「う、ん……」
……私は目を覚ましました。体に力は未だ入りませんが、今自分がいるのがIS学園の医務室ということだけは理解出来ています。何故私がそこにいるのか、少しだけ考えましたが……アイリスちゃんとの戦い以降の記憶がありません。その記憶も、勝負の結果が出ている訳ではありませんでした。
「目を覚ましたか? 鬼村」
私が寝ているベッドの横には、織斑君がいました。窓に目を向けたら、どうやら夕方ということだけはわかりました。けれど、あれから何時間経過しているのかはわかりませんでした。
「……そうだ! 結果は!?」
「えーっと……その事だけどな……」
罰が悪そうに頬をかく織斑君。けれど、どことなく悪い気はしてなさそうな……そんな雰囲気がありました。一体何があのあと起こったのか……私は聞かないといけない気がしました。
「……えっと、勝負は鬼村と箒が勝ったんだけど……」
「けど?」
「……王女殿下は転入届を出した。これにより、私達と学友になった……らしい」
いつの間にかいた篠ノ之さん。その表情は実に面白くなさそうな表情でした……というか!!
「何でそんなことになってるんですか!?」
「王女特権じゃ!」
……まるで待っていたかのように、王女殿下……アイリスちゃんが入ってきました。王女特権って……この学校ではいかなる国にも縛られないって校則があるのに……と、ここまで考えてから私はふと気づきました。
「……あれ? そうなったらこの学校にいる間は……」
「うむ、ただのアイリスじゃ……ジブリルもな!!」
「……へ?」
そう言えば、ジブリルさんがいない。流石にアイリスちゃんを放置して帰るとはとても思えないし……というか、よく見たら医務室の扉に誰か隠れてる……
「な、なぜ私がこのような格好を……!?」
「こちらが負けたのじゃ、当たり前じゃろ」
「当たり前とは!?」
……なんと、ジブリルさんはIS学園の制服を着ていました。確か、あの人20を超えてたような……つまり、20歳を超えた人がセーラー服を……しかもスカートが短くされてる……
「……アイリス……ちゃんが転入すること以上に、ジブリルさんが」
「同学年じゃからどちらも呼び捨てで良いのじゃぞ?」
「えぇ……」
まさかのジブリルさんを呼び捨てにしろ発言、私には到底出来そうにないです……いやいやそれよりも、私ジブリルさんの事の方が驚いたんですけど。
「……ジブリルさん、アイリスちゃんの言う事聞かなくていいと思うんですけど……」
「無、無理だ……体が染み付いてる……」
お付きの剣士というのも、大変なんだろうなぁと私は他人事のように感じていた。多分、他人事のように感じていないと体が持たないような気がしてきた。
「……ところで、鬼村体は大丈夫なのか?」
「……うん、今は大丈夫」
「そっか……けど、あの時……鬼村とアリスのふたりが落ちる瞬間何があったんだ?」
私は、体からでてきた黒いもの……あれを説明しようと思ったけど……アイリスちゃんが首を横に振っていた。どうやら、あれを説明したらダメだと伝えたいのだろう。
「……ちょっと、安心して気が抜けちゃったんだと思う」
「そ、そうなのか?」
「うん、ごめんね? 心配かけちゃった」
織斑君には悪いけど……あれを説明すると、多分私の事を織斑君も篠ノ之さんも心配すると思う。それ以上に、ジブリルさんは私のことを警戒してる。アイリスちゃんはそれを気にしてるんだと思う。
「まぁ、大丈夫ならいいんだけど……」
「うん、私もアイリスちゃんも大丈夫だから」
「一夏、どちらにしても検査の結果が出ない限りなんとも言えない。私達はそれを待つだけだ」
「……だな、気をつけろよ? 鬼村」
「うん、ありがとう織斑君」
私は織斑君に微笑む。精一杯の笑顔だったけど、織斑君はまだ心配してくれるようで気にしてくれていた。アイリスちゃんはともかく、私まで心配してくれるなんてやっぱり優し……ちょっと待って?
