【BL】カプごちゃ混ぜのBL短編集 作:腐エロのひと。
side ウルベルト
こっちに転移して来て1ヶ月ちょい。何とかギルメン全員の意志が纏まって、モモンガさん中心に、比較的人間に友好的な面子が対外的な交渉を行っている。一応悪魔として人化の術も使える俺もその面子の一人だったりする。……別に、特に人間に対して友好的って訳じゃねーんだけど。元々人間……特に、上流階級の奴等は大嫌いだから、こっちでも貴族や王族なんざ大嫌いだ。だけど、上っ面だけの笑顔と嘘にならない言い回しで上手く躱してる。……人間なんざ、見た目で九割判断するイキモノだ。ニンゲン好みの見目麗しい姿に化けりゃあ、大抵の交渉は上手く行く。それでも上手く行かない場合は、魔眼の出番って訳だ。元々人間に化けたときは魔眼も晒しているが、普段から使ってるとトラブルの元だから、魔封じのコンタクトで魅了の力自体は抑えている。それをほんの少しだけ解放してやればいいだけだ。俺への好意を強めて、俺たちへ有利な条件で契約を締結すればいい。まぁ、チートっちゃチートだが、これくらいしなきゃ、異形種である俺たちには生き辛い世の中なんだから仕方ない。
で。色々あったがある程度落ち着きを見せた時。俺は駄目元でモモンガさんに告白した。モモンガさんが異性愛者で巨乳好きなのは知っていたけれど、どうしても彼の特別になりたいと思ったから。
「モモンガさん。俺、モモンガさんが大好きです。……その。友達としてじゃなくて、恋愛的な意味で」
そう言って、笑顔を見せる。普段は装備しているペストマスクを外して。アンデッドのモモンガさんには俺の魅了は効かないけれど。気持ち的な問題として。と、モモンガさんは途端にワタワタし始める。
(……可愛い……。マジ、見た目魔王なのに何でこんなに可愛いかな、モモンガさんっ……!!)
「えっと、その。ウルベルトさん。俺、男ですし……ウルベルトさんも男性ですよね!?」
パニクってるモモンガさんも、やっぱり可愛い。
「はい、男ですよ。それに、俺も異性愛者ですし、モモンガさん同様巨乳が大好きですけど……モモンガさんが特別って言いますか。今のモモンガさんも可愛らしくて、すごく魅力的だと思いますよ。……モモンガさんは、俺が嫌いですか?」
小首を傾げて、ほんの少しだけ両目に涙を浮かべながらそう訊けば、モモンガさんの動揺が激しくなる。
「き、嫌いな訳ないじゃないですかっ!!俺もっ、ウルベルトさんの事好きですっ!!」
……よし。言質は取った。
「じゃあ、俺たち両想いなんですね!嬉しいです、モモンガさん……!」
無邪気に見えるようにそう言って、モモンガさんに抱きつくと、まだ動揺していたけど、それでもモモンガさんは俺を抱き締めてくれる。
「そ、そう、ですね?」
まだ混乱しているようなモモンガさん。俺は後押しをするように、その口元に口付ける。
「大好きですよ、モモンガさん」
俺がそう言うと、モモンガさんは口元を抑えて眼窩の炎を激しく揺らしていた。
side モモンガ
ウルベルトさんに告白されて、その場でキスまでされて。なし崩し的にお付き合いをする事になって早三日。ウルベルトさんは俺に積極的にくっついてくるようになった。腕を組んだり、手を握ったり。時々は人前でほっぺにキスまでするくらいのイチャつき具合だったりする。ウルベルトさんの意外な一面を知ったようで、ちょっと嬉しい。
俺もウルベルトさんも異形化して、人間では無くなったからか、あんまり同性愛者って感じがしなくて違和感が無いのも困ると言うか。
(……恋人と友達の境界線って何だろうなぁ……?)
欧米だと友人でも頬にキスはするみたいだけど、俺たち二人とも生粋の日本人の筈だし、そういった風習も無い筈だ。
(じゃあ、俺たちもう恋人同士って見られてるのか!?)
今更その事に気付き、周りを見回すと、ユグドラシルだったら笑顔アイコンが乱舞してそうな生温かい雰囲気になっていた。
(えっ!?これ、俺どうしたらいいの!?喪男だし恋人としての付き合い方とか分からないんだけど!?)
そう思ってワタワタしていると、ウルベルトさんは俺の耳元で艶っぽく囁く。
「どうしたんですか?モモンガさん。部屋に戻らないんですか……?」
「……ッ……!」
ゾクリ、と背筋を這い上る何か。それが何か分からないけれど、このままだとヤバイと俺の本能が告げている。
「え、えっと、俺ちょっと他のヒトと話したいことがあるので、ウルベルトさんは先に戻っていてくれますか?」
辛うじて搾り出すようにしてそう言えば、ウルベルトさんは大きな瞳を瞬かせたかと思うと笑顔で頷いた。
「分かりました。じゃあ、デミウルゴスと先に戻っていますね。……ティータイムには、戻って来て下さいね?」
チュッと可愛らしい音を立てて頬に唇が落とされたかと思うと、膝の上から温もりが消える。俺の膝の上に乗っていたウルベルトさんが離れたのだ。
「待ってますよ、モモンガさん」
ウルベルトさんはそう言うと、目線でデミウルゴスを促して退出して行った。
バタン。と、扉が閉まった瞬間。集まったギルメンからもの凄い勢いで問い詰められる。今まではウルベルトさんが俺に着きっきりだったから、訊くことも出来なかったんだろうけど、あからさま過ぎない!?
