「2つ目2つ目……ふふんふん」
鼻歌を歌いながら、私はISでイギリスのとある場所まで移動していた。カリオストロヴァイオレットに、新たなISのコア……なんか篠ノ之束に付き添っていた助手っぽい子のISを取り込んだ。これによりできるようになったことが更に増えた。
幻影能力……といえばファンタジーっぽいが、実際はホログラムをナノマシンに投影することでまるで実際にそこにあるかのような……そんなことをできるようになったのだ。
因みに、その子は今私の中で……正確にはカリオストロの中で篠ノ之束と一緒に乱交パーティ中である。心が壊れないように、ちゃんとケアもしているから安心だね!!
「……さて、到着到着っと……そんでもって目標が勝手に来てくれるなんて有難いね?」
私の目的地……それは、セシリアの実家である。そして、そこに到着した時とほぼ同時に目的の人物が目的のものを持って現れる……それは、セシリアのメイドであるチェルシーだ。無論、私がこんな状態なのでISを装備しているが。
「……篠ノ之博士、ではなさそうですね」
おや、どうやら私が篠ノ之束じゃないと気づいた様子。まぁ髪が黒くなってるし雰囲気も変わってるだろうから気づくだろうけど。
「正解、因みに目的の方は分かるかな?」
「……IS、ブルーティアーズ3号機であるこの機体……ダイブトゥブルーの強奪、ですか」
「はいまたもや正解」
何度も使うのが申し訳ないが、正確には機体なんてどうでもいいのだ。欲しいのはコア……まぁ武装もカリオストロの強化になるから、いいんだけどね。
「……渡しません」
「じゃあ逃げれば? 出来ないだろうけど」
さっきも言ったけど私は現在、セシリアの実家にいます。つまり、ここで逃げてしまえばこの家は私が潰す可能性が非常に高い。それが分からないメイドさんではないでしょうに。
「安心してください、貴方は私がここで倒します」
「わぁお、それは実に興味深い」
「……貴方は、この機体になす術もなくやられるんです……!」
そう言いながら、ダイブトゥブルーは影に潜る。いや、正確には機体の能力である空間潜航……ビットが使えないという弱点があるらしいけど、相手の不意を常に突けるという点に関してはこれ以上ないスナイプ機体である。
「わぁー! 確かにこれじゃあ姿が見えなくて『戦闘するのは』不可能だなぁ!!」
「……」
私の白々しい演技にも何もリアクションせず、チェルシーは恐らくどこかから私を狙うためにライフルを構えているだろう。ISの絶対防御であっても、その絶対防御自身が絶対ではない。エネルギーが切れれば使えない代物だ。
「けど、私の機体は戦うことは想定してないからさ。頂戴よそのコア」
「……貴方の意見は、求めていません……!」
一射目、私の後ろから飛んでくる。それを私はナノマシンを集合させて防ぐ、適当に作ったせいかそれに使ったナノマシンは辺りに霧散して目に見えない一粒へと戻っていく。
「……よく防ぎましたね。ですが、そう何度も続かせません……!」
2射目、3射目……段々と打つ頻度が上がっていく。私はそれに対して防いでいくことしかしていない。そして、攻撃を受けていく度にナノマシンシールドは小さくなっていく。
……それが、チェルシーを勘違いさせていく。
「これで……!」
後ろや下、左右からの攻撃。ただ死角からだけでなく、四方八方から攻撃することで周りを警戒させる戦法。まともなやつならこれで終わっていた。実際、私もナノマシンになる前のカリオストロならこうなっていたかもしれない。
そして、注意を周囲に向けさせておくことで……完全に前からの注意を削いでおく。そうして、最後の一撃を前から打つことで全面からでも不意打ちを成功させる。
