※この作品はR-18です。

ワールドトリガーのヒロインたちが色々な目に遭うお話   作:名無犬

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おまたせしました……
遅筆で申し訳ありませんが、千佳編その3、ここにお届けです。

そして、ごめんなさい。
今のうちにまず謝っておきます。
続きはあとがきで。


雨取千佳の場合 その3

ちゅぽっ

「んんっ♡」

 

 男の指が千佳のおまんこから抜かれる。それと共に、もう千佳の錯覚通りに小水と言われても通用しそうなほどに濡れそぼったそこから、更なる愛液が溢れた。

 

「はあ……はあ……♡」

 

 蕩けた表情を取り繕うこともできずに荒い呼吸を繰り返す彼女を見下ろしながら、男は自らの服にも手を掛ける。

 惚けたままに男が己が上体の服を取り払う姿を眺める千佳。師であるレイジほどではないが、幼馴染の修よりはがっしりとしてるなあと男の半裸を見て思うほど、自分が何を考えているのかさえ定まっていない千佳だったが、次の行動に惚けも呼吸も止まる。

 男がズボンを下着ごと一気に下ろすと、千佳の目の前に男の屹立したペニスが曝け出された。

 

「!!!!?!!??!?」

 

 限界まで目を見開いて驚きを顕にする。それと同時に、千佳の手が僅かに強張りを示した。

 

(えっ!? えっ!? ええっ!? ああああれってお、おち、おちんちっ!?)

 

 しかし驚きが先に立つ千佳にそちらに気を回す余裕はない。

 千佳の知識にあるのは、保健体育で数度習ったものとかつてお風呂に入ったときの父親のそれ。しかしまろび出てきたそれは形も大きさも知識の埒外にあるものだった。

 とはいっても、千佳にそう見えているというだけで、男の一物は、日本の平均から見てもそこまで巨根というわけではない。

 

「そこまでジロジロ見られると流石に恥ずかしいかな」

「っっっ!? ご、ごめんなさいっ!」

 

 全く恥ずかしそうでない声音の男の非難に、思わず謝ってしまう千佳。常であれば好ましい彼女の素直さだが、男にとっても好ましいそれが、更に男を興奮させてしまうことにはまるで気づいていない。

 というより、千佳の考えうる限り最大級の「見てはいけないもの」を目の当たりにしてしまった衝撃が強すぎてそれどころではない。しかもばっちり見つめてしまった。男にジロジロと揶揄されるほどには。

 男もペニスを曝け出し、千佳はすでにその男にヴァギナの中まで触れられている。屹立する肉の棒と蜜に濡れる肉の穴という違いは、むしろより強く、この場にいるのが二人の男女なのだと意識させる。

 

(おとこの……人……わたし、女の……人?)

 

 男と女がいる。そして二人共が服を脱ぎ去って(千佳は脱がされたのだが)生まれたままの姿を晒している。お互いの最も性的な部分をお互いに見合わせるような状況が何を意味するのか。性的な部分には疎い千佳であっても流石に気づく。

 

(えっ……ち。わた、わたしと、せ、セックスしようとしてるんだ……)

 

 認識とともに襲い来るはずであった忌避感は、なかった。いや、無いわけではない。目の前の男に散々弄くり回され、わけもわからない快感に翻弄され続けた結果として、心に思うだけではその行為が今までの行為の凄まじさの影に隠れてしまっているだけだ。

 だが、それだけでなく、千佳は自覚してしまったのだ。更に深く、その意味する所。即ち――

 

――自分は生まれて初めて、雌として雄に求められているということに。

 

 知らず、強張っていた二の腕から力が「抜ける」ことに、千佳はその時初めて気づいた。

 

 一方で、男の方も当初の思惑とは異なる感情を千佳に抱き始めていた。

 このトリガー内の隔離空間に紛れ込み、そこにわりかし好みの据え膳があったから頂こうとしただけ。そんな気持ちで始めた性的な悪戯は、しかし、千佳のあまりに敏感な反応と、それに耐え続ける健気さと、そこまでされても自分の中の女に気づけない(または気づこうとしない)無垢さと、そのくせ幼い中にしっかりと持っている淫靡さにエスカレートしていった。

 行為が進むごとに自分の手で千佳を悶えさせることが快感になっていく。まるで新雪に初めの一歩を残すときのような愉悦がいつまでも止まない。この少女が自分の手によって徐々に女として花開いていくその過程が堪らない。

 千佳の純粋さは絶妙だ。性的な知識を持っていないわけではないだろうに、そこに結びつける感得が欠如している。それは男の預かり知らぬところではあるが、千佳が長いこと近界民から逃げ続け、自分の体質から親友と兄を失わせた自責の念の基で身につけた自縛に近い純粋さ。自分は価値がない、あってはならないと思い込みたいが故の逃避に至る為の純粋さ。

 

 男は善人ではない。千佳に悪戯を始め、その敏感さ、健気さ、無垢さ、淫靡さを感じた時点では、千佳を一個人としてなど見ていない。都合よく用意された自分のためのオナホを手に入れたとでもいう喜びでしかなかった。

 しかし、余りにも耐え続け、やめてと言いながらも快感には震える目の前の少女を見ているうちに、ふつふつと彼女に興味が湧いた。

 先程無益なまでの単純な質問を繰り返したのだって、あの時点では男にだって意味不明な行為だった。

 しかし質問を繰り返すうちに、千佳への興味を自覚する。

 

(この子、自分自身を余りにも蚊帳の外に置きすぎだろう)

 

 男は思う。この無頓着さはダメだと。全く理解できない。この少女は、自分の価値を全く認めていない。だから自分に対して他人事のように、与えられる刺激に対して反応しながらも正体を探れもしない。例えばこのまま無理矢理に処女を奪おうものなら、そこに現れるのは悲嘆に泣く散華でもなければ、淫蕩に狂う妖花でもない。ただただ身に起こった不運から与えられる快感に溶けるだけの抜け殻か、自分が堕したことに震えるだけの傀儡が出来上がるだろう。

 この娘に、分からせなければならない。男に天啓のような使命感にも似た気持ちが湧き上がる。

 自分が、少なくとも男にとっては価値のある存在であることを。庇護欲すら掻き立てられる容姿もそうだし、健気な少女という属性だってそうだ。それらが淫らに蕩けるギャップなんて言うまでもない。