「ちょっ、モモンガさんkwsk!!!!!!!!!」
「……モモンガさん、嫌なら嫌って言った方がいいよ?正気?アレ膝に乗っけるとか、怖すぎない??」
「何か弱みでも握られてるんですか!?なら私が……!」
真っ先に興奮したように俺に詰め寄ってきたのが茶釜さん、哀れむように言ったのがペロロンチーノさん、その次がたっちさんだ。皆、色んな意味で分かりやすい。
「え、えーと。落ち着いて下さい、皆さん。別に俺、弱みを握られてるわけじゃないですし、ちゃんと正気ですから。……茶釜さん、その、詳しくと言われましても、先日ウルベルトさんから告白されて、お付き合いする事になったってだけで……別に面白い事は何も無いですよ?」
「十分面白いってば!!だって、ウルベルトさんだよ!?重度の厨二病の、しかも山羊頭の悪魔と、何がどーして付き合うってなるのさ!!」
どこが鼻か分からないけれど、茶釜さんはそう鼻息も荒く俺に迫ってくる。……正直、怖すぎる。
「その……ウルベルトさんから、キス、されて……。俺も嫌じゃなくて。気が付いたら付き合うことになったって言うか。まぁ、付き合うって言っても、俺骨ですし、今までとあんまり変わらないんですけどね」
俺がそう答えると、茶釜さんはみょーんっと首?を伸ばして俺に顔を近付けてくる。
「チッチッチ。甘い!甘いよモモンガさんっ!骨だから何なの?レイスじゃあるまいし、身体がちゃんとあるんだからさっ、もっとこー、愛情表現をさっ!!」
「……そ、そう言われても……。喪男な俺に多くを望みすぎでは!?」
そう言って視線を茶釜さんから逸らすと、他のギルメンが目に入るが、一部のギルメン以外はとばっちりを恐れてかそっと俺から視線を逸らした。……こうなってくると、逆に俺を見ているギルメンの方が怖くなってくる。だって、その面子がタブラさんにるし★ふぁーさんだよ!?絶対何か企んでるに決まってる……!!恋バナ好きな他の女性陣はともかく。
「……モモンガさん。悪魔のウルベルトさんがあんなに誘ってるんですから、そのお誘いに乗るのが男というものでは?」
ニタリ、と笑いながら近付いて来るタブラさんと女性陣。るし★ふぁーさんは怪しい笑顔を浮かべたまま俺を見ていたが、近付いては来なかった。
タブラさんのその言葉に、茶釜さんを始めとした女性陣が激しく頷いている。タブラさん以外の男性陣は、若干引き気味のように見える。
「え?誘……?あれ、恋人同士のスキンシップでは?」
首を傾げてそう訊けば、今度は茶釜さんが激しく首を振りつつ口を開く。
「スキンスップにしては過剰でしょ?ほっぺとはいえ、皆の前でキスとか、ウルベルトさん独占欲バリバリじゃん?」
「そ、そう、なんですか?」
「そうなのっ!!もー、モモンガさんってば鈍いんだからっ!!だから、あんな露骨なお誘いにも気付けないんだよ?」
触腕を振りながらそう言う茶釜さんに、そうなのかな?とか一瞬思ってしまったりする。
(え?じゃあ、その。俺、毎日ウルベルトさんに誘われてたりする!?それをスルーって……俺、冷たすぎない!?)
一応、付き合ってる筈なのに、そう言えば俺からキスしたことも無かった。これは結構マズイのでは……?
