※この作品はR-18です。

【BL】カプごちゃ混ぜのBL短編集   作:腐エロのひと。

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闇堕ちたっちさん。無自覚なたちウルです。エロシーンはありますが、全くエロくありません。ウルベルトさんが冷凍マグロです。それでも良い方だけどうぞ。


闇に堕ちる【たちウル】

side ウルベルト

 

 『戻れない』と、恐らく誰もが思ったその時。元々あっちに戻るつもりなんざ無かった俺は、同じく戻るつもりが無さそうだったモモンガさんに接触した。……彼を手に入れるために。

 だって、仕方ないじゃないか?俺は悪魔で。欲しい物は必ず手に入れなければ気が済まない性分になっちまったんだから。あっちと違って、諦める必要なんざねぇし、欲望を抑える必要だってないんだから。

 

 

 

 そして。モモンガさんがほんの少しだけ俺を意識し始めてくれた頃、俺はモモンガさんに告白した。100%ではないけれど、かなり高確率で受けて貰えると思ったから。

「……その。返事は急ぎませんから。ゆっくりとでも、前向きに考えてくれたら嬉しいです」

 そう言い残して、その場を去る。モモンガさんは異性愛者だから、即答は出来ないだろうと解っていたから。

 自室に戻ると、俺はデミウルゴスに酒を用意させて一人で軽く呑み始める。前祝いというか、祝杯だ。多分近日中には良い知らせがあるだろうと思って。

「デミウルゴス。近々良い事がある。その際にはとっておきのアレを出してくれ」

 上機嫌でそう言うと、デミウルゴスは嬉しそうな顔で俺を見る。その尻尾はゆらゆらと左右に揺れている。

「畏まりました。ウルベルト様にとって良い事があるのは、私にとっても喜ばしい事です。気合いを入れて準備させていただきましょう」

 ……と、そんな話をしていたら、ノックの音がした。

(……誰だ?夕飯時に来客なんて非常識な……)

 そう思ってデミウルゴスを見ると、デミウルゴスもそう思ったのか僅かに眉を顰めていたがすぐに対応する。

「どちら様でしょう?火急の用ですか?」

 口調は柔らかいが、ぶっちゃけ、急ぎじゃねぇなら帰れのニュアンスが多分に含まれているので、普通の神経をしていたら即座に帰るだろう。……普通の神経をしていたら、だが。

(モモンガさんは来る前に<伝言>くれるし……それ以外のギルメン相手なら多少対応が悪くても良いだろう)

 酒を呑みながら耳を傾ける。

「……お忙しい所恐縮ですが、私の創造主であるたっち・みー様からの言伝がございます。どうか開けて頂けないでしょうか?」

 一瞬間を置いてそう返答があった。セバスだ。珍しいこともあるもんだ。デミウルゴスも戸惑ったような顔で俺を見ている。

「構わない、入れてやれデミウルゴス」

 ニヤリと笑いながらそう言うと、デミウルゴスはすぐに扉を開けた。

「これは……お食事中でしたか。申し訳ありません、ウルベルト・アレイン・オードル様」

 そう言ってその場に跪く老執事。……此奴自体に罪はねぇが、創造主に似ている所が多く、俺とはあまり相性が良いとは言えない相手だ。

「構わない。それより……たっちさんから言伝とは珍しいな?<伝言>を使えばいいものを……」

 随分と回りくどいやり方だな、とは思ったけれど、何か理由があるのかもしれない。と、俺は視線でセバスに続きを促す。

「寛大なご配慮、感謝致します。たっち・みー様は、ウルベルト・アレイン・オードル様との会談を望んでいらっしゃいます。ご予定に問題が無ければ、本日中にでも、と仰っておりまして……。ご予定は如何でしょうか?」

