【BL】カプごちゃ混ぜのBL短編集 作:腐エロのひと。
ガゼフ視点のエロシーンもあったのですが、書き上がらず断念しました。ブレイン視点のガゼブレのエロです。やってるだけですが、ぬるいです。
あの試合から、何年経過しただろうか。初めて感じた、完膚なきまでの敗北。それから、腕を磨く為だけにどんな事もした。そして……。人外の領域を垣間見て。生きる意味を見失って、必死に逃げ延びた先で、奴と再会した。最期に奴と会えて良かったと、その場から立ち去ろうとした俺を引き留めた奴。どうせもうこの世に未練なんて無いのだから、と。その言葉に応じてから。再び、世界に色が付いた。
こいつの家に逗留してから、もう何日が経過しただろうか。随分と張り詰めていた心が緩んできたな、と我ながら思う。毎日のように夕食を共にして、安いワインを呷って……。そんな、束の間の平和が愛しいと思ったら、ツルリ、と言葉が口から零れ落ちた。
「お前を愛しいと思っているよ、ガゼフ。俺に生きる意味を与えてくれたお前を」
酒の上の戯れ言だと思っているのか、ガゼフは笑いながら俺の言葉を受け入れる。
「それは光栄だな。かのブレイン・アングラウスにそこまで言われるとはな」
それが、少し気に食わなくて。俺は更に言葉を続ける。
「言っておくが、酒が入ってはいるが……戯れ言じゃないからな?俺は真剣にお前の事を想っているんだ、ガゼフ」
と、途端にガゼフは狼狽え始める。それが、妙に可愛らしく見える。
「……俺は、王とお前だったら王を、王国を取るぞ?」
一瞬の沈黙の後、そう告げられる。
「そんなの、知ってる」
即座にそう答えれば、真っ直ぐに俺を見ていた瞳が僅かに反らされる。
「なら、何故?」
戸惑ったように揺れる瞳を、笑いながら見つめる。
「そんな、不器用なお前が好きだからだよ。俺を選んで後悔するお前より、王国を取って俺を選ばなかったことに苦しむお前の方が余程魅力的だ」
愚直で、それが眩しいと思ったのはお前が最初で最後だろう。悪に手を染めてまで強さを求めた俺と、王のためにのみ手を汚す、何処までも清廉潔白なお前。ずっと手が届かないと思っていた。それが、こうして今俺の手の届く所にある。だったら、迷う必要なんざ無い。
「そんな事より……。シないのか?この俺がこうして誘っているってのに。いつ死ぬとも分からない俺たちだ。悔いなんざ残さないようにした方が良いだろう?」
席を立ち、ガゼフの傍に移動して、そっと下肢を撫でながらそう誘えば。色事には無縁なせいか、あっさりと肉体は反応を見せる。
「ブレイン。冗談は……!」
酒のせいだけでは無い頬の赤み。適度に遊んでいた俺とは違って、禁欲的なこいつの事だ、俺が逗留してからは自分で抜いたりもしていないのだろう。
「冗談なんかじゃないさ。俺は、いつだって本気だ。……下手な娼館の奴よりも気持ち良くシてやるぞ……?なァ、ガゼフ?」
下肢に這わせた掌で、ガゼフ自身を刺激してやると、途端にビクリと大きく身体が震えた。
「お前だって、俺の事を……少しは憎からず想ってくれているんだろう?なら、良いじゃないか。我慢なんてする必要は無いんだぞ……?」
耳元でそう囁いて手を動かすと、素直な肉体はあっという間に熱り立って。
「……ブレイン……!もう、止まれんぞ。後悔、しないな?」
熱っぽい声が、そう口にした。
「する訳、無いだろう?何せこの俺から誘ってるんだからな」
笑いながらそう言ってその口元に触れるだけの口付けを落とすと、すぐに激しい口付けを返された。
「……っ、ふ、っ……!」
技巧など無い、愚直なそれが愛おしい。真摯な奴の求めに応じるように舌を使って。奴の全てを奪うかのように振る舞えば、途端に腰を抱き寄せられた。腰に当たる逸物を軽く扱いてやると、もっと、と欲しがるかのように腰をすり寄せられて。こっちの方が、我慢出来なくなりそうだった。
「ガゼフ……ベッドに」
名残惜しかったが、唇を離して欲の滲んだ声でそう誘うと、ガゼフは俺を抱き上げた。……熱り立ったままで、普通に立ち上がるのも辛いだろうに。
「随分と甘やかしてくれるんだな?自分で歩けるぞ?」
クスクスと笑いながらも、悪い気はしなくて。ガゼフの為すがまま抱き上げられている。
「お前の一人くらい抱き上げられなくてどうする。……行くぞ」
ほんの少しだけ恥ずかしそうにそう言う横顔が、無性に可愛らしく見えて。触れるだけの口付けを頬に落とした。
「そうだな。こんなに鍛えてるんだ、俺程度運べない訳無いよな。じゃあ、お言葉に甘えるとしようか」
「……あぁ」
自分でも柄じゃ無いとでも思っているのか、ガゼフは言葉少なに階段を上がってゆく。二階にある一室が俺たちの寝室だが、俺が転がり込んでからは二人で一室を使っている事もあって、恐らくガゼフはずっと溜め込んでいたに違いない。
