※この作品はR-18です。

ワールドトリガーのヒロインたちが色々な目に遭うお話   作:名無犬

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お待たせしました!
いやー、私生活の忙しさと納得のいかなさが筆を止める止める。
しかしてここに千佳ちゃん編第二部をお届けです。
ねちっこさって、文章で表現するの難しい


雨取千佳の場合 その2

「んなぁっ!? な、何これぇ……」

 

 千佳は口元に息遣いのようなものを感じたかと思うと、次の瞬間には唇に圧を掛けられた感触を得る。

 とうとう息遣いという微妙な感触までも伝えるようになった同調の度合いながら、その寸前に自分が(自覚のない)喘ぎ声を出してしまった混乱がまだ治まっていないため、自分のファーストキスが今まさに奪われたことに即座に思い至ることが出来ない。

 しかし、押し当てたられた何かが唇を啄み出したことで、さしもの混乱中の千佳もそれがなんの感触であるかを理解した。

 

(あぁ……わたし、ファーストキスを今奪われているんだ……)

 

 男に体を弄られだしてからこっち、一番の絶望が千佳を襲う。千佳とて女の子、人並みに初キスへの憧れや理想は持ち合わせていた。それがまさか顔も分からない、自分に今変態的行為を働いている人間によるものとは、当然思いも望みもしていなかった。

 

「あっ……やだ……ぁ」

 

 先程まで乳首にあった感触が唇を舐り、何者かがその形をなぞるように千佳を穢していることが分かる。

 言葉を発せるにも関わらず唇へは常に感触が襲う違和感は、嫌悪感をいや増すものだ。

 それなのに悪戯の手は止まらない。乳首にされたのと同じく啄まれ、舐られ、吸われるごとに、千佳を気持ち悪さが苛んで嘔吐感さえ覚えさせる。

 

「うぇっ……なんっ、なんでっこんなのっ……」

 

 口が開いてないのに唇の間に何物かが挟まったような感覚の後、千佳の口内を見えない舌が舐め取りだした。

 

「おぇぅ……んにぁ……」

 

 歯を、歯茎を、唇の裏を満遍なく蹂躙されて、千佳の嘔吐きがいよいよ本格的になり、実際は感触だけしかないのに言葉を発する気が失せていく。代わりに口から漏れ出すのは、まるで本当に強引に口内を舐められているかのような音になっていく。

 それに加えて、右の掌が他人の掌に包まれるように、指の間に指が入り込む、少女漫画で抱き合う恋人たちが手を絡ませあったときの感覚ってこんな感じかな、と場違いにも想起させる触感があった。それと共に、自身の背中に圧を与えられ、胸から何か堅く、それでいてどこか弾力あるものに押し付けられるような感触から間もなく、後ろの圧がさらに強くなる。

 これは、抱きしめられていると千佳でも分かる感触の動きだったが、その間も口内への蹂躙は変わらないにも関わらず、なにか大きなものに包まれるようなあってはならない安心感のような錯覚を彼女に与えてしまう。

 

(あ、強い……けど、優し…い?)

 

 油断だった。隙を攻められ、守勢にまわることも出来ない状況で、安堵を錯覚させられ、千佳の感覚がおかしくなっていた。

 そして舌は、その油断を好機とでも言うように更なる進撃を開始する。

 

「んむぁぅぅっ!?」

 

 素っ頓狂な声が上がる。固く閉じられていた歯と歯の間に、先程唇にそうされたと同じ感覚。噛み合わせているのに、顎が割り開かれ舌が舌に絡め取られる最悪の嫌悪感が、千佳の油断を一気に攻めたてんと暴れまわる。

 

(いやいやいやいやいやいやぁ! ふぁ……やめてぇ……優しいのと激しいの順番にしないでぇ……)

「んっふ!……むぅぅぅん! ふぅん♡」

 

