【BL】カプごちゃ混ぜのBL短編集 作:腐エロのひと。
勢いのまま書いたので色々設定やら何やら甘いのはご容赦下さると……!(土下座)
ツアーの発言で転移条件がワールドアイテムで確定では?なんて話もあったので、ギルメンの転移は絶望的って話も見ましたが、それはそれとして……!orz
Pixivの方で投稿している好きな作家さんに触発されて書きました。
予定では別のアップ予定だったのに……!
sideウルベルト
目が覚めたら、動画の中でしか見たことが無い広大な麦畑のど真ん中で。風に波打つ黄金の穂を呆然と眺めていたら、複数の骸骨が麦を刈り取っているのが目に入る。
(……何だ?アンドロイド、にしては悪趣味だよな。あの素体じゃ、そもそも耐久性が……)
そんな事を考えつつ小首を傾げていると、そのうちの一体が俺に気付いたのか、頭に手を当てて何かをしていた。その仕草は、まるでユグドラシルでの<伝言>を受信した時の物のようで。嘗ての仲間を想起させた。
(……懐かしいな。モモンガさん、元気なんだろうか。結局、三年以上音沙汰無しにしちまったよな……)
そう思うと、チクリと胸が痛んだ。理由はどうあれ、結局は優しいあの人を何のアフターケアも無しに放置してしまった訳だから。ユグドラシルの最終日のお誘いのメールにも、色々あって返信出来なかった事にも良心が痛んでいたから余計に。
(……って、そうだよ!ユグドラシル!解像度が良いユグドラシルじゃねーか!あの時よりもリアルで……本物っぽい!現実って考えるよりは、そっちの方が余っ程納得いくっての!!)
ゲーム内の骸骨はこんなにのどかに農作業なんざしていなかったが、モモンガさんが召喚している骸骨はこんな感じだったような気がする。それに、現実でこんな素体のアンドロイドを作るなんて、耐久性の面で言ってもあり得ない。
(コンソール……って、出ねぇ!?それに、冷静になってみれば、俺の視界おかしくねぇ!?矢鱈と、広い……?)
混乱して自分の頭に手をやると。コツン、と硬い何かに触れる。
「……角……?え、マジか……?え、え……?」
慌てて両手で頭を撫でると、デカイ角が生えているのに気付く。そして、視界には入っていたが信じたくなかった肉体の変化。手で触れると、それが間違いなく自分の鼻先だと理解出来る。鏡が無いので、実際にどうなっているのかは自分から見えないが、ひょっとしたら……。
「アバターか?ユグドラシルの……」
嘗て俺が想像し、全力で創造した、最強最悪の悪魔。ウルベルト・アレイン・オードル。どうやら俺はそのアバターの姿になっているようだった。あまりにも現実離れした事態にフリーズしていると、頭に手をやっていた骸骨の傍の空間が僅かに揺らぎ……ユグドラシルでお馴染みのエフェクトが現れる。……あれは、<転移門>だ。って事は、誰かが転移して来た訳で。俺は、咄嗟に身構える。コンソールが出ないので、攻撃出来るか解らないが……それでも、棒立ちのまま無防備にしている訳にはいかない。緊張しながら<転移門>を見つめていると、見慣れた姿が現れる。豪奢なローブは、支配者のそれ。重厚な雰囲気は、そこらで農作業をしている骸骨とは明らかに別物。そんな、如何にも魔王然とした骸骨が眼窩の紅い炎を派手に揺らめかせながら俺を凝視していた。
「……モモンガ、さん……?」
そう口にすると、骸骨は俺の名前を口にしながら駆け寄ってくる。
「ウルベルトさん……!本当に、ウルベルトさんなんですね!」
その声は、紛れもなくギルマスの声で。骸骨の顔は変わりはしないのに、その声で彼が泣いているのだと、ハッキリと解った。
「モモンガさん……。その、俺、やっぱり、ユグドラシルのアバターの姿になってるんですか?」
あれから何年も経過していて、それでもモモンガさんが俺の事を解る、だなんて。そうとしか考えられない。現実ではオフ会で数度短時間会っただけ、しかも俺は特徴の無い平凡な顔立ちだ。疾っくの昔に忘れられていても当然なのだから。
「ええ。格好いい、いつものウルベルトさんになってますよ。装備はかなり貧弱ですけどね。さぁ、早くナザリックに帰って装備を整えましょう。この辺りに敵は存在しませんけれど、アインズ・ウール・ゴウンのメンバーがこんな装備じゃ侮られますからね」
矢鱈とウキウキした声でそう言うモモンガさんに、事情の解らない俺は頷くことしか出来なかった。