(……悪い事をしたな……もっと、気遣ってやれば良かった)
職に就いていない自分のように昼間自由時間がある訳でも無い、この無骨な男が適当に抜いてたりなんて出来る訳が無い。
「……ガゼフ……」
そっと、ベッドに横たえられて。覆い被さられた刹那、強く抱き寄せて。唇を再び重ねた。お互いを貪るような激しいそれに、自分自身にも熱が溜まってゆくような気がする。
(……そういえば、俺もご無沙汰だったな……)
あの日から、とてもじゃないがそんな気分にはなれなかったから。けど、今は。
(人間は、現金なものだな……あの日は、死を覚悟していたというのに)
王都に逃げ込んで。憧れていた漢に再会して。束の間の平和を体感しただけで、これだ。本当に、嗤っちまうくらいには愚かだとは思ったけれど。この機を逃す方が余っ程間抜けだ。
「ガゼフ。先に一度抜いてやるよ。このままじゃ、長く保たないだろう?」
俺を組み伏せている漢と体勢を入れ替えて。熱り立ったままの逸物に触れてやる。布越しとはいえ、その硬度はハッキリと分かるくらいにまでなっていた。
「ブレイン……何を……」
戸惑ったようにそう言うガゼフに笑みを浮かべ、そっと下肢の熱を直に触れる。
「この俺が気持ち良くシてやる、って言ってるんだ。……まぁ見てろって」
自分がする方なのは初めてだが、所謂男のツボ、ってやつなら俺にだって分かる。完全に勃ち上がっているそれの先端をゆっくりと舐め回すと、ガゼフの腰が浮いた。
「……ッ!ブレイン!?」
「何だ?口でされるのは初めてか?だったら、一度味わっておくと良い。手でするのとは違った良さがあるからな」
そう言いながらも、逸物からは口を離さない。先端から溢れてくる先走りの体液をねっとりと舐め取って、体液の溢れる元を舌先で突くように刺激すると、先走りの量が増える。
「気持ちいいのか?ガゼフ。中々だろう?俺の口は」
雄の匂いを放つ肉柱を丹念に嬲って。その初々しい反応を愉しむ。
「こんなにいい物を持っているのに……使ってやらないなんて可哀想じゃないか?たまにはこうして使ってやらないと」
そう逸物に声を掛けながら全体に舌を這わせる。逞しいそれを、夢中になって口にしていると……後頭部に伸ばされた手。
「ブレイン……お前、はっ……」
「……ん?どうした、ガゼフ」
根元の剛毛を避けながら、舌を這わせて舐め続けて。時折唇で軽く食んでやると、先走りよりも粘り気のある体液が溢れてくる。そろそろ、だろうか。
「……ぅ、っ……!!」
唇を先端に戻して、強く吸い上げると、勢い良く放たれた精液。濃いそれを、一滴残らず吸い尽くすようにしてやると、断続的に放たれて。
「……んっ……ふ、ぅ……」
喉に絡むそれを、必死に飲み下すと、ガゼフは呆然としたように俺を見つめていた。
「……ブレイン」
「何だ?……お前のは、濃いな。溜めすぎだ。もっと適当に抜いてれば良かったものを」
口の中の物を全て飲み干してそう言ってやると、ガゼフは微妙に不機嫌そうな顔になっていた。
「……お前が隣に居るのに、そんな事出来る訳無いだろう!」
「気にする事なんざないのにな。傭兵団にも居たんだ、野郎が隣で抜いてようが気にするような繊細さは持ち合わせてないさ」
笑いながらそう答えると、より一層不機嫌になる。……何が悪かったんだろう?
「お前はそうかもしれないが……」
まだ何か言いたげなガゼフの唇に触れるだけの口付けを落として黙らせる。
「それより……続きはしないのか?お前のこれは、まだ物足りないってツラしてるんだがな?」
一度萎えた筈のものを緩く扱くと、すぐにまた硬度を増す。
「来いよ、ガゼフ。この俺がお前の全部を、受け入れてやるって言ってるんだ。遠慮なんかするな。……やり方が分からない、って言うんなら、乗っかってやってもいいが?」
と、挑発するようにそう言ってやれば、途端にのし掛かられた。
「それも中々魅力的な提案だが……されっぱなし、って言うのは性に合わない。先程の礼も兼ねて念入りにしてやろう」
ニヤリと笑いながらそう言うガゼフに、触発される。俺もまた笑みを返して口を開く。
「出来るのか?堅物なお前に」
「その、堅物というのは止めてくれ。別に俺は普通だぞ?確かに色恋沙汰には疎いかもしれんが……」
そう言いながら、ガゼフは俺の服を緩める。
「ならば、お手並み拝見といこうか。……あぁ、俺の寝台の横の引き出しに香油も入ってるから、好きに使ってくれて構わないぞ」
「……準備万端、って訳か」
複雑そうな顔で俺を見るガゼフに、少し面白さを感じる。
「お前相手だからな。こんなデカイもの、何も無しで咥え込める程慣れちゃいないからな」
俺の言葉に、ガゼフは驚いたような顔になる。……そんなに驚くような事を言っただろうか?