 だからこそ、この子に快楽を認めさせなければならない。女が男に与えられる快楽を、女が男に与える快楽を。それらが、雨取 千佳というメスにも生来備わっている機能であり価値なのだという当たり前のことを、当たり前以上に認めさせたい。

 つまるところ男は思ったのだ。

 

――このチカという少女を己のモノにしたい、と。

 

 それは確かに性欲に基づいた歪んだ思いだったが、男にとって女とは広く性欲の対象であり、一人の女にこんな思いを抱くのは初めてのことだった。いわば、初恋の芽生えにも似た衝動が男を襲う。我ながら気持ち悪いなと、男の顔に自嘲が浮かぶ。

 ともあれ方針は定まった。彼女に快楽を認めさせた上で、彼女を得る。雨取千佳というメスが自分のモノだと証を立てる。そのためにはまず自分が服を着ていることが邪魔だ。

 二人共裸になってしまえば、さしもの彼女とて性差を意識せざるを得まい。もしも意識せずとも、このまま触覚的に刺激を与え続けたところで、少女は己を自覚しないだろう。

 なので、男は自分も服を脱ぎ捨てて、千佳と同じく全裸となる。ボトムを脱ぎ去れば、そこには見慣れた己のムスコ。それが千佳という極上のおかずのおかげで、いつもよりやや元気になっている。

 

「!!!!?!!??!?」

 

 男にとっては予想通り、千佳はそれが飛び出した瞬間に目を白黒させて驚きを顕にするが、予想以上にマジマジと見つめられた。

 その様子を意外に思いつつも、性欲への自覚が出た兆候として受け取り、それを煽ってみる。

 男は恥ずかしさなど特に感じていないが、千佳の朱が赤みを増したことに気を良くして、早速次の段階へと進むことにした。

 

「ちなみに、本当はもう、少しだけなら動けるんでしょ?」

「!」

 

 千佳の眉が上がり、驚きの表情がより強くなる。千佳と男、気づいたのは殆ど同時だったが、確かに今まで意識しても任意には力を入れられなかった身体の各所が、少しずつ意思に沿う動きになり始めている。

 

「それなのに拒絶しないでされるがままになってたんだね。チカちゃんって見かけによらずえっちなんだ?」

「ち、ちがっ……!」

 

 あまりの言い方に千佳の口から否定が咄嗟に出る。そんなわけない、動けるようになりつつあることに気づいたのは自分も今しがたなのだと。

 しかし、動くつもりがあれば動けた、という認識が千佳の二の句を奪う。それはつまり、動かなかったのと何が違うのだろうかと。本当に心の底から忌避していれば、まずは何が何でも動いてみせたのではないかと。

 だから飲み込んでしまった。否定できるチャンスを、この先を止められる最後のチャンスを。

 

「そんなえっちなチカちゃんになら、もっとスゴイことしていいよね」

「えっ? ……ゃあああああ!♡」

 

 男が千佳の身体を跨ぎ、膝裏に腕を差し込んで両足をM字に開いた。男の両足は膝立ちで千佳の顔を跨いでおり、男のモノが千佳の眼前で確かな硬度を保ったまま揺れる。いわゆるシックスナインの体勢になり、見られていることも見ていることも恥ずかしいその格好に千佳の目が激しく泳ぎだす。しかし、泳がせたところで目にうつるのは男のモノか両の脚であり、かといって目をつぶってみると、顔のほど近くで淫臭を漂わせている逸物の存在感が、臭いや熱でより強く感じられてしまった。

 

「さて、じゃあ激しくするね」

「えっ? ……んみゅううううううううう!?♡」

 

 男がクリトリスに吸い付き、続けておまんこへのクンニを再開する。

 動けることを自覚したと言っても、それは意識的に力を入れたり抜いたり出来るようになった程度な千佳に、男を押しのけることなどできるはずもない。万全の状態でもできたかどうかは怪しいが。

 

「あっ♡あっ♡あっ♡あぁぁぁ!♡」

「ちゅぱっ……はいはーい、お休みはまだですよー」

にちゅぅ、くりくりくりっ

「んはあああああ……ひっ、くぅぅぅぅん!♡」

 

 程なくして唇は離れたが、続けて人差し指が膣内に再侵入を果たし、更には親指でクリトリスにさらなる刺激が与えられる。

 千佳のぷっくりとした大陰唇がひくひくと震え、快感を覚えていることを自他に伝える。小さなクリトリスは充血を始め、乳首同様、よりいじって欲しいとでも言うようにピンと立ち上がり始めている。

 

「ねえ、分かる? それとも分からないふりしてる?」

「んひっ?……ふああ♡ ……はえ?」

 

 責めながら、男は千佳の認知を促すべく言葉を紡ぐ。千佳はその言葉の意味を掴めず疑問を浮かべるが、もうすでに、千佳の頭が明確な言葉にできていないだけで、千佳の身体はその感覚を理解してしまっている。

 よって、

 

「いま、チカちゃんにやってることは『えっちな事』で、チカちゃんは『動けるようになってるのに抵抗しない』で、『気持ちよく』なってるってことを、さ」

 

 男が明示した具体的な言葉と、

 

「え……? んっ、んあああああああああ!」

 

 それと同時に今までで一番激しく膣内で蠢いた指の動きが、

 

「んあっ♡ やだっ♡ にゃにこれ!♡ あれがぁ♡ とまっ♡ とまんなひぃっ♡ やだやだやだっ♡ くるっ♡ なにか凄いのっ♡ んひぃぃいいいいいいい!♡」

 

 千佳を、あっさりとはじめての絶頂に導いてしまった。

 腰をビクつかせて、千佳のおまんこから液体が吹き出し、男の肘までを飛沫が濡らす。疑いようもなく、千佳の未熟なおまんこは男の手によって潮を吹かされてしまったのだ。

 我慢を重ねたあとの放尿による開放感など比ではない快感が男の言葉とともに一瞬で脳を駆け巡り、千佳の身体に絶頂を促し、目を見開いてガクガクと震える。

 

