気まずいままリサと共に階段を下って、今井家の食卓へと向かった。食卓には三つ椅子があり、リサとリサの母親の向かいに僕は座った。
「「「いただきます!」」」
三人声を揃えて言う。今井家では僕の家庭とは違って料理を大皿に盛り付ける習慣のようだ。手元にはご飯と汁物、それに小皿が置かれている。手始めに、手前にある回鍋肉(?)に手をつけることにした。一応他人の家なので遠慮して少なめに取る。
「遠慮しないで、男子なんだし沢山食べて!」
そう言ってリサは僕の皿を取り上げて回鍋肉を大盛りに盛り付けた。
「あ、ありがとう...」
冗談抜きで富士山のように肉と野菜が盛られいる。リサの筑前煮と今井家の筑前煮を食べ比べて見たかったが諦めて目の前の回鍋肉に集中することにした。回鍋肉を一口頬張る。野菜の甘さと肉の旨みを邪魔しない味付けがされていてご飯が進む。回鍋肉を食べ進めている内にリサと母親の会話は進んでいた。
「そういえばさ、リサは○○といつ知り合ったの?」
リサの母親はそうリサに訊いた。
「え~と、circleの近くだったよね、○○」
リサは僕に話を振る。
「あぁ、そうだったな。日菜を送ったときだっけか」
うんうん、とリサは頷く。そんな風にリサと母親の話に時々僕が相槌をうっていたら、いつの間にやら山積みだった回鍋肉もなくなっていた。
「じゃ母さん、アタシ食器洗っておくから休んでて。」
そう言ってリサは当たり前のように食器を洗い始めようとする。リサに妹がいるわけでもないのに゛リサ姉゛と呼ばれる訳が分かった気がした。
「僕も手伝うよ」
リサの横に立って一緒に食器を洗う。
「ありがと」
リサは微笑んだ。リサの母親はソファーに座って、
「お似合いのカップルだね」
と言わんばかりの顔をしていた。
無事に食器を洗い終え、再びリサの部屋に戻った。
「あ~、少し食べすぎたな」
元々少食で、最近もあまり食事をとっていなかったので少し胃もたれがする。するとリサは正座をして、膝の辺りを叩いた。
「ほら、膝枕してあげるよ?」
お言葉に甘えて、リサの膝に頭を押せた。先程リサの匂いを堪能した事もだが、リサとは犯罪臭漂うスキンシップをしているように思う。そもそも大学生が女子高生とスキンシップをすること自体ほとんど犯罪みたいなものだが。いっそのこと最後まで行ってしまおうかと思わないこともない。リサの体臭に包まれているせいか、危険な方に思考が引っ張られている。これじゃあまるで、僕がリサを犯したがっているみたいじゃないか。
「○○...」
リサは僕の頭を撫でながら僕の名前を呼ぶ。
「○○が年上だからって気を張らなくてもいいんだよ?」
「別に気を張ってる訳じゃあないよ」
リサは引き下がらない。
「○○が、アタシの匂い嗅いで性的に興奮する変態だってことも知ってるし」
それを引き合いに出されては返す言葉もない。
「確かにとっくに年上の威厳は無くなってるもしれないけれど、だからといって僕がリサに話さない権利だってあるだろ?」
正論を言う。
「○○がそうならいいけどさ、○○、つらそうだからさ」
リサの前ではそんな素振りした覚えないんだけどな。そんな僕の考えを察したのか、リサは
「○○と寝たときさ、○○、うなされてたから...精神的に追い込まれてるのかなって」
事実、最近悪い夢を見ることが多いが、リサに聞かれていたとは気付かなかった。
「お見通し、なんだな」
「○○、家族のこと頑なに話そうとしないし、誰にも言えないんじゃない?」
「あんまり楽しい話じゃないぞ」
「うん、聞くよ」
そうして僕は重い口を開いた。
アニメのさよひなは尊いから絶対に流行らせろ