第二十二話です。
今回からあのキャラが登場します。
それでは、どうぞ!
季節はすっかり寒くなり冬。
先日、天条院先輩の別荘でクリスマスパーティーが開催された。
そこでプレゼント交換を行ったが、そこで天条院先輩が屋敷中にプレゼントを隠して、それを探し出し、見つけた人がプレゼントをもらうというゲームを発案した。
ララに引っ張られ、屋敷中を走ったのだが、いたるところにトラップが仕掛けられており、巨大な鉄球が転がってくるわ、タライが降ってくるわで色々迫ってきた。
まあどれもララと一緒に躱したり、破壊したりしてノーダメージだったがな。
それと同時にプレゼントをララが大きな袋に回収していった。
結局、ララの発明品により天条院先輩の別荘が崩れてしまった。
幸い、全員ケガなく助かったが、これあとから請求こないよな・・・?
ちなみに、俺がゲットしたプレゼントはララからので金に輝く人面犬のような生物が魚を咥えてる置き物だった。
ララ曰くすごく高価な置き物らしい。
ララは俺がもらってすごくうれしそうにしていた。
俺は苦笑いを浮かべながら、置き物を部屋に飾った。
それから数日が経ったある日。
俺はティッシュや調味料を買うために街に出掛けていた。
ララは今日はザスティンが家に来るということで、留守番をしている。
「よしっこんなもんかな」
買い物袋の手持ちを左肩にかけて俺は店を出て、家に帰ろうとした。
商店街を歩いているとたい焼きを焼いている屋台があった。
「ザスティンも来るし、買っていくか」
俺は自分用を含めて3〜4個、たい焼きを買った。
たい焼きを食べながら歩いていると、視線を感じた。
見ると、一人の女の子が立っていた。
赤い目をしており、冬なのに露出が高い黒いボンテージのような服を着ていた。
極めつけはは長い金髪で地面に届くんじゃないかというくらい長かった。
『(海翔、この子)』
「(ああ、分かってる)」
俺とラルヴァがテレパシーで喋っている間も女の子はじっと俺を見ていた。
このままでは埒が明かないから、持っているたい焼きを一つあげた。
「食べるか?」
「・・・・・・」
女の子はたい焼きをじっと見て、俺の手から取って食べた。
「・・・・・・地球の食べ物は変わってますね・・・」
そう言うと女の子は俺に近づき、両肩に手を置いた。
「あなたが鈴村海翔・・・」
俺の名前を知ってる・・・。
まさか。
「あなたを探してました」
そう言うと、右手を俺の肩から外した。
すると、手が変化していき、鋭利な爪になった。
ガキンッ!!
女の子が右手の爪を振るった時、咄嗟に飛燕を出して防ぎ、後ろに下がった。
「っぶねぇ」
俺の名前を知ってる時点で怪しいと思ったが、やっぱり宇宙人だったか。
「で、何のつもりだ?」
まあ今の行動で分かっちゃいるけどな。
「ある方からあなたの抹殺の依頼をされました」
女の子は右手をさらに変化させて、右腕全体を大きな刃物に変化させた。
「恨みはありませんが・・・消えてもらいます」
俺の予想通り展開。
『海翔、どうするの?』
「とりあえず、場所を移動する」
こんな町中でおっ始めるのはまずいからな。
俺はたい焼きを買い物袋にしまって、走り出した。
「逃がしません」
女の子は右腕を構えて、俺を追ってきた。
三人称side
同時刻。
鈴村邸の海翔の部屋では、ララがザスティンからお小遣いをもらっていた。
「ララ様、これが今月分のお小遣いです。無駄遣いする事ないように」
「はーい♬」
「ところで、ララ様。海翔殿の姿が見えませんが?」
「海翔ならお買い物に行ってるよ!」
その時、部屋に通知音が鳴った。
「?何事です、ララ様」
「私の研究室からだ」
ララは海翔の部屋のクローゼットに自分の部屋を作り、そこで発明品の開発を行っている。
ララとザスティンはクローゼットを開け中に入ると、モニターから音声が聞こえてきた。
【やっほー、ララたーん♡ボクだよ、もちろん覚えてるよねぇ】
砂嵐の画面が徐々に鮮明になっていき、人物が映し出された。
「げっラコスポ!?」
【そう!!ガーマ星の王子にしてキミの婚約者候補No.1!!ラコスポだよーー!!!】
