※この作品はR-18です。

ランスシリーズ殴り書き保管庫   作:たまご割り木

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常に明るく元気なランス様の闇落ちで周りがオロオロすんのが見たい
魔王期の話ちゃんと見たかった


狂乱の日

 

――――――RA1年――――――

 

 

 

「んぁ?」

 

 

始めてそれが起こったのは ランスが魔王になってから1年が経ち、翔竜山の上で魔王城の建設が本格的に始まった頃であった。

 

 

「なんじゃこりゃ…」

 

 

ランスの前に奇妙な景色が広がっていた。

これから新魔王軍結成を全世界に正式発表する魔導通信室への廊下が真っ赤になっていた。

 

 

「う~む、昨日ヤりすぎて寝不足か…?」

 

 

目を擦るが相変わらず景色は赤いまま。しかも不可思議な事に作られたばかりの魔王城の廊下はどこも破損は無く、色眼鏡を通したようにただ真っ赤なだけであった。

 

 

「うむむ…お、戻った。」

 

 

何度も瞬きをしていると不意に元の景色に戻る。

 

 

「何だったのだ…」

 

 

 

 

 

――――――半年後――――――――

 

 

次に不思議な耳なりが聞こえるようになった。

 

 

「殺セ。」

「…? 誰か何か言ったか?」

 

 

あくせく資材を持って走る魔物たちを監督しながらサテラがきょとん、と首を傾げる。

 

 

「いえ、どうされましたか?」

「いや…何でもない…?――――――――――――――

 

 

 

――――――――――――――――1週間後

 

 

 

「壊セ。」

「ま~たか、俺様は忙しいんだ どっか行け」

 

 

 

ぶんぶんと空耳を振り払うように頭の上で手を振るランス。

 

 

 

「最近の魔王様なんか変じゃない?」

 

「それがどうも変な幻聴?幻覚?が見えたり聞こえたりするらしく夜もワーグの能力で眠ってるようなんだ。」

 

「え、それって大丈夫なの?」

 

「うぅ~ん だが魔王様は心配するなと言うし、学者も理由はわからないみたいなんだ」

 

 

 

シルキィは「気にしすぎるのも良くないのかもね」とサテラに言って建設の手伝いに戻って行く。

しかしサテラはどうにも妙な胸騒ぎがし、その日は何事にも集中出来なかった。

 

 

 

 

――――――RA3年――――――

 

 

 

「魔王様のご機嫌が優れない事が増えましたね。」

 

 

幹部集会でホーネットの言葉に数人が頷く。

と言うのもここ最近のランスは常にイライラしており、目の前で魔物が転ぶような事があればキレて吹き飛ばし、城の壁に穴を開ける事が多かった。

 

 

「その…昨夜の夜伽も楽しまれる余裕が無いのか凄く乱暴でした」

 

 

ハウゼルの言葉にサイゼルだけ「いつも乱暴よ」と口ばかりの反論をしたがやはりランスの様子がおかしいのは共通認識だった。

 

 

「どうしてしまったんでしょうランスさん…」

 

 

新入り魔人のリズナがぽつりと呟く。

 

 

「魔王様と呼べ、リズナ」

「は、はい…」

 

 

サテラが叱るって間を取るが誰もが口を閉ざし、会議室に重い雰囲気が蔓延していた。

 

 

 

 

「暴れるしかねーだろーよ」

 

 

無口なレイの発言に魔人たちが顔を向ける。

レイは次の言葉を促されちっ…と小さく舌打ちすると

 

 

「鬱憤が溜まってんだろ、イライラは暴れて憂さ晴らしするしかねえよ ちょうどまた魔王サマに反乱しようってのが集まってんだろ」

 

 

レイはタハコを取り出すがビスケッタさんに「ここは禁煙でございます」と言われ渋々懐にしまう。

 

 

 

「………そうですね、今はそれしかありません。」

 

 

ホーネットの区切りの言葉でその日の会議は解散となった。

 

 

 

 

 

――――――RA4年――――――

 