 上に下に、左に右に、自分の舌がそうなるように千佳の心も翻弄される。先程までは気持ち悪いばかりだった与えられ続ける感触が、乳首にされた時同様に不思議なあの感覚を与え始めているような気にさえなってくる。

 のみならず、舌が千佳の上口蓋をなぞる感覚に、久々のくすぐったさが与えられて、口を閉じながらも漏れ出てしまった息には先刻ほどと同様の艶があった。

 

(ま、またぁ……わたしの、変な音ぉ……)

 

 あの自分が出したとは思えない音が、先程と同じような感覚とともに漏れ出てしまったことで、千佳の中で感触と自分の異常とがリンクされる。あの感覚が来てしまうから、変な音を出してしまう自分がいる、という事実が、自覚となって押し寄せる。

 そんな千佳を狙い澄ますように、何者かの舌は千佳の敏感な上口蓋と軟口蓋の間を突付くように動く。同時に、喉の奥へと液体が流れ込むような感覚に、

 

「んんぉ……じゅるっ……こふっ」

 

 飲み込みと共に咽る音が出た。それは、現実の身体が出した音と全く同じであることに、しかし千佳が気づくはずもない。

 

「ん、んにぅ……れるっ」

 

 それどころか、無意識に見えない舌を探るように千佳の舌が動いていた。己の頬の裏を擦るだけで終わってしまう程度の動きだったが、勿論その頃生身の千佳は、反射的に男の舌に自分のものを絡めている。

 そして、千佳に、そのトリオン体に、とうとうあり得てはならない異変が起きた。

 

とろっ

 

 その音は、音としてのものではなく、千佳の感覚の一つを擬音化したものだが、千佳の脳裏にはやけに明瞭に響いた気がした。

 感覚の元は、両の脚の付け根。千佳は未だ己では排泄にしか使ったことのないそこから、何かが漏れたことを明確に感じ取っていた。

 

(!!!? わ、わたっ、しっ……おもら……)

 

 経験と知識の浅さが、それをかつて幼少の頃に経験したそれと結びつけるが、下着が貼り付いてくるような感覚が同時に違和感を告げる。

 そもそも、トリオン体にそんな機能はないことくらい千佳でも知っている。だとしたらこれは、間違いなく自分の生身に起こっていることだということくらい分かる。

 あの変な、芯から上がってくるような不思議な感覚のとき、自分から変な声が出ること。変な声とともに、自分のおまたに既知に近い、けれども未知の感覚があったこと。これらの事実が、しかし事実であるが故に知識としてそれを得ていない千佳にはどういうことか分からない。

 

――自分の性感という蕾が花開き始めたことに、気がつけない。

 

 それが、致命的だった。右手が感触から解かれる。

 

(え? どうして?)

 

 千佳の戸惑いを置き去りにして、口内への進撃は続いたまま、男の手が下へと動くのが、密着している状態であるが故に感覚のみでも千佳に伝わった。

 

(まさかまさかまさか! ……だめ、いまそこ触っちゃだめぇぇぇぇ!)

 

 内心で上げた拒絶の悲鳴は、勿論男には届くわけもない。届いたとして、男が止まるわけもない。

 そして男の指がほどなくそこに触れた。布越しだが、確かに、そこに触られた。千佳の未開の聖域――おまんこに。

 

「駄目っ……」

 

 その瞬間、千佳の意識が消えた。

 

 

 

 

 

 

 

くちっ

 

 男が少女の陰唇にパンティ越しに触れた瞬間、それが布越しだったが故に明確に、男に少女の今の状況を伝えた。同時に、男はあり得ないほどの刹那でそれを認識する。

 

(ん? まさかこれって……)

 

 認識から男が思考する間を置くでもなかった。認識を確認すべく、男が唇を離すか離さないかの刹那の次の瞬間――

 

「駄目っ……」

「は?」

「………………………………え?」

 

 少女の目が開き、超至近距離で男の目とばっちり合った。

 思わず呆けた声が出て、顔と顔が離れる。それから少し遅れて、千佳の方からも呆けた声が出た。

 

