side?
「……こっちに手を出したら、本格的に裏切り者扱いになっちまうぞ?」
「いやいや、私の体勝手に狙われたら堪らないんですけど?」
とある部屋、気づいたらレインはこの部屋で拘束されていた。全裸に剥かれているが、女同士恥ずかしいこともなければ……好きでもないやつに裸を見られてもなんとも思わない。
「……体、ねぇ? そのからだは今現在、性格が全く違うように動いてるけど……多重人格だったのかい」
「結果そうなってただけであって、私自身自分が多重人格だったなんて初めて知ったよ……だからどっちが本当と私かわかったもんじゃない」
「ハッ、妹がこんなことするアホだったって知ったらお前の兄貴はさぞかしガッカリするだろうから、お前の方があとから生まれた人格じゃないのかい」
「……んー、あんまり寿命減らすようなこと言わない方がいいと思うよ?」
クルクルと、どこから取り出したのか中身の入った注射器をペン回しのように回しながら、その針を目の前の女はレインに向けていた。
「何だ、毒かい?」
「ある意味では毒だね、ある意味では……ね」
「ふん……何をされたって……っ!?」
向けたかと思えば、なんの躊躇もなく目の前の女はレインに注射を打った。少しの痛みがあったが、それ以上に何を打ち込まれたのかによる不安がレインの心を掻き乱していた。
「……何を、打ったんだ?」
「言ったでしょ? ある意味では毒だねってまぁ、死にはしないと思うよ多分……多分ね?」
「……ぐっ!?」
少ししてから、レインの頭が割れるように痛くなる。そして、同時に彼女の体もまるで燃えているかのように熱くなっていく。だが、熱くなっていく中でその意識は研ぎ澄まされていくかのように、冷静になっていく。
「あ、が……!?」
「いやぁ、苦労したよ……この体篠ノ之束の物なんだけどさ。何がすごいってこの体薬が効かないのなんのって。折角だからって事で、予備として篠ノ之束が作ってた体で人体実験してみたんだよ」
「ぐ、ぁ……!」
「まぁ本当に薬が効かないかわかんないよね、だから私のカリオストロの力を応用して、適当な意識を体に埋め込んでは実験を続けた……
「っ……!」
「こうして完成したのが、篠ノ之束の体でも効果の現れる薬って訳。で、今あんたに打ったのがそれ。まぁ薬の効かない篠ノ之束の体でも効くくらい、というか反応が出るくらいのものを常人が打たれたら……そりゃあ、廃人になっちゃうよね」
「っ……」
「……と話してる間に、もうダメになっちゃったか。やっぱり、効果強すぎると駄目だなぁ━━━」
「━━━はっ!?」
気がつくと、レインは全裸に剥かれてとある部屋にいた。見覚えのあるその部屋は、先程まで彼女がいたと思われる部屋そっくり……いや、瓜二つだった。
「……あれ? どしたの?
ニヤニヤと笑みを浮かべる女に対し、レインは冷静に頭をまとめようとした。だが、今起こっている事態はそう簡単に理解できるものでは無いのだ。
「……さて、あんまり寿命減らすようなこと言わない方がいいと思うんだけど……どうする?」
クルクルと注射器を回す目の前の女。レインは先程の鮮明な記憶を思い出して、身震いをしていた。同じことを繰り返せば、また同じことが繰り返される……と。
「……わかった、死にたかないからね」
「それで宜しい、さて……そうなったらまずあんたを調教してやらないとね」
「……調教? また変な事言うね、奴隷にでもしようってか?」
「半分当たり半分正解……かな?」
「……?」
「とりあえず……えいっ」
「がっ!?」
突き刺される注射器、レインの頭に先程の記憶が鮮明に蘇る。このままでは、自分は薬によって殺される。今度こそ本格的に死んでしまう。その恐怖の中、彼女が最後に思い描いたのは……恋人であるフォルテ・サファイアの顔だった。
「━━━っ!?」
「何? どうしたの? なんか2回死んで、自分は本当に生きているのか疑わしく思えてきたみたいな顔してるけど?」
注射器を回す目の前の女は、ニヤニヤと笑いながらレインを眺めていた。このあからさまなまでの異常事態に、レインは恐怖を覚え始める。自分は確実に死んでいる……のにも関わらず生きている。死んだ、という認識があるのも変な話だが……恐ろしく熱くなっていく途中で、糸が切れたかのように一瞬で冷たくなるあの感覚は、形容できない程の恐怖があった。
「……さて、寿命減らすようなことは言わない方がいいよ?」
「あ、あんた何をした……!?」
「何をした? 変なこと聞くなぁ、私は『まだ』何もしてないよ」
「っ……」
生唾を飲むレイン。これから起こることに……彼女は今以上に更に精神をすり減らしていくことだろう。だが、現実はそれでも彼女を生かすのであった。
何度目だろう、死ぬのは。薬を打たれ続けて、打たれる度に死んだ。途中で、あまりの今日ふと不安で舌を噛み切って何度か死んだ。だが、それでも生きていた。それが余計に腹立たしかった。
「はぁ、はぁ……!」
「何何どうしたよ? まるで何回も自殺チャレンジしてるのにも関わらず、全然死ねないゾンビヒーローみたいな顔してるよ?」
「う、うるせぇ!!」
「ハイプスッ」
「がっ……」
再び打ち込まれる注射器。その行動を繰り返していくほどに、レインは本能的に学んでいく。『目の前の女』には、『鬼村五十冬』には逆らってはいけないのだと。
そうして、死に続けた結果……レインは、『ちゃんと正しい選択を取れるようになっていた』
「……ん? 今なんて?」
「た、頼む……なんでもするから……薬だけはやめて……」
「何でもするって?」
「あ、あぁ……」
「じゃあまずは言葉遣いから治してみようか。一人称は私、しゃべり方は丁寧なお嬢様、けれど私の言うことには絶対服従のメイド、ちゃんと私には敬語使ってね?」
「わ、分かった……じゃない……わかりまし、た……」
