【BL】カプごちゃ混ぜのBL短編集 作:腐エロのひと。
転移後。二人の目の前に現れたのは、『フェラをしないと出られない部屋』と書いてある看板だった。
「……テメェ。よりにもよって、新年早々何てトラップに引っかかってやがる」
黒山羊頭の悪魔、ウルベルト・アレイン・オードルは、目の前のバードマンにそう悪態を吐く。地を這うよな低い声で。
「しょっ、しょうがないじゃないですかー!!俺だって、野郎となんかこんな罠に掛かりたくなかったですよっ……!!」
地べたに突っ伏しかねないような低い態勢で、ペロロンチーノもそう答える。だが、ウルベルトは冷ややかな視線をペロロンチーノに向けたままだ。
「い……いいじゃないですかっ……!!俺とたっちさんだったら、絶対俺の方がマシでしょ!?」
尚もそう言い募るペロロンチーノに、腕組みしながらウルベルトは小さく頷く。
「……まぁ、確かにそう言えばそうですけど……。比較対象、低すぎません?大嫌いなヒトと友人なら、そりゃ友人の方がマシってなりますよ」
言いながら、ウルベルトは辺りを見回す。エロトラップの代名詞とも言うべき、セックスをしないと出られない部屋同様、大きなベッドにサイドテーブル。そして、サイドテーブルの上にはお約束のように部屋の説明と……ローションが置いてあった。
「……とりあえずこれ、不要ですから燃やしますかね」
低い声のまま、ウルベルトはそう言うと手にした説明とローションを黒炎で燃やし尽くした。
「ローションは俺使いたかったのに……」
「馬鹿じゃねぇの?こんな得体の知れねぇローションを使いたいとか……。そんなに欲しけりゃナザリックに戻ったらくれてやりますよ」
吐き捨てるようにそう言うウルベルトは、苛立ったような様子で室内を歩き回る。
「……えーと。ウルベルトさん?」
そんなウルベルトに、ペロロンチーノは怖ず怖ずと声を掛けた。微かに震えながらも、勇気を振り絞って。
「何ですか。厄介ごとばっかり引き寄せる疫病神のペロロンチーノさん?」
と、間髪入れずにそう答えられて、ペロロンチーノは恐怖を忘れて素で叫んでいた。
「えっ、酷!!」
「酷くねぇよ、馬鹿鳥が。……こういう部屋だと、力ずくじゃ出られないってのが決まってるので。条件をクリアするしか出る方法が無いんですよね……。あぁ、マジ面倒くせぇ」
大きく溜息を吐きながらそう言うと、ウルベルトはきつくペロロンチーノを睨み付ける。
「ペロロンチーノさん。とりあえず、手を出して下さい」
「え?ウルベルトさんがしてくれるの?俺、脱いだ方がいい?」
ウルベルトのその言葉に、ペロロンチーノは自分の腰の装備品に手を掛ける。
「脱ぐな。もし脱いだら、テメェの薄汚ぇソレ、根元からねじ切るからな?」
「……!ぬ、脱がないっ……!!て、手でいいんですねっ!?」
「最初からそう言ってんだろ。……気は進まねぇけどな。<清潔>っと。これで消毒は済んだな」
ウルベルトはそう言うと、ペロロンチーノの手を取る。
「動くなよ。とっとと終わらせたいんだからな」
「は、はいっ!!」
ウルベルトの言葉に、硬直したように立ち尽くしているペロロンチーノを尻目に、ウルベルトはペロロンチーノの手を捧げ持つ。そして、おもむろにその指先に唇を這わせた。
「……っ……!」
思わず、息を飲む。相手は、黒山羊頭の悪魔だというのに、視線が逸らせない。ペロロンチーノは、食い入るようにウルベルトの口元を凝視している。そんなペロロンチーノを無視して、ウルベルトは指先から指の付け根までゆっくりと舌を這わせては、いやらしく舐める。わざとなのか、ぴちゃぴちゃを音を立てながら。
「うっわ……これ、音だけだとまるっきりエロ音声じゃん……!」
「……うるせぇよ。余計な事言うんじゃねぇ。集中させろ」
ペロロンチーノの戯言にそう返すと、ウルベルトはペロロンチーノの指を舐め続ける。
「……んっ……そろそろ……」
やたらと艶っぽい声でそう言われて。指を舐められているだけなのに、ペロロンチーノは自然と前屈みになっていた。
「ウルベルトさんっ……もういいですかっ!?俺っ、そろそろヤバイんですけどっ……!!」
切羽詰まったようにペロロンチーノがそう言った瞬間。カチリ……と、鍵の開く音がした。と、ウルベルトはすぐにペロロンチーノの指から口を離す。
「……あぁ、やっぱり。部位の指定は無かったから、これでも行けると思ったんですけど。正解だったようで良かったです」
「……へ?え?ええ??」
ウルベルトの言葉の意味が理解出来ないのか?ペロロンチーノは呆然とその場に立ち尽くしている。
「指フェラって、聞いた事ありません?エロゲとかでもよくあると思いましたが……」
ハンカチで口元を拭いながらそう言えば、ペロロンチーノもハッとしている。
「なるほど……!!これがあのっ……!」
「……。今回はこれで済んだからいいですけど。もっとヤバイトラップだったら洒落にならないんですから。次からは気をつけて下さいよ?」
ウルベルトの言葉に、ペロロンチーノは素直に頷いたが。
「ウルベルトさん。……コレ、どうしたらいい?」
と、盛り上がった下半身を指さした。
「知るかよ。テメェで何とかしろよ、馬鹿鳥。ほら、モモンガさんの所に戻るぞ」
ウルベルトはそう言って鍵の開いた扉からサッサと外に出た。
「ちょ、待って下さいよー!!マジで俺このまま行くの!?羞恥プレイ過ぎない!?」
そう喚いているペロロンチーノをチラリと横目で見つつ、ウルベルトは足を止めない。ペロロンチーノも小走りで後を追った。
ちなみに。ウルベルトがペロロンチーノに口止めをしておかなかったせいで、色々面倒くさいことになるのだが……それはまた別の話だ。