「…………………………」

「…………………………ふむ」

 

 突然の驚きから復帰するのは、当然というべきか男の方が早かった。同調するほどに目覚ましくなっていく少女の反応から、いずれこういう自体になるかもしれないと、予想というか期待していた男と、予期さえしていなかった千佳との差は大きく、男は何事もなかったかように千佳に再び口づけて、更にはその左手で千佳の陰唇をパンティ上から捏ね始めた。

 

(!?!?!!?!!!?なんでなんでなんでなんだなんでなんでなんでなんでなんでなんで?!!?なんでなんでなんでなんでぇ!)

 

 千佳の驚愕はあまりにも大きく、思考にさえ疑問のこえしか上がることがない。

 先程までと同じ、しかし鮮やかさは比べるべくもない感覚が、千佳の口内と股間に炸裂する。

 どちらも誰にも触られたところのない、下に至っては自分でさえもそんな触り方をしたことがない所であり、与えられる未知の、しかしここまでに何度も与えられた感覚が、先刻までの数倍以上の明確さを持って千佳を埋め尽くしていく。

 混乱し続ける千佳には、その与えられ湧き上がる感覚の名前が「快楽」という名を持つことなど気付けもしない。

 それに伴って秘所から湧き出る液体の名が「愛液」と呼ばれる分泌液であることも、それが女性の快感に伴って分泌されることも知る訳がない。

 

 れろっ、ふにふに、ちゅぱっ、むにむに、れろれろ

「んぇぅ……にゃぁ!?んふぅ……んやぁ、れるれる」

 

 男の股間への愛撫と口内への蹂躙。その二つは相乗するように、千佳からあの感覚――快楽を引き出し始める。

 徐々にパンティの湿り気が増し、仄温かくなっていく。それをおもらしと誤解している千佳は羞恥やら混乱やらでもう何がなんだか分からない。

 こうして体に意識が戻ったにも関わらず変わらないどころか、感覚的には数倍になった男の行動は、少女の開花をさらに促し続ける。

 

「や、やぇぇぇぇ……」

「ぷはっ、やめるわけ無いでしょ。んむっ」

「そんっ、むぁぁぁ……れろ……」

 

 千佳の微かばかりの抗議に一瞬だけ唇を離して短く拒否した男は、再び己のそれで彼女の可憐な唇を塞ぐ。

 その一瞬だけ途切れた快楽が再開され、千佳の性感は本人の知らぬうちに昂ぶっていく。その証拠となるおまんこからの愛液も、同様に増える。

 口内のみならず、男の左手もまた器用に動き、陰唇を捏ねたり摘んだり、布越しに開いてみたり、時折更に敏感なとある部分に触れそうで触れない位置を軽めに擦ってみたりする。

 

 こねこね、むにむに、くぱぁ、すりすり

「うぇぁ♡……ちゅぱぁ、ふむぅぅ!? ふはぁん♡」

 

 かと思えば、おまんこから手を離して乳首いじめを再開したりする。

 

 ふにっ、くりくりっ、ぴんっ

「れらぁ……んんぅ♡ んふぅん♡」

 

(いやっ♡ やめっ、おか、おかしくなるぅ♡ 身体が、あううん……違うぅ、わたし、わたしがぁ♡ おかしくされてるぅ……)

 

 千佳の身体は先程からぴくっぴくっと弱い痙攣を起こしていた。それは男の責めに応じた動きであり、そのたびに千佳には「あの謎の感じ」が襲う。

 口の端からはよだれを垂れ流し、股ぐらからの愛液がパンティを染め上げる。

 決して長い時間というわけでもないが、短くもない時間に多くの責めに遭い、千佳の身体が男のそれを覚えてしまっている。意識が身体に戻ったことで、トリオン体の時よりもさらに強くそれらを感じてしまった千佳は、とうとう男の開発に屈し始めていた。