「……そんな、だってお前は俺と違って……」
「お前と、違って?……ガゼフ、手が止まってるぞ?」
どうやら、不埒な妄想をしていたらしきガゼフの手を掴んでやると、すぐに動きを再開させた。その手には動揺が滲み出ているようで、先程よりもぎこちなくなっていた。
固い掌が、胸元を彷徨う。掠るようなそれに擽ったさを感じるが、まだ快楽にまでは育たない。
「……ぁ!悪戯な手だな、ガゼフ」
まだ柔らかな乳首を摘ままれて、軽く引っ張られる。緩く痺れるような弱い快楽が、俺の身体を包む。
「でも、嫌いではないだろう?」
「まぁな。お前の手だからな」
言葉を交わしながら、お互いの下肢に手を伸ばす。俺も既に反応を見せていたから、掴みやすくはあるんだろう。
熱を持った逸物を掬い上げるかのように持ち上げて緩く扱くと、腹の方にまで反り返ったそれがぶるり、と大きく揺れた。
「本当にデカイな……。しっかりと慣らさないと入りそうにないな、これは」
口元に笑みを湛えつつそう言うと、ガゼフは熱の篭もった目で俺を見つめる。
「お前に無理をさせたくはないんだが」
欲に満ちた瞳だが、まだ理性の残っている奴の瞳に、ゾクリとした。
「無理って程じゃあないが。少しばかり準備が必要なだけだ」
そう答えて、ガゼフの手を取ると指先を咥える。
「なァ、ガゼフ。準備、してくれないのか……?」
誘うようにそう言うと、奴の喉が鳴ったのが分かった。興奮、してくれているんだろうか、俺に。そう思うと、気分が良い。
指の根元に舌を這わせると、そっと手を引かれる。
「ブレイン……。本当に、いいのか?」
引いた手を下肢に伸ばして、衣服をそっと取り去ると、ガゼフの無骨な指がそこに触れる。一瞬、ぴくり、と小さく反応してしまうそこを、指先がそっと撫でる。
「良いに決まってるだろう?何度俺に言わせる気だ?とっととその熱り立ったモノを俺に寄越せよ、ガゼフ」
大きく脚を拡げて、ガゼフの腰に回して引き寄せ誘うと、ガゼフは引き出しから香油を取り出して指を濡らす。
「泣いたって止められんぞ?」
「泣かせるつもりなのか?俺を。それはいい!なら存分に鳴いてやろうか、お前の腕の中で」
密着した上半身を更に寄せて。ガゼフの耳元で熱っぽく囁けば、下肢に当たるガゼフの逸物の硬度がより増したように思えた。
「揶揄うな。本気にするぞ」
「してくれよ、本気に。本当に機微の分からない奴だな?俺は最初から本気だって言うのに……どうやったら信じてくれる?なァ、ガゼフ」
埋められた一本の指を締め付けながらそう言うと、ガゼフの指がより深く沈められた。
「……ッ、んぅ!お前のは、もっと、太いだろう……?指なんかじゃ我慢出来なくなるくらい、拡げてくれよ」
耳元で囁き続ければ、増やされる指。
「お前はどうしてそう、俺を煽るんだ?俺がどれだけっ……!」
「へぇ……。ちゃんと俺で興奮してくれてるのか?ガゼフ。なら、早くくれよ、太いこれ」
三本目の指が入るのと同時に、熱り立ったモノを掴むと、やや乱暴に指が動く。
「ふ、ぅッ……!ぁ、ガゼ、フぅっ……!」
無骨な指が、ナカを探る。何度も、何度も。それが焦れったくて、思わず腰を浮かせていた。
「まだ、三本だが……入れても、大丈夫そうか?」
「た、ぶん……。お前のにも、香油を塗せば……」
俺がそう答えれば、ガゼフは入口を指先で拡げてから自身を宛がう。
「来いよ、ガゼフ。奥まで全部、お前の物にしてくれよ」
耳朶を甘噛みしながらそう誘うと、グッと先端が沈み込む。そして、次の瞬間。
「!!……ぁ、あ――――――……!!」
太いそれが、根元まで一息に突き入れられた。その衝撃に、声が喉から迸った。
「く、ぅっ……!締めすぎだ、ブレイン……!」
「ぁ、あ……っ……」
頭では理解していた。だが、身体が思うように動かない。強張った身体をほぐすように、ガゼフは俺の全身を優しく撫で回す。そして、萎えてしまっていた俺自身にも愛撫を施す。
「ガゼ、フ……」
締め付けると、咥え込んだ肉柱の硬さをより強く感じる。それが、甘い痺れになって漣のように俺を満たしてゆく。小刻みに締め上げるとガゼフも快楽を感じているのか、ゆるゆると腰を揺らし始める。
「動いて、いいぞ。少しは、慣れた……ぁ!」
俺の言葉に、徐々に腰を動かし始めるガゼフが愛おしいと思った。俺の反応を窺いながらのその動きに、奴らしさを感じて。
「ブレイン……辛く、ないか……?」
「あぁ、問題無い。ナカが全部お前で一杯で……何だか変な感じがするがな」
臍の下辺りにまで入ってきているガゼフ自身を確かめるように、そっと下肢を撫でると、ガゼフの動きが激しくなった。
「!ぁ!ガゼフ……ガゼ、フ……!」
極太のそれがナカを行き来する度に、奇妙な感覚に全身が震えた。奥の奥まで満たされて、熱いそれを全て受け入れている今が、まるで夢のようで。妙に現実感が無かった。
(酔って見た夢……にしては生々しいんだけどな……)
「ブレイン、悪い……!もぅ……!」
「構わないさ、出せよ全部。俺の奥に……」