そう思った俺の内心を見透かすように、茶釜さんとタブラさんは笑顔を浮かべる。
「だ・か・ら♪奥手なモモンガさんの為に、私たちが色々教えてあげるねっ☆彡」
営業ボイスでそう言うと、茶釜さんとタブラさんは、俺を別室に連れて行った。そんな俺を、大多数のギルメンが気の毒そうな視線で見送っていた……。
side ウルベルト
あの後、ギルメンたちに揶揄われでもしたのか、ぎこちない様子でティータイムに訪れたモモンガさん。そんな初々しい所も可愛いな、と笑顔で彼を見つめる。モモンガさんは心ここに在らずといった風情で、落ち着かない様子で俺を見ている。その眼窩の炎はチカチカと点滅を繰り返していて……彼の動揺を表しているかのようだった。
「どうしたんですか?モモンガさん。何か気になることでも?彼奴らが何か変なことでも吹き込んだんですか……?」
笑顔のままでそう訊けば、モモンガさんは一瞬硬直した。……本当に、解り易すぎるよ、モモンガさん……。
「えっと……。ウルベルトさんからのスキンシップは激しいのに、俺からはしないのか?って言われまして……」
俺から僅かに視線を逸らしながらそう言うモモンガさん。……うん、嘘は吐いてないみたいだ。
「そんな事……俺は全然気にしてませんよ?元々、俺がモモンガさんの事好きでやってる事ですし。それに、モモンガさんちゃんとハグ返してくれるじゃないですか?」
そう言えば、モモンガさんは俺に視線を向ける。
「そりゃ、そうですけど……。ウルベルトさんはそれで良いんですか?」
グッと握られた拳。……どうやら他にも言いたいことがあるみたいだ。
「良いですよ。俺がモモンガさんの恋人だって、周りの誰もが知ってさえいれば。俺がモモンガさんの一番だって、もう皆知っているでしょう……?」
そう言って意味深に笑めば、ついさっきまで収まっていたモモンガさんの眼窩の炎の揺れが、一気に激しくなった。本当に、モモンガさんは解り易いヒトだ。
(元々、モモンガさんとはこれ以上どーの、っての考えて無かったしなぁ……。モモンガさん、骨だし。アレ、ねぇし。っつーか、ヤる気もヤられる気もねぇしな……)
モモンガさんの事を好きなのは間違いないし、じゃなきゃ嘘が吐けない悪魔になった俺が、同性のモモンガさんに告白なんて出来やしねぇ。だから、俺は今の状態でも本当に満足しているんだが……どうやらモモンガさんには上手く伝わっていないみたいだ。
「……俺、本当に満足してるんですよ?だって、モモンガさん俺の事を嫌がらないでしょう?嫌われて無くて、俺がキスをしても拒まないだけで……俺は嬉しいんですから。モモンガさんが異性愛者だって知ってるから」
今度は儚げに笑んでそう言えば、ガタッと大きな音がした。モモンガさんが、席を立ったんだ……と気付いたのは抱き締められてからだった。
「……え?モモンガ、さん……?」
「すみません、ウルベルトさんっ……!俺がハッキリしないから、ずっと不安だったんですよねっ!!」
「え?」
モモンガさんのその言葉に、一瞬頭が真っ白になる。不安?誰が?何で??そう思ったけれど、俺より大きなモモンガさんに抱き締められて、身動きが取れない。その背中に手を回すと、より強く抱き締められた。
「……俺、ちゃんとウルベルトさんの気持ちに応えたいって思ってるんです。だから……」
「だから……?」
見上げれば、強く揺らめく眼窩の炎と視線が絡む。……モモンガさん、大マジだ。って言うか、俺の気持ちに応えるって……!?
その言葉の真意に気付けなくて、混乱する。と、急に躯が宙を浮いた。
「モモンガ、さん……?」
抱き上げられたんだ、って気付いた時には、モモンガさんは扉の方に向かっていた。
「デミウルゴス。ウルベルトさんを借りていくぞ。明日には返すから心配するな」
支配者としてのロールでそう言うモモンガさんに、デミウルゴスは恭しく一礼すると扉を開く。
「ウルベルトさん。安心して下さいね。俺、頑張りますから」
和やかにそう言うと、モモンガさんは転移を使って自室に移動した。
「頑張る、って何を……?」
恐る恐るそう訊けば、モモンガさんは満面の笑顔(多分)で俺を見つめる。
「ウルベルトさんの気持ちに、ちゃんと応えたいから……俺っ、頑張りますねっ!!」
「だから何をですっ!?」
妙に嫌な予感がして、逃げようとしたがガッチリと抱きかかえられていて逃げられない。モモンガさんの腕の中でジタバタしていると、そのまま寝室に連れ込まれた。
(……マジか……?え、マジでマジ!?)
恐らくはモモンガさんが普段使っているであろうベッドに横たわらされて、硬直する。そんな俺を、モモンガさんはジッと見つめている。
「優しく、しますから……」
そう言いながらそっと頬を撫でられて。流石の俺でもこの先を察する。
「……絶対、ですよ?俺、初めてなんですから……」
(えーいっ!!もう、どうにでもなりやがれっ!!)
内心そう思いつつも、見た目だけは可憐に見えるように気をつけながら、俺はモモンガさんを抱き寄せた。
side モモンガ
ギルドの皆が心配してくれてた通り、ウルベルトさんは俺の言葉に淋しげな笑みを浮かべた。俺が彼を拒まない。ただ、それだけで良いと言う彼が、心から愛しいと思った。
(ウルベルトさんっ……何て健気なんだっ……!!)