「これで終わ……っ!? ぐ、あ……!? これ、は……!?」
━━━突然だが、治療用ナノマシンというものがある。人間の自己再生能力……それを早めたり高めたりする代物である。私もよく使っている。それを、今なぜ詳しく説明するのかというと。今それを……
「ナノマシンで作ったナイフ、どう? 痛いかな?」
「なん、で……絶対防御を貫いて……!?」
「そりゃあ……手品だよ?」
事実の説明をしよう。先程から私が使用していたナノマシンシールド、あれに治療用ナノマシンを使わせてもらった。無くなっていったのは辺りの空気中に散布され続けたため。そして散布されたナノマシンはチェルシーの体に段々と量を増して付着し続けていく。後はある程度チェルシーの体に付着していたのを集合させて……サクッと。
「っ……なんで、血が……!?」
「出ないでしょ? 怖いでしょ? ナイフで貫かれているのに、血が一切出なくて……でも痛くて……凄く怖いよねぇ?」
けれど神経はガッツリ裂かせて貰ってるので激痛が迸っているだろう。因みに、本物のナイフの映像を投影しているのでチェルシーには本物のナイフで貫かれたようにしか見えないのだ。
実際、突然自分の体にナイフが突き刺さり……何故か血が出てこないというのは恐怖だろう。何がどうなっているのか、恐らくチェルシーは何も理解することは無い。
「その痛み……直ぐに取り除いてあげるよ、貴方のコアを貰う条件で……ね」
「っ……! させ、ない……!」
「おっと……?」
後ろからビームが飛んできた。どうやら、激痛に苛まれながらもビットを操るだけの思考は持てていたようだ。なるほど、これは面白い。どうやらもうちょっと激しめにしてもいいだろう。
「じゃあ次だ……次はナイフじゃなくて……鉄パイプいってみようか」
「あがっ!?」
そう私が宣言した瞬間、鳩尾に鉄パイプが出現する。ちゃんとチェルシーに突き刺さっているかつ出血させていない。うんうん、偉いぞカリオストロ。
「アハ……ショック死したくないでしょ? だから抵抗しないで、さ?」
「う、ぐ……」
まだ抵抗するのか、ライフルとビット数機を私の方に向けていた。まったく、確かにこの機体は戦うことは想定していない。だって、
「そんな無駄な抵抗しないでさ、さっさとコアをちょうだい……よっ!!」
「あぐっ!!」
ナノマシン鉄パイプを、私は蹴りつける。それだけでチェルシーは集中力を切らしてビットを地面に落下させていた。どうやら、痛みにはそんなに強くないらしい。ま、一応メイドであるってだけだから当たり前なのかもしれないが。亡国機業に入って、タダで抜けれるわけないでしょうに。
「さて……じゃあ貰うよ? 貴方の……IS」
武装を剥がしていく。ISを剥がし、抉り……そしてその心臓部、コアを無理やり引き出す。そしてそれを……カリオストロが食べる。いい……とてもいい。1回は無効化されたカリオストロの力だけど……新たな力を従えつつある。
まだ織斑一夏に勝てるかどうかはわからないけど……それでも何もしないよりはマシだろう。
「あ、ぐ……」
「おっと、忘れてた……というか気絶しちゃってたのか……いつの間に」
痛みで気絶したチェルシーの処遇をどうするか、私は考える。うーむ、そうだなぁ……イギリスは紳士の国だし日本のようにはいかないだろう。なんかそういうお店とかにも厳しそうだし。いや、私の偏見なんだけどさ?
「……ま、とりあえず連れていこっか……」
ナノマシンを使えばいくらでも体自体は運べるしね。けど流石に何度も何度もカリオストロの力でコアの中に入れるのも芸がないし……よし、良いこと思いついた。
side?