「会談、だと?たっちさんが、私と?しかも今夜……?」

 ……思い当たる節が全く無い。けれど、断っても別日になるだけのような気がする。

「そうだな……見ての通り私は食事中でな。準備もあるし、二時間後で良いのなら受けると伝えてくれ」

 そう伝えると、セバスは大きく頷いた。

「畏まりました。たっち・みー様はウルベルト・アレイン・オードル様のご都合に合わせると仰っておりましたので、そのお時間で問題無いかと。では、お手数ですが九階層の会議室までご足労願えますでしょうか?たっち・みー様はそこでの会談をお望みですので」

「……円卓の間じゃなく、会議室?また珍しい場所を指定してきたな。まぁ、いい。では、すぐに戻ってたっちさんに伝えろ。二時間後に行くと」

 俺がそう言うと、セバスは立ち上がる。

「ありがとうございます。そのように伝えさせていただきます。それでは御前失礼致します」

 そう言うと、セバスはピシッとした綺麗な礼をしてその場を辞した。

「……ウルベルト様。本当によろしいのですか?」

 セバスの気配が消えてから、デミウルゴスがそう訊いてくる。

「あぁ、構わない。折角の前祝いだったが、興が削がれた。早々に風呂に入って身支度を整えるとするか。二時間もあれば余裕だろう?」

 俺はそう言うと、手にしていたワインを飲み干した。……何となく、嫌な予感はしていたけれど、その時の俺にはそれが何を意味しているのかが解らなかったのだ……。

 

 

side たっち・みー

 

「……そうか、二時間後か。ありがとう、セバス。では準備をしないとな。今日はもう下がって構わない。そうだな……明日は起こしに来なくてもいい。少し用事があるからな」

 私はそう言うと自身の創造したNPCを下がらせる。……属性"極善"である、私よりもよっぽど正義の味方に相応しい彼を。

「私がこれからすることをセバスが知ったら……どんな行動に出るんだろうな……」

 自嘲気味にそう言って、私は自身の装備を確認する。私が持ちうる中で最も防御力が高い鎧。ワールドチャンピオンになった時に入手したその純銀の鎧は、ギルドの中で私と言えばこの装備、と思われている物だ。聖騎士の代名詞とも言うべきそれを、これから穢すのだと。そう思うと言い様のない感情が私の胸いっぱいに広がる。

「……あぁ、でも仕方ないじゃないですか。ウルベルトさん。貴方が悪いんですよ。全部、貴方が……」

 そう呟いて、一足先に会議室に向かう。とある仕掛けをするために。

 

 

 

 ノックの、音がした。丁度二時間経過した頃だ。仕掛けは全て終わっている。

「どうぞ、入って下さい」

 そう言うと、黒山羊頭の異形……悪魔の支配者である、ウルベルト・アレイン・オードルが入室してきた。私と違って、こちらの世界を楽しんでいる彼が。

「……どうも。珍しいですね、たっちさんが俺に用事なんて。しかも、会議室?何考えてるんですか一体?」

「まぁ、そう言わずにまずは座って下さいよ。立ち話も何ですし」

 やや苛立ち気味のウルベルトさんを宥めるように声を掛け、椅子を勧める。すると、ウルベルトさんは思ったよりも素直に座る。

「で?マジで何なんですか?俺、アンタに呼ばれる理由、全然思い浮かばないんですけど?」

「そう言う割には、私の呼び掛けに素直に応じましたよね?何でですか?」

 逆にそう問い返してやると、ウルベルトさんは小さく舌打ちする。

「テメェの事放っておいたら、面倒くせぇ事になるからだよ。絶対、俺が応じるまで何度もセバス寄越すつもりだったろ?<伝言>だとシカトされるとでも思ってたんじゃねぇの?」