何度も奥を貫かれて、切羽詰まった声でそう言われて。ガゼフの顔を惹き寄せ、唇を奪った。上でも下でも繋がったその刹那、腰を高く抱え上げられて。その深い場所に、ガゼフの熱が弾けるのを感じていた。
「……ぁ、ぁッ……」
「ブレイン……!」
ナカに熱い欲を注がれた後、互いの唇は空気を求めるかのように自然と離れた。口でシた時と違って、ナカのガゼフはまだ固いままだ。
「……一回で満足、とか言わないよな?俺の事、泣かせるんだろう……?」
ナカのモノを締め付けながらそう訊くと、ガゼフはうっすらと笑う。
「そうだな。お前はまだ余裕のようだし……続けても何の問題もないな?」
「問題無いな。今度は俺もイかせてくれるんだろう?なぁ、ガゼフ」
一瞬だけ唇を触れ合わせてそう言うと、ガゼフは漢らしい笑みで応えてくれた。
「勿論だ。中途半端でお前も辛いだろう?」
ガゼフはそう言うと、今度は俺のモノを扱き始める。半勃ち程度のそれは、数度扱かれただけでもあっさりと勃起して。その刺激に連動するかのように、勝手にナカが締まったのが分かった。
「……ふ、ぁ……!」
(ナカの感触が……より強く……!)
締め付ける度に、ガゼフの熱を強く感じて。強い快楽が俺を襲う。今まで感じた事の無いような。それをもっと味わいたくて、自然と腰が動く。ガゼフのモノを自らより深く咥え込むようにすると、ガゼフの腰が密着して、より奥まで届くような気がした。
「ぁあッ!ガゼフっ……もっと、深くっ……!」
「ッ……!ブレイン、締めすぎだっ……!」
俺がそう強請れば、ガゼフは苦しげに眉根を寄せながらも俺の腰を抱え上げ、より奥を抉るように貫いてくる。太いそれがナカを往復する度に、下肢が言い様も無い圧迫感に襲われた。その圧迫感が心地良くて。ナカを肉柱で擦られる度に、あられもなく声を上げざるを得なかった。
「あ、ぁ、ん、ぁ……!」
貫かれる度に、そのリズムに合わせるかのように上がる嬌声。俺が感じている快楽は、きちんとガゼフに伝わっているのだろうか……?
「ブレイン、今度こそイってもらうぞ」
先程のお返し、とでも言うかのように耳元でそう囁かれて。ゾクゾクとする。
「あぁ……イかせてくれよ、ガゼフ。お前の手で」
ナカのガゼフを締め付けながらそう言うと、俺自身を扱いてくる手の速度が上がる。俺から出た先走りの体液が、扱かれる度に粘着質な水音を立てて寝室をより淫靡な空気にしてゆく。
「……ブレイン」
熱の篭もった声が、俺の名を呼ぶ。それだけで、イってしまいそうになる。俺を欲の対象として見てくれていると、その一言だけでも強く分かるから。
「カゼフ……ガゼフ……!」
自ら腰を揺らしてガゼフをより深く咥え込む。すると、ガゼフの指先が俺の先端を嬲って、精の放出を促す。
「イって見せてくれるだろう……?」
荒い息の元そう囁かれて。意識が、弾けた。
「……――……っぁ、あ……!!」
ビクビクと跳ねる腰は、同時に何度もナカを締め上げて。より、ナカのガゼフの存在を俺に強く感じさせる。
「くッ、ぅ……!」
俺が締めた事で、ガゼフにも快楽が齎されたのか、苦しげな息を吐く。……別に、イってしまても構わなかったのに。こいつは必死に堪えている。その様子が、壮絶に色っぽい。……もっと、こいつが欲しくなる。
「お前も、イって良かったのに。何、我慢してるんだ?」
ナカのモノを締め上げながらそう訊くと、腰を押し当てられる。
「……俺ばっかり、気持ち良くなる訳にはいかないだろう」
「ぁっ……。俺だって、気持ち良く、なってるぞ?なァ、もっとくれよ。これでもっとナカを擦って……今度はこっちでイかせてくれ、ガゼフ」
今度は意識してナカを締め付けると、ガゼフの腰が強く打ち付けられた。
「ぁァっ……!」
「お前は……本当に、俺を煽るのが上手いな、ブレインっ……!」
ガゼフが腰を使う度、粘ついた水音が室内に響く。そして、香油の甘い香りも。それでも隠しきれない雄の匂いが、俺たちを包んで。互いの正気を、失わせる。
「ガゼフ……!」
名を呼んで、しがみ付く。打ち付けられる腰を迎え入れるように、自らも腰をすり寄せ、より結びつきが深くなるようにすると、密着した肉が淫らに蕩けるのが分かった。ガゼフの愚直な動きの全てを柔らかく受け入れて、快楽へと変換してしまう俺の身体。
「ブレイン……っ……!」
応えるように名を呼ばれて、一際深くを抉られたかと思ったら、再度ナカに熱が放たれたのを感じた。大きく膨張して、一気に精を放ったそれは、まだ固いままで。自然と、口元が緩んだ。
「ガゼフ……もっとだ。もっと、俺を……」
固いそれを締め付けながらそう強請れば、快楽の余韻も消え去らぬうちに動きが再開された。きつく締まる肉の輪の抵抗を振り切るように動かれて、強い快楽を感じた。
(あぁ……これは、ハマる奴の気持ちも分かるな)
まだ、ナカでイけてもいないのに、これだ。全身が気持ちいいのに、まだ足りないとすら思ってしまう。……ずっと想っていた奴相手だからだろうか……?