「んはっ、はっ、はっ、はっ、はっ♡」

 

 薄い胸が激しく上下し、断続的な全身の震えとともに局部に痺れるような疼きが、されど不快感なく走り続ける。

 まるで頭の中で閃光が炸裂したような初絶頂に息も絶え絶えになりながら、千佳はとうとう認識した。

 この感覚は、快感は、「気持ちいい」のだと。そして、いまも止められない全身のビクつきは「身体が待ち望んでいたもの」なのだと。

 

「しゅ……ごいぃ♡ いまの……なんりゃったのぉ……♡」

 

 呂律も回らず、うわ言の様なものを繰り返しながら顔を蕩かせる千佳は、明らかに先程までの無垢さより淫靡さが勝っている。

 絶頂一つ。ただそれだけで、年齢不相応の幼さが際立ちつつも雌としての魅力を放ちだした千佳の蕩け顔を、同じく蕩けきってひくつく股越しに見た男は、千佳の持つポテンシャルに背筋をゾクつかせ、逸物の硬度がいや増す。

 その時だった。

 男のペニスが硬度を増したことで跳ね、千佳の鼻面を叩いた。やや敏感になった亀頭に千佳のこれまた小さな鼻が触れ、男に僅か快感を齎す。男にとってはそれだけの出来事だったが、劇的な変化が起こったのは千佳の方だった。

 

「? …変なニオ……いっ!?♡ ……んっ♡ ひぃぃぃんぁぁぁ……♡」

 

 鼻先をかすめるように叩いた男のペニスから滴った僅かな先走り汁。それを鼻孔に感じて、匂いを受容した瞬間、なんと千佳は浅いながらも再び絶頂したのだ。

 身体が、理解してしまっていた。この雄の淫臭こそ、絶頂の花開いた次に千佳が求めているものなのだと。

 その理解が齎した変化は絶頂に留まらず、閉じられた蕾が春めくが如く、千佳のおまんこ――その花弁たる小陰唇が開き、奥の雌蕊を曝け出すかのように膣口が仄かに顔を出したのである。紛れもなく、それはオスを受け入れんが為のメスが持つ機能。千佳の性徴の度から見れば、まだ開花するのは先であったはずのその機能が、男の手によってアクティベートされたのだ。

 

はむっ、じゅぞぞぞ

「んひっ、あはぁぁん♡」

 

 理性が振り切れそうになるのをこらえる男が、しかし堪えきれずに千佳のおまんこにむしゃぶりつく。

 先刻までの丹念な愛撫とは似ても似つかないオスの情欲のままにおまんこを舐られ、先程よりも甘い嬌声が上がる。絶頂を覚えた千佳の身体は、その刺激で愛撫のときにはしなかった、差し込まれた舌を締め付けるような膣の蠕動を起こし、それが辛うじて残っていた男の理性を喚起させた。

 そして、舌先の動きはあくまで止めず、男は冷静な部分で違和感を覚える。

 素質はあるだろう。しかしそれだけで、性的に未熟であった女児とも思しき体格の少女がここまで淫らに花開くだろうかと。

 

「んひっ♡ んゃう♡ ひょこっ♡ ひんっ、かんにっ♡」

 

 舌のザラツキに浅いところを擦られて甘イキを繰り返しているこの少女は、今日まできっと自慰すら知らずに過ごしてきた筈なのだ。

 いわば素質は種の状態。本来であれば蕾はおろか芽吹きもしていないはず。それがいまやどうだ。オスを誘う淫臭振りまくいやらしいおまんこは、前戯によってぴたりと閉じていたクレバスが開き、差し込まれた舌を断続的に締め付けながらさらに奥へと導くように蠢き、持ち主に軽い絶頂を繰り返させるほどのいやらしい器官に成り果てた。

 千佳の表情からは戸惑いが失せ、淫蘯にふやけた頬には力がなく、甘イキに震え濁点も発せなくなった口の端からははしたなくよだれが垂れ、その目は焦点を結んでいない。

 性的な快楽を覚えたばかりの女の子が晒していい姿では無く、晒せるわけも本来ならば有り得ない。

 男は性欲こそ人一倍だが、性技において熟達しているわけでも、経験が多いわけでもない。というか無い。

 仮に、見様見真似の愛撫にたまたま天性の才能があったとしても、未開の少女をここまで雌にするほどの経験が足りているはずがなく、また同時に男も、挿入させたり口を犯したりという具体的に自分が快感を得る為の行為までは及んでいないとはいえ、射精の一つも行っていておかしくないほどの興奮を覚えているのだ。

 

(……まさか、これも黒トリガーの効果か? 同調したトリオンを介してこっちの感覚を相手にフィードバックさせる効果でもあるのか?)

 

 男の推測は、またも的を射ていた。

 このトリガーの基本機能の『同調』の真価は、トリオン器官にある基の部分のトリオンにまで同調が及んだとき、同調者の感覚およびサイドエフェクトを対象へと伝播させる『共振』の能力。この共振の前段階である『共鳴』を利用することで、他の国の強力なトリオンを道しるべに、界渡りを実現させている。

 つまり、男がミデンに近づいた際に千佳に引き寄せられたのは、千佳のトリオン能力が高すぎることが原因であり、必然でもあったと言える。

 また、この共振は、相手のトリオン量が多ければ多いほどに同調完了時の効果が高まる。

 つまり、感覚の伝播は常以上に大きな効果を発揮し、男の得た快感までも無意識に千佳へと流れ込んでいたことにより、まるで土に栄養剤のアンプルを差したが如く千佳の開花を加速度的に促したというのが、男の目の前でひっくり返されたカエルのような体勢でビクビクと甘イキを繰り返す千佳という光景を生み出したのである。

 男が安易に挿入を急がなかったこともあり、焦らされたままにお互いの感応が高まっていくそれを、『共振』によって千佳がほぼ一人で受け止める結果となったのである。

 そこに男の言葉が千佳の自覚を促したことで、身体の中でかろうじてせき止められていた欲情という名のダムを一気に決壊させるきっかけになってしまった。

 つまり、千佳はその高すぎるトリオン能力が故に男に出会い、その多すぎるトリオン量故に雌としての本能を一息に引き出されたのだ。

 その上、共振によって引き出された千佳の気配隠蔽のサイドエフェクトが、外部から千佳が訓練スペースにいるという事実をくらませてしまい、孤立無援の状況が作り出されてしまっていた。