「あぁ、そこまで読まれてたんですね。セバスはNPCですし、ウルベルトさんなら気にせず無視するかとも思ったんですけどね」

 私の答えに、ウルベルトさんは苦虫を噛みつぶしたような顔になる。

「俺が嫌いなのはテメェだけだよ。テメェが創造したとは言え、セバスには罪はねぇだろうが」

「そうですか。……本当に、ウルベルトさんは私以外のヒトには優しいんですね」

 その事実に、心に澱みが産まれたような気がした。どす黒い、澱が徐々に溜まってゆくこの不快感は何なんだろうか……。

「それが、何か?」

 ジロリ、と私を睨むウルベルトさん。その装備は、私と同じく彼が持つ中で最も性能が良い物だ。彼も、何処かで私を警戒しているらしい。

「……ええ。罪悪感が薄れますから」

「はァ?テメェ何言って……ッ!?」

 ウルベルトさんの言葉の途中で、罠が作動した。……先程、私が仕込んでおいた、転移の罠が。

「テメェっ!!何しやがった!!」

 転移してすぐ私に噛み付いてくるウルベルトさん。けれど、魔法職の彼の力など高が知れている。難なく抑え込むと、ウルベルトさんは私を睨み付けながらも周囲を窺っていた。

「ちょっと、場所を変えてだけですよ。あそこで事に及ぶのは流石に不味いと思いましてね」

「事に、及ぶ……?」

 私の言葉に、ウルベルトさんは自分が今どこに居るのかを悟った様だった。

「……テメェの、寝室か?下手なアリバイ工作しやがって。俺が他の奴に一言喋りゃあ簡単に崩れるアリバイだろうに」

 そう言って鼻で嗤うウルベルトさんは、相変わらず不貞不貞しく悪魔らしかった。

「最中に乱入さえされなければいいので、問題無いですよ。さて、質問はありますか?気分次第では答えてあげてもいいですよ」

 彼を抑え込んだままそう言うと、黄金の瞳が笑みの形に変わる。

「舐めんなッ……!!弾けろッ!!」

 その言葉と同時に、空間が一瞬揺らいだ。だが、それだけだった。

「……は?何で、発動しねぇ!?」

「それは、この部屋では如何なる魔法でも発動が出来ないようになっているからですよ。私は聖騎士ですし、攻撃には殆ど魔法は使いませんから不自由はありませんが……ウルベルトさんみたいに魔力に頼り切ったヒトは、ちょっとばかり困ったことになるでしょうね」

「一寸ばかり、だァ?巫山戯んな、糞たっち!!マジ、何考えてやがるっ!!」

 私の意図が読めないのか、そう叫ぶウルベルトさんは恐らくは全力で私から逃げようと暴れるが……そもそも魔法詠唱者と聖騎士では筋力の数値が違いすぎる。私は難無く彼を抑え込んだまま、彼をベッドに縫い止める事に成功する。

「何を、ですか……。そうですね、この世界を楽しんでいる貴方には分からないでしょうが。……八つ当たりです、と言えば納得してくれますか?」

 心の中の汚泥のような感情を吐き出すようにそう言えば、途端にウルベルトさんは覚めた目で私を見る。

「……納得は出来ねぇが。何となく、理解は出来ちまうよ。"帰れない"って思い知っちまったからだろう?なぁ、たっちさん」

 そう言って冷たく嗤うウルベルトさんは、とても悪魔らしくて。そして、怖いくらいに美しかった。

「そうですよ。ウルベルトさん。貴方が悪いんですからね?元々帰還に乗り気じゃ無かったモモンガさんに、色々と余計な事を吹き込むから……」

 そう、本心を吐露すると、ウルベルトさんの笑みが深くなる。

「あぁ、そんな下らない事で俺にこんな事を?確かに、ナザリックでは帰還希望者の方が少ないですし……NPCたちだって、皆さんの在留を望んでいますから……色々と大変だとは思いますけれど、貴方が命じればセバスだって従うでしょう?なのに何故、俺に"八つ当たり"を?」

 すっかりと冷静になってしまったウルベルトさんは、いつものロールプレイ染みた喋り方に戻ってしまう。……素の彼の方が、よっぽど良いのに。

「えぇ、確かにセバスは従ってくれるでしょう。けれど、それもギルマスであるモモンガさんの許可があってこそでしょう?彼が今、帰還に積極的でない事は誰もが知っていること。……そんな中で、周囲のNPCたちを敵に回すような事をセバスに依頼出来る訳無いでしょう?只でさえ、あの人間を連れて帰った事で悪印象だって言うのに」