「言われ、なくともっ……!」
そう言うガゼフの瞳はぎらついた物で。その、野趣溢れる瞳に身体の芯が疼いたような気がした。
「そう、来なくちゃ、な……!夜はまだ長いんだ、たっぷりと愉しもうぜガゼフ」
俺の言葉に、ガゼフはその腰の動きで応えてくれる。肉と肉がぶつかる音と、香油の粘ついた水音が室内に響き渡る。
「くッ、ふ、ぅっ……!」
太いそれにナカを擦られる度に、奇妙な感覚が湧き上がる。快楽の一歩手前、といったその感覚がじれったくて身を捩るが、その動きがガゼフを刺激するのか、より腰の動きが激しくなった。
「!?ッ、ぁ、ァ……!?」
と、とある一点を突かれた刹那。火花が散ったように見えた。
「ガ、ガゼ、フっ……!!そこ、は……っ」
強い刺激に、思わず静止を求めるような声が出た。だが、ガゼフは俺のそんな様子を見て満足げに笑う。
「……ここか、お前の弱点は」
「ぁ、違……!!……――――ッ、ひ、ぁ、ァ……!!」
探り当てられてしまった弱点を、何度も突かれて。真面に喋る事すらままならなくなってくる。背はしなり、それとは裏腹に腰は逃げるように下がってしまうが、ガゼフは俺が逃げるのを許してはくれない。
「ブレイン……俺は、お前にも気持ち良くなって欲しいんだ。だから、逃げないでくれ」
熱い視線が、俺を貫いて。心情的には逃げようなんて思っちゃいないが、身体が勝手に動いてしまう。それを、強い腕の力で阻まれて。ガッチリと腰を押さえ込まれて、何度もそこを突き上げられた。ガチガチに勃起している自身からは、止め処なく体液が溢れているのが分かる。先走りにしては量の多いそれが何なのかは分からなかったけれど、もう限界が近いのだけはハッキリと分かった。ナカの太い逸物をギュウギュウと何度も勝手に締め付ける俺の身体は、その度に全身を快楽に包まれてしまっている。
「ガゼ、フぅっ……!も、ぅ……!!」
辛うじてそう口にすれば、ガゼフは嬉しそうに笑う。
「ようやく、余裕がなくなったなブレイン」
「っ、ふ、ぅ……ん、ぁ、あッ……!!」
もう、喋る事なんて出来なかった。口を吐くのは、甘い嬌声のみで。初めて与えられる強い快楽に、意識が飛びそうになる。それが無性に怖くて、必死にガゼフにしがみついた。
「……ッ、ブレ、イン……!!」
「!ぁ……!!」
一際強く突き上げられて。猛烈な浮遊感と、未知なる感覚への恐怖が一気に沸き上がった。衝動的にガゼフの背中に爪を立てて、その感覚へと抵抗するが……。
「……!!――――……!!」
言葉にならない声が俺の喉から迸ったかと思ったら、一瞬、眩い光で視界が閉ざされた。次の刹那、脳が焼き切れそうなくらいの強烈な快楽に襲われて。今まで出した事が無いくらいに大量の体液を噴き出していた。
(……ガゼフも、イったのか……?)
