無事に雄英高校に合格した雄二は、今日からあのオールマイトを育て上げた学校で三年間過ごす事になった。
実は教師陣だった睡から「君は凄いグレーゾーンだったんだけど、何より野放しにしておく方が危険っていう理由で通ったんだよね」とあまり聞きたくない報告を受けた雄二であったが、合格できたのは事実なのでそこは諦めることにした。一応即席のチームプレイなどで評価もあったらしいが、やはり最初のあれは悪印象の塊だったらしい。
しかし、それでも合格した。
それは雄二にとって、己の個性に対する恐怖を少しでも減らせる機会を得た事を意味する。
そもそもの目的は、この個性の制御が必要だったからだ。放っておけばご近所さんの家庭崩壊は免れず、下手をすれば街中を歩くだけで女が寄ってくるような個性のため、雄二はこの学校に入る事で光己のような事故を防ごうとしていた。だからこの数年は外にもあまり出歩かなかった。
全ては個性を制御するため。
勿論、こうして入学するまでに個性の使い方から、基礎的な身体能力の向上と、手取り足取り鍛えてくれたのは睡である。お陰で彼女には頭が上がらないし、お礼として毎晩たっぷりとセックスをしている。今朝だって時間の許す限り睡とイチャイチャセックスをしてきた雄二であった。
「あ、いたいた」
校門をくぐると、入試の時に出会った一佳が駆け寄ってきた。初対面で股間を押し付けてしまった美少女である。
制服に身を包んではいるが、あの顔立ち、あのサイドテール。どう見ても拳道一佳その人だ。
「やっぱり受かってたんだね」
「当然。飛野も受かってると思って探してたんだ」
そういうと一佳はやたらと距離を詰めてきた。あんな事をされて何故そんな予想を立てたのか不明だが、彼女は確信があったらしく嬉しそうに雄二の手を握ってきた。
「……?」
思わず、違和感に首を傾げた。
もう個性のフェロモンの効果はないはず。あれは時間的な限定を設定して惚れさせただけで、半日と持たずに催眠は解ける。そう睡と訓練したはずで、それなのにどうしてここまで好意的なのか。
雄二にはそれが分からず、きょとんとした顔で彼女を見つめる。
彼女も分かっているはずなのだ。自分は利用されたと。そしてうら若き乙女の顔面にひどいセクハラをされたと。
それなのに、この表情。明らかに雄二に好意を抱いている。それが理解できなかった。むしろ嫌われる方が納得できる。
「……一佳さん、僕に何か用なの?」
雄二は訝しむように眉を顰めて、距離を取ろうとする。
「わー、待った待った……! 違うって復讐とかじゃないって……!!」
一佳はわたわたと慌てて両手を振り回すと、敵意はないと大げさにアピールした。
その後、仕切り直すようにこほんと咳払いすると、彼女はちょいちょいと手招きする。
雄二は尚もよく分からない表情を浮かべていたが、とりあえず従おうと片耳を差し出す。身長は彼女の方があるため、自然と向こうが膝を曲げる姿勢になった。
彼女は内緒話でもするように口元に手を当てて、囁くように喋った。
「あの日から飛野の事が忘れられなくて、疼いて疼いてしょうがないんだ……♡♡」
完全にとろけた雌の声を聞いて、雄二は即座に後悔した。
フェロモンが強すぎたのか、それとも彼女と相性が悪かったのか。
いや、良すぎたのか。
ともかく、もうだめだ。
──彼女、拳道一佳は、雄二の雌になってしまった。
「放課後、空けといてね♡」
一佳はそれだけ言い残すと、元気よく駆け出していった。
去り際に、頬に軽いキスを残して。
「不味いよ……睡さんに学校じゃ『雌』を作らないって約束したのに……」
雄二は学校と睡への言い訳を考えつつ、その後を追っていった。内なる雄が、さらにその強大さを増している気がした。
「はぁ、幸先悪いなぁ……」
校舎の中に入りながら、雄二はため息をついた。
校舎──というより、ビルの中は様々な教室があった。どれもヒーローとして育てるために必要なものなのだろう。その名の通り、個性には人それぞれ様々な力が宿っているから、それに合わせて様々なスペースが必要に違いない。
凄い学校だ。流石はヒーローアカデミア。
そんな事を考えながら、目的地のA組の教室前までたどり着く。
A組の教室には、雄二の目の前であの爆轟勝己が入っていった。
彼の努力は知っていたので、雄二は自然と口元が緩んだ。
「良かった、かっちゃんも受かったんだ」
親友も合格していたとあって、雄二の口元も綻んだ。
──が、その後を追うようにして一人の少年が教室に入っていった時は我が目を疑った。
「え……?」
ボサボサの緑髪なんて、そうそういるもんじゃない。
緑谷出久。無個性であり、雄二と勝己の幼馴染。
どうして、ここに居るのか。彼は無個性だったはずなのに。
