「はぁ...はぁ...」
いい加減歳なのかもしれない。あの後、紗夜と風呂に入り、紗夜の体を堪能したのだが、気づいたら意識が朦朧としてきてしまい、情けないことに紗夜と一緒にのぼせてしまったのだ。
「○○、やりすぎてしまいましたね...」
紗夜は足元が覚束ないまま、着替えながらそう言う。
「そうだな、流石に湯船の中でヤるのは金輪際やめだな...」
僕の方も、頭に霧が掛かったような気分になりながらも着替えをする。脱衣場のドアを開けると、そとの冷気が流れ込んでくる。すると頭に掛かった霧が晴れてくるのが分かる。
「紗夜、今日の練習って何時から?」
今日も今日とて僕はまりなさんの奴隷、もといcircleのバイトがあるのだが。
「今日はありません。なので私は部屋でギターの自主練習の予定です」
そうか。バイトを始めて以来、誰かと一緒にcircleに行っていたので、今日は初めて一人で行くことになりそうだ。
「僕はcircleに行くから、ついでに紗夜の家まで送ってくよ」
「あ、ありがとうございます、私もこの様なので助かります」
紗夜は下着姿のまま、こちらにぺこりとおじぎをした。行動と容姿のギャップに、思わず笑いそうになる。
「な、なんですか、私は真面目に言っているんですよ?」
紗夜は頬を赤く染めて言う。
「ごめん、その姿で言われても全然様にならないからさ。」
うーん、紗夜の唯一と言ってもいい欠点と言えば、容姿に無頓着なことなのだろう。服の着こなしや髪型など、身だしなみには問題はないのだけど、いまいち自分がどう見られているか自覚がないのかもしれない。紗夜の、初期装備のような下着を見て、そう思った。すると、紗夜はこちらの視線に気がついたようだ。
「...私の身体にでも不満があるのですか?」
紗夜はジト目になりながら、胸を手で隠しながらそう言う。その顔を見ると、Roseliaの狂犬だったときの紗夜を思い出すが、自分でも胸のことを気にしているのだろうか。紗夜は何かにつけて日菜と比べるきらいがあるが、確かに日菜よりは少し慎ましいが、そんなに差はないように思う。
「い、いや、僕はスレンダーな身体が好きだからさ、そういうことじゃないんだ」
もちろん燐子みたいなマシュマロボディーも好きだが、それは言わないことにする。言ったら確実に殺されるからだ。
「じゃあ、私の何が不満なのですか?」
少し機嫌が戻った紗夜はそう言う。
「いや、紗夜の下着、少しシンプルじゃないか?」
遠回しに、なるべく婉曲して言う。有り体に言えば、紗夜の下着には色気、可愛さ、エロさがないのだ。素材は良いのだから、今井のように下着にも拘れば、もっと内から醸し出される魅力が増すと思うのだが。
「そうですか?私はこの下着でも機能性に問題はないと思っているのですが...」
どうも要領を得ない返答だ。
「ほら、紗夜も女子高生なんだからさ、もっと可愛い下着とか着てみたらどう?」
紗夜にとっては予想外のことだったようで、少し驚いた様子だ。
「そ、そうですか...」
「そうだよ、エッチのとき、今よりいい雰囲気になったりするしさ」
正確にはエッチな下着を着た紗夜に、僕がますます欲情するというだけなのだが。
「それなら賛成です。では明日のデートは、下着を選びましょうか。」
エッチのことを出すとあっさり説得できてしまった。まあ紗夜、エッチ大好きだからな。紗夜に言われてカレンダーを見ると、いつの間にか明日が例の祝日だった。長期休暇はどうしても曜日感覚が希薄になってしまう。正直、女性の下着コーナーに行くのは気が引けるが、紗夜となら大丈夫だ、と自分に言い聞かせる。
「紗夜、下着コーナーって、男が行ってもいいのか?」
それでも不安が拭えないので、紗夜に聞いてみる。
「どうなんでしょうね、万が一話しかけられても、私と一緒にいれば大丈夫でしょう?」
まあ、そうだろうな。紗夜に一応確認がとれただけでも不安は多少なくなった。お互い着替えを終え、家を出た。
「それでは○○、ありがとう」
紗夜と家の前で別れの挨拶をする。すると、
「あ~、○○~♪」
玄関から日菜が出てきて、こちらまで駆け寄ってくる。
「こら、日菜、○○はこれからバイトなんですよ?」
紗夜は嫉妬を含んだ目で日菜に注意する。日菜は紗夜の話を聞かずに、こちらの腕に抱きついてくる。しれっと胸を押し当ててくるな、紗夜の前だから指摘しにくい。
「あたしも○○とcircleいく~♪」
子供のように日菜は言う。いや、年齢的には子供だけども。
「ごめんなさい、○○」
紗夜は半分諦めたようにそう言う。依然腕に抱きついたままの日菜を引っ張りながら、circleに向かうのだった。
某バンドリーマーが炎上してますね。コンテンツ的に燃えやすいのでしょうか、バンドリ関連の暗い話は絶えません。