まだクリアにならない頭のままの俺でも気付くくらいに、ナカの圧迫感が弱まったような気がして、意図して締め付けるとまたナカがいっぱいになる。
噎せ返るような雄の匂いで満たされた室内が、妙に淫靡に感じる。ベッドに簡易なサイドチェストくらいしか家具の無い、簡素な室内だというのに。
「……お前も、イったんだろう?随分と元気じゃないか、ガゼフ」
俺に体重を掛けまいとしてくれていたガゼフを引き寄せてその唇を奪えば、激しく応えてくれる。貪るようなそれに、イったばかりで敏感になっている俺の身体はあっさりと反応してしまって。まるで、もっと、と強請っているかのように何度もナカを締め付けてしまっていた。
「もう、喋れるのか?まだ足りていないんだろう、ブレイン」
「アっ!」
ぶちゅり、と湿った音がして。結合部から、精液が漏れる感触がした。ガゼフが一度腰を引いて、深く俺を貫いたのだ。先程よりも奥を突かれて、大きな声が漏れた。
「根元まで入るようになったな。……辛くはないか?」
と、気遣うようにそう言われて、最奥に逸物を押し付けられた。先端で奥を突かれて、自然と腰が揺れた。さっき刺激されていたよりも深い場所に触れられて、ガゼフと溶け合ってしまったかのような錯覚を覚える。
「焦らすな!大丈夫だから、ガゼフ……!」
荒々しくも優しすぎるこいつの行為にもどかしさを感じてそう叫び、弛緩しきった脚を必死に動かしてガゼフの腰を引き寄せると、ふっと笑ったのが分かる。
「切羽詰まってるお前は珍しいな。俺だってそう余裕は無いが……そんな風に求められたら悪い気はしない」
「あッ、ぁあっ……!!」
ナカを掻き回すように動かれて、自然と声が漏れる。身体に灯った炎が再び煽られて燃え上がるのが分かる。腰を打ち付けられる度に、ナカの精液が押し出されて漏れる、濡れた音が響く。
「ガゼフ……!」
思考なんて、もうしていられない。獣のように本能に忠実に、身体と心が求めるままに、名を呼ぶ。目の前の漢を求めるように。ただひたすらに、快楽を追いながら。
「……ブレイン……っ!」
名を呼ばれ、腰を持ち上げられて連続的に奥を突かれて。さっきよりも強い快楽に襲われたと思ったら、意識が、途切れた。
「……ん……?」
目が覚めたら、陽の光が目に眩しい。太陽が黄色い、というのは本当だったんだな、と思い知る。
ベッドから身を起こそうとしたが……。
「何だ、これは……」
笑っちまうくらい、腰に力が入らない。
「あぁ、起きたか。大丈夫か、フレイン」
「ガゼフ……」
既に起きていたガゼフが、タオルと湯の入った樽を持って俺に近付いて来る。……どうやら、今の俺は盥だと湯が足りないくらいには身体が汚れているらしい。
背中を支えられて身を起こすと、ガゼフは気遣わしげに俺を見る。
「少し、無理をさせたか?」
「いや……。腰にちょっとばかり違和感があるが、少し休めば問題無いさ。それよりガゼフ。お前は大丈夫なのか?」
渡されたタオルを湯に浸し、軽く絞ってから身体を拭く。胸元にまで散っていた、乾いた精液が水分を含んで滑りを取り戻して思ったよりも拭きにくい。
「大丈夫だ。伊達に鍛えてないからな」
そう言って笑う漢の顔を見たら自然と口元が緩む。
「……じゃあ、今夜もどうだ?俺と過ごした熱い夜……悪くなかっただろう?前から後ろから……散々やり尽くしたんだからな」
昨夜の事を想起させるようにそう言えば、ガゼフの頬が微かに染まる。
「そ、それは、だな……」
「何だ?良くなかったのか、俺は?」
ニヤニヤと笑いながらそう訊くと、ガゼフは小さく溜息を吐きながら首を振る。
「そんな訳がないのは、お前が一番良く知ってるだろうに。何回したと思ってるんだ」
照れたようにそう言うこの漢が愛しいと、改めて強く思う。
「三回、までは覚えてるんだがな。一度飛んだ後も中々に激しかったしな。おかげで随分と慣らされちまった。……責任、取ってくれよ?なァ、ガゼフ?」
ベッドの端に座っていたガゼフにもたれ掛かるようにしてそう言えば、頬の赤みが強くなる。
「なっ……!?」
「なんてな。そんな重い事、この俺が言う訳ないだろ?お堅い戦士長殿のそんな顔が見られただけでも……」
と、言い掛けた俺の言葉を遮るように、ガゼフが口を開いた。
「取ってやるさ。きちんと、責任とやらを」
「は!?ガゼフ、お前何言って……!」
真顔でそう言うガゼフの顔を覗き込むが、冗談を言っているようには見えない。
「……おいおい、本気か?昨夜のアレは、一夜の遊びじゃなかったのか?」
冗談でも責任なんて言葉を口にしちまった俺が言うのも何だが、野郎同士で責任がどうの、って言うのは野暮の極みに思える。……けれど。この無骨な漢がそんな遊び方のお約束を知ってるとも思えない。だから、本当に本心で言っているんだろう。
「俺は、お前との事を遊びになんてするつもりはないぞ。そんな事を言った記憶もないんだが?」