 

(なるほど。とりあえず確かめるに越したことはないな)

 

 そんなトリガーの性能を完全に把握したわけではないが、男は強ち外れていない推察を終え、千佳の秘所を舐る舌を止めた。

 

「んぁっ、んぁっ、んきゅぅ……ふぁ?♡」

 

 刺激が突然途切れた事で少し遅れて甘イキ地獄(天国?)から解放された千佳が、呆けた声を出す。

 男は千佳の眼前にあった逸物を動かし、その小さな口元へと運ぶ。

 むあっとした先走りの雄臭が再び鼻先を掠め、千佳の下半身が震える。

 見れば見るほどグロテスクな、血管が浮かび上がっては震える肉の棒。臭くて、太くて、長くて、怖いハズのペニス。

 しかし今の千佳には、オス臭くて、舌よりも太くて、指よりも長くて、それに対する気持ちを単語にまとめることはできない物。

 男はそんな千佳の口元に肉棒の先端を到達させると、千佳に聞こえる程度の声で命令を発した。

 

「チカちゃん、舐めて」

 

 口元に来た男の物、そして言葉。千佳の唇がふるふると開きそうになり、次の瞬間固く引き結ばれた。

 

「……だ、だめぇ……」

 

 男性器を舐める。それは流石に千佳の許容範囲をオーバーしていた。千佳の知識の中に、セックスが男性器を女性器に挿入するものだというのはあるが、それ以外の――オーラルセックスに関する知識など無い。

 自分は男にさんざん舐められていても、自分が男の排泄器を舐めるという行為には単純に嫌悪感もある。

 しかしそれ以上に、とてつもなくいやらしいことに思えてしまうことが千佳にそれを忌避させた。

 ただし、唇を僅かに動かして絞り出した声は、勿論男が受け入れてくれるはずもない。

 

「もし、お口で満足させてくれたら、本当にそこでやめてあげる」

「! ……ほ、ほんとう、れすか?」

 

 代わりに与えられたのは、ほんの僅かな希望。満足というのはきっと、男にも千佳が味わったあの感覚を与えること。そしてそのためには、男と同じように舐めたり咥えたりする必要があるのだろうということは彼女のぼやけた思考でも分かった。

 忌避感が、この先の決定的なところに踏み込まなくて済むという希望によって塗りつぶされる。

 口元を彷徨う男のペニス。これを舐めるという嫌な、しかしセックスそのものよりはマシな行為だと思えてしまうそれに対して、「酷い」か「より酷い」かの選択でしかないのにも関わらず千佳の天秤が傾いていく。

 

「今度こそ、約束する。俺をお口で満足させてくれたら、それ以上のことはしないし、その時点で君を解放する」

 

 お互いに股の間から相手の身体を見上げるようなシュールな形ではあるが、男と千佳の目と目が合う。

 その眼差しからは、言っていることに嘘はないと思った。こんなとき、ユーマくんみたいに相手の嘘が分かるといいのにと考えつつも、根が純粋な千佳はもう一度だけこの人を信じてみようと思ってしまう。

 実際、男の言葉に嘘はなかった。もしもここで自分が達するのならば、千佳の幸運への餞に彼女を解放するつもりでもいた。尤も、それ以上にこの賭けへの勝率の高さを確信していたからこその真摯さであることは言うまでもない。

 そう、これは男にとっても実質賭けではあった。一度ほぼ騙したに等しい千佳にもう一度同じようなことをすれば、いくら千佳でも拒絶が勝るだろう。というより、この子は肉体への責め苦よりも、裏切られたり騙されたりという心の苦痛の方をより嫌うタイプだと思われたのだ。

 そこで、この酷いかより酷いの二択を千佳に選ばせることで、「彼女が選んだ」という誤認を与える。約束で縛り、逃げ道を塞ぐ。この袋小路をあくまで千佳が選択した結果だとすり替える。

 

「……わ、かりま……した。やります」

 

 果たして、千佳は術中に嵌った。

 先程は男に舐め取られるがままだった舌を出し、口元でビクンビクンと脈打っている男の剛直にその先を触れさせる。

 

「うぉっ……」

 

 尿道口に千佳の舌先がちろりと触れた瞬間、男の口からうめきが漏れた。

 劣情が加速し、精をぶちまけたくなるほどの快感が瞬間的に男の背筋に走るが、

 

「ぇぁんっ!?♡」

 

 驚きとともに艶声を上げたのは千佳の方だった。

 舌先が触れ、変な味を感じた。確実にマズいに分類される雄の先走り汁の味。千佳の未知の味。しかし、それに味覚を刺激された瞬間、反応したのは喉や胃ではなく脳髄の方。

 走ったのは、間違いなく男の責めを受けた時のあの感覚――快感だった。思わず艶声を驚きの色で上げてしまうほどの。

 そして、その反応と自身の体に起こったことを鑑みて先程の推論に確信を得た男は、すかさず畳み掛ける。

 

「チカちゃん、もうおしまい? だったら、チカちゃんは俺にもっとえっちいことしてほしいってことになっちゃうけど、本当にいいのかな?」

「!? ……ま、まられす……きちんと、お口れしましゅ……にゃめましゅぅ……♡」

 

 最後の一線だけは越えたくないのか、千佳がおずおずと震える舌を再び伸ばす。淫臭と脳に来る味を堪えつつ、チロチロと、蛇のように亀頭をつつくように舐め始める。

 

「ぅあ……チカちゃん、えっろ」

「れろ……しょんなこと……れろれろ……ないれしゅ……」

 

 拙い舌の動きが男の陰茎に刺激を与えるが、しかしこみ上げてくる射精感は、

 

「うわ……ふぅ」 

 

 ある一定の高さまで高まると風船の空気がしぼむように抜けていく。絶頂したくてもできないような苦しいものではなく、むしろ余韻が残る引き方。その代わりに、

 

「れろっ、れろっ……んにゃっ! なんっ、でぇっ♡」

 