 確かに、人助けは大切だ。だが、人間に対して悪い印象しか持っていないアインズ・ウール・ゴウンの面子の中でそれを強行するのはあまり良い行動とは言えない。

(……その原因が私にあると分かっているから、強くは言えなかったが……褒められる行動ではないな)

 ふと、彼の行動を思い返しそう言えば、ウルベルトさんは嗤う。

「貴方がそう望んで創造したんでしょう?……属性が悪の者が殆どのこのギルドで、不和の種を蒔いた。あの当時はそこまで考えて無かったんでしょうけどね。確かセバスの設定はあまり文字数が無かったと記憶してますけれど」

「そうですね。確かに不和の種にはなってしまっていますけれど……それでも、私はセバスの有り様を変えようとは思っていませんよ。……変わってしまったのは、私の方です」

 言いながら、ウルベルトさんの装備に触れる。すると、彼は嫌そうな顔で私を見る。

「本気で……するつもりなんですか?」

「えぇ。……貴方とモモンガさんに対する意趣返しにはなるでしょう?」

 私のその言葉に、ウルベルトさんは眉を顰める。山羊の眉なんて存在するのかは分からないけれど、そうとしか言い様のない表情で。

「モモンガさんは関係ないでしょう?」

 途端に、声がより冷える。

「では、ウルベルトさんはこれからの事はモモンガさんには話さないおつもりで?」

 そう訊けば、燃える黄金の瞳で私を睨み付ける。

「……まさか、テメェ最初からそれが狙いかよっ!!」

「そうですよ。童貞のモモンガさんは、貴方が初めてで無くても……変わらず想ってくれますかね……?」

 小さく笑いながらそう言えば、ウルベルトさんはギリッと大きな音がする程歯を食いしばる。

「そんな、下らない理由でッ……!!」

「くだらなくないですよ。私にとっては、ね。さぁ、ウルベルトさん。大人しくされるがままでいて下さい。可愛らしい声で鳴いて下さいね?」

 そう言って装備品を脱がせると、ウルベルトさんは不敵な笑みを浮かべながら口を開く。

「誰がテメェにヤられて鳴いたりするかよ。悪魔の支配者を舐めるんじゃねぇよ、糞聖騎士がッ!」

「そうですか。では、鳴かなくても構いませんよ。何の抵抗も出来ず、自尊心をズタズタにされながら犯されていて下さい、ウルベルトさん」

 私はウルベルトさんの全ての装備品を剥ぎ取った後。滑らかな白い肌に触れた。

 

 

 

side ウルベルト

 

 

(……気色悪ぃ……。マジ、最悪だな……。嫌いな相手に触られるのが、こんなに不快だとは思わなかった)

 糞たっちの手が、慣れた様子で俺の肌の上を這い回る。……本来なら、快楽を感じ始める頃合いだろうが……初めて使う悪魔の支配者としての特殊技術である快楽耐性のせいか、何も感じない。それどころか、不快な気持ちが沸き起こる。鳥肌こそ立ちはしなかったが、気持ち悪くて仕方なかった。

「驚いた。本当に鳴かないんですね」

 そう言いながら、俺の乳首を摘まみ上げるたっちさん。それも、触られているという感覚はあるのに、快楽には全く繋がらない。

「当然でしょう?合意の上でも無いのに、快楽を感じられる程淫乱な躯

はしていませんよ」

 流石に、囓られたり舐められたりすれば躯は反応して若干跳ねたりするが、それでもそれが快楽に繋がることは無い。今の俺にとっては通常の握手と何ら変わらないから、それで性的な快楽など感じようもない。

 そんな冷凍マグロ状態の俺相手でも、たっちさんは手を止めること無く行為を続けている。……よっぽど、俺の貞操とやらを穢したいんだろう。悪魔の俺の貞操なんざ、価値がないのに。

(……あぁ、でも、モモンガさんはどう思うかな……。バレたらどうなるんだろう?俺の事、嫌いになる?それとも、たっちの方に悪感情が向く……?)