ありえない。まさかこの期に及んで個性の発現があったのか。
「……」
そこまで考えて、自分も以前はそうだったと首を振った。
自分に出来て、出久に出来ないはずはない。彼は自分よりもよっぽどヒーローに憧れていたのだから。
「あれ、アンタ……」
「はい……?」
雄二が廊下で立ち止まっていると、黒髪の少女が声をかけてきた。
耳から伸びたイヤホンジャックが特徴的な、美少女。
彼女も、入試の時にチームを組んだ。名前は耳郎響香だったか。
「え、えと……♡」
響香は雄二の顔を見てほっぺを真っ赤にすると、棒立ちになってしまった。
当然だが個性は使っていない。でもこの様子は明らかに雄二に対して何かしらの感情を抱いているように見える。
入試の時、やはり個性の調整を失敗したようだ。それとも個性の成長か。
どちらにしても、強く、魅了しすぎた。
「とりあえず、休み時間にまた話そう。今は遅刻しちゃうよ」
「あっ……♡」
雄二は彼女の手を取ると、教室に足を踏み入れた。
響香はふへへと締まりのない顔でニヤつきながら、その後に続く。
その後の事は、雄二にとっては予想できるものばかりだった。
勝己が出久に対して怒鳴り散らした事。同様に雄二に対してもここはお前の来るべき場所ではないなどと大声で詰め寄ってきたり。
他にも相澤と名乗る担任が、最下位は除籍処分などと脅しをかけてクラスメイト達の実力を測ったりなどと、これも予想通り。もっとも、流石に退学にまでさせられるとは思っていなかったが、個性の把握は必要なことなのだろう。それは分かっていた。
だから、雄二にとって予想外の事といえば、それは放課後の出来事だった。
ーーーーーーー
「はぁ、やばい、これ……♡♡♡」
「すんすん……♡♡♡」
そして放課後。
空き教室の隅、人目から逃れるような場所に、三人の生徒の姿があった。
椅子に座る雄二は、股座に顔を埋める二人の女生徒に申し訳なく思いながら、強烈な雄臭を嗅がせる。
一佳と響香は、頬をくっつけながらその股間に鼻を押し付けていた。なによりもあの試験の時の雄を感じるために。
「くっさ……♡♡♡」
「はぁ、はぁ……♡♡♡」
一佳の用事とはこれだった。あの日以降、雄二が忘れられない。雄二のフェロモンが忘れられない。濃厚な雄の臭いに、雌の部分を思いっきり叩き起こされたのだ。
響香もまた、同じである。あの日の雄二のせいで、オナニーにふけり、あの時顔に押し付けられたちんぽを思い出す日々。
そんな彼女達は、ちんぽの香りを忘れられないでいたのだ。
ここに二人の雌が生まれていた。
経験上、こうなってしまうと元の彼女達に戻ることはない。ただ一方的に、雄二に尽くしたいと、そう思い、身体が動いてしまうそうだ。
まだ挿入にまでは至っていないので完全に堕ちた訳ではないが、それも時間の問題だろう。このお預け状態を長引かせると、その分発情する時間が伸びるだけだ。
「ごめん二人とも。これは僕の責任だ……でも、これ以上は良くないと思うから……」
それでも、雄二には理性が働いていた。これは訓練の成果であり、事故を防止するために最も力を入れて特訓したものだった。光己のような事件を繰り返さないために。
学生同士、これ以上進んではいけない。それに会って間もない二人には、なにもかも結論を出すには時間が足りないと考えていた。処女を無くしてからでは遅いのだ。
そう言って立ち上がろうとする雄二だが、ありえないほど強い力で椅子の上に抑え込まれる。
少女達は危なげな表情で頬を赤くしながら、少しでも雄二の雄を感じようとグイグイ迫ってくる。
徐々にこの状態に、雄二のペニスも勃起しかけていた。このまま時間が経てば、光己の時のように流れるまま二人を犯してしまうだろう。
いや、そんな事はさせない。自分は成長したんだ。
「ごめん……!」
雄二は殆ど女性に向けていいレベルではない力で無理やり立ち上がると、逃げるように走り出した。性的興奮が肌の表面に血管を浮き上がらせ、上半身がパンプアップしたように図太くなる。
個性の応用だ。主な用途は小さい身体でも女体を持ち上げて腰を振れるようになるというものだが、こうして身体能力向上にも使える。
二人は尻餅をついていたが、幸いにして頭をうったりと怪我はなさそうだった。
「待って……!!」
ホッとしたのもつかの間、二人はすぐに立ち上がり、追いかけてきた。
雄二は全速力で走った。興奮しかけだったが、それでも美女二人にあんなことされれば、個性は十分に発動できる。
漫画のような筋肉のつき方になった脚力を使い、雄二は凄まじいスピードで帰宅した。
就活終わった記念です。長くは続きません。
今後としては、ミッドナイト&爆轟ママを1シーン、一佳ちゃんと響香ちゃんを1シーンずつ(現在執筆中)くらいですかね。確実に更新するのはそれまでです。