 抜けた空気――男が得るはずの昂ぶりが、共振を通じて千佳へと流れ込む。

 自分は気持ちいいことをされていないのに、さっきまでのようにいやらしい気持ちが止まらなくなっていく。

 男の性器を舐めながら、自分が気持ちよくなっていく。これでは、男の言葉を否定できない。千佳の心が、自分自身を淫らに定義してしまいそうになる。

 先程までとは別の理由で、早く終わってほしかった。自分がいやらしい、えっちな子なんかじゃないと証明したかった。

 しかし、先走りを舐め取る程度のぎこちない舐め方では、男の人は自分のようにぴゅっぴゅっとはならないのだろうか。がくがくとならないのだろうか。舐められもしていないのに自分ばかりが気持ちよくなっているようで、そんな女の子のどこがえっちではないと言えるのか。

 そんな気持ちがじわじわと千佳の心を浸食していく。

 

「れろれろっ♡ ……れろんっ」

「うっ、チ、チカちゃん、だんだん積極的になってきた?」

 

 挙げ句、それを否定しようと舌先のみながら動きを強くしたところ、男からはさらに千佳が淫らなのだとでも言いたそうな言葉が投げられてしまう。

 そして、男にそんな千佳の心の機微はお見通しだった。というのも、勿論これは共振のせいではあるのだが、千佳のおまんこのよだれがまたはしたなくも増してきているのが、その眼前に曝け出されているのだから当たり前の話であった。

 舌先が頑張って男の性感を刺激しようとうねるたび、共振を通じてその快楽は千佳へと跳ね返る。代わりに男の方は波が凪いでいく。

 これを戦闘に応用すれば、それこそ傷を受けてもそれを相手にフィードバックして相手のトリオンで自分ばかりが回復というのも可能となる、恐ろしいトリガーなのだが、今のところその恐ろしさはすべて千佳の性感を高ぶらせるためだけに作用している。

 

「ふぅっ♡ ……れろれろれろ。れろ……んふぅ♡」

「はぁ……チカちゃん、もういいよ」

 

 暫くして、拙い舌先の動きを堪能したくせに、まるで呆れたように言い捨てた男は、腰を浮かせて千佳の口元から剛直を引き離す。

 ふいに口から離されたために、千佳の舌先が宙を彷徨う。それがどこか名残を惜しむようにも思えて、千佳の頬がさらに朱に染まる。

 だが、その朱は続けられた男の言葉に蒼白へと転じた。

 

「えっ……?」

「もういいよ、って言ったの。ぺろぺろと仔犬みたいに舐めてくれるチカちゃん自体はかわいいんだけどね。今のままじゃ、気持ちよくなってるのはえっちなチカちゃんの方だけで、俺は終わりそうにないからさ」

 

 そして男は立ち上がろうとする。

 

「ま、待っへ……!」

 

 なんとか制止しようと千佳が男の腰に縋りつこうとする。すでに縋れるほどに体の自由が効く事に気づけもせず、また気づけたところで逃げ出すという思考の余地は千佳にはない。

 腰に手を回したことで逸物がまたも千佳の頬にぺちぺちと当たるが、最早気にしてもいられない。

 

「もう何度か待ったんだけどなぁ。最後のチャンスもあげたんだけどな」

「ご、ごめんにゃさい……れも、もいちろらけ、んっ……こんろはちゃんろしましゅかりゃぁ……」

「もう呂律も回ってないくらいえっちな気分になってるのに何言ってるの。おちんちんをおまんこにいれるともっときもちーんだよ? 想像してご覧、今までチカちゃんがびくびくしてたときに来たあれよりもっともっと気持ちよくなれるんだって」

「らめれしゅぅ……きもちくなっちゃらめなんれしゅ……♡」

 

 否定しつつも想像してしまったのか、またも声に甘さが混ざる。

 男は四つん這いのまま、やれやれとでも言うように肩を竦めると、立ち上がろうとする力を緩めた。男の下半身の動きにつられて、千佳が再び仰向けに寝転ぶ形になる。

 

「じゃあ今度こそ本当に最後のチャンスだ。もしこれでも俺が満足できなかったら、分かるよね?」

「が、がんばりましゅ……」

「俺としちゃ頑張ってもらわなくてもいいんだけど、じゃあラストチャってことでフェラチオしてもらおうか。分かる? フェラチオ」

「わかりまひぇん……」

「そのお口をおまんこにするんだよ。俺のちんこをお口で咥えて、吸ったり舐めたりしゃぶったりするの。あ、噛んだらだめだよ。どっちかというと大変な目に合うのはチカちゃんだし、噛んだ場合は反則ってことでチカちゃんの負けね」

「くわえっ!? しゃぶっ!?」

 

 未知の単語の詳細を聞かされ、その内容に目を見開く千佳。

 目の前で揺れるこの剛直を口に含み、先程自分がされたように男を気持ちよくし、満足させなくてはならない。

 先程舐めろと言われたとき以上のショックが千佳を襲うが、その後に脳裏によぎった思いには違いがあった。

 

(お口に、入れ……そんな……そんなことしたら、どうなっちゃうんだろう……)

 

 トリガーの効果など知らない千佳にとって、男の逸物は、さっき舐めただけでも何故か千佳ばかりが気持ちよくなってしまう卑猥なものであるとインプットされていた。というより、そういうものだとでも思い込まねば、千佳が経験もないのに男根を舐めて気持ちよくなるような変態だと認めてしまうことになってしまう。

 故に、ここでの千佳の逡巡は先程の忌避感から来るものとは色が異なり、これ以上の気持ちよさをもし得てしまったら、自分はいつまで自分を誤魔化しきれるだろうかという不安から来るもの。

 

「さ、じゃあやってもらおうかな。いつでもどうぞ」

「…………」

「どうしたの? やっぱりえっちの方がいいのかな?」

「違っ……く、くわえますから」

「フェラチオだよ。咥えるだけじゃだめだからね」

「わかって……ます……」

「おーけー、ならやってみよう。レッツフェラ」

 

 ぺしぺし

 男がまた腰を振って、催促するように逸物で頬を打つ。

 このまま迷ってばかりもいられない千佳は、それを皮切りに動き出す。

 

「んぁ♡…………はっ…いきます、よ?」

「いつでもどうぞー」

 