 それを感じたのか、男が責めを止め、千佳から身体を離す。

 

「んぇあ……? お、おわりでしゅか?」

 

 長きに渡るベロチュー責めによりもはや呂律も怪しい千佳の身体は上気しており、白い肌に浮かび上がった桃色が扇情的ですらある。蕩けた眼差しは男から離れず、その視線を受けた男は、しかし少女の希望に応えるつもりはない。

 

「どうしよっかなぁ」

「もう、や、やめへ、くだしゃい……お願いしましゅ」

「そうだなぁ。じゃあ、何個か質問に答えてよ。そしたら考えてあげる」

 

 にこやかに笑みを浮かべる男を見て、千佳は助かる可能性にわずかな喜びを得る。よくみれば優しげな風貌なのではないかとさえ男を見て思うほどに。

 

「じゃあひとつめ、君の名前は?」

「ち、ちか……あまどり、ちか……れす」

 

 簡単な質問だった。意図さえわからないほどに。

 

「ふたつめ、何歳?」

「じゅう、よんさい」

 

 またも簡単な質問だった。これでいいのかと思うほどに。

 

「みっつめ、好きな人はいる? あ、もしくは親しい異性はいる?」

「しゅきっ!? い、いましぇん……よくしてくれる人たちなら、いっぱい」

「……ふぅん。その人たちにはいつか恩返ししたい?」

「もちろん、です。いっぱい、いっぱい助けられてばかりで……」

 

 また簡単な質問。答えなど向こうも分かってるんじゃないかと思うほどの。

 

「よっつめ。いつつめか? まあいいや。チカちゃん、身体動く?」

「えっ? ……あれ、う、うごきません……」

 

 そして、次の質問で初めて、千佳は己の身に男以外の脅威が起こっていることを知った。

 

「むっつめ。チュッ。……今したことは何?」

「んむっ!? ……き、キス……です」

 

 しかしその危機感は、男の次の行動と質問で流されてしまった。

 そこから、男は一言で答えられるような質問ばかりを矢継ぎ早に浴びせてきた。

 動かない身体への意識さえ飛ぶほどに、千佳に思考の隙を与えず繰り返されるそれに答えていく。

 

「えー、じゃあここはなーんだ?」

くにくにっ

「あぅんっ♡ ……お、おっぱい、です」

「えー? ここだよ、こ・こ」

ぴぃんっ

「ひぃんっ♡ ち、ちくびですぅ」

「よしよし、じゃあここは?」

くちゅ

「いやっ、そこ触っちゃ!」

「ソコサワッチャ? 本当にそれでいいのぉ?」

くぱぁ

「ふひゃっ、お、おまたぁ♡ おまたですぅ」

「うーん、まあ正解でいいや。でもね、ここは『おまんこ』って言ってほしいなぁ」

「お、おまん、こ?」

「はいよく言えましたー」

くちゅくちゅくちゅぅ

「ふぁぁぁぁぁぁ!?♡」

 

 そして、次第に質問というか、問題の体を成した責めに変わっていた。

 

「や、やめてぇ」

「うーん、わかったよ。チカちゃん、やめたげるね」

 

 耐えかねて、再度の抗議を無駄と知りつつ試みた千佳から、しかし男はそこであっさりと離れた。

 

(えっ、本当にやめてくれるの?)

 

 どころか、千佳の脱がされた衣類を男は拾い集め始める。まるでこれから動かぬ千佳に着せようとするかのように。

 

(あ、あ、あ……良かった、やめて、くれるんだ……)

 

 安堵が千佳を包む。男が最後の衣類、ブラを拾い上げ、こちらに戻ってくる。

 

「これで全部だね。ごめんね、チカちゃんがあんまりにも可愛かったからさ」

「か、かわいい?」

「そ、だから夢中になっちゃって、ブラなんか思ったより遠くまで投げちゃってた」

「べ、別にそれは、大丈夫、ですよ?」

「ほんと? チカちゃん優しいね、許してくれる?」

「は、はい」

「ちなみにまだ身体は動けないの?」

「そう、みたいです……」

「……そう。そんな状況なのにこんな自分を許すだなんて、本当に優しいんだね」

 

