもここで始末していきたいけど……まだカリオストロは本調子じゃないんでね、アンタは置いてあげるよ』
力を失った私は落下していきます、そして私がアイリスちゃんより完全に下に位置する場所まで落ちている時には……黒い粒子は完全に消えていました。
「鬼村!」
「アイリス様!!」
篠ノ之さんと、ジブリルさんの声がそれぞれを呼びます。私は何かが抜けた虚無感を味わいながら、その意識を手放していました。しかし、意識が抜ける直前……先程の黒い粒子がジブリルさんのISにまとわりついたような……そんな気がしたまま、意識を落としてしまったのでした。
side?
「……調子乗っちゃ、ダメ」
『はぁい、さすがに反省してるよー』
簪はパソコンの画面越しに、誰かと話していた。部屋にいるのは彼女だけであり、傍から見たらパソコンで通話しているだけのように思える。
「まだ不完全なんだから……」
『でもでも、奪ってきただけいいと思ってよー』
「……鬼村五十冬という人物の体に融合していた6つのコア。その制御権をあなたに戻す為に必要な行為だったの」
『まぁ、それはわかるけどね? てかさ、これほんとにどうなってるの? 未だによくわかってないんだけど?』
「私から言わせてみれば、意識だけISに残されてたあなたの方が異端……技術自体は、電脳ダイブの応用……ISのコアに意識が残っていた貴方だからこそ出来た芸当」
『電脳ダイブねぇ……?』
「そっち側から、まるで車やバイクを動かしてるみたいな感じで出来たでしょ?」
『まぁ、うん……出来たけどさ……で? 6つのコア……これでどうするって言うの?』
「貴方が持ってたコアから、全武装データ引っこ抜いて……サクリファイスに移した。空いた容量にナノマシンと体のデータをぶち込んで……体を再構築させる。いわば、全身ナノマシン人間」
『……まぁ、碌でもないもの作ってるって言うのは理解出来たわ。もうISじゃないよねここまで来ると』
「あくまで過程だから……ちゃんと、戦えるすべもあるけど……またそれは、今度ね」
『ほーい』
怪しく会話する一人と一台……それを見ている者は、この場で誰一人としていなかったのであった。
『ふふふ……楽しみだなぁ……』
「ISのコアと言うだけで……別段IS以外に使えないわけじゃない……理論上は、まだ貴方はISの部類だけど」
『え、全部ナノマシンなのに? ていうかナノマシン便利すぎない?』
「そもそも、お姉ちゃんがああやって使ってる時点で相当使い勝手はいいよ……ナノマシンは、相当便利なものだって認識だけしておいて」
『はーい……今起動してもいい?』
「いいけど……まだデータを入れてないから……再構築しづらいんだけど……?」
『慣らし運転は必要だかんねぇ……ま、体が戻ってくるまでの我慢だよ我慢』
簪は、改めて会話している人物に呆れつつも凄いとは感じていた。その人物の、精神的なイカレ具合もそうなのだが……順応性の高さにである。
最早、まともな精神をしていないのは明白であり……その精神性故にまともなことは期待できないのだろうと。簪自身は、それに救われてきていると思っているので、呆れてはいても拒否するほどではない。
「……ま、気をつけてね。あのお付きの剣士の人は……相当厄介だから」
『わかってるわかってる……結構鋭いっぽいからね……ま、ISがなかったら何も出来ないよ。あの人と……王女様はね』
アイリスとジブリルの事を考えながら、その人物は期待しているような声を出す。それは、その2人に対して一体どう言った事をするべきか……それをただ考えていると言うだけの話である。
今まで『彼女』がやってきたようなことを……その2人にも、すると言うだけの話なのであった。
五十冬の見た目
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黒髪ロング、胸はない
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黒髪で肩までの長さ、胸はない
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茶髪ロング、胸はない
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茶髪で肩までの長さ、胸はない
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なんでもいいけど眼鏡が欲しい