普通、人を好きになったなら想いを返して欲しくなるものだ。無償の愛なんて、親子関係以外ではほぼあり得ないと俺は思ってるから……ウルベルトさんのその言葉に胸が痛くなった。俺の曖昧な態度で、ずっと彼を傷付けていたんじゃ無いか……そう思うと、心が苦しくなった。俺はウルベルトさんの想いに甘えていたんじゃないか、って。
そう思ったら、今までウルベルトさんに与えられていた想いの全てを全部ウルベルトさんに返したくなって。衝動的に、ウルベルトさんを抱き上げていた。俺の行動に戸惑っているウルベルトさんが可愛らしい。
(普段は凜々しいって感じだけど……こうして見るとすごく可愛らしいな、ウルベルトさん。睫も長くて、今なんて黒目がギュッと大きくなって……仔山羊みたいな表情をしてる)
こういうのをあどけない、って言うんだろうか?コロコロと変わるウルベルトさんの表情に、自然と口元が緩む。……まぁ、骸骨の顔だと、殆ど変わらないからウルベルトさんには気付かれないだろうけど。
「ウルベルトさんの気持ちに、ちゃんと応えたいから……俺っ、頑張りますねっ!!」
そう言いながら、寝室にウルベルトさんを連れ込む。
「優しく、しますから……」
緊張しているようなウルベルトさんを宥めるようにそう言って、柔らかな毛が生えている頬をそっと撫でる。すると、潤んだ瞳が俺を見返してくる。
「……絶対、ですよ?俺、初めてなんですから……」
小さく震える声がそう答えたかと思うと、魔法詠唱者らしい細い両腕が、俺を誘うように差し出されて。俺はその誘いに乗るように、そっと上体を傾げてウルベルトさんの唇に触れた。俺はアンデッドで骨の身だから、本当に触れることしか出来ないけれど、それでもウルベルトさんは嬉しそうにしていた。
「初めて、ですね。モモンガさんからのキス……」
恥じらうようにそう言われて、愛しさが募ってゆく。ほぼ消え失せたと思っていた欲が、煽られて。
「すみません……俺が不甲斐ないばかりに。でも、俺、これからはウルベルトさんに負けないように積極的になりますから……!」
そう言いながら、豪奢な衣装に手を掛ける。……ボタンが多すぎて、ちょっと固まった。
「……」
「その、俺、自分で脱ぎましょうか……?」
俺のその瞬時の躊躇いを見抜いたのか、ウルベルトさんは恥ずかしそうにそう言い出す。
(ウルベルトさんだって初めてなのに、何言わせてるんだ俺はっ……!!)
その言葉に、俺は我に返る。
「だ、大丈夫ですっ!……その、少し時間は掛かりますけど……」
黄金のボタンを壊さないように、綺麗な衣装が破れないように、と慎重に指を動かして、ウルベルトさんの装備をゆっくりと脱がせてゆく。すると、露わになる白い肌。
(うわっ……!めちゃくちゃ肌綺麗だっ……!!)
思わず、息を飲む。もう呼吸なんて出来ない筈なのに。そして、全てのボタンを外し終わると、傷一つ無い綺麗な上半身が晒される。モフモフとした頭部と、毛が生えていない滑らかな肩との対比が鮮やかで、すごく綺麗だ。
(……俺、メコン川さんと違ってケモナーじゃない筈なんだけどなぁ……)
瑞々しい白い肌の上に、可愛らしい小さな乳首が見える。男の胸だとハッキリと分かるのに、妙に可憐で、それでいてエロティックで。無い筈の下半身のモノが反応するような気さえする。
「……恥ずかしい、から……あんまり、見ないで下さい……」
必死に絞り出したかのような、恥じらった声。その声にも、煽られて。そっとそこに触れてみると、小さく跳ねる細い身体。
「ぁ……」
初めて聞く、蜜のような甘さを含んだウルベルトさんの声。その声に、我を忘れそうになる。優しくしなきゃいけないのに。傷付けないようにそっと触れると、吐息のような微かな声がひっきりなしに上がる。AVみたいな大声じゃないのが、かえっていやらしく感じる。
(本気で、感じてくれてるのかな……ウルベルトさん)
そう思うと、すごくドキドキするし、興奮する。
「モモンガ、さん……もっと……」
骨の俺の手に添えられた、柔らかく華奢な、魔法詠唱者らしい手。爪の先が真っ黒でそこに描かれた魔法陣がまるで芸術品みたいに繊細で綺麗だ。
(俺の事、本気で求めてくれてるんだ……)
そう思うと、より全身の熱が高まるような気がしてくる。もう、肉の身体なんて持っていないのに。
潤んだ瞳が、真っ直ぐに俺を見つめてくる。金と紫の、綺麗な瞳が。他でもない、この俺だけを。
(……どうして、ウルベルトさんは俺の事好きになってくれたんだろう?俺なんて、単なる小卒の喪男なのに……)
元々、俺と同じ異性愛者で巨乳好きな人なのに。それでも、俺が好きだと。俺の一番は自分だと、そう言ってくれたウルベルトさん。嘘が吐けない彼のその言葉を疑う訳じゃないけど、ふと浮かんだ疑問はなかなか消えてくれない。
「……ぁ、んッ……。ね、モモンガさ……、お願……」
と、動きが止まった俺に、可愛らしいおねだりが聞こえた。
「す、すみません……!その、俺……が、頑張りますからっ……!」
止めていた手を動かすと、途端に大きく跳ねた身体。その後も、俺の手が動く度に、小さく震える身体が愛おしい。
(ウルベルトさん、今までもずっと俺の事を求めてくれてたんだな……)
ほんの些細な動きですら、全て受け止めて。可愛らしい声を上げ続けるウルベルトさん。立ち上る甘い香りに、理性が飛びそうになる。他の人とは経験が無いから分からないけれど、これは悪魔のウルベルトさんが相手だからなんだろうか……?