 自分を可愛いと言い、困ったように笑う男に、千佳は生来の優しさで許しを与えようと思った。ファーストキスも奪われ、体を散々にいじくり回されたが、今となっては許して解放されたかったという気持ちもある。

 だが、そんな優しい千佳だから、

 

「じゃ、約束通り。今までの練習はやめて本番をしてあげるね」

 

 次に続けられた男の言葉が、本気で分からなかった。

 

「へ?」

 

 ドサドサドサっ

 男の手から集められた千佳の衣類が全て落ちる。自分の傍らに散らばったそれらに意識が奪われた隙を突いて、男が千佳の濡れたパンティをすばやく剥ぎ取った。

 今度こそ、一糸纏わぬ姿となった千佳のシミ一つない幼い裸体が、男の前に余すところなく晒される。

 

「え、なんでっ……い、いやあああああああ!」

 

 小さいながらもちゃんと膨らみのあるおっぱいも、その頂点にある勃ち上がった桜色の乳首も、なだらかなお腹も、成長期でわずかにくびれを生じ始めたウエストも、発毛の兆しもないつるつるのおまんこも、すべてを男につぶさに観察され、解放されると思っていた安堵から突き落とされた絶望に、千佳の口から悲鳴が上がる。

 

「やめるってぇ! やめるって言ったのにぃ! 嘘つき嘘つきぃ!」

「嘘なんかついてないよ心外な。約束通りやめてあげたでしょ『練習』は。ほら、あんよ開こうねー」

 

 動かない千佳の足首を両手でそれぞれ掴むと、男はそれを大きく開かせた。

 当然、股の間にある千佳の女の子が男の眼前に広げられる。

 

「〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!」

「うっわ。感動だ……これがチカちゃんのパイパンまんこ……」

 

 悲鳴はもはや声にもならず、身を裂くほどの羞恥が千歌を支配する。

 愛液に濡れてテラテラとしながらもぴったりと閉じた千佳のおまんこは、悶たくとも動かない千佳の身体の代わりを果たすかのように、ひくひくと微かに動く。男の鼻息が荒くなって、そのおまんこに吹きかかった。

 

「んひぃぃ!?♡」

「あ、ごめんごめん。つい息が。あ、ちなみに動けないのなんでか分かる?」

 

 今まで晒したこともないところに息を吹きかけられて、思わず「あの変な声」が今までで一番大きく出てしまった。そこに意識を向かせまいとでも言うように、絶妙に差し挟まれる男の言葉に、千佳の意識はまんまと捕らわれる。

 

「……え、なんで……?」

「まあ詳しい説明は省くんだけどさ。いまチカちゃんの状況って、『トリオン体が起きているのに意識だけがトリガー内の生身の身体に戻ってしまった状態』なわけ。きっと同調が進んだせいで意識総体が本来あるべき生身の方に移っちゃって、だけど同調しているトリオン体は破壊されずに残ってるわけ。普通なら意識が戻ったことで、トリオン体は制御を失って自壊するなり格納されるなりするんだろうけど、トリオンが同調したままだからそれが起こらず、結果としてトリオン体に行動総体が残されたままになってるんだね。要するに、いまチカちゃんの身体を動かすためのプログラムはあるけど、ハードがちぐはぐで誤作動起こしてるような状態って理解してもらえる?」

 

 男は本当に、煩悩さえ排せれば優秀な人間だった。なにせ、これを説明することだって策のうちなのだから。

 

「?????」

 

 勿論千佳は、そんな「動けない理由」をわざわざ説明する意味がわからないため、戸惑う。それこそが、男の誘導だった。

 

