ポテト欲
あれからcircleまで日菜を送った。
日菜と別れたあと、受付の女性に
「○○君、会うたびに違う女の子といるね。」
と言ってきた。
確かに昨日はリサといたが、あれは友達みたいな関係であって、リサを女子として見ている訳ではない。友希那にしても同じだ。
日菜に関しては...情状酌量の余地もない。
「誤解を招く言い方は止めてください。ただの友達かそれ以下です。」
そう言って軽く受け流した。
まさか日菜との関係を知ってる訳ではないだろう。
「そんなこと言って~、日菜ちゃんと夜、楽しんでるんでしょ~」
何でそれを知っているんだ、まさか日菜が喋ったのか...?
「冗談止めてください。仕事邪魔したら悪いんで、この辺で失礼します」
そんな風にはぐらかしてcircleを出た。後ろで、
「若い子はいいねぇ~」
とぼやきが聞こえた気がした。
やることもないので、併設されているカフェで少し時間を潰そう。
そう思い店内に入ると、紗夜が一人でいた。こちらから軽く手を振ると、向こうも気がついたようだ。
「おはよう、紗夜。」
紗夜と向かい合わせに座って言う。
「○○、おはよう。昨日は日菜のこと、ありがとう。」
紗夜はやっぱり律儀だな。そう話をしながら店員にジュースを注文した。すると少し紗夜が顔をしかめた。何か気に障ることを言っただろうか。
「紗夜、どうかしたか?」
「いいえ、ちょっと○○から日菜の匂いがした気がしたのだけど」
机越しに紗夜のオーラに威圧される。学校での風紀委員としての紗夜が垣間見えた気がした。
「まぁ、泊まっていったからな」
部分的にだけ答える。
「まさか、日菜といかがわしい行為に及んではいないでしょうね?」
ドクン、と心臓が跳ねる。図星だが態度にでないよう抑える。
「冗談は止めてくれ」
「知ってるわよ。もちろん同じベッドで寝てもいないんでしょう?」
「ああ、もちろんだ。」
ベッドでは寝ていない。当たり前だから言うまでもないと思っただけだ。そう言って、なんとなくお品書きを眺める。フライドポテトが目に付いた。紗夜、見た目に反してフライドポテトとかのジャンクフード、好きなんだっけ。
店員に追加でフライドポテトを注文する。
少しした後、飲み物とフライドポテトを持って店員がやってくる。
「ほら、フライドポテト、好物だろ?」
そういいながら皿を紗夜の方にずらす。
「ありがこうござ...えっ!?」
紗夜は見事にノリ突っ込みをする。驚いたような表情はどことなく日菜に似ている。まあ双子だし似ているのは当たり前だろう。
「...頂きます。」
やはり律儀に手を合わせる。
最初は控え目にポテトに手を伸ばしたが、その後はずっとポテトを摘まんでいた。そして、
「紗夜、ちょっと出掛けないか?」
と、ポテトに夢中の紗夜にそう言った。
次回は紗夜とのデート回です