「可愛い……ウルベルトさん」
ピコピコと揺れる大きな耳を甘噛みしながらそう囁くと、ウルベルトさんの声が大きくなった。
「んんッ……!あ、ぁッ……!!」
「ウルベルトさんは、敏感なんですね。まだ上半身しか触ってないのに……こんなえっちな声を出すなんて」
触れているうちに固く尖った桃色の乳首を摘まむと、細い腰が悩ましげに揺らされる。
「ぁ……だ、って……気持ち、ぃ……ぁ……!」
恥じらいながらも、嬉しそうにそう言うウルベルトさんが、本当に可愛い。
(……これだと、あの言葉もあながち間違ってないのかも……?)
さっきタブラさんと茶釜さんに聞いた、悪魔についての伝承とかが、ふと頭をよぎった。
(だったら、俺もっと頑張らないと……!)
俺はそう決意して、ウルベルトさんに触れる手をそっと下半身に伸ばした。
side ウルベルト
「ん、ぁっ……!モモンガさ……ぁ!」
本人にそのつもりが無くても、まるで焦らすかのようにゆっくりと動く掌に、自然と腰が揺れる。受け入れた経験なんか無いのに、既にモモンガさんが欲しくてたまらない。
(クッソ厄介だな、悪魔の躯ってのは……)
欲望に素直なのが悪魔だが、悪魔を統べる者である"悪魔の支配者"は欲に溺れきる事が出来ないらしい。
(こんなに気持ちいいのに……思考が、途切れねぇ……)
夢中になって俺に触っているモモンガさんは、思った以上に可愛らしい。ぎこちない動きも初々しくて、自然と口元が緩む。そんな状態なのに、俺の口からは喘ぎ声が引っ切り無しに漏れ続けている。そんな思考と動きの乖離が、俺を戸惑わせて。まだ人間寄りな思考回路を侵してゆく。
骨の手で軽く触れられているだけなのに、感じ過ぎてておかしくなりそうだった。尖った指先で乳首を摘ままれるだけで、勝手に腰が跳ね上がって、腰の奥から熱が沸き上がる。
(……ヤベェ。もう、奥が疼く……。マジで何もされてねぇのに、ナカが……)
モモンガさんにどれ位知識があるのか知らねぇけど、流石に此の侭放置は無い……と思いたい。
「ウルベルトさん……」
その言葉と同時に、漸く手が下半身に伸ばされる。その事にホッとしつつも、その指先が何かを探すように動いていることに気付く。上着と違って下半身の装備はシンプルな作りだから、脱がす事自体はあっという間だったのに。
(……そう言えば、俺のって普通には生えてねぇな……)
悪魔の下半身は、人間のそれとは違っていて、見える所には生殖器は生えていない。スリットの奥にあるそれは、初見じゃ見つけることは難しいだろう。それが初心者のモモンガさんなら尚更だ。
「モモンガさん……もっと、触って……?」
小っ恥ずかしかったが、誘うようにそう言ってモモンガさんの手を既に濡れているスリットに誘導する。すると、モモンガさんはその長い指をスッとそこに差し入れてくる。
「ん、んっ……!」
「だ、大丈夫ですか、ウルベルトさんっ!痛く、ないですか……?」
指の先だけを埋め込んでそう訊かれて、腰が揺れた。中途半端な刺激に、物足りなさを強く感じる。
「へぃ、き……もっと、お願……!」
そう言って自らスリットを割り広げて、硬度を増した自身を露わにすると、モモンガさんは驚いたようにそれを見ていた。
「これが……ウルベルトさんの……」
自身の出した先走りでヌルヌルに濡れた肉柱は、妙に生々しく見えた。風呂場で見るそれとは全く違って見えるそれに、モモンガさんがドン引いてねぇかだけが不安だったが、モモンガさんは躊躇わずにそれに触れる。
「ふ、ぁ、あン!」
予想の出来ない動きに、大きな声が漏れた。硬い骨に触られているのに、それでも気持ちいい。信じられないくらいに。既に濡れているからか、痛みや過度の摩擦は感じない。感じるのは、純粋な快楽だけ。人間の時にシた事がある自慰よりも遥かに気持ち良くて、あっさりと達してしまいそうな気がするけれど、それでもまだイくのには足りない。
(これだから悪魔の躯はっ……!!人間よりも、遥かに快楽の閾値が高すぎだろっ……!!)