画面に映し出されたのは、緑色の肌をした二頭身の宇宙人__ラコスポだった。
その周りには色んな宇宙人の美女が4人いた。
【今日はさぁ地球にララたんを迎えに来たんだよ。だからさぁ早く結婚しよーよォ】
ラコスポはララに結婚の催促をしてきた。
【ララたんには特別にボクちんの隣に特等席を用意させてあげるからさ!】
「べーーっお断り!知らないの!?私地球ですっごくいい人見つけたんだから!!」
ラコスポの要求をララはあっかんべーして断った。
【・・・鈴村海翔の事かい?でも彼はもう、この世にいないかもしれないよ〜〜ぷぷぷっ】
「!?どういう事!?海翔に何かしたの!?」
ラコスポの言葉にララが焦る。
【”金色の闇”って知ってる?】
「ヤミ?」
「!!」
ララは知らない様子だったが、ザスティンは驚愕した。
【コードネーム”金色の闇”!!全身を自在に武器に変化させる能力、
【彼女に鈴村海翔の抹殺を依頼したんだぁ!もう彼の事は諦めた方がいいよ〜〜ん♬】
海翔に金色の闇という暗殺者を迎えさせたことを伝えるラコスポ。
【それじゃ近いうちに迎えに行くから!待っててねーララたーん♡】
そう言うとラコスポは通信を切った。
「・・・・海翔!!」
「ララ様!私も行きます!!」
ララは部屋から出て行き、ザスティンも後に続いた。
「(まさか”金色の闇”とは・・・宇宙でもトップクラスの危険人物・・・やっかいな事になったぞ・・・!!海翔殿、どうかご無事で・・・!!)」
三人称side out
謎の金髪ロングヘアーの女の子の宇宙人の攻撃を飛燕で防いだり躱したりして、商店街を走っている。
女の子の足がでかい鉄球に変化して、俺に振り下ろしてきた。
「あっぶねぇ!」
俺はそれをロンダートの要領で前に回避した。
「なるほど。体中を武器に変化させる能力か」
俺は走りながら敵の能力を分析した。
「ちょろちょろ逃げまわらないでください」
女の子は右手を鎌状にして振るってきた。
「おっと!」
鎌を飛燕で防ぎ、蹴りで返した。
『どこまで行くつもり?』
「街から出る。ここじゃ人が多すぎる」
こんな所でやれば他の人にも被害がおよぶ。
そう思ってる間にも女の子は攻撃をしてきた。
俺は急いで商店街から出た。
走っていると誰もいない神社が見えた。
「あそこだ」
俺は階段を駆け上がって、神社の中に入った。
「ようやく逃げるのをやめましたか?」
女の子は空から降りてきた。
「ああ、逃げるのはもうやめたさ」
「でしたら、潔く私に殺されてください」
「それは御免こうむる」
俺はラルヴァから魔戒剣を出してもらい、鞘から剣を抜いた。
「訳も分からないまま殺されるわけにはいかないからな、抵抗させてもらうぞ」
「そうですか・・・ですが、私のやることは変わりません」
俺と女の子は同時に駆け出した。
ガキンッ!!
俺の剣と女の子の右腕の刃がぶつかり、火花が散った。
数秒拮抗していたが、また同時に距離を取り、女の子が刃を水平に振るってきた。
それを躱し、魔戒剣を左に振った。
だが、女の子は左腕も刃に変化させ、魔戒剣を受け止めた。
そして右腕の刃を逆の方向から振るってきた。
俺は体を反らせて躱し、その勢いで後ろにダブルコースクリューの要領で距離を取った。
女の子は金髪の髪の毛を4本の腕に変化させた。
「体だけじゃなくて髪の毛も変化させることができるってわけか」
正しく全身武器だな。
女の子は4本の腕を拳状にして殴りかかってきた。
「はっ!せいっ!はっ!」
俺はサイドフリップ、側転、バク転と後ろに飛びながら4本の拳を躱した。
女の子は一気に距離を詰め、右腕の刃で斬り掛かってきた。
俺は刃を魔戒剣で受け止めたが、すかさず女の子は左手を鋭利な爪に変化させ、俺の顔面に突いてきた。
それを当たる直前に飛燕で防いだ。
俺と女の子はまた後ろ距離を取った。
「(この子、強い)」
俺は魔戒剣と飛燕を構えながら、思った。
前に戦ったヘビンとケビンなんかとは比べ物にならないほどの強さだ。
「あなた強いですね。正直予想外でした」
「そっちもな。なかなかやるな」
さて、どうするか・・・。
いっそ鎧を召喚するか?