 

世界から神が消える神異変や勇者の起こす勇者災害に世間は混迷を極める中、ランスは常に退屈で鬱屈した日々を送っていた。

口数は減り、かつての自分の女たちと顔を合わせても心を覆う暗闇は晴れなかった。

 

 

 

そして――――――――――――――――

 

 

―――――――――RA5年――

 

 

 

 

「女を拐いに行くぞ。」

 

 

しばらくぶりに魔王が口を開き、近隣の村を襲撃し始めた。

 

 

 

「えっ は、はい! 行くぞシーザー!」

 

散歩に行くような軽さで城を出ていくランスを慌ててサテラが追う。

兜で表情はわからなかったが、以前のような口調にサテラは安堵すると共に少し嬉しくなった。

 

 

 

 

 

「魔王様がお一人で……?」

 

「はい。 ご主人様の後を追ってすぐにサテラ様も出て行かれました。」

 

「…魔王様なら心配することは有りませんが、一応私たちも後を追いましょう。 リズナ、シルキィ、レイは私と共に、ハウゼル達には留守を頼みます。」

 

 

 

ホーネットが機敏に指示を出す。しかしそこに普段滅多に部屋から出て来ないワーグが現れた。

 

 

 

「待って、 私も行くわ ハウゼル、運んでちょうだい」

 

「ワーグ……?」

 

「昨夜…うぅんずっと前からランスの夢がおかしいの 私が覗いても何を考えてるのかわからない。 何か嫌な感じがする」

 

「……わかりました。 急ぎましょう」

 

 

 

結局ハウゼルが行くならとサイゼルも同行し、カーミラを残した全員でランスとサテラの後を追った。

魔王は強い、他のどんな何者よりも。今回も以前のように気分で散歩に出たようなもので、何か有るわけもない。ホーネットは胸中の不安を飲み込み過去を思い出す。

ランスは人間でありながら多くの魔人を討ち、ケイブリスをも打ち倒し、人類を勝利に導いた。

自分が果たせなかった魔王継承までも成功した。

 

だから心配することはない、と。だが―――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

「これ、は…」

 

 

とっとと1人で下山して行った魔王ランスとサテラの後を追った魔人達の目の前に火の海が広がっていた。

そしておびただしい数の死体の山、しかも男だけでなく若い女や子供や老人まで、まさに老若男女問わず死んでいた。

 

 

 

「……! サテラ! 何があったのですか」

「あ、ホーネット様…」

 

 

 

町の上の丘に呆然と立ち尽くすサテラとシーザーを見つけ、ホーネットが近寄る。

後からハウゼルサイゼルにリズナやシルキィ、レイ、普段城から出ないワーグまで魔人が勢揃いしていた。

 

 

「周辺の村や集落も殆ど全滅してるんだけど…」

「えぇ…恐らく1人も…」

 

 

飛び回っていたハウゼルとサイゼルが青い顔をして報告してくる。

 

 

 

「魔王様がやったんだ」

「………! そんな…ランスさんが…そんなこと」

「魔王様と呼べ、リズナ」

 

 

 

目の前の惨状にリズナがフラつく。

 

 

「で、でも本当にランスくんが? 確かに前から乱暴だけどここまで…」

 

「そうだよー!こんな酷いことしないよー!」

「…黙りなさいラッシー」

 

 

シルキィやワーグ、そしてホーネットにもこれがランスの仕業とは到底思えなかった。

 

 

 

「いーや魔王サマだろうよ、昔の魔王ジルと一緒だ」

 

 

 

そんな中レイだけがタハコを咥えて平静を保っていた。

 

 

「…どういう意味ですか」

 

「はっ! 秩序だ何だと煩かった魔王ガイしか知らないお前らには理解出来ねーか」

 

 

ジルの名を聞きハウゼルとサイゼルが身震いする。

 

 

「これが、魔王ってやつなんだよ」

 

「………………。」

 

 

 