「織斑君」
「な、なんだ?」
「アイリスちゃんのこと今アリスって言った?」
「う、うむ! もう愛称で呼ぶ仲なのじゃ!」
「……」
「お、鬼村?」
「……私は大丈夫じゃないので、もう少し寝かせてください」
私は今日、ここでふて寝をすることに決めました。故に誰も私に触れないでください。猛犬注意です。猛獣警報です。
side ■■■■■
「私には名前もない、体もない」
「……名前はあるでしょ」
いやいや、体も何も無いから私が私であることの証明なんて出来ないのに、簪ちゃんは何を言っているのだろうか? 仮に私が世界的に有名なアーティストだったとして、それが真実である証明も嘘である証明も誰もできないでしょうに。
「……それで? 『鬼村五十冬』はどうしてる?」
「……織斑一夏と一緒にいるよ」
「確か、転校生2人入ったんだよね? 中学生と……大人の二名が高校生の学校に」
「まぁ、うん……」
中学生は飛び級があるからまだしも……いい歳した人がセーラー服着てるなんてびっくりだよ、コスプレAVみたいになってそうじゃない? つまりは、結構無茶しちゃってるってこと。私としては見てて面白そうだとは思ったけど……まぁその程度かな。
「あー、なにか大きな事件起こらないかなぁ」
「……それは、私も起きて欲しいって思ってる」
「あれ? そういう刺激を求めるのって簪には珍しいね?」
「刺激というか……ただ、事件が起こればあの2人だけ孤立させられる状況が出来るってこと」
なるほど、確かに孤立すればそういうことも出来なくはないかもね。だからといって、亡国機業側で問題を起こしたらマッチポンプ……というかただの同士討ちになりかねないからあんまりしたくないんだけど……
「……ただ、起こすとしたら……少し原因はあるかもしれない」
「え何?」
「篠ノ之箒……彼女が、何か問題を起こす気がする」
あのIS学園でもきってのおっぱいと、真面目さがある箒ちゃんがそんなことするわけないじゃん! と、言いたいところだけど。私は確かにと納得していた。
そもそも、彼女のIS紅椿……あのISは一体『何が基準で作られたのか』という疑問がある。織斑一夏のIS、白式は恐らくどころかほぼ確実に白騎士だろう。
そして、何が原因かその白騎士は顕現した。となると、対になる紅椿にも何か仕込んでいるに違いないと……私はそう考える。
「……まぁ厄介な事じゃなかったらいいけど……あ、ごめんやっぱり程々に厄介な方がいいかも」
「……まぁ、私たちに被害が及ばないなら……いいかなって」
ま、ここで問題でたら私たちにも被害は出ると思うけどね。そんなこと言ったところでしょうがないから何も言わないけどさ。
「……とりあえず、問題起こってからが……全てかな」
「……ねぇ、少しいい?」
「何?」
簪の顔はとても真面目だ。けれど雰囲気としては……何やら不機嫌な顔となっている。何を思っているのやら……
「セシリア・オルコット……彼女を落とせる?」
「━━━」
『落とせる』多分、意味合い的にブルーティアーズを無効化できるかということなのだろう。私としてはできると断言するし、必ずしてみせる。けれど、何故か言葉が出てこなかった。
「酷い目に合わせてて、それを反省もしてなくて……けれど向こうは貴方に好意を向ける」
「……」
「そんな彼女に、貴方は後悔を覚えてない?」
「……何を言ってるのか、私ちょっとわからないかな?」
「昔の貴方だったら、殺そうと思えば殺せたはず……なのにどうして殺さなかったの? 逃げ出したの?」
「……」
友情、愛情、なんとでも言えるけど確かに私はセシリアを襲っても、戦闘不可能なレベルにまでおいつめていなかった。他はできたのに、彼女だけができていない。
「……あなたが何を考えてるのか知らないけど、セシリアは放っておいたら確実に邪魔になる……」
「……私に落とせって言ってるの?」
「そう、言ってる」
多分、来るとしたらもうそろそろだろう。私は彼女をほかの女達みたいに、戦えないようにしないといけない。それを行わないといけないのに、それをどうにかこうにか避けてきたとしか思えなかった。
だからこそ、やらないといけない時もある……そういう事なのだろう。
「……わかった、私がやるよ」
「……やるのなら、それでいい」
簪ちゃんは随分と私に酷なことを言いなさる。けれど、私自身そろそろケジメを付けないといけない……そう、ケジメだケジメ。世界混乱させるのに、自分がその意思曲げてたらダメだよね。自分の大切な人1人犠牲にしないといけない覚悟持ってないのに……他人の大事な人の命なんて奪えるわきゃないよね。