だが、本気で殺しにきているとはいえ、こんな可愛い女の子に鎧を使うのは気が引ける。
「海翔ーーーッ!!」
その時、俺を呼ぶ声が聞こえてきた。
見ると、ララが空から飛んできた。
「良かった!海翔、大丈夫!?」
ララが俺の隣に舞い降りた。
「大丈夫ってララ、この状況何か知っているのか?」
「うん!あの人はね、私の婚約者候補の一人のラコスポが雇った殺し屋さんなの!」
「やっぱりな」
俺の予想通りだったな。
「あなたがララ・サタリン・デビルークですね。銀河の覇者、デビルークの
すると、女の子__金色の闇が口を開いた。
「邪魔しないでください。
「そうはいかないよ!海翔は私の大切な人なんだからっ」
「?なぜ鈴村海翔をかばうのですか?」
ララの言葉に金色の闇が怪訝な顔をした。
「鈴村海翔はあなたを脅迫し、デビルーク乗っ取りを企てる極悪人だと依頼主からは聞いています」
「おい、何だそのデマは!?」
金色の闇の言葉に俺は思わず声を出した。
「そうだよ!海翔はそんな人じゃないよ」
「・・・・・・そうかもしれませんね」
「なら「でも」
ララの言葉を金色の闇が遮った。
「依頼されれば、どんな人物だろうと始末する・・・それが私”金色の闇”の仕事です」
無表情だが、しっかりとした目で言った。
「えーーっ!?だめだよ、そんなの!!」
金色の闇の言葉にララが慌てた様子で言った。
「・・・・あなたには分からないでしょうね」
「たった一人でこの宇宙を生きる孤独など、温室育ちのプリンセスのあなたには」
金色の闇の顔に陰がささった。
『(あの子、どんな闇を見てきたんでしょうね)』
暗殺なんてやっているんだ。
多くの人の闇を嫌と言うほど見たんだろう。
「・・・そうだね、その通りだね」
金色の闇の言葉にララが静かに答えた。
「だから王宮の外の世界を見に来たんだよ!私の知らない事、まだまだたーくさんあるんだから!」
ララが笑顔で言った。
ララ・・・・。
本当にどこまでいってもララなんだな。
【何やってるんだもん金色の闇!!お前の相手はララたんじゃないはずだろ〜!!】
その時、頭上から声が聞こえてきた。
見ると、円盤型のザ・宇宙船というべき飛行船が現れた。
そして宇宙船から光が照らされ、何かが降りてきた。
「ジャジャーン!!ラコスポただいま参上ーだもん!!」
現れたのは緑色の肌をした二頭身の宇宙人だった。
「ラコスポ!」
ララが驚いた様子で言った。
あいつが今回の騒動の元凶の宇宙人か。
『素手でも倒せそうな宇宙人ね』
確かに。
すごく弱そうだ。
「ララたーん、迎えに来たよ!!さぁボクたんと結婚しよー♡」
「やだよ!ラコスポとなんて!殺し屋さんに海翔を殺させようとするなんて最低!!」
ラコスポの言葉にララは怒った顔をして拒否をした。
「サ・・・サイテー!?」
「そーだよ!そんなひどい人とは絶対結婚なんかしないんだから!」
ララはさらに言葉を続けた。
「ララたん・・・・何で分かってくれないの〜〜〜〜・・・こんなにララたんのこと想っているのに〜」
小さい声で何かブツブツ言っているラコスポだが、突然俺の方を見て睨んできた。
「やっぱお前のせいだもん鈴村海翔!!よくもララたんをそそのかして〜!!」
俺に向かって怒鳴ってきた。
別にそそのかしてなんかいないんだが。
「お前もだもん、金色の闇!今まで何してんだもん!予定ではとっくにあいつを始末してるはずだろ〜〜〜!!」
ラコスポは今度は金色の闇に矛先を向けた。
「ラコスポ・・・ちょうど良かった。私もあなたに話があります」
金色の闇は動じることなくラコスポに言った。
「鈴村海翔の
「!?」
「
金色の闇がラコスポに射抜くような目をして言った。
「う・・・うるさい!鈴村海翔はララたんを騙す悪いやつだ!!ボクたんが嘘を言う訳ないだろ〜」
ラコスポが焦った様子で言った。
こいつ演技下手だな。
「ヤミちゃん!ラコスポの言う事なんて信じちゃダメだよ!!」
『ヤ、ヤミちゃん?』
ララが金色の闇を愛称で呼び始めた。
ペケもかなり戸惑っていた。
金色の闇は変わらず鋭い視線でラコスポを見ていた。
