リサは歯磨きをもってこちらに迫ってくる。当然こちらは間をとろうとするが、いかんせん湯船なので逃げ場がない。
「もがっ!?」
誇張ではなく、実際こう呻いた。
リサはその歯ブラシを僕の口内に突っ込んだのだ。シチュエーションも相まってなんだか風俗の追加オプションのようだ。
「ふうほふかよ(風俗かよ)。」
「はいはい、動かないでよ。歯、磨きにくいから。」
もがいてみるが、リサが馬乗りになっているせいで殆んど動けない。
もういっそ諦めてリサに歯を磨かれよう。何だか幼い日のことを思い出す。母親に歯を磨かれるあの日のことを、10数年越しにその感覚を、リサに思い起こさせられた。
シャコシャコシャコ...
浴場に歯を磨がく音とリサの鼻歌が響く。あぁ、聞き覚えがあるかと思えば、Roseliaの曲か。
と言うか、他人に口内を弄られるとなんだかくすぐったい。
もしも第三者が、女子高生と風呂に入った上、馬乗りになられているのを見られたら、きっといかがわしい行為をしていると誤解されるだろう。
「うん、オッケー♪磨き終わった!」
やっとこの体勢から解放された。
蛇口を捻り、手で水を汲んで口をすすぎ、ついでに口の回りについた泡も洗い流す。
ふぅ...何だか日菜とするときよりも精神を持っていかれた気がするな...
「よしっ、歯は磨いたし、次は髪と身体だねっ♪」
嘘だと言ってくれ。どうして心身を休める浴場で心身が削り取られなければならないのだ。
あのあとはもう、リサのされるがままで、全身のあらゆる所を触られた。普段適当に洗っているので
「ちゃんと垢落とさないと、日菜はともかく、紗夜に嫌われるよ?」
なんてお節介をかけられた。まぁ、それでも全部が全部、嫌だったと言うわけでもなかった。
髪を洗うリサの腕は中々のものだった。僕は散髪に行くのが億劫なので髪が伸びている。そのため自分で雑にやると指に髪が絡まって痛い。それに対してリサは髪の扱いに慣れているのか、全く痛くならなかった。むしろリサの指で頭皮が揉まれるのが心地よかった。
たまには髪を洗ってもらうためにリサを泊めてやるのも有りか。
そんなことを考えながら、リサが自分の体をあらっている間に脱衣場で着替えを済ませる。
バスタオルを洗濯かごに放り込もうとすると、リサの脱ぎ捨てた下着が目にはいる。ブラジャーとショーツは揃いの柄のようで、セクシーな感じの物だ。すでに履いたあとなのにも関わらず、甘い匂いが漂ってくる。リサにバレてはシャレにならないので、ブラのサイズを確認して終わりにした。
「リサ、先に出てるから」
そう言って脱衣場をでた。
9話なのに作品中、まだ一日も経過してないことに気付いたけどまぁいいや。それと、人間関係はなるべく簡潔に最小限にすると言う自戒。キャラが立たなくなるし頭こんがらがっちゃう。