 躯を弄られながらそんな事を熟々と考えて、事が終わるのを待つ。奥を探られて、指を挿入されても不快感しか無いけれど。あまり実感がなかった。

(……此奴、マジで俺に突っ込む気なんだよな……?)

 チラリ、と視線を其方に向けるが、角度敵に下半身は確認出来ない。

(一応既婚者だったんだろうから、出血沙汰にはならねぇだろうが……嫌すぎだろ、相手が此奴とか。モモンガさんが相手なら良かったのに……まぁ、生えて無さそうだけど)

 と、そんな事を考えつつナカを蠢く指の感触の不快感を堪える。何かローションでも使っているのか、濡れない筈のそこは指が動く度にグチュグチュと派手な水音をさせていた。……まるで、俺の躯じゃないみたいだった。

「もう少しで入りそうですね。大分緩みましたよ、ウルベルトさん」

 孔の入口付近を広げながらそう言われて、つい反論してしまう。

「誰かさんがねちっこく責め立てるからでしょう?野郎の孔なんざ弄って何が愉しいんですか?」

「楽しいですよ。あんなに頑なだったウルベルトさんの小さな孔が私の指を受け入れてこんなに柔らかく蕩けてるんですから。……確かに鳴いてはくれませんけど、身体は案外素直ですね」

 そう言うと背徳の聖騎士は、三本目の指を俺のナカに捻じ込んでくる。……違和感が、酷い。けれど、痛みは無くて。内臓を弄られる感覚が、気持ち悪い。何度か指を抜き差しされて、入口を指先で押し広げられる。

「野郎相手に薄汚ぇモンおっ勃てて、恥ずかしくないんですか?たっちさん。しかも俺を縛り上げてだなんて。こういうのに興奮するんですか?」

 嘲るようにそう言えば、たっちさんは熱り立った逸物を俺に見せ付ける。……正直、突っ込まれたくねぇサイズだ。見なきゃ良かった。

「恥ずかしくなんかないですよ。ウルベルトさんがいやらしい身体をしてるのが悪いんですから。男ならこうなるのが当然だと思いますよ?……今だって、孔をこんなにひくつかせて……私のモノが欲しいって言ってるみたいですよ」

「んな訳ねぇだろッ……!!ッ!?テメェ、急にっ……!!」

 俺がそう抗弁した瞬間を見計らったように、突き立てられた肉柱。一般的な人間のモノよりは二回りはデカそうなソレを突き入れられて、一瞬息が止まった。

(……良かった。入れられても、気持ち悪ぃだけだ……)

 長大なソレを受け入れて尚、快楽は生まれない。その事に内心感謝しつつ、激しくピストンを繰り返すたっちさんを嗤いながら見つめる。心底、下らねぇと思ったから。

「何の反応もしねぇ俺を犯して、満足ですか?随分と気持ちよさそうな顔してるじゃないですか、たっちさん」

「……ッ、ぅっ……!ウルベルト、さんっ……。そんな、締めたらっ……!!」

 俺の言葉にもロクに返事も出来ず、腰の動きを止めないたっちさんは、本当に滑稽だった。自然と、口元が歪む。あまりにも、愉しくて。

「ナカに出すつもりですか?勘弁して下さいよ。そんな汚いモンで俺を汚すつもりですか?とっとと抜いて下さいよ」

 そう言うと、腰を強く掴まれて。何度も奥を激しく突かれた。

「……ぅ、っ……!ウルベルト、さん……ッ……!!」

 最奥で動きが止まったと思ったら、途端に馬鹿みたいな量の体液が注ぎ込まれたのが解った。……あぁ、マジで気持ち悪ぃ。なのに、俺の躯は最後の一滴までを搾り取るようにたっちさんのモノを締め上げていた。