「それは、そうだが……」
ガゼフのその言葉に、困惑してしまう。死が身近にある俺たちだから、思い出作りも兼ねての申し出だった筈なのに……。
(……ヤバイな。嬉しい、って思っちまう俺が居る……)
「じゃあ、するか?今夜も」
妙に気恥ずかしくて照れ隠しのようにそう言うと、途端に抱き締められた。
「お前が望むのなら、いくらでもしてやるさ」
耳元で聞こえた、低い声にゾクゾクしてしまう。せっかく収まっていたはずの、身体の奥底の炎が、煙る。
「……そんな事言われたら、すぐにでも欲しくなっちまうだろ?それとも、わざとか?」
お返し、とばかりにガゼフの耳元に唇を寄せてそう囁くと、抱き締めた腕の力が強くなる。
「お前こそ。誘ってるのか?」
「あぁ、誘ってるさ。……今日、仕事は休みだろう?なら、構わないだろ?」
そっと手をガゼフの下肢に伸ばしてそこを撫でると、ほんの僅か芯を持ち始めている事に気付く。それに気を良くして、服をずり下ろすとそこに手を差し入れ、直接触れる。まだ大人しいそれを緩く扱けば、徐々に硬度を増してくる。ガゼフは、俺の行為を止めない。
「……ブレイン……」
熱の篭もった、声。欲の滲むそれが、耳に心地よい。
「しようぜ、ガゼフ。こっちはもう準備が出来てる」
昨夜の名残で、まだナカは柔らかい侭だし、掻き出していない精液の滑りがあるから、多分問題無いだろうと思いそう言えば、、そっとベッドに上半身を戻された。
「腰、辛いんじゃないのか?」
「問題無いさ。普段使わない筋肉を使ったからだろう。もう少し鍛えれば……な?」
引き寄せて、触れるだけの口付けをすると、すぐに深い口付けで返される。
「……んっ……」
鼻を抜ける、甘ったるい吐息。もっと、と強請っているかのように聞こえるそれに、ガゼフは応えてくれる。お互いを貪るように唇を重ねていると、自然と下半身が熱くなってくる。
薄い毛布を取り去られ、直接触れられる。ガゼフと違ってまだ俺は何も着ていないから、毛布の下は全裸のままだ。反応を見せているそれを掴まれ、緩く扱かれただけで身体は勝手にナカを締め付けてしまう。
「ガゼフ……早く、来いよ。お前だってもう準備万端なんじゃないのか……?」
「あぁ、そうだな」
欲の滲む声でそう言われたかと思うと、覆い被さられた。下肢に当たるガゼフの熱に、自然と口元が緩んだ。
「ブレイン……」
名を、呼ばれて。こいつに求められているんだ、と思ったら全身がより熱くなった。
「来いよ、ガゼフ。お前の全部、受け止めてやる」
そう声を掛ければ、俺を見つめる瞳の熱が、より増したような気がした。
結局、あの後飯も食わずに抱き合って。ひたすら、お互いを貪りあった。意識が落ちたのは、恐らくは深夜で。目が覚めたら、二度目の朝になっていた。
(……ガゼフは、まだ目覚めないか)
傍らには、眠っているガゼフ。昨日は俺の方が起きるのが遅かったが、今日は俺の方が先に目覚めたようだ。……けれど、動く気にはなれなくて。ベッドに横になったまま、隣の漢の寝顔を見つめる。精悍な顔立ちの漢だと、改めて思う。
(もててるのに、遊んでないんだよなこいつは。妙に真面目というか……)
と、そんな事を思いながらガゼフを見つめていると、その気配を察したのか、瞼が小さく震えて目が開かれる。
「……ブレイン?」
「あぁ、そうだ。おはよう、ガゼフ」
しどけなく横たわったままそう言うと、ガゼフはゆっくりと身を起こして俺に声を掛ける。
「おはよう、ブレイン。……その、腰は大丈夫か?なるべく負担が掛からないようにしたつもりだったが」
不器用な漢の気遣いが嬉しくて、自然と笑顔になる。
「大丈夫だ。お前こそ、大丈夫か?あんなに激しくしてたんだ、多少は影響が出たりするんじゃないか?」
そう言いながら、そっと腰を撫でてやると、複雑そうな表情で俺を見る。
「そこまではしてないぞ?……ブレイン。撫でられると妙な気持ちになるから、手を……」
「分かった。俺も流石にこれ以上は無理だからな。仕事に支障が出ないなら何よりだ」
その言葉に大人しく手を引っ込めると、ガゼフはホッとしたような顔を見せる。そんな表情すらも可愛く見えて。小さく笑ってしまった。
「どうした、ブレイン?」
「いや、王国戦士長殿が見せる表情が随分と可愛らしいんでな、微笑ましいなと思っただけだ」
そう答えると、ガゼフは微妙な表情で俺を見る。
「……俺もいい歳なんだがな。まさか可愛いと言われるとは思ってもいなかった」
「いいだろう?俺がそう思っただけなんだから」
笑いながらそう言うと、ガゼフはほんの少し頬を染めて俺を見返す。
「それを言うなら、お前だって随分と可愛らしかったぞ、ブレイン」
そっと頬に触れられてそう言われる。
「へぇ?どの辺が?自覚は無いんだがな、俺には」
あえてそう訊くと、指先が唇にそっと触れる。
「あんな声で鳴いておいて、自覚がないだと?」