 とうとうオスの匂いに対し条件反射的に蕩けるようになり始めてしまった千佳は、ぶるりと身体を震わせてから男のペニスへと手を伸ばした。

 手を伸ばせることに最早驚きはなく、両の手で包み込むようにペニスを握る。千佳の片手では指が輪にならないだろう太さのそれは、血管が浮き出て脈を打ち、手が汗ばむと思えるほどに熱を持っていた。

 

(びくびく、してる……)

 

 まだ手で触れただけだが、男のそれが自分と同じようにびくびくしていることに妙な親近感を覚える千佳。

 

「見惚れてないで、フェラしてほしいなぁ」

「みとれて、ませんっ……します、からね?」

 

 男の軽口に抗う声を上げ、まさしく言葉通りであった自分を振り払う。

 千佳が口を開けるのに合わせて、男が膝を曲げて腰を落とす。鈴口と千佳の唇がキスをするように触れた。

 

「んふぅ♡」

 

 やはり、それだけでも快感が走る。男の快感の伝播だなんて考えもつかない千佳にとって、それは己が裡から湧き出る気持ちよさにしか思えず、意のままにならない身体に哀しみさえ覚える。

 それでも意を決して千佳が口の開きを大きくすると、ゆっくりと男のペニスが千佳の口内へと侵入してくる。

 

(お、おっきい……!)

 

 口中を埋めてくる熱い肉棒に歯を立てないようなるべく大きく開け、対には亀頭が口内に没した。

 

「んむぅ♡」

 

 口内から鼻へと抜けてくる濃度を密にした雄臭。呼吸の術が鼻しかなくなったこの体勢において、それは容赦なく千佳の性感を刺激する。

 男はおまんこを観察しつつ、千佳の口内の暖かさをちんこで堪能する。

 咥えた時点でしとどに濡れ始めたそこを見れば、千佳が感じていることなど一目瞭然であり、同時に、常ならば間違いなく達したであろう千佳の口内の感触とその強烈な快感を得ても自分の射精が起こる様子がないのを感じ取って、男はにやりと笑みを浮かべた。

 それは先刻の自分の推論に裏付けを得た笑み。少女を堕とすためのピースが揃った歪んだ歓喜の笑み。

 イカされないという、確実に約束された勝利を得た男は、暫く地千佳の反応を楽しむことにした。

 

「ふぅー♡ ふぅー♡」

 

 咥えただけにも関わらず、男からのフィードバックと濃度を増した淫臭で再刺激された自身の雌の部分によって鼻で荒い呼吸を繰り返す千佳。息が鼻を抜けるたびに口腔に詰まったペニスからの臭いが嗅覚を通じて脳を馬鹿にしていくような気さえする。

 このままではいけないと思い、男のモノに舌を這わせる。ここまで濃い臭いを放ちながら、実際にモノを舐めてみると思ったほどに味がするものではないことに少し驚く。

 

「んおっ」

「ふーぅんっ♡」

 

 しかし這わせれば這わせるほどに返ってくるのは雌の喜び。男を達させるためのものではなく、自分の快感ばかりが刺激される。

 それを持ち前の我慢強さでなんとかこらえつつ、しかしこのままでは流されてしまうと悟った千佳は、一転して舌の動きを早めた。

 

(早くっ! 早く満足させなきゃっ!)

れろれろっ、れるっ、じゅぷっ

「うぉぉっ!? ち、チカちゃんっ、急にどしたっ!?」

「んふぅぅぅぅぅぅ♡」

 

 いきなりの強烈な舐め上げだけでなく、先程の男の言葉に忠実に吸い上げてまで来た動きに、一気に射精に至るほどの快感を得た男がうめきを上げる。

 その快感がまたフィードバックされ、千佳がまたイったことを示す潮がおまんこから吹き出して男の顔にかかる。

 だが、千佳にはもう自分がイったことへも男の反応へも応じている余裕さえない。頭の中でリフレインするのは、

 

(早くっ、早くっ、早くっ、早くっ、早くっ)

 

 ただ、男を満足させなくては、その一心から浮かぶ二文字のみ。

 

じゅぞっ、ちゅぷっ、れるぅ、ずぞぞっ

「ふっ、チカっちゃんっ、すげ……」

「ふぅぅぅ♡ んふぅぅぅぅん♡」

 

 合間合間にはフィードバックによってイってしまい、口の動きが止まるせいか、動きは激しくなってもまだまだおぼこい千佳のフェラでは、共振を超えて男を達させるには経験が圧倒的に足りていなかった。

 

(早くっ、早くぅっ!)

ぐぷっ、じゅるっ、れらぁ、ちゅぽっ、ぐっぽぐっぽ

「うぁっ、からみつくっ! ちょ、ちょ、うえ、奥っ!?」

「んぐぅぅぅぅぅ♡」

 

 しかし、千佳はその物分りの良さで、吸うやしゃぶる以上の領域に手を出していた。即ち、ストロークである。

 舐めたり吸ったりという言わば二次元的な動きに対し、男の反応は掴めなくとも、そのペニスの跳ね方で快楽のツボを捉えた千佳の学習能力の高さは、その男の快楽をより引き出す方向に働いていた。

 本来であれば千佳自身苦しさしか感じないはずであろうストロークを絡めた動きは、亀頭を喉奥にまで迎え入れつつ男にも未知の性感を与えまくっていた。

 

くごっくごっ、おぶぅ、ちゅばっ、れるれる

「ちょっ、まっ……チカちゃ、それっ、やべっ」

「んごっ♡ ぐぷっ♡ んっぐふぅう♡」

 

 勿論、フィードバックは今なお千佳を襲い、そのおまんこからは愛液のよだれと潮がひっきりなしにぷしゅぷしゅたらたらと分泌され続けている。

 それでも千佳は、あえて男のおちんぽの感触に意識を集中することで、なんとか快楽の波に自身を手放すことを堪えていた。

 一方、男の方も千佳の思わぬ反撃に余裕を手放していた。シックスナインの体勢になっていたのは正直幸運だった。男のツボを押さえるようなその口内の動きは、喉奥を使い始めたことで裏筋の敏感な部分を千佳ののどちんこがくすぐるようになっており、もしそれが急速にこなれ始めた千佳の舌によるものだったら、共振の作用を振り切って男の射精を導いていたかもしれない程に気持ち良いものだった。