ホーネットは口を閉ざして炎の町を見下ろす。

あちこちで火の手が上がり住民たちは逃げ惑い、怯え、パニックでてんやわんやだった。

 

 

 

「がはははははははははは!」

 

 

 

「…! 魔王様だ 向こうに居られる!」

「あ、サテラ!」

 

 

シルキィの声を振り切ってサテラを乗せたシーザーが雪崩のように丘をかけ降りていく。

 

 

 

「追いかけましょう。 ハウゼルたちはワーグを頼みます」

 

「はい」

 

 

 

魔人たちが高笑いのする方へ行くと町の入り口付近で裸の若い女がゴロゴロ転がっていた。

 

 

「……! この子たち死んでる…」

 

 

シルキィとリズナが駆け寄ると、女たちの半分ほどは皆首に手の痕が付いており 窒息かあるいは首を折られて死んでいた。

 

 

 

「おう、お前らか ちょっと待ってろ」

「あぐ!……あがっ!……」

 

 

 

声のする方を見ると裸で町娘を貫いたままランスが女体の山の上に座っていた。

 

 

 

「ひぐっ!…… くるし………が、あっ!」

「がははははは! 首を絞めるとよく締まって面白い」

 

 

 

女の事などお構いなしに犯すランス。するとボキッと音がして女の首がガクンと垂れる。

 

 

 

「あっ、また力を入れすぎたか う~むしかし死後硬直でも締まる締まる がはははははははははは!」

 

「………………………うそ。」

 

 

 

それを誰が呟いたのホーネットにはわからなかった、が目の前の行いにはもっと理解が及ばなかった。

 

女との情事に命をかけ、敵の魔人であっても手込めにしようと躍起になり 女を手に入れるためなら何でもする

 

抱いた女にはそれ相応の扱いをし、ましてや命を奪う事などあり得ない。それが今までホーネットが見てきたランスであった。

 

 

 

「お~う遅かったなお前ら もう終わったぞ」

 

 

口調は普段の、機嫌が良い頃の昔のランスであった。

 

 

 

「ほれ片付けとけ」

 

 

ポイっとランスが殺した女の亡骸を投げて寄越す。

サイゼルが「ひぃ!」とハウゼルの後ろに隠れシルキィやリズナたちも目を逸らす。

 

 

 

「久しぶりに楽しかったな またそのうち、今度はゼス方面に行ってやろう」

 

「らん……、魔王様」

 

「なんだサテラ」

 

「いえ、ご機嫌は如何ですか?」

 

「うむ、何だか久しぶりに発散できていい気分だ!」

 

 

 

サテラやホーネットは全身に力が入らない、本当に口調は何時ものランスだ。 ここ最近常にイライラして兜で顔を隠し、口を開かなかったのが嘘のように。

 

しかしだからこそ目の前で平気で女を殺すランスが信じられなかった。

 

 

 

「こわいよー!こわいよー!ランスがおかしいよー!」

「…っ! ラッシー黙って…!」

 

 

 

慌ててワーグがラッシーの口を押さえるが、非力なワーグでは閉じきれない。

するとランスの首がぐるんとそちらを向いた。

町中の炎で爛々と輝く瞳は狂乱の色を灯している。

 

 

「怖いか? ワーグ」

 

「……ひっ……ぅ…は、い」

 

「がはははははははははは!そーかそーか」

 

 

 

ランスはまた燃える町に目を向ける。瓦礫や死体の山には目もくれず、まだ辛うじて息のある人間が嗚咽しながら地面を這う様を見て愉快そうにくっくっくっと声を圧し殺して笑う。

 

 

「クク…ふっふ……む?違うな、ふははは!違う がははははは!おっこれだ がははははははははははは!」

 

 

 

先の魔人大戦でランスの人柄に惹かれ、救われ、共に力を合わせた魔人達は立ち尽くす。

瓦礫と死体の山に君臨し、かつての様な高笑いを響かせる今の主の背を見ながら……。




ランスの狂う様が上手く想像出来なくて文に興せなかった
じゃあ何で書いた
誤字報告謝謝
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