「つまりぃ……こんなことされても、感覚だけで動けないって分かってほしいんだよね。はむっ」

「んきゃあああああああ!?♡」

 

 戸惑う千佳のおまんこめがけて、男の頭が迫ったかと思うと、なんの躊躇いもなく千佳のつるつるのそれを男の口が塞いだのである。

 

 んちゅんちゅんちゅ、れろんっ

「んひゅぅぅぅぅう!? んにゃぁん♡」

 

 とんでもない程の衝撃だった。いろんな意味で。

 

「いやいやいやいやっ! そんなっ、とこぉっ! きたない、のにぃ!♡」

 

 千佳の持つ知識では、そこは排泄のための器官だ。おしっこが出るところだ。というより、認識の上では既にお漏らしをしていると思っている。そんなところに口をつけられ、あまつさえ舐められ、吸われている。ありえないことを躊躇いもせずに行った男に驚愕するやら軽蔑するやら、千佳の頭の中はめまぐるしく入れ替わる感情で大荒れだ。

 男は暫くその口で千佳のおまんこを堪能すると、ちゅぽっとわざと音を立てて離した。その刺激で千佳の身体がまたも震える。

 

「やぁん♡」

「ふう、いい声出るようになってきたね。おまんこも段々出来上がってきた。でもね、まだまだ行くよ」

「ひぁ、まだ、するん、です、かぁ……」

 

 息も絶え絶えになりつつある千佳には死刑宣告にも等しい言葉をかけ、男はクンニによって開いた千佳の大陰唇に手を伸ばす。くぱっと軽く開いて、千佳の薄い小陰唇の襞の上側に指を這わせた。

 瞬間、

 

「ふわああぁん!♡」

 

 千佳の背中が軽く反る程の快感が駆け巡った。

 男が触った場所。それは先程までのクンニでも、その前の前戯においても決して触らなかった、しかし知らず知らずのうちに徐々に包皮が剥かれつつあった小さな、しかしおまんこで最も性的快感を得やすい器官――クリトリスだった。

 

「さ、クリ責めいくよぉ」

「や、やめ……」

 

 今までよりも、心情としては最も強い懇願はしかし、強烈な快感に晒されたばかりの力無い声でしかなく、もとより止まるつもりのない男を止められる力は当然無かった。

 

さわっ

 

 男が千佳の芽を撫でるように微かに触る。

 先程の接触よりは優しいものだったが、千佳に走る快感は気持ちよさと認識できないほどに激しいものだった。

 

「んひぃぃぃぃ!」

 

 嬌声というよりは悲鳴のような叫び。男が更に弄る手を進めれば、千佳の肉芽は完全に露出させられ、それだけで千佳の背筋にいままでの何倍も強い「あの感覚」が伝う。

 

「お、チカちゃんのここすごい敏感なんだねえ。これは中々素質を感じるぞぉ」

「やめてぇ! もうそれいじるのやめてぇ! おかしくなるの! わたしがおかしくなりますからぁ……!」

「何言ってんの。おかしくするためにやってんだから、素直におかしくなっていいんだよ、っと」

「んっふぅぅぅぅぅ♡」

 

 男の指が、先程までのローテーションにクリトリスへの愛撫を加えて動き出す。

 その動きが、今までは付いては消えるばかりだかりだった千佳の性感に火を入れ、感覚の波がやがて大きくなっていく。

 

「ほらほら、どんどん気持ちよくしてあげるねー」

「気持ち良くないですうあぁぁぁぁ……はぁ♡ や、こすらっ、ないっ、でぇ♡」

「じゃあ摘んであげようねー」

「んぎっ!?」

 

 敏感の最たる場所を摘み上げられる衝撃。波が頂点で砕けて、しかし絶頂には至らず引いていく。

 

「おっと、逃さないよ」

くちくちっ、れろんっ

「ひゃあああん♡ にゃぁっ」

 

 しかし引ききる前に男の愛撫が再開され、忘れそうになっていた乳首への責めと共に押し迫る波が千佳の快楽の海を荒らげる。

 