多分、人間の躯だったなら何回もイってただろう。これだけの強い快楽を与えられ続けたなら。けど、今は……。
「モモンガさ……もぉ、来てぇ……俺、おれぇっ……!!」
ナカに、モモンガさんが欲しい。最後の一押しをシて欲しい。じゃなきゃ、多分今の俺はイけない。そんな確信めいた思いがあって。俺はモモンガさんを誘う言葉を躊躇うこと無く口にしていた。
side モモンガ
「ウルベルトさんっ……!!」
初めてだ、って言っていたのに、こんなにいやらしく誘われて。我慢なんて出来る訳が無い。ウルベルトさんの細い腰を抱え上げると、淡いピンク色をした小さな穴が見えた。俺を欲しがっているかのように、ヒクついている清楚で、それでいて淫乱な穴が。人間のそれとは形状が違って、穴というよりは僅かな窪みのような小さなそこを、ウルベルトさんのもので濡れた指先で触れてみると、俺を誘うかのように僅かに開く。開いたそこに指先を沈み込ませると、ウルベルトさんの細い身体が大きく反り返った。
「……ぁ……!それぇ……!もっとぉ……!!」
そう、可愛い声で鳴くウルベルトさんに、興奮が抑えられない。感情が抑制されている筈なのに、それでも収まらない衝動のまま、俺はウルベルトさんの求めに応えるようにゆっくりと指先を奥へと沈ませてゆく。すると、指全体をキツく締め付ける感覚がある。
「いい、ですか?ウルベルトさん……」
そう訊きながら、ゆっくりとナカで指を抜き差ししてみると、締め付けがより強くなったような気がした。
「い、ぃ……!もっと、奥ぅ……!」
快楽に素直なウルベルトさんは、もの凄くえっちで可愛かった。そのいやらしくも可愛らしいおねだりに応えるように、徐々に入れる範囲を深くして。ウルベルトさんの反応を見ながら指を動かすと、細い腰が大きく揺れる。俺の指で感じてくれてるんだ、って思ったら、たまらなくなって。その細い腰を押さえ込んで、強引に奥まで指を捻じ込むと、ウルベルトさんは声にならない声を上げて、腰をビクつかせながら達してしまっていた。
(俺、ウルベルトさんの触ってないのに……)
ウルベルトさんのナカの指が、何度もキュウキュウと締め付けられていて、まだウルベルトさんがイってるっぽいのを感じる。
そして、イった筈なのに、まだ萎えていないウルベルトさんのモノが目に入る。その大きさにちょっと驚きつつも、まだ物足りなさそうにしているそれを、腰を押さえていた手を外して緩く扱きあげると、ナカの指までその動きに連動するように締め付けられた。
「あァんっ!イく、俺またぁっ……!!」
「いいですよ、ウルベルトさん。イって下さい。俺の目の前で……何度でも、ね」
ウルベルトさんのモノの先端から溢れてくる、白く濁った体液。それを潤滑油にして扱いてあげると、何度もウルベルトさんの細い腰が突き上げられるように動く。そして、ナカの指に絡み付くようないやらしい動きを感じたかと思ったら、ウルベルトさんの全身が一瞬硬直して。俺の目の前で、二度目の精が吹き上がるのが見えた。
「……あぁ、やっぱり。これじゃ、ウルベルトさんは満足しないんですね。じゃあ、もっと続けましょうか?」
「……ぇ……?」
俺の言葉に不思議そうな表情をしたウルベルトさん。だけど、その下半身はまだ萎えていないし、ヒクついた穴は俺の指を嬉しそうに咥え込んだままだ。まるで離さない、とでも言うかのように絡みついて来るその動きに、本当に強くウルベルトさんに求められてるんだ、って実感して、胸が熱くなる。
「愛してますよ、俺の可愛いウルベルトさん。……もう絶対、離しませんから……」
そう言うと、潤んだ瞳のウルベルトさんが真っ直ぐ俺を見て微笑んだ。
side ウルベルト
「……ゃ、ぁ、……も、ぉれぇ……!」
何度イったか、正直もう覚えて無い。この時ばかりは、この姿の元となった悪魔の伝承を呪いたくなった。誰もが悪魔と聞いて真っ先に思い浮かべる、黒山羊頭の悪魔……バフォメット。それは、別名を性の悪魔とされている絶倫な悪魔で……一節には両性具有であるらしい。まぁ、俺は完全な男性だから、その辺りの伝承は無関係なんだが……問題は、その"絶倫"にあって。本来なら抱く方だから全く問題になっていなかったが、これが抱かれる側に回るとどうなるのか、と言えば。全く萎えてくれないから、抱く側からしたらまだ足りないのか?と思われてしまう訳で……。俺は、そう勘違いしたモモンガさんに延々責められていたのだった。
逸物が無いからか、それとも何か別の理由でもあるのかは解らないが、まるで飽きるという事を知らないかのようなモモンガさんは、それはもう驚くくらいに俺に尽くしてくれた。マジでモモンガさん童貞なんだよね!?と突っ込みたくなるくらいには。
完全にナカの刺激だけでイけるようになった頃には、俺のモノはもう勃起すらしていなかったけれど、それでも溢れ出てくる体液に、モモンガさんはまだ足りないんですか?って言いながら俺に触れてきていた。意識はハッキリしているのに、呂律が回らなくてもう満足したと伝えられないまま、時だけが過ぎて。すっかりと調教されきった躯だけが残っている状態だった。
「ウルベルトさんは、本当に可愛いですね。また、胸だけでイってみますか……?」
そう言いながら優しく胸元を撫でられて。それだけで、ナカが反応してしまう。それは、未だナカに埋められたままのモモンガさんの指にもダイレクトに伝わって……。
「……ん……ほしぃ……」
欲望に貪欲なこの躯は、結局与えられる快楽には抗えなくて。また、モモンガさんにおねだりをしてしまっていた。
(あぁ……マジでモモンガさんに変な入れ知恵したヤツ、後で締める……!!)