「……何で、まだ固いままなんですか。とっとと抜いて下さいよ、マジで。もう気は済んだでしょう?俺の初めてを無理矢理奪ったんですから」

 覚めた目で彼を見ながらそう言えば、まだ固いままのソレを更に奥に押し当てられた。

「まだ、気は済んでいませんよ。ウルベルトさん、貴方の全てが私色に染まるまで……付き合って貰いますよ」

 たっちさんのその言葉に、俺はうんざりとしながら身を投げ出していた。多分今夜は帰れないんだろうな、と薄らと思いつつ。

 

 

side たっち・みー

 

 ウルベルトさんの身体は、初めてと言うのが信じられないくらい行為に慣れた物で。私自身を柔らかく包んではキツく締め上げてきた。そのあまりの心地よさに、我を忘れて彼を求めた。抜く時も突き入れる時にも私に絡んでくる肉壁は、途轍もなく気持ち良くて。思った以上に早く達してしまっていた。

(……まだだ……。まだ、全然足りない)

 無理矢理に犯されているというのに、余裕のある表情。私に触られる度に不快そうな顔をするが、大人しく私に犯されているその姿は、まるで彼が本当に私のモノになったように錯覚してしまう。

 何度ナカに注ぎ込んでも、どれだけ彼の身体を精で汚しても、彼は悪魔なのに清廉なままで。全く私の色に染まってはくれなかった。

 甘い声一つ上げてくれない彼を犯し続けて。前からも後ろからも、全てを穢しきって。それでも、私の気は晴れることが無い。

(……あぁ、予想外だ。これだけ彼を犯していたら、気が済むと思ったのに……全く気が晴れない。それどころか……)

 もっと、もっと。彼を、私だけのモノに……。そんな昏い想いが湧き出てき来て。単なる"八つ当たり"だった筈なのに。それなのに、私は……。

「ウルベルトさん、ウルベルトさんっ……!!」

 そう、何度も名前を呼んで犯し続けても、彼からの答えは無い。ただ、冴えた目が私を見返すだけだ。自身を突き入れると、そこから注いだ精が溢れる。身体のナカまで私で満たされているのに、決して私のモノにならない彼が憎くて、憎くて……どうしようもなく、愛しくて。感情が、錯綜する。正反対の感情が。今まで一度も感じた事の無いどす黒い想いの奔流に、どうしたらいいのか、分からない。……けれど。この行為が間違っている事だけはハッキリと分かる。なのに、止められなくて。ただひたすらに、彼を求め続ける。

「ウルベルトさん……どうか、私のモノに……」

 そう乞うて。彼を犯し続ける。すると、ウルベルトさんは薄く微笑む。

「嫌なこった。誰がテメェなんかのモノになるかよ。一度や二度犯したくらいで勝手にモノにした気になってんじゃねぇよ」

 冷静にそう言う彼の瞳は、相変わらず冷めたままで。彼の気持ちが全く私に向いていないのだと、改めて思い知る。肉体はこんなにも私を受け入れてくれているというのに……。

 奥深く突き入れて、何度目か分からないまま精を放つ。なのに、私の熱は下がらない。このまま永遠にこの時間が続けば良いと思ったのに。終わりの時は近付いて来ていた。

 

side ウルベルト

 

 何回目か忘れたが、多分二桁はナカに出された頃。たっちさんが急に意識を失って俺の上に倒れ込んできた。

(……あぁ、魔力切れか……)

 たっちさんがナカに出す度、精液以外のモノも流れ込んできていた。多分それが魔力なんだろうな、と思ったのは、悪魔の伝承を思い出したからだった。俺は淫魔では無いけれど、種族自体は悪魔で。精気以外のモノも吸収しているんだろうな、とは何となく思っていた。この部屋じゃ魔法が使えないので、<魔力の精髄>も使えないから、実際のたっちさんの魔力の減り具合は解らなかったけれど。