「しっかし、本当にチカちゃんは俺好みだね。このふとももなんか最高だと思うよ」

「ひあ? んふぅ……やぁぁ♡」

 

 陰唇を捏ねたり、割り開いたりしていた男の両手の指が、そこから足の付け根へなぞるように移動し、千佳の幼い体の中でも官能的な肉感を持つふとももを撫でる。

 そのくすぐったさすら、今の千佳には殆ど性的な快感に近く感じられ、同時に、自分のふとももでさえ男にはそういった対象になることが内心までもくすぐる。

 

(どうしてこのひと、私みたいな子にここまで……)

 

 疑問の内容こそ、当初から変わらないが、確実に意味合いが変わっていた。その「私みたいな」の持つ意味が「何故私みたいな子供なんかに」から、「何故私程度の女の子なんかに」へと。男がやっているこの行為が、千佳への執着心だということに、朧気ながら気づいてしまっていた。

 男の責めは続く。唇を、おっぱいを、乳首を、おまんこを、ときにふとももやおしりの柔らかさまでを堪能され、その度に千佳の性感が引き上げられていく。

 吐く息は荒く、甘いものへ。溢れ出る愛液の量はますます増えて、千佳のおまんこをてらつかせる程にしとどに濡らす。

 くちゅくちゅとなっていた音に濁音が混ざり始め、千佳の白い肌がすっかりピンク色に上気しきった頃である。

 

「やぁ♡ も、もうらめ……ふぁ……?」

 

 とうとう千佳に軽い絶頂が訪れそうになる刹那、男が千佳の身体から離れた。どこにも触れられない時間などそれまで無かったにも関わらず、服を拾い集めた以来の快感の途切れが、千佳には最早困惑を齎す。

 

(ふぇ? ……どうして、やめ……!? ……いまわたし、何を……)

 

 そればかりか、こう思ってしまった。「やめてほしくない」と。

 気持ち悪さなど、もう過去のものだった。男の手が、唇が、舌が、千佳の身体に触れること、千佳の奥から何かを引き出すこと、それらのことを自分が受け入れ始めていたことへの自覚が千佳を打ちのめし、同じくしてその事実そのものへゾクゾクとした期待と不安を等しく得てしまう。

 

 即ち、「このままされたらどうなるんだろう」という期待と、「ここでやめられたらどうなるんだろう」という不安に。

 背を向けあってるように思うそれらは、結局のところ、千佳が快楽を貪り始めた証左でしかない。

 忌避感というものは、得てして禁忌と思うことから現れ、禁忌とは好奇心を刺激する。刺激されたのが好奇心だけなら、千佳はある種冷静に自分に立ち返れただろうが、未知の感覚として性的快感を与え続けられ、その間ずっと、ちんちくりんだと自分で思っていた身体のことについて――異常性愛的ではあったが――肯定的な言葉を浴びせられて、千佳の好奇心は性的なものでありながら肯定的な観点で発露してしまった。

 

「もっと、って顔してるね」

「!!」

 

 もしこの男の言葉がもう少し早かったなら、もしくはもう少し遅かったなら、千佳は認識不足、または自己否定により男の言葉を跳ね除けられただろう。

 しかし、「やめてほしくない」とほんの僅か、思ってしまった。その事実が千佳に否定を許さない。否定に到れるだけの余裕もない。

 むしろその一言を内の部分で肯定する材料しかない今のタイミングで寄越されたその言葉により、千佳は自覚してしまった。即ち――今まで受けていた男からの責めが「気持ちよかった」のだと。

 それは千佳の知る爽快感あるものや、達成感や満足感からくる気持ちよさではない。羞恥と、嫌悪と、痛痒と、不安と、懐疑と、困惑とで満たされた不快さの中に、否応なしに期待を昂ぶらせる不明極まる気持ちよさ。それを情欲という言葉が一言で表すことまでは解らずとも、千佳は紛れもなくここまでで発情していたことを、言葉でなく本能で悟ってしまったのである。