「そりゃあな。あの時は夢中だったし……自分の声なんざ、耳に届かないさ」
触れられた指先を僅かに舐めると、口内に指を突っ込まれて軽く舌を引っ張られた。
「随分悪戯な舌だな?」
「……んんっ……!」
その動きに抗議するように指先を甘噛みすると、そっと指が外された。
「ほら、もう起きるぞ。湯も今用意するから、身支度をしないとな」
「分かった。……何か変な感じだな。ずっとベッドにいたから、ベッドから離れがたい」
そんな事を言いながら身を起こせば、ガゼフは笑いながら俺にタオルを渡してくる。
「湯はもう冷めてるが……使うか?」
「そうだな、別に水でも構わないさ。わざわざ沸かし直す必要もないだろう。これで十分だ」
タオルを受け取り、樽の水に浸して絞ると、身体を拭う。
「お前も俺が拭ってやろうか?」
と、揶揄い半分でそう言うと、ガゼフは苦笑する。
「馬鹿を言うな。折角落ち着いたのに……ぶり返すだろうが」
「おいおい、随分と若いんだな。たかがそれだけでぶり返すなんて」
ガゼフの言葉に悪い気はしなくて。笑いながらそう言うと、ガゼフは更に続ける。
「仕方ないだろう。お前と違って経験不足なんだからな。……どうしても、意識してしまう」
「俺だって、そうだぞ?お前がどう思ってるのかは知らんが……本気の相手なんざ初めてだからな、ガゼフ」
そう返すと、ガゼフは驚いたような顔で俺を見る。
「……そう、なのか?」
「そうだ。……まぁ、ひとときの慰めなら数え切れない程経験してるけどな」
笑いながらそう言うと、ガゼフは俺の言葉に小さく笑う。
「それでも、俺と同じだと?」
「あぁ。他の奴とは違って……お前だけは、俺の特別だからな」
本心を伝えると、ガゼフは満面の笑みを浮かべた。
「かの、ブレイン・アングラウスの特別だなんて光栄だな」
「かの、なんて言って貰える程大した男じゃないけどな。お前が俺の特別だって言うのは本当だよ、ガゼフ」
そう言ってその頬に唇を当てると、すぐに身を離す。
「さぁ、準備しちまおうぜ。今日は仕事なんだろう?いつまでもこうしていたら迎えが来ちまうぞ」
「……あぁ、そうだな」
ほんの少し頬を赤くして何か言いたげだったが、ガゼフはベッドから立ち上がると身を清め始める。そんな奴の姿を見守りながら、俺も身支度を始める。
「……っ……」
立ち上がろうとしたら、ナカから生温い体液が溢れた。咄嗟にタオルで押さえたが、若干シーツの上に零れてしまった。
「……すまん、ガゼフ。シーツを汚しちまった」
そう言うと、ガゼフは小さく笑う。
「今更だろうに。もう汚れてるんだ、気にするな」
「そりゃ、そうか。……とりあえず、真っ先にこれを洗わないとな。天気が良くて良かった。これなら夕方には余裕で乾くだろうさ」
そんな事を言いながら、ナカの精液を掻き出してからタオルで拭う。まだ腰には違和感があったが、立てない程ではなかった。
「ブレイン、お前はシーツと毛布を持ってくれ。俺は水を下ろす」
ガゼフの言葉に、手早くシーツと毛布、タオルを纏めて持つと、既に会談を降り始めているガゼフの後に続く。
「分かった。転んでぶち撒けるなよ?」
「あぁ、お前も気をつけろよ。足元が見づらいだろうからな」
気遣うようなその言葉に、自然と笑みが漏れた。
「そうだな、お前を巻き込まないように気をつける」
笑いながらそう言うと、ガゼフは小さく笑う。
「そうしてくれ。支えられるだろうが、転ばないのが一番だからな」
「違いない!」
そんな風に他愛も無い会話で笑い合って。いつもの様に一階に降りる。
「とりあえず、飯にするか。飯は俺が用意するから、後片付けと……洗濯を頼めるか?ブレイン」
台所に向かうガゼフにそう言われて、俺は笑顔で返す。
「勿論だ。それくらいお安い御用だ、ガゼフ」
汚れた布類を水が入った樽の横に纏めて置いて、台所に立つガゼフを眺める。昨夜の残りのスープにパン。それが一般的な朝食だ。お互い、昼は出掛けているから、食材の買い置きも無い。だから、準備はすぐに終わって。目の前に食事が用意される。
「俺はこれから王城へ出仕だが……お前はどうする?」
「そうだな。街で野暮用があるから、それを片付けてくるつもりだ。多分帰りはお前より早いだろうから、夕飯でも買ってこようか?」
「助かる。じゃあ、夕飯とは別に肉と卵もついでに頼む」
「分かった。明日の朝食用か?」
飯を食いながらそんな話をしていると、昨夜の事がまるで夢であったかのように思えてしまうが、こうして変わらず接して貰える方が俺としてはありがたい。
「そうだ。もう一品くらいあってもいいかと思ってな」
「それはありがたいな。じゃあ、張り切って目利きをしてくるとしよう」
先の事は分からないが、暫くはこうして軽口を叩き合っていたい。そう思いながら、俺はガゼフにそう答えたのだった。この日常が、長く続けば良い、と願いながら……。
END