side?
「……つってもなぁ……」
「あのモヤ、あれがあの女に関係することって言われてもよく分かんないっすよね」
「鬼村五十冬、あいつが出したんだから当たり前の事っちゃあ当たり前だけど……」
「言い方的に記憶を失う前の……って感じっすよね」
フォルテとレインは、現在同室にて話し合っていた。レインの部屋で2人1緒にいるのだが、サファイアが軽食としてサンドイッチを作っていた。流石に部屋ではあまりしっかりとした格好をしないのか、ほぼ下着同然の姿だったが。
「……どうするべきっすかねぇ?」
「ただ単に『鬼村五十冬』を狙うだけじゃあダメってのはわかるんだけどねぇ」
「手詰まりにも程があるというか……もうちょっとヒントらしいヒントが欲しいところっすよね」
「……ま、ひとまずはおばさんから言われてる……あの女の排除は確実だな。モヤに関してはまた後でってことでな」
「そうっすね、出たら出たで対処したらいいし……出なければ問題なしって事で、放置しておけばいいだけっすもんね」
「……」
レインは自分で言っておいてなんだが、悩んでた。ただ今の鬼村五十冬を潰すことが、本当に正しいのかどうかが分からないからだ。藪をつついてなんとやら、何事もなければそれでいいが鬼やら蛇やらを出してしまえば終わりになりかねないのだ。
「……とりあえず、行くか」
「一応生徒会っすからねぇ……まぁ殺すにしろ、『今のIS学園』のルールに則るにしろ……戦わなければ、ダメっすもんねぇ」
「今じゃあ素人同然だが、伊達に改造されてるわけじゃないみたいだしねぇ、狙撃してもいいが……」
「まー、多分邪魔されるっすよね」
暗に、マライアの事をサファイアとレインは語っていた。例え仲間であろうとも、五十冬に手をかける相手は皆殺しがモットーと言っても過言ではないからだ。
「……って訳で……1番手は行かせてもらうッスよ。新しい武装も試したい所なんで」
「お、そういえば届いてたって言ってたねぇ」
「活躍にご期待あれ……っすよ」
サファイアは恋人であるレインに向けて、銃を撃つような仕草をする。その愛らしさになにか来るものがあったのか、レインはフォルテをそのままベッドへと押し倒す。
「ちょ、ちょっと……?」
「いいだろ……? 今から一戦、景気づけってやつさ」
「っ……」
恥ずかしそうに顔を背けるサファイア。いつも彼女を見ているはずなのに、体も見ているはずなのに……こういう時に彼女の顔も体も直視できないほどに、サファイアは顔を赤くして熱を持ってしまう。結構ウブな所があるのだろう。
「ダメか?」
「……いいっ、すよ……」
ボソボソと出た肯定の言葉。フォルテはそのまま、レインと少しの間蜜月を過ごすのであった。
「……さて、新しい武装……『ヨートゥン』の試し打ちさせてもらうスっよ」
「……な、なんでこんなことに……?」
一応は、生徒会メンバー同士の対決。ISの再起不能と、モヤが出た時に確認する役目を今回フォルテがになっている形となっている。
「避けないと……1発で終わりっすよ」
新武装『ヨートゥン』彼女のISコールドブラッドと相性がいいために、新しく開発された2本1対の武装である。ぱっと見た感じは、少し長めの剣の二刀流……というのが五十冬のイメージだった。
「ふっ……!」
両逆手持ちにより、連撃を繰り出していくフォルテ。五十冬はそれを丁寧に避けていく。当たれば終わりと言っていたが、避けられない程でもないために、少しだけ五十冬はヨートゥンに対する警戒を弱めていた。それが、油断となり敗因を生み出す隙となりかねない。
「……ここ!」
「隙だらけ……っすよ!」
「っ!? 変形、して……!」
五十冬が隙を見計らって攻撃しようとした瞬間、フォルテは武器を変形させる。先程まで2本の剣だった物が2丁の銃に変貌していた。そして、間髪入れずにそのまま発砲をする。
「くっ……剣が……!」
持っていた武装であるの1つでガードするが、弾が当たった部分に氷が発生して、すぐに武装全体に及んでいく。五十冬は咄嗟に別武装で破壊して爆散させることで、自分が凍結するリスクを少しでも軽減しようとしているのだ。
「まさか……銃に変形する剣なんて」
「へっへぇん……それだけじゃないっすよ? これだけで終わる新武装なら、ここまで使うのを楽しみにハマってないっすよ」
『ヨートゥン』その武装に含まれているのは絶対零度の冷気と、過冷却水である。つまり、相手を完全に凍らせることに特化した冷却武装である。
その武器は可変武器となっており、まずどちらも短剣と銃の二種類に変形する。だが、それだけでは無い。その変形パターンはさらに存在しているのだ。
「さぁ、次っすよ!!」
フォルテは間髪入れずに攻め込んでいく。次に彼女が変形させたのは、短剣同士の束を繋げることで産まれるツインソード。彼女はそれを、まるで扇風機の羽のように回転させていく。無論、刃から吹き出す冷気を五十冬に押し付けるためだ。
「ブリザードトルネード! なんちゃってっす!!」
「っ……!」
ふざけた言動でわかりにくいが、絶対零度……武器ですら一瞬で凍りつくほどの冷気を、向こうはトルネードの様に出せるのだ。例えISの絶対防御領域でも、気を抜けばお陀仏である。
しかし、向こうは別に五十冬が死んでも構わないのだ。それに対する抵抗は、彼女達にはないのだから。
しかし、五十冬はなんとか弧を描くように移動することでそれらを回避し続けていた。
「やるっすねぇ? じゃあこんなのはどうっすか!!」
そして、今度は大きな大剣へと変形する。ふたつの刃が左右につながり、大きなひとつの剣として五十冬に立ちはだかる。
「こんな離れてる位置で、剣なんて……!」
「ところがどっこい!!」