 

くぷっくぷっ、うにぃ、じゅぽっ、じゅぽっ、ちゅるるるっ

「うっ、くっ、やば……っ、ふぉおっ!?」

「んふぅ♡ んふぅ♡ じゅろろっ♡ じゅろっ♡ ずずずずっ♡」

 

 首に横の動きまで加え始めて、頬裏の肉までも使い、更には玉袋から精を吸い上げるかのようなバキュームを何とか堪える。

 

(まだなのぉっ!?♡ 早くっ、満足っ、してえっ♡)

 

 焦る千佳は、とうとう男の腰に手を回すと、自分の身体まで持ち上げるようにして男の肉竿を更に更に奥へと導く。

 

 ぐぬぬぬっ、ぬごんっ

「うぁっ、くおおおおおお!?」

「むぅぅぅ、んヴォぇっ!?♡」

 

 だが、それは悪手だった。

 ある一定のラインを越えた瞬間、男のモノは一気に根本まで口内に収まり、その先端が千佳の喉奥を更に越え、喉仏の裏までも到達した。

 思わず千佳が嘔吐反射により喉を震わせ、嘔吐感でモノを吐き出そうとした刹那、男の陰茎の先から僅かに液体が迸った。

 先走り汁より濃密なそれは、短くとも間違いなく射精ではあった。だが、男は括約筋に力を全力で込めて、それ以上の迸り――完全な絶頂をすんでのところで堪える。

 ここで男を絶頂に導いていれば、千佳の勝利だったろう。

 だが、千佳は剛直が嘔吐く程の位置まで入り込んだ衝撃で、反射的に動きを止めてしまった。必然、共振のフィードバック作用は男の興奮を沈静化し、その分千佳の性感を刺激した。さらに、濃厚に香る男の陰毛と陰嚢からの淫臭が根本まで含んでしまったことでダイレクトに千佳に届けられてしまう。

 結果――

 

「ンッゴフォォォォォォォ♡ オゴォォォォォォ♡」

 

 ビクビクビクビクビクゥッ!

 千佳はがに股の爪先立ちでで腰を浮かせ、より潮を高く吹き上げるかのようにおまんこを高く突き上げる無様な格好で、腰をがくがくと震わせながら低い声で絶頂した。

 今までのどんな絶頂よりも高く、深く、無様なそれは、波濤が凪ぐのが何時になるのか不覚に陥るほど千佳に激烈な衝撃を与える。もう言い訳ができない、完璧に迎えてしまった快楽の頂点に、半ば白目を剥きながら翻弄される。

 おまんこが熱い。噴水のように吹き上がる潮は、きっと千佳の身体が快楽に屈した白旗のようなもの。脳が溶けるかと思われるほどの悦楽。この状態の雌なら誰であろうと同じだという確信。気持ちよさが更なる気持ちよさを生むかのような、終わりの見えない深い海にどこまでも沈んでいくようでいて、しかし空高くまで突き上げられているような、筆舌に尽くし難い絶頂の渦。

 それは長かったのか短かったのか千佳には判別できないが、少なくとも主観的には無限に続いたような気さえする。実際、千佳の絶頂の波が収まるまでは暫しの時間を要したが、その間千佳の手はまるで縋り付くように男の腰に回されたままで、喉奥を埋める剛直もまたそのままだった。

 身体の震えは喉にも伝わり、その刺激が産む快感がまた千佳にも伝わっていることを既に認識している男は、勝利を確信した。

 潮吹きが収まり、次いで震えが収まり、突き上がった腰からへなへなと力が抜ける。千佳の雌汁に顔をびしゃびしゃにした男は、それを見届けると邪な笑みを浮かべる。

 

「ふぅ……さあ、チカちゃん。これで君の負け、ってことでいいよね?」

 

 事実上の勝利宣言。だらしなく蕩けているだろう千佳の顔を想像しつつ、男はメインディッシュを楽しみに前菜の喉奥から己の逸物という食器を取り出そうとする。

 その瞬間であった。男がしていた油断は、当然のことであった。散々に男に弄ばれ、未熟なおまんこを開花させられ、大人の売女でも早々味わえないほどの強烈な絶頂を、男の快感分も併せて炸裂させられた幼い少女が、よもやまだ屈していないなど誰が想像し得るだろうか。

 千佳の舌が動き、喉奥が動き、口が窄み、ありえないことにフェラチオを再開したのだ。

 

「なっ!?」

 

 これにはさしもの男も驚き、さらに今まで以上の快楽にさらされる。

 

(……まだ……諦め……ない……♡)

 グッポグッポグッポグッポグッポグッポグッポ!

「ゴフォッ♡ ヴォォォ♡♡ ングォ♡♡ エグっ♡」

「ああっ!? ちょちょっ、マジかよこの子っ! すげっ……!」

 

 もう、蕩けきった頭では舌の動きの繊細さなんて出せるわけもない。単純に今使える喉の奥という武器を自覚し、イラマチオもかくやという勢いで嘔吐きながらも男の肉竿に必死でねぶりつく。

 対し、男の心中は強い快楽と、それより強い驚きと、それよりも深い敬意までもに満たされていた。

 この子は、あれ程の快楽に翻弄され、脳髄を突かれ、身体は完全に屈服してなお、心が折れない。

 

(こんなとこでっ♡……諦めたらっ♡……兄さんたちを♡……救うなんてっ♡……できないっ♡)

(この子……いや、チカ。チカだ。この子なんて、ましてやちゃん付けなんかで軽んじていいような子じゃないぞ。この心の強さは、得難い。可愛いなんてもんじゃない。綺麗だ)

 

 だが皮肉なことに、思うことは違えど、その意志の強さが結果的に男の想いの強さを強化してしまった。

 男が、千佳に対し本気になった。

 本気で、この雨取 千佳という一人の気高い女を、何としても自分に向けさせたくなったのだ。

 その強さを、健気さを、淫靡さを、そして何より好意でさえも、独り占めにしてやりたいと思ってしまった。

 後悔さえ沸く。こんな出会いで無ければと。しかし、己の性欲の強さと歪んだ嗜好で、この少女と健全な付き合いなどできるわけがない。

 故に、男が取る行動は一つだった。

 

はむぅっ、じゅろろろろろっ、れるんっ……つぷっ、じゅぽじゅぽじゅぽじゅぽっ!