「な・・・なんだもんその目は!ボクたんは依頼主だぞ!!」
この場に誰ひとり味方がいなくなったラコスポ。
「ぐぬぬぬ・・・こーなったら・・・出てこーい!!ガマたん!!」
ラコスポが手を挙げると宇宙船から光がラコスポにさした。
「二”ャーーーー」
すると、現れたのは巨大な緑色の蛙だった。
ラコスポはその巨大蛙の上に乗っていた。
「さァガマたん!!お前の恐ろしさ見せてやるもん!!」
ラコスポの声とともに巨大蛙が金色の闇に向かって何かを吐き出した。
それは粘液みたいなものだったが、金色の闇は難なく避ける。
だが、地面から跳ねた粘液が金色の闇の服に当たった。
「!!服が・・・!!」
粘液が当たったところの部分が溶けて肌が露出してしまった。
「ひゃはは!ガマたんの粘液は都合よく服だけ溶かすんだもん♡だーからボクたんのお気に入りのペットなんだな!!」
何だ、その能力。
宇宙の生物って何でもアリだな。
「さぁ!すっぽんぽんにしてやるもん!金色の闇!!」
「そんな不条理な生物・・・認めません!」
金色の闇は右腕を刃に変化させ、巨大蛙に向かった。
巨大蛙は舌を出し、金色の闇は舌に斬り掛かった。
だが、粘液で纏われた舌は斬れなかった。
そのまま舌で吹き飛ばされてしまった。
「ヤミちゃんっ!」
ララが飛んで、金色の闇を抱きとめた。
だが、そのまま2人で地面に落ちて、尻もちをついた。
「ヤミちゃん、大丈夫!?」
「プ、プリンセス・・・」
金色の闇を心配するララとそのララの様子に戸惑っている顔をしている金色の闇。
「隙ありだもーーん!!ララたん共々全裸決定ーー!!」
巨大蛙の粘液が2人に目掛けて飛ばされた。
「させるかよ!!」
俺は2人と粘液の間に素早く移動し、鎧を召喚した。
鎧に当たった粘液は、すぐに蒸発した。
「な、何ーーー!!?」
「鈴村海翔・・・っ!?」
ラコスポと金色の闇が驚きの声を上げる。
「ララ、取り敢えずこれをその子に掛けてくれ」
「うん!」
俺は予め脱いでいた上着をララに渡した。
「さて、よくも俺のデマを吹き込んでくれたな」
俺はラコスポに向き直り、鎧越しに睨みつけた。
「う、うるさい!!お前がいなければララたんはボクたんと結婚してたんだもん!!」
「ララ本人はお前のこと嫌っているが?」
「うるさーーい!!!いけ、ガマたん!!」
巨大蛙が舌を出して、俺を縛り付けた。
「そのまま、ぺしゃんこにするんだもん!!」
ラコスポが巨大蛙に命令する。
だが、残念だったな。
それは悪手だ。
ジュウウウウッ
「二”ャ”ャ”ャ”ャ”ャ”ャ”ーーーーッ!!?」
「ガ、ガマたん!!?どうしたんだもん!!?」
巨大蛙はすぐに舌を引っ込めて、悶えるように暴れまわった。
ソウルメタルで出来た鎧の表面は常に超振動で発熱している。
直に触れれば皮膚を貫き、焼かれてしまう。
「はぁぁぁ・・・はあっ!!」
俺はこの隙に瞬迅剣に雷を纏わせ、ラコスポと巨大蛙に振るった*1。
『アオーーーーンッ!!!』
剣から放たれた雷は狼となり、ラコスポと巨大蛙に直撃した。
「あばばばばばばっ!!!(二”ャ”二”ャ”二”ャ”二”ャ”二”ャ”!!!)」
ラコスポと巨大蛙は痺れて、真っ黒に焦げた。
「海翔!あとは私がやるよ!!」
後ろにいたララが前にでてきた。
「ラコスポ!!いい加減に___」
「しなさーーーーい!!!」
ララは百裂拳ばりの連打をラコスポと巨大蛙に浴びせた。
そして、そのまま空の彼方に消えていった。
「ふぅーっ、全くとんでもないヤツだったね!」
ララが腰に手を当て、頬を膨らませていた。
『ララってあんなに強かったのね』
「ああ。全くの予想外だった」
鎧を返還して、答えた。
だが、考えると父親が銀河の王だから、その血がララに流れているからあんな強さがあっても不思議じゃないかもしれんな。
「強いじゃないですかプリンセス・・・」
金色の闇もララの強さに唖然としていた。
「どうして敵である私を助けたんですか?鈴村海翔、あなたも・・・」
金色の闇が不思議そうに言った。