五十冬は、大剣にしたフォルテに対して4連ビームを放つ。本来であれば、彼女の火力があれば当たればここで終わっている。仮に回避しようとしても、このビームの範囲では瞬間加速でも使っても完全回避は難しいだろう。
だが━━━
「ビームって、光と熱の塊ってことを忘れてたらダメっすよ?」
「なにを……」
フォルテは剣を振り回していくつもの氷の壁を作り出す。五十冬は一瞬困惑したが、その効果の強さを直ぐに確認することになった。
まず、五十冬の放ったビームは氷の壁により角度を変えられる。熱で直ぐに氷は溶かされて、その後のビームの軌道は修正されるだろうが……曲げられた分はそうもいかない。反射や屈折等が重なっていき……はなった瞬間のビームが、五十冬に襲いかかっていた。
「そんな━━━」
五十冬の攻撃が、五十冬に返ってくる。無論、こんな戦法は連続して使えるものでは無い。フォルテもそれをわかっていた。要するに、ここで終わらせる気しかなかったのだ。
「さぁて……これで終わりっすね」
「グッ……」
横たわった五十冬。既にISは解除されて、地面に横たわっているだけとなっている。しかし、フォルテは一切の武装を解かずに五十冬に向けて未だ武器を向けていた。
「やめろ! 勝負はもう着いただろ!!」
「織斑一夏っすか……自分の命がこの女に過去狙われていたのに、良くもまぁ……しかも自分の仲のいい女子たちまで手にかけられておきながら、この女を庇う気っすか?」
「その事はもう鬼村は関係ない!!」
「……甘いっすねぇ……甘々だ……まぁ、なら殺さないで上げますよ……但し、この学園からは消えてもらう……って事で」
「っ……!」
武器を収めるフォルテ。織斑一夏は、グラウンドに突入しようとするが、その行動をした瞬間……自分だけでなく他の……自分を慕う女子達にまで迷惑がかけられることになってしまうのだ。
「そうっすねぇ……散々自分がしたことなんだし、世界中のおっさんの肉便器なんてどうっすか?」
ケラケラと笑いながら、フォルテは織斑一夏を挑発する。実際、するのかどうかは彼にはわからない。だが、近いうちにそうなってしまうだろうということは、彼には理解出来る。
だが、止めてしまえば……全てが終わる。それがわかっているからこそ、彼は止めることが出来なかった。
「……止めないんすね? まぁここで止めても、意味がないってことは理解できてるからこそ、って事っすかね」
フォルテはつまらなさそうに、その場を離れていこうとする……その時だった。
「っ!?」
フォルテの真横を通り過ぎるかのように、何かが打ち込まれていた。熱源反応一切無し、音もなくましてや周りに誰かがいるわけでもなかった。しかし、現に攻め込まれているのだ。
「な、何が……!?」
『━━テ、━━ろ━━━』
突然入るノイズ音。だが、その中に聞こえる声をフォルテは確実に知っていた。そう、彼女の恋人であるレインの声だ。だが、レインが何を言っているのかフォルテには通じなかった。
「先輩!? 先輩!! どうしたんすか!? っ……一体何が……!」
『━━━いやぁ、私に黙ってこういうことしちゃう?』
突如聞こえてくる声。しかし、その声がどこから聞こえて来るものなのかが、全く判別つくことが出来なかった。だが、それ関係なく声は聞こえてくる。
『私の体に黙ってそんなことしないで欲しいんだよねぇ 』
「体って……まさか、鬼村五十冬!?」
『はーいせいかーい、さて……これは2人が勝手にやったこと? それとも、スコールの指示?』
「あんたのISを回収するのがあたしらの命じられた仕事! あとついでに、あの時の戦いで出たモヤの調査……その2つっすよ!」
フォルテはようやく理解した。鬼村五十冬は記憶喪失ではなかったこと、鬼村五十冬はどんな理由かは定かではないがふたりいること。そして、あのモヤは鬼村五十冬本人が関係することで間違いないものだと。
『モヤ? あぁ、あれね? あれ私なんだよ……って今はどうでもいっか……スコールに繋げてくれない? 勿論メールじゃなくて、電話でのやり取りね』
「……なんでそんなことをする必要があるんすか?」
『ふーん……まぁいいけどね? 繋げないと、あんたの恋人どうなっても知らないよ?』
「なっ!?」
あの時聞こえたレインの声、それは鬼村五十冬に囚われたレイン自身の声だったのだ。それを理解したフォルテは、迷うことなく直ぐにスコールに繋げようと連絡をしようとする。
だが━━━
「っ……! なんで、なんでこんな時に限って……!」
『あぁ……ほらスコールって直接の連絡取るの嫌うからね、だって盗聴されてたらいやでしょ?』
「お前、そのことがわかってて……!」
『ふふ、じゃあ連絡できたらまた言ってね? あぁ、その間に私の体になにか手出したら……恋人の命とかなんか諸々ないと思え』
その言葉を最後にして、以降声は聞こえなくなる。残されたグラウンドには、彼女を奪われて怒り嘆き悲しんでいるフォルテと……気絶している『鬼村五十冬』の姿があったのだった。
ヨートゥンをどっかで出したような気がするので、もし別の話で同じ名前あったら名前変えます
五十冬の見た目
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黒髪ロング、胸はない
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黒髪で肩までの長さ、胸はない
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茶髪ロング、胸はない
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茶髪で肩までの長さ、胸はない
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なんでもいいけど眼鏡が欲しい