モモンガさんの<転移門>で一緒にナザリックに帰ると、嘗てのNPC達が普通に動いて、喋っていた。口元もちゃんと動いていて、ユグドラシルではあり得ないその光景に、俺の脳内は混乱しっぱなしだった。モモンガさんが支配者ロールで返しているのを見て、俺もロールを回して偉そうに答える。そして、一緒にレメゲトンへ行って装備を取り戻し、モモンガさんの私室へ移動する。
「ウルベルトさん、座って下さい。今お茶とお菓子を用意しますから」
「あ、ありがとうございます」
さっきからずっと上機嫌のモモンガさんは、俺を見ながら口を開く。
「そうだ!デミウルゴスにもさっき連絡したので、すぐ来ると思いますよ。ウルベルトさんも最高傑作の我が子の動く姿を早く見たいでしょう?」
「そうですね。……やっぱり、デミウルゴスも他のNPC達と同じ様に、意志を持って動いてる訳ですよね?」
NPCを"我が子"なんて表現するモモンガさんに違和感を覚えつつそう訊けば、モモンガさんは我が事のように自慢げに語ってくれる。どうやらデミウルゴスは設定通りの忠臣で、しかも相当頭が切れるらしく、建国の立役者だそうだった。
(……建国!?何やってんだ、モモンガさん!?って、マジ、何年経過してんだ?そりゃ、NPC達がこんだけ人間みたいに動いて喋ってりゃ情も湧くだろうが……)
と、其処まで考えて、ふと気付いてしまった。数年前にユグドラシルから離れた俺が戻ったくらいでこの歓待だ。……ひょっとしたら、モモンガさんは……。
(ずっと、独り……?)
そう思い至ったら、より一層胸が締め付けられるような気がした。ナザリックは、正直馬鹿みたいにだだっ広い。こんな広いところで、何年も独りとか……想像するだけで、寒気がした。確かに、NPC達は居る。でも、モモンガさんはずっと彼らの前ではロールを回していた。素を出せないような相手と、何年も、なんて……それは、まるで。
思考の海に沈みかけていたら、ノックの音。
「アインズ様。デミウルゴスです。ただいま戻りました」
「入れ」
俺と話していた素のモモンガさんは途端に消えて。支配者としての顔でそう答える。
視線を扉に向けると、ゆっくりと開かれ……懐かしい姿が目に入った。炎を思わせる真紅のスーツ。プレート・メイルに包まれた長い尻尾。褐色の肌に、一見穏やかに見える笑顔の男。……俺の理想の全てを詰め込んだ最上位悪魔、デミウルゴス。ヤツは俺の想像以上に優雅な物腰で一礼すると、こちらに近付いてきた。その尻尾は、小刻みに揺れている。
「デミウルゴス。お前の創造主、ウルベルトさんだ。漸く帰還してくれた。口を開くのを許すから、暫し再開を喜ぶが良い」
「あぁ……感謝いたします、アインズ様。……ウルベルト・アレイン・オードル様、良くお戻り下さいました……!」
デミウルゴスは俺の真横で跪き、歓喜の念に堪えない、といった風情で俺を見上げている。……確かに、これは忠臣だ。最も残酷で残虐な最上位悪魔の癖に、随分と可愛らしい。
「……留守を守ってくれていたんだってな、デミウルゴス。ありがとう。お前なら、私が最後に言った言葉通りにしてくれると信じていたぞ」
そう言って、その頭をそっと撫でる。小さな子供にするような感じで。どう見ても成人のデミウルゴスにするには相応しく無いような気もしたが、さっきモモンガさんが我が子と言ったので、その方が良いだろうと判断して。
「ウルベルト・アレイン・オードル様……」
感極まったような声でそう言われて、何とも不思議な気持ちになる。……何でフルネームなんだろうか。言い難いだろうに。
「……ウルベルト、で構わない。長くて言いにくいだろうに」
小さく笑いながらそう言えば、モモンガさんが解説してくれる。
「あぁ、ウルベルトさん。NPC達は、至高の四十一人の名前を省略するのは不敬だと思っているんですよ。なので、フルネームで呼ぶのが基本なんです。俺は元々短い名前ですし、この名前に変えたときに最初にアインズで良いって言ったから、全員アインズと呼んでくれてますけど」
「あぁ、そうなんですか。……じゃあ、デミウルゴス。お前から皆に伝えてくれ。私も彼と同じく、ウルベルトと呼ぶのを許す、と」
そう言えば、デミウルゴスはより深く頭を垂れる。
「畏まりました。ウルベルト様の寛大さに、皆喜び噎ぶ事でしょう」
その尻尾は、派手に揺れている。……感情に連動するんだな、この尻尾。そんな事を思っていたら、再びモモンガさんが口を開く。
「デミウルゴス。私とウルベルトさんは少し話がある。話が終わったら、親子水入らずで過ごすと良い。第七階層でウルベルトさんを待っていろ」