 はしたなさに顔が茹でだこのようになる熱を千佳は感じるが、実際のぼせたような脳はそれさえも下腹部にきゅんとした快感を送る燃料にしてしまう。

 男は千佳の愛液にまみれた指を、半開きになった口に突っ込む。千佳は自身で分泌した、味わったことのない味覚と共に口内をくすぐられ、またも男の指で翻弄されていく自分に火照りが増す。

 その口内責めはしかし長く続くことなく、男が引き抜いた指と千佳の力ない舌先で唾液の糸が引かれた。

 

「はむっ」

「ええ!?」

 

 その糸が消えるか消えないかの内に、男が自分の指を咥え、千佳の唾液を味わう。今までとは方向性の違う視覚的に明確な変態行為に千佳が驚く。

 

「はい隙あり」

「ひゃああああっ!?」

 

 くちっ、つぷぷぷ……

 その驚きが仇となった。男は手早く自分の指を引き抜き、人差し指を一本千佳の膣口にあてがったかと思うやいなや、そこからはゆっくりと千佳の膣内へと進め始める。

 

「うっわ、きっつ。結構ほぐしたと思ったのに」

 ちゅぷっ、うにうに、くるくるっ

「ひぃっ! ふわぁああ……ひゃうんっ♡」

 

 入り込んだ男の指が膣壁をまさぐるように動き、果ては回転しながら少しずつ奥へ奥へと入り込もうとする。そうやってこすられる度に、千佳の口から嬌声が上がる。

 

「あっ♡あっ♡あっ♡あっ♡」

 

 小刻みに膣内をノックするような指遣いが、まだ固い千佳のおまんこを少女から女へと作り変えるかのように蠢く。

 

「やっ、指っ♡ 抜いへ♡」

「拒否しまーす」

 ちゅぷちゅぷちゅぷっ

「ひあああああああ♡」

 

 千佳の懇願を一笑に伏して、男はさらに指の動きを早める。おまんこをいじりながらも、他への責めだって忘れない。不意に乳首を甘噛みして甲高い嬌声を上げさせて声色の変化を楽しみ、指の動きを激しくしながら親指を使ってクリトリスを刺激して更なる快感を千佳に与えていく。

 男の楽器もかくやという状態の千佳。その未成熟なおまんこは、今朝家を出た頃からは考えも及ばないほどに雌の淫臭を漂わせるものになり、愛液の分泌などあり得もしなかったのに、今や男の動きに合わせて汁気をいや増す卑猥な器官になりつつあった。

 

「やらあああ♡ こんなっ、のっ♡ おかひいのにぃ♡」

 

 自分の体の奥から、どんどん自分の知らない感覚が湧き出てくる。ここに至れば、少なくとも千佳にさえ、この感覚の具体的な名詞を導き出せた。

 「気持ちいい」のだ。

 ありえないほどの嫌悪感も、与えられる卑猥さも、それによって昂ぶって蕩けていく自分自身も、総じて表す言葉は「気持ちいい」に他ならない。

 訓練の成果が出せたときや、たまたま前日にやっていた勉強の内容がテストに出てきたときや、大人に褒められたときになどに生じる充足感と共に生じるそれとはまったく異なる、只々ひたすらに淫靡なこの背徳感を伴う感触が、千佳の脳裏を「気持ちいい」で埋め尽くしていく。

 やめないでほしい。この気持ちよさを。

 やめてほしい。千佳を千佳でなくしていくこの気持ち悪さを。

 

――どうせなら、完全にいままでのわたしでなくなれば、もっともっと深いところに行けてしまうはずなのに。

 

 そう千佳が思考した瞬間。

 

 男の指の動きが止まった。




今後は頑張ってもっと早い更新ができるようにしていきます。
どうか皆さん気長にお付き合いいただけると幸いです。
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