と、そんな事を考えている間にも、モモンガさんの手が、歯が、俺の胸を嬲って。何度もイって敏感になっていたこの躯は、あっという間に登りつめてしまう。
「可愛いです、ウルベルトさん。また俺にイくところ見せて下さい……」
熱を帯びた声が、俺の耳元でそう囁いたかと思うと、次の瞬間胸の先端を弾くように刺激されて。俺はあっさりとイってしまっていた。
「……ぁ、あーーーーーー……!!」
呼吸と同時に、迸る声。もう射精はせずにイけるようになっているから、ほんの少しだけ溢れた体液が腹を僅かに濡らすだけだ。
(ヤバイ……締めてたら、また欲しくなって来た……)
ずっとナカに入れられたままのモモンガさんの指。逸物とは違って萎えないそれは、イく度にその存在感を示していて。俺の欲を刺激し続けている。
(ちゃんとイって、躯は満足してる筈なのに……何で……!)
「モモンガ、さ、ん……。お願……もっと太ぃの、奥にぃ……!」
改めて意識したら、もう駄目だった。俺の口は勝手に動いて、モモンガさんに更なる淫らな要求を突きつけていた。そんな俺を見つめるモモンガさんの眼窩の炎はより大きく揺らめいた。
side モモンガ
敏感なウルベルトさんは、初めての俺の拙い愛撫にも反応して感じてくれている。それがすごく嬉しくて、何度もウルベルトさんに触れる。その度に可愛らしい声で鳴いてくれるのが、えっちでめちゃくちゃ興奮する。
(感情、抑制されててこれって……されてなかったら、俺どうなっちゃうんだろう……?)
そんな事を思いつつ、触れる度に可愛らしい反応を見せてくれるウルベルトさんを愛でる。ずっとナカに入れながらウルベルトさんの反応を窺っていた指を回すように動かすと、僅かに隙間が出来る。その隙間にもう一本指を捻じ込むと、ウルベルトさんの反応がより大きくなった。
「ウルベルトさん……お望みの、太いのですよ。気持ちいいですか?」
「……は、ぁ、ん、ぁ……!」
俺の問いに答えられないウルベルトさん。どうやら、ちょっと力が入りすぎてるみたいだ。
「締めすぎですよ、ウルベルトさん。もっと、緩めて?」
固く尖って、紅くなっている可愛らしい乳首を擽るように触ってあげると、ナカが一瞬より強く締まったと思ったら若干緩んで。その隙に二本目の指をより奥に埋め込むと、ウルベルトさんの口から歓喜の声が上がった。
「あ、ぁ……おっきぃの、が……ぁ……!」
「おっきいのが好きなんですか?ウルベルトさんはえっちなヒトですね」
ゆるゆると抜き差しを繰り返すと、抜くときに嫌がるように締まるウルベルトさんのナカ。その反応に、喉が鳴る。もう呼吸なんてしてない筈なのに。
「ち、が……!モモンガさ、だか、ら……!」
俺の言葉にそう答えるウルベルトさんが、愛しい。俺だからいいんだって、そう言って貰えて、心が満たされたような気がした。
「俺だって、そうですよ。ウルベルトさんだから、何度だってイく所が見たいって思っちゃいますし……気持ち良くなって欲しいって思うんです」
言いながら、ゆっくりとウルベルトさんのナカを探る。入口だけじゃなく、ナカにもウルベルトさんが気持ち良くなれる場所があるらしい、と聞いていたから。ウルベルトさんのお腹側を探るように指先で擦り上げると、一際反応が大きくなった場所があった。そこを集中的に擦り上げるようにして指を動かすと、ナカの動きが変則的になって来る。
「あ、ぁ!それ、俺ぇっ……!!」
涙でビショビショになったウルベルトさんの顔。普段はモフッとした毛に覆われているそこは、今は涙でぺっしょりとしている。ウルベルトさんが何度も感じてくれた証だ。
(イく度に泣いてたもんなぁ、ウルベルトさん……。そんな所も可愛いけど)
そんな事を考えつつも、視線はウルベルトさんから離さない。俺のどんな動きに感じてくれているのか、ちゃんと記憶しておきたいから。
「ここ、ですか?ねぇ、ウルベルトさん……」
訊きながら、ナカを指の腹で擦りながら抜き差しを繰り返す。すると、ウルベルトさんの締め付けと腰の動きが激しくなる。
「そこぉ……!きもちぃ、ぁ、あぁ……!!」
「イっていいんですよ、ウルベルトさん……さぁ」
わざと奥までは入れないで、ウルベルトさんが反応した中程で指を止めて強く押すと、それでもウルベルトさんはイってくれた。