「……ま、その為に私がちゃんと体を得ないと話にならないんだけど」
「……いまは、ただのISの武装としてしか動けないからね……まぁ、待機状態とかないだけ、マシなのかも」
「……とりあえず、早いとここの状態を使いこなさないとね」
「……そうだね」
二人の会話はそこで途切れていた。確固たる覚悟を……彼女たちは決めたのである。そして、同時に予感がしていたのだ。今から……大きく事が動き始めるかもしれない、と。
そして、その予感は正しく当たることとなるのであった。
side五十冬
私が不貞腐れた翌日、私と篠ノ之さん……それにセシリアさんとジブリルさん、アイリスちゃんの合計4人がグラウンドにいました。アイリスちゃん以外の目的は、グラウンドの真ん中でギロチンの拘束台のようなものに……というかギロチンに拘束されている織斑君です。
「一夏、死にたいのか?」
「ほ、箒さん……落ち着いて……」
日本刀を向ける篠ノ之さん、ギロチンとの二重即死コンボです。セシリアさんが止めてますけど、私は篠ノ之さん派です。理由は一つ、アイリスちゃんが織斑君と一緒に寝たという事実でこうなっています。
「ギロチンか、剣か、刀か……3択だ。選べ」
どれをとっても死にますけど、私はそこからさらに追加で選択肢を増やしていきます。勿論即死コンボです。
「織斑君、4連ビームとISの装甲すら貫く4つの棘……どっちがいい?」
「お、落ち着け3人とも……俺は何もしていない……」
「そ、そうじゃ! 同じ部屋で寝ただけじゃ!!」
それこそがギルティの対象なんですよ、アイリスちゃん。というか中学生と一緒に寝てるって言うのが既にアウトなんですけどね。何歳であろうとも、それはもうダメな行為なんです。
「ま、待ってくれ! 俺の話を聞いてくれ!!」
「ほう、聞いてやろう」
ジブリルさんの冷たい声が響きます。その刃はとても綺麗でした。色んな物がよく切れることでしょう。
「昨日アリスが俺の部屋に来たんだ!」
「うん」
そこまでは分かる、他の人もよく織斑君の部屋に来るし……ここ一応女子校だからそんなことでいちいち目くじらは立てることは無い。
「それで、アリスの言う通り一緒に寝ただけなんだ!」
「じゃあ、死のうか」
私の武装の銃の一つで縄を切り、ギロチンが落下していきます。ただ、その瞬間……グラウンドにビームが降り注ぎました。
「っ!」
私達はISをまといます。織斑君も何とか回避していたようで、白式を纏っていました。
「何だ!?」
目の前に現れたのは、赤い機体……無人機みたいだけど、あの赤さはどこかで……まずそれ以前に、数が10を超えているのが問題なんですけどね。
「くっ!? 離せ!!」
私達がその赤い機体を相手している間に、いつの間にか篠ノ之さんが拘束されていました。紅椿は勿論彼女もまとっていましたが……なにやら、様子がおかしくて……篠ノ之さんの動きが鈍いように私は感じました。
「アリス! あいつらの動きを鈍らせてくれ! ジブリルさんは雷で援護を!」
「命令されなくとも!」
ジブリルさんの雷で、周りの機体を一瞬足止めします。私がその間に篠ノ之さんまでの道のりを火力で一気に作ります。一直線、その間を織斑君が飛んでいきますが……
「……近寄ったら、ダメ」
更識さんの冷たい声が、突如響きました。私たち全員突然動けなくなりましたが……その瞬間篠ノ之さんを拘束している以外のIS達が一斉に自爆しました。
更識さんは私達を守ってくれたみたいですけど……
「箒ぃぃぃぃぃぃいいいいいいいい!!」
……篠ノ之さんは、赤い機体に連れていかれました。あの大量の機体はなんなのか、一体どこの国の……誰が作ったものなのか……それを考えるよりも早く、私達は篠ノ之さんを助けるために作戦会議を始めることになったのでした。
五十冬の見た目
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黒髪ロング、胸はない
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黒髪で肩までの長さ、胸はない
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茶髪ロング、胸はない
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茶髪で肩までの長さ、胸はない
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なんでもいいけど眼鏡が欲しい