「はい。では失礼致します」
デミウルゴスはそう答えると、来た時と同じ様に優雅な足取りで部屋を出た。勿論、退出するときに一礼するのを忘れずに。
「お前たちも、部屋から出てくれ。もう茶も菓子も給仕しなくて良い。自分たちでやるから、暫く私とウルベルトさんを二人にしてくれ」
そうモモンガさんが声を掛けると、メイド達と今まで姿を隠していたであろう、恐らくは護衛の八肢刀の暗殺蟲が一斉にこちらに一礼して退出した。……中々凄い光景だ。
「<静寂>、<施錠>っと。これで、盗み聞きも侵入も出来ませんよ。安心して喋って下さい、ウルベルトさん」
「……魔法、やっぱり、使えるんですね。一体どうやるんです?」
「えっと……自分の中に意識を集中してですね……」
そんな感じで二人して素を出して。モモンガさんに魔法の使い方を教わったり、名前の呼び分けを決めたりして、俺は何とか現状を把握した。
「モモンガさん。じゃあ、俺は何をしたら良いんですか?モモンガさん結構忙しいんでしょう?ナザリックだけでなく、国の支配者な訳ですし」
そう訊けば、モモンガさんは小さく笑う。
「そうですね。暫くは、こちらの世界に馴染む為、色々勉強して下さい。デミウルゴスを付けますから、俺が説明した以上の詳細はそちらから聞いて下さい。暫くしたら、各国への顔見せとかして貰いますけど……現状は平和ですので、あまり仕事は無いですよ。なので、また一緒に遊べます」
そう言ったモモンガさんは、とても幸せそうだった。
あの後、デミウルゴスに色々聞いて。モモンガさんがかなりの数の人間を殺したことを知った。普通なら、その事に嫌悪感を抱きそうなモンだが、何故か俺はその事を当たり前として受け入れていた。
ナザリックでは、人間は下等生物。そんな価値観があるのだということも知った。……それも、まぁ、アインズ・ウール・ゴウンというギルドの成り立ちを見れば仕方の無い事だと理解が出来た。
(現ギルマスのモモンガさんが、何度もPKされまくってたもんなぁ……。それに、ウチは人間禁止のギルドな訳だし)
こんな状態なら、異業種以外が下等生物だと思ってしまう価値観も止む無しだと思えた。
(……それに、モモンガさんは基本的に優しいからな……。悪魔のデミウルゴスよりは、優しく殺していたんだろうし)
俺が創造した悪魔、デミウルゴス。俺はあの時、より悪魔らしく……と創造した訳で。当然、このナザリックの誰よりも残忍になっている事は想像に難くない。……牧場とか言ってたしな。ご丁寧に"両脚羊"なんて隠語を使って。……多分、モモンガさんは気付いて無いんだろうけれど。
俺は、モモンガさんが言った通り、暫くデミウルゴスと一緒に過ごし、この世界の常識などを学んだ。そして、夕食は必ずモモンガさんと一緒にとって。(モモンガさんは飲食は出来ないけれど、何故か俺と食事を共にしたがった)穏やかな日々を過ごしていた。
そんなある日、モモンガさんが夕食後俺に切り出してきた。夕食時は俺とモモンガさんと、給仕にデミウルゴスだけで。メイドや警備は居ないのが当たり前になっていた。
「……ウルベルトさんは、俺の事好きですか?」
「?はい。好きに決まってるじゃないですか。嫌いな相手とこうして夕食をとる程、俺は優しくはないですよ?」
唐突なモモンガさんの言葉に首を傾げつつそう答えれば、モモンガさんはホッとしたような感じで言葉を続ける。
「良かった……。じゃあ、その。俺の事、信頼してくれてますか?」
続けて投げかけられた問いに、笑顔で答える。
「当たり前ですよ。こっちに転移して来て、ずっとモモンガさんと一緒に居るんですよ?そもそも信頼していない相手に、こんなに素を見せたりしませんし」
俺がそう答えると、モモンガさんは意を決したように更に続けた。眼窩の紅い炎が、緊張しているかのように大きく揺らめいた。
「だったら……。俺の実験に、付き合って貰えますか……?その、痛かったり怖かったりはしないので」
「……。良いですよ。痛く無いんですよね?危険でないのなら、別に構いませんよ」
そう答えれば、モモンガさんは嬉しそうに笑う。
「ありがとうございます!じゃあ、今から始めましょう。……デミウルゴス、後片付けは頼んだ」
「畏まりました。ごゆっくりお過ごし下さい」
デミウルゴスのその言葉が少し引っかかったが、俺はモモンガさんに手を引かれるままにベッドルームへ向かう。……まぁ、確かに前室よりは寛げるが、何故ここ?とか思いつつ。