「おい……なんだよこの騒ぎ……」
「知るかよ……」
「なんだお前ら知らねぇのか? 篠ノ之束の色違いが出たって話だぜ?」
イギリスのとある街中で、住人達が騒いでいた。その視線と注目は、全て黒髪の篠ノ之束に注がれていた。しかし、なぜ彼女がそんなところに現れたのかは未だ説明もなかった。
「はーい、親愛なる街の皆様へ! 本日は残念なお知らせといいお知らせの2つがあります!」
「おい! さっさと言えよ!!」
「んー、せっかちさんは好きじゃないけど……まぁそうだねさっさと説明しちゃおうか」
そう言って、色違いの篠ノ之束は突如として一人の少女をどこからともなく取りだしていた。その事に驚く市民達だが、それ以上にその人物を知ってる人はそう少なくはなかった。
「あれって……オルコット家のメイドちゃんじゃねぇか?」
「……あぁ、そういやそうだ……なんでこんな所に?」
ざわつきが大きくなる市民達。それに対して、さらに大きな声で色違いは続けていく。
「なんと! オルコット家メイドであるこのチェルシーは……テロリスト集団亡国機業の仲間だったのだ!!」
「……はっ! ふざけんなよそんな証拠がどこにあるってんだ!?」
「ふふふ……そう言うと思って……こんな映像を用意しました!!」
そう言いながら、空に映像が展開される。それは大きくとても見やすい画質、まるで空にモニターそのものが現れたと言っても過言では無いものだった。
そこには、確かにチェルシーがISを纏いセシリアと戦っている映像が流れていた。
「う、嘘だ! でまかせに決まってらァ!!」
「しかも、これは自作自演なんですよ!」
「んだと!? ならなんでこの2人が戦ってんだ!!」
「彼女が纏っているISは、セシリア・オルコット専用機であるブルーティアーズの3号機です。そしてそれは、研究所から奪取され……それが亡国機業の仲間であるチェルシーの手に渡った」
そう、ここまでならまだセシリアはチェルシーを止めようとする主人の鏡……そして完璧な事実である。伝え方に問題があるとはいえ、まだここまでは事実しか騙っていない。
しかし、こんな事実だけを話すのが目的で終わるわけが無いのだ。
「━━━しかし、彼女は裏切った。亡国機業に入ったにも関わらず、裏切って亡国機業から追われることになった」
「……なんで裏切ったんだ?」
「まぁまずは、彼女がどうしてISを奪ったか……亡国機業に入ったかを簡単に説明しましょう。
まず、アメリカとイギリスでとあるISが極秘に開発されていました。その搭乗者として、チェルシーの妹がパイロットに選ばれた。そこまではよかったんですよ……しかし、チェルシーの妹はその時の実験で死亡……っていうのがチェルシーに伝えられた事実でした」
「……言い方に含みを感じるぜ?」
「そりゃあそうだ、何せ本当は死んでなんか居ない。人間を文字通りパーツとして組み込んで機能する、最強の攻撃力を持つISが誕生したんだから」
気づけば、市民達は黙って話を聞いていた。野次を飛ばす者や、文句を言う輩は誰一人としていなかった。
「そして、それを助けようとしたチェルシーは……なんとなんと、そのISに恐怖を抱いて逃げだした! その時に、ISを返して欲しい3つのグループが彼女の命を狙った!
さて問題!! その二つのグループとはどこでしょうか!! はいそこのお姉さん! 片方でも正解したら無料でお金あげるよ!!」
「……1つは、亡国機業……?」
「正解! という訳で3万ドル上げるね!!」
どこから集めたのか、3万ドルがぽんと投げ渡される。適当に彼女は視線を動かして次の正解者を探す……そして、適当な人物を見かけて更に声をかけていく。
「あなた! 2つ目のグループは!?」
「……そりゃあ、裏切ったテロリストグループ以外つったら……3号機を作ったところと、事実を知った……妹さんを使っている企業の所だろうよ」
「お!? 二つも正解を取るなんて欲張りさんめ! 仕方ないから9千万ドル上げちゃおう!!」
と、ここまではしゃいでおいて……彼女はいきなり落ち着きを取り戻したかのような顔になる。そのいきなりの変化に……全員が驚きつつも恐怖を抱いていた。
「……そう、妹を実験台に使った企業……それにオルコット家が関わっているとしたら?」
「んな事あるわけが……」
「それがある訳で……セシリアもそれを知っている……じゃなかったら、わざわざ自分の家のメイドの妹なんて使えないでしょうに」
「……た、確かにその通りだ……!」
「さて、ここで選択肢を上げましょう……妹を捨てて、自分だけ助かろうとしてありとあらゆるところを裏切った女を……あなた達はどうする?」
服を破いて、チェルシーが投げ捨てられる。気絶しているが……その瑞々しい体をみて男達は生唾を飲んでいた。
「男でも女でもいいよ、彼女を……この街の『所有物』にしてしまえ」
その言葉は……目の前の『物』を前にして……紳士の国の男たちの心に、一点の闇を落としていくのであった。
五十冬の見た目
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黒髪ロング、胸はない
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黒髪で肩までの長さ、胸はない
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茶髪ロング、胸はない
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茶髪で肩までの長さ、胸はない
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なんでもいいけど眼鏡が欲しい