「だって元々悪いのはラコスポだもん。それにヤミちゃんみたいな可愛い女の子にひどい事するなんて許せないしっ!ねっ海翔!」
「騒動の元凶ではあったがな」
俺のデマを流したやつだし。
「か、可愛い・・・?わ、私が・・ですか?」
その時、金色の闇が頬を赤くし、動揺していた。
「?うん、ヤミちゃんすごく可愛いよ。ねぇ海翔?」
「ん?ああそうだな」
金色の闇は、商店街で会った時から美少女って思っていた。
「どうしたのヤミちゃん?」
「あ・・・いえ・・・そんな風に言われたのは・・・初めてなので・・・」
そう言うと金色の闇は赤くしたまま、俯いた。
「ところで、ララ。さっきから〈ヤミちゃん〉っていうのは何だ?」
「え?だって”金色の闇”って名前なんでしょう?」
『それ名前じゃなくてコードネームだと思うわ』
ララの言葉にラルヴァがツッコむ。
「別にいいですよ、何でも・・・名前になんか興味ないですし・・・」
金色の闇__いや、俺もララにならってヤミと呼ぼう。
ヤミが淡々と言った。
『で、あなたはこれからどうするの?』
「どう・・・とは?」
ラルヴァの言葉にヤミが疑問を浮かべた。
『偽りの情報だったとはいえ、ラコスポはあなたに海翔を暗殺の依頼をしたけど、本人はもういないからあなたの契約は帳消しになったわ』
ラルヴァの言葉に俺も考えた。
つまり、俺はヤミの依頼をなかったことにしてしまったということか。
そう思うと、妙な罪悪感が芽生えてしまった。
うーん、どうしたものか・・・。
その時、さっき言ったヤミの言葉を思い出した。
『あなたには分からないでしょうね、たった一人でこの宇宙を生きる孤独など』
「なぁ、ヤミ。あっ俺もヤミって呼んでいいか?」
「・・・構いません。それで、何ですか?」
「お前に1つ依頼してもいいか?」
「・・・依頼?」
「ああ」
俺はヤミにある依頼をした。
ヤミside
彩南町という地球の町を見渡せるビルの上で、私は立っていた。
この町・・・ひいてはこの地球という惑星に訪れたのは、ある目的のため。
それは銀河の覇者であるデビルーク王の娘、プリンセス・ララを誘拐した地球人・鈴村海翔を暗殺するため。
地球人はひ弱な種族と聞いており、すぐに終わると思っていたが、実際はそうではなかった。
鈴村海翔は私の
・・・いえ、もしかしたら本気ではなかったかもしれない。
「・・・鈴村海翔」
私の体に掛けている彼の上着をぎゅっと握りしめた。
今回の依頼主であるラコスポのペットのえっちぃ攻撃で普段着ている服が溶かされ、それを隠すために彼から貸してもらっている上着。
鈴村海翔はいつでも返してもいいと言ってくれたが、近い内に返しにいこう。
あまり借りを長引かせるのは、私としては居心地が良くない。
そう心に決めたと同時に、彼の最後の言葉を思い出す。
【しばらくこの地球に滞在したらどうだ?】
【滞在?】
【ああ。今までとは違った生き方が見つかるかもしれないしな】
【・・・・なぜ、私にそんな依頼を?】
【余計なお世話だけどさ、広い宇宙でたった一人で生きて行くのは寂しすぎるからさ。俺もできる限りのサポートはするから】
【私も私も!もっとヤミちゃんと仲良くなりたい!】
【プリンセス・・・】
【で、どうかな?】
【・・・・・・・】
私は少し悩んで、鈴村海翔の依頼を受けることにした。
こんな依頼をするなんて・・・鈴村海翔・・・変わった地球人ですね。
「暗殺以外の生き方・・・ですか」
今まで暗殺以外の生き方なんて考えもしなかった。
「この地球で・・・見つかるでしょうか・・・」
そう思いながら、私は背中から翼を出し、空に飛び立った。
ヤミside end
いかがだったでしょうか。
ということで、ヤミ登場です。
ヤミとの戦闘描写で今まで一番長く書きました。
そして、クリスマスパーティーですか大変申し訳ございませんが、省略させてもらいました。
書くと、多分原作とあまり変わらないと思うし、何より私の頭がこんがらがってしまいます・・・。
ご容赦ください・・・・。
ヤミと主人公とどう絡ませていくか、まだまだ手探りですが、みなさんを楽しませれるよう頑張ります!
それでは、次回!