「……ぁ、あ……ぁ」
「……可愛いです、ウルベルトさん」
イった後の余韻に瞳を潤ませているウルベルトさんの唇に触れると、微かに開いた口から長い舌が俺の口元を擽る。こんな時、返せないこの身がほんの少しだけ憎くなる。ウルベルトさんはこんなに俺を求めてくれているのに。
「好き、です……モモンガさん……」
そう言って微笑むウルベルトさんが愛しくて、そっと抱き締める。すると、ウルベルトさんも俺の背に手を回してくれた。その瞬間、前もってセットしておいた腕時計から『予定したお時間が経過したよ――モモンガお兄ちゃん!』というボイスが流れた。
side ウルベルト
「……あぁ。もう時間ですか。朝になっちゃうのは早いですね。本当ならもっとイチャイチャしていたいんですけど……仕事もありますし」
モモンガさんはそう言うと、俺の額にキスをする。でも、俺はそんな事じゃ誤魔化されない。
「……モモンガさん。モモンガさんに変なことを吹き込んだの、誰ですか?」
ニッコリ、と笑顔を浮かべてそう言えば、途端にモモンガさんは挙動不審になる。
「え、えーっと、その……!」
「馬鹿鳥は絡んでますか?それとも他の面子ですか?正直に答えて下さいね。嘘吐いても俺には解っちゃうので……」
重ねてそう問えば、モモンガさんは観念したかのように口を開く。
「タブラさんと、茶釜さんです。ペロロンチーノさんは無罪ですっ!!」
「……で。そのお二方に何を聞いたんですか?いきなりアレって、俺からしたら訳わからないんですけど?」
(まぁ、気持ちは良かったけどさ……そーじゃねぇんだよっ!!!!)と、内心そう思うが、顔には出さずそう訊く。
「えーっと、その。ウルベルトさんが性の悪魔だから、満足させるのが大変だとか、最初が肝心だから頑張れ!みたいな事を色々……」
小さな声でそう言うモモンガさんに、溜息が出た。間違ってない。間違っちゃいねぇが……!!沸々と湧き出る怒りを、如何すればいいのか。俺はこれからどうすべきかを真剣に考え始めた。
「う、ウルベルトさん?」
恐る恐る、といった風情でそう声を掛けてくるモモンガさんに笑顔を返す。
「大丈夫ですよ。俺、モモンガさんには怒ってませんから。……えーっとですね。俺の俗称は確かにそうですけど……普通、あんなに何時間もしませんよ?相手が壊れちゃいますから」
「え?」
可愛らしく小首を傾げるモモンガさん。マジで解ってねぇっぽいので、俺は補足する。
「……普通は、俺、抱く側なんですよ?モモンガさん相手だから特別なだけで」
「あっ……。なら、確かにそうですね。ウルベルトさんの、ずっと元気でしたし」
無邪気なその言葉に、毒気が抜ける。
(……まぁ、いいか。モモンガさん可愛いし。後で二人を締めときゃ問題ねぇか……)
「その……。モモンガさん。俺、毎回あんなに激しいのだと困るので……もし次があるのなら、普通でお願いします……」
身が持たない、と言おうとしたが、実際には持ってるので口には出来なかった。なので、言葉を少し変えてそうお願いすれば、モモンガさんはちょっと困ったように口を開く。
「えっと、普通ってどれくらいですかね……?」
「……えーっと。多分五回以内くらい、ですかね?一般的には夜が明けるまでやりっぱなしとかないですし、俺、ちゃんと寝たいです。寝るの好きなので」
そう言うと、モモンガさんは大きく頷く。
「そうですよね。今回のコレだって、多分お二人とも俺基準で考えてたから睡眠時間を考慮してなかったんですよね」
「……ソウデスネ」
(いや、絶対あの二人、俺が悪魔だから多少無茶しても問題ねぇとか思ってただろ!!締める!!茶釜さんは女性だからって思ってたけど、こーなりゃ男女平等だっ……!!)
俺は内心そう思いながらも、モモンガさんに口止めすることだけは忘れなかった。
「モモンガさん。今夜のことは、俺とモモンガさんだけの秘密ですからね?他の誰にも言っちゃ駄目ですよ?……じゃなきゃ俺、モモンガさんの事嫌いになっちゃうかもですから」
ずっと入っていた指が抜かれていることに違和感を覚えつつも、俺はモモンガさんの頬にキスをしながらそう言った。風呂に入って仮眠を取ってから、二人ともキッチリ締めてやると思いつつ。
END