「……実は、ですね。デミウルゴスに聞いたんですけど、悪魔は魔力を吸収すると気持ちいいんだそうです」
「はぁ……そうなんですか。初耳です」
モモンガさんのその驚きの発言に耳を傾けていると、更に言葉は続く。
「なので、その。試させて貰っても構いませんか?俺とウルベルトさんなら同格ですし、問題無いと思うので」
「えぇ。構いませんよ。で、俺はどうしたら良いんですか?」
好奇心には勝てなくて、小首を傾げてそう訊けば。
「口を開けて、俺の指を咥えて下さい」
と、魔導王陛下はそんなとんでもない事をサラリと言い放った。
「あっ!<清潔>っと。ほら、これでちゃんと綺麗になりましたから!」
ワタワタとしながらそう言うモモンガさんがあんまりにも可愛かったので……俺は、素直に口を開いて差し出されていた白くて長い指をパクリ、と咥えた。……硬い。骨だ、マジで。体温も、無い。舌先で指の腹を舐めると、モモンガさんは擽ったそうに躯を捩る。
「もう、ウルベルトさん。悪戯しないで下さいよ?じゃあ、魔力流しますので。……最初は、<炎の矢>くらいにしておきますから。間違って撃ってしまっても、炎系ならウルベルトさん完全耐性ありますしね」
モモンガさんの指を咥えたままなので、俺は喋ることも出来ず小さく頷く。すると、口内が徐々に温かくなってくる。
「んッ……」
ピクリ、と躯が反応する。モモンガさんの魔力は、やっぱり凄く濃厚だ。指輪を外しているせいか、よりその気配を強く感じる。その特濃の魔力が、俺の躯に染み渡り……奇妙な快楽を呼び起こす。こっちに来てからすっかりと忘れていた、肉欲を感じてしまう。しかも、それが十連続で流れてくるのだ。
(ヤバっ……!このままじゃ、俺ッ……!)
慌ててモモンガさんから躯を離そうとしたが、その前にモモンガさんが流し込む魔力の量を増やした。
「<火球>……。これで、三位階です。どうですか?ウルベルトさん」
「!んぅッ!んんッ……!」
唇を離すより先に流された魔力に、躯が硬直した。
(何だ、これっ……!無理……!!)
気が付いたら、全身の力が抜けて。その場にへたり込みそうになるのを、モモンガさんが支えてくれた。
「ウルベルトさん……大丈夫ですか?」
「……ぁ……」
呆然とモモンガさんを見上げると、モモンガさんは俺の事をそっと抱き留めた。
sideモモンガ
俺同様、ウルベルトさんを二度と失いたくないデミウルゴスは、一緒にどうしたら良いのか考えてくれていた。ウルベルトさんと一緒に過ごして、彼の動向を余さず見て。彼の性質を把握して……。
悪魔が魔力を好ましく思うことを教えてくれたのもデミウルゴスだ。淫魔は精気を吸うが、精気を奪う為に交わる際に吐き出される精液に含まれる魔力は微量な物だ。……だったら、魔力を直接流し込んだらどうなるのか。
(……まぁ、魔力の消費量が多いから、レベルが低いヤツじゃそもそも試せない手段ではあるけどな……)
俺が魔法詠唱者で、ウルベルトさんが悪魔で、本当に良かった。もし、俺が戦士職だったら、ウルベルトさんが違う種族だったら。こんな手段で彼を繋ぎ止めることは出来なかっただろうから。
「ん!ん、ぅ……」
指を喉奥まで突き入れて、流し込む魔力の量を増やすと、ウルベルトさんの反応がより大きくなる。長い舌が嬉しそうに俺の指に絡み付き……魔力を全て吸い尽くそうとするかのようにゆっくりと舐め上げる。それが擽ったくて、気持ちいい。
「ウルベルトさん……気持ちいいですか?」
そう問い掛けると、ウルベルトさんは何度も頷く。大きな耳がぴるぴると小刻みに震えて、すごく可愛らしい。普段は格好いいウルベルトさんのこんな姿を見られるのは俺だけだと思うと、奇妙な喜びに包まれる。
指先に込める魔力量を増やし、五位階くらいにするとウルベルトさんはまた脱力してしまった。……イっちゃったんだろうか。最初は恥ずかしがって何日か部屋に閉じこもっていたのに、今では何の抵抗も無く俺の魔力を受け入れてくれているのがすごく嬉しい。
(……結局、これ以上の快楽は見付けられなかったみたいだし)
部屋に閉じこもっていた間に女淫魔を召喚したりしてたのは知ってるけど、また俺の所に来てくれたのは、まぁそういう事なんだろう。
「ウルベルトさん。絶対に、俺から離れないで下さいね」
「……ッ……、っ……!」
俺の腕の中で踊る、細い体の悪魔を俺はきつく抱き締めた。二度と離さないと思いながら。