 

 男は目の前にある千佳のおまんこに再びむしゃぶりつき、吸い上げて、クリトリスを舌で弾き、かと思えばまたも指を侵入させて先よりも激しく出し入れを繰り返し始めたのだ。

 

「ンゴっ、ぷぁっ!?♡ にゃんでぇ!?♡♡ んみゃああああああ!♡ できないぃ!♡ しゃれたられきないよおおおおお!♡」

 

 思わず喉からペニスを吐き出してしまい、続く責めに首をイヤイヤと振りながら抗議の声を上げる。

 

「俺からっ、しないなんて、言ってないでしょ! オラオラオラ、イけっ、何も考えられないくらいっ! イきまくっちゃえ!」

 

じゅぽじゅぽじゅぽじゅぽっ! くちゅくちゅくちゅっ、つぷぷっ!

「あぁぁぁぁ!♡ やらっ!♡ まっへ!♡ ああぁぁ!♡ んきゅうう!♡ イっへる!♡ にゃんどもぉ!♡♡ りゃめ!♡♡♡ もうやめへえええええ!♡♡♡んひぃぃぃぃぃぃ!!?♡♡♡♡」

 

 指の動きで溢れた愛液を更にクリトリスに塗りたくるように刺激されるだけでなく、男の舌が千佳の小さな菊――アヌスにまで侵入してきた。

 せっかく不意をついて最後の攻勢に乗り出したのに、その矢先に男の責めが再開されるなんて思っていなかった千佳は、ただでさえ積み上げられていたそれまでの火照りにいきなり爆弾を打ち込まれたようにあっさりと、しかも強烈に絶頂を繰り返す。

 アナルへの異物侵入でさえ、今の千佳には新たな快楽だ。毛色の違う快楽は千佳の眠っていた性感帯をあっさりと隆起させ、数秒のあとにはアナルは完全なもう一つのおまんこへとなり果てる。

 

「やらあ!♡ おひりぃ!♡ きもちくなっひゃらめえ!♡ わらしのかららぁ!♡ いうこときいれよぉ!♡♡」

「まだ考えてるのか! 違うだろっ、チカ! 感じろよ! 俺の手で、舌で、雌になれよ! 堕ちきれぇ!」

「やらよぉ!♡ わらひわぁ♡……にいひゃんらちをぉ♡ たしゅけ、ぁんっ!♡ たしゅけにいグッ、イグぅぅぅぅぅぅ!!♡♡♡」

「自分も助けられてないのに何言ってんだ! 助けに行きたいのか、自分がイきたいのかももう分かってないくせにっ!」

「んぉぉおおおお!♡ ちぎゃうぅ!♡ まけにゃい!♡ まけにゃいのぉ!♡ んっほぉぉおおお!♡♡」

「負けないばっかじゃ守れないんだよっ、自分だって、もう身体が勝つことを放棄してるって分かってるだろ!」

「あああああああ!♡ いまびりっていったぁぁぁ!♡♡ しょこっ、しょこやめれええええ!♡♡」

「見つけたぞっ、チカのGスポ! ここだろ、びりっとしたのここなんだろっ!」

「いやぁぁ!♡ あ゛あ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛!♡♡♡ りゃめってぇ!♡ やべでええええええ!♡ んやぁぁぁぁ!!♡♡」

 

 そこからはもう男のターンだった。

 男の勢いを遥かに増した責めは、千佳の抵抗を奪い、フィードバックも無いのに千佳の快楽をこれまで以上に引き出した。もう思考の余裕などない。苛烈な責めに翻弄されるうちに男の指先が千佳のクリトリスの裏側でぷくりと膨らんだGスポットを捉え、その途端に走り抜けた電流のような、先程までとは更に一線を画す快感が千佳から女の子の外殻を取り払い、雌の自覚を促さんと襲いかかった。

 その乱暴な責めを、千佳のよだれまみれの濡れ濡れおまんこはきっちり良きものとして受け取った。

 腰が無意識に浮き、男の指先をより気持ちいい所に導こうとさえしていた。

 千佳は思い知る。千佳の自我の部分が如何に踏みとどまって崖っぷちを死守しようと、生来刻み込まれた雌の因子はたやすく身体を崖下に叩き落とすのだと。

 

(あっ……だめ……♡ くるっ♡ すごいの、さっきのが……くr)

「思い知れ、チカの身体はもうメスになってるんだってなぁ!」

 

 思い知って、絶望して、しかし身体は悦んで、そして男はトドメとばかりに、指先ではなく爪先で、しかし傷つけないようにGスポットを擦り上げた。

 

「んぎっ!?♡ ……かひゅ♡……ンッオ゛オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!♡♡♡♡♡♡♡♡♡」

 

 そして千佳はその瞬間、時が止まったような錯覚の後、漏れるような一息を挟んで、とても似つかわしくない下品な咆哮を上げて絶頂した。

 

(あ……♡ もう、だめ……きもち……いいの……ぜんぶ、知られちゃった……♡ わたしのからだ、このひとに、さからえなくされちゃったぁ……♡)

 

 塗りつぶされてしまった。兄の顔も、親友の顔も、幼馴染の顔も、ある近界民の少年の顔も、ボーダーで新たに得た友人の顔も、師の顔も、父母の顔も何もかもすべて真っ白な光の向こうに消え行くような幻視。代わりに浮き上がってしまったのは、千佳を散々に嬲りものにして、幼いその身に歪んだ性欲をぶつけて、本来だったら憎んでも憎みきれないはずの、ある男の顔だけだった。




はい、本番までいけてません。
千佳ちゃんはイきまくっていますし、男がなんか純愛系主人公みたいな思考になってキモいですが、本番はおあずけになってしまいました……
ですが、もうあとは男が頑張ってチカちゃんを落とすだけです。
ほんとこうなるはずじゃない方向に突っ走ってる気がしますが、もう少しお付き合いください。
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