「糞が……。せめて拘束解いてから落ちやがれってんだ」

 幸い、拘束無効化の指輪はその効果を無効化されていないようで、たっちさんが俺を抑え込んでいた手が外れた時点で俺の両手首を拘束していたロープは解けていた。

 筋肉で糞重てぇたっちさんをベッドに落として、何とか半身を起こす。

「……うげ。最悪じゃねーか……」

 と、途端にナカに出された精液が溢れて来て俺の下半身を濡らす。ナカから生温い粘液が漏れる感触が、最高に気色悪くて。俺は出来るだけ急いでベッドから離れ、寝室を出る。すると、噎せ返るような精液の香りが充満していた寝室の重苦しい空気とは一変して。清浄な空気の隣室にホッとした。一息吐いてから、<清潔>の巻物が使えるか試してみる。

「<清潔>っと。……よし。使えるな。じゃあ……<転移>」

 そう唱えると、すぐに自室に戻れた。その事に安堵するが、ガシャン!という音が聞こえたことで、デミウルゴスを控えさせたままだった事に気付く。

「……ウルベルト様……その、お姿は……」

 急に現れた俺の姿を見て驚いたのか、デミウルゴスはティーセットを床に落としてしまっていた。

「あぁ……。身支度する間もなく逃げてきたからな」

「……!!逃げて……!?まさか、ウルベルト様っ……!!」

 俺の言葉に怒りを露わにするデミウルゴスだったが、このまま突っ走られても困るので、とりあえず宥める。

「待て、デミウルゴス。概ねお前の想像している通りだが……モモンガさんには知られたくないのでな、とりあえず風呂で身嗜みを整えたい」

 俺がそう言うと、デミウルゴスはハッとしたように此方を見る。

「……失礼致しました。では、その様に。後程、事情を聞かせて頂ければと思います、ウルベルト様」

 デミウルゴスはそう言うと即座に俺を浴室へと案内した。

「一応、<清潔>の巻物を使ったからな、目立つ汚れは無いと思うが……気持ちの問題だな。気色悪くて仕方ない」

 吐き捨てるようにそう言えば、デミウルゴスは沈痛な面持ちで俺を見る。

「何、お前が気に病む事は無い。たかだか毒虫に噛まれたようなモンだ。大したことじゃない。……モモンガさんにだけは知られたくないが……難しいだろうな」

 大きく息を吐きながら、掛け湯で清めた躯を湯船に浸す。薔薇の高貴な香りが浴場を満たして。俺のささくれだった神経を宥めてゆく。

「デミウルゴス。身を清めたら、私はすぐにモモンガさんの所へ向かう。お前も供をしろ」

「畏まりました。では、早々に準備をせねばなりませんね」

 デミウルゴスはそう言うと、湯船から出た俺の身を泡で清めてゆく。俺はデミウルゴスに身を任せて、今後どうすべきか思考を巡らせていた。

 

 

side たっち・みー

 

「ウルベルト、さん……?」

 気が付いたら、ベッドからウルベルトさんは消え失せていて。代わりに、ナカから零れたのであろう私の精液がシーツの上に残されていた。

「……逃げられた、か……」

 本当は、逃がしたくなかった。このまま、閉じ込めたかった。

「閉じ込めたとして……私は彼を、どうしたかったんだろうな……」

 完全な八つ当たりで彼を犯して。自分が望むような反応を得られない事で苛立って。……本当に、何がしたかったのか、自分自身でもよく分からなくなっていた。

 自由なあのヒトが、羨ましかった。最初は、ただそれだけだった筈なのに。どうしてこんなに、心が乱れてしまうんだろうか……?

「……ウルベルトさん……」

 モモンガさんにあの事を知らせたら。そう、最中にウルベルトさんに言ったのは私だけれど、本気でそんな事をするつもりは無かった。ただでさえ、帰還を望む我々一部の者たちは立場が弱いのに、これ以上自分たちに不利な情報を渡すのは愚か者のすることだ。……だが……。

「本当に、伝えたら。モモンガさんはウルベルトさんの想いを拒絶するんだろうか……?」

 そう思ったら、胸の内に燻っている、澱んだ感情が、ぶるり、と大きく揺れた。

「私は、一体……」

 何がしたいのか、解らないまま。私はベッドの上で冷えたシーツにそっと触れた。……失われた温もりが、切なくて。その温もりの主を思わずにはいられなかった……。

 

END

 

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