ここで反論すると、薬を打たれる。もはや何度も経験したおかげで、最適な正当をレインは選べるようになっていた。そして、選んだ先に何があっても絶対後悔はできなかった。
「うん、いいね……じゃあ次は……この服に着替えてもらおうか」
次に出されたのは、メイド服だった。しかし、その布面積はとても小さく、スカートはパンツはほぼ確実に見える上に……ガーターベルトを確実に着用しないといけなかった。
「……」
レインは手渡されてすぐに着替え始める。普段から半裸に近いような格好になっているので、このような格好をすること自体は彼女はあまり気にしていない。だが、見世物のような格好になるのは少しばかり気恥ずかしかった。
「あぁ、そう言えば忘れてるものがあったよ」
「……忘れてる、物?」
「これこれ、使い方わかるでしょ?」
女が取り出してきたのは、バイブとアナルビーズ。道具としての知識は勿論あるし、体の経験での話なら1度だけあった。代わりに、フォルテの使用回数がかなり大きいが。
「こ、これを入れて……どうするん……どうするのですか?」
「んー、どうも? それ付けて電源もオンにしたまま私に奉仕をしてもらおうかと思って」
「わ、分かりました……」
着替えてから、レインは言われたとおりにバイブとアナルビーズを受け取ってから、女に向き直る。無論、入った瞬間から電源を入れているのでレインの顔は少し赤くなっていた。
「ん……! お、終わっ……終わりまし、た……ん……」
「うんうん、上出来上出来」
レインをひざまづかせて、その顎を指で撫でる女。レインはそのようなことをフォルテ以外にされて、内心女に対する愚痴などでいっぱいだったが、それでも従わないといけなかった。
「つ、次はどのように……」
「そうだなぁ……まずは、私に奉仕してよ」
そう言って女は股を開く。やはり見世物小屋の、それも商品のような感覚になっているのか、レインは少しだけ気恥しそうにした後で股の近くまで顔を寄せて……女の秘裂に舌を這わせていた。
「ん……!」
「はふ……れほ、んじゅっぷ……」
舐めながら、時折唾液を混ぜていくレイン。流石に恋人と毎日いちゃついているだけはあり、かなり上手だった。女はその旨さに満足しているのか、腑抜けているかのような表情でレインを撫でていた。それに対して、レインは褒められて純粋な気持ちで喜んでいるのか……奉仕してもらっている女には理解できない感情で一心不乱に舐めていた。まるで、今は完全に目の前の女の奴隷になってしまっているかのように丁寧に、丁寧に舐めていた。
「いいよ……いいよ……」
レインは、丁寧に……そして気持ちよくさせようとして舐めながらもフォルテの元に帰れるように、考えていた。この女から解放されてフォルテのところに帰れるようになれば、改めてこの女を殺せるようになるのだ。
「……」
女は、そんなレインを見て笑みを浮かべるだけだった。それがまるで、自分のことを見透かされているようでとてもじゃないが、レイン自身は屈辱を味わっていた。
「屈辱的でしょ、悔しいでしょ、私を殺したいでしょ? だったら……もっと私に媚びを売らないとね……」
「っ……」
これでもまだ、耐えられるとレインは耐え忍んでいた。無論、この女に対して恐怖心を抱いていないというのは、嘘になる。恐らく戻った際に自分は完全に心が折れてしまうことも容易に想像ができる。人間というのは、恐怖で支配された後に安心すると……駄目になるのだ。どのような形であれ、ダメになるのだ。
「……さ、生きるために……私に奉仕して、私を心から信頼して……ね?」
「レインが捕まった!?」
「……自分のせいっす」
フォルテは、スコールに報告していた。さらわれたのは自分のせいだと、彼女なりに責任を感じていた。無論、攫われる時に連絡がつかなかったスコールに対して、思うところがない訳では無いが。
「……彼女なら、情報を吐くことは無いだろうけど……」
「……スコール、何なんすかあの女」
「……あの女って、五十冬のことかしら?」
「IS学園にいるのは、記憶喪失したものだと思っていた……けど実際は篠ノ之束によく似た姿となって帰ってきている。あんなの、ただの人間じゃないっすよ」
「……一応、彼女は元々ただの人間よ」
「じゃあ、あの女が鬼村五十冬じゃないと?」
「……」
「答えるっす、なんでもいい……知らなければ知らない、知っていることがあるのなら……全部話して欲しいっす」
スコールはフォルテに対して、無言を貫いていた。それが、フォルテがスコールに対して不信感を抱くのには十分だった。
「もういいっす……一人で、先輩を探しに行くっす」
そう言って、フォルテはスコールから離れていく。離反、とまでは言わないが……おそらくこれ以降スコールの命令をフォルテは聞きやしないだろう。
「……これは、終わったわね」
その一言だけを呟いて、スコールも姿をその場から消していた。まるで、舞台から降りる役者のように……他人事のように、その姿を消すのであった。
五十冬の見た目
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黒髪ロング、胸はない
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黒髪で肩までの長さ、胸はない
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茶髪ロング、胸はない
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茶髪で肩までの長さ、胸はない
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なんでもいいけど眼鏡が欲しい