女の子ばかりの職場で身体を求められる件 作:通りすがりの魔術師
【来たのか! (レーダー感知)遅せぇンだよ!(テレパシーで) 待ちわびたぞ少年!(愛)】
OO劇場版よかったです(今頃)
ベータ版が無事通ってゲームの制作が本格的にハードになってきた頃。セミは子孫を残そうと忙しなくメスを求愛して鳴き、そんなこと知らない子供たちは無慈悲に彼らを虫取り網の中に入れる。はしゃぐ子供たちはセミの大きさで競い合ったり、カナブンなどのほかの虫も捕まえたりして夏休みを謳歌していた。
俺の視界に入ってる子供たち以外にも夏休みを満喫している者は多いのだろう。幼稚園とか低学年の小学生だと虫を捕まえるのが夏休みの大イベントだが、高学年になると友達の家でゲームになる。大乱闘とか早めに大人の味を知りたい子は狩人になってるだろうか。
中学生、高校生になると夏休みは部活一色になる。大会目指してチームメイトと汗を流して週に一度ある休みでゲームしたり、友達と夏祭りに行ったり花火を見たりと…それに思春期だと恋人と過ごすことも増えるのではないだろうか。俺はなかったが。
しかし楽しい夏休みも社会人になると、良くて1週間、最悪の場合なしとなる。それは学生の間の努力次第なので、今を楽しむ彼らがこれからどうなるか楽しみである。
「未来の日本はどうなってるのかなぁ…」
「急に何を言ってるんですか」
新作ゲームのマスターアップまでもう少しという所で偶然重なった休日に俺はうみこさんと約束していたサバゲーに行っていた。久しぶりの戦場は心地よく知り合い達からブービートラップの魔王と謳われた実力を遺憾無く発揮した。けどそれも数時間前の話で、流石に俺と違って毎週のようにやっている皆さんには1時間くらいで攻略され八つ当たりとばかりに乱れ撃ちにされたり何も出来ないように拘束されたりと、帰りに精神的に参ってしまいタイムマシンで過去から来た仙人みたいなことを口走ってしまう始末だ。
「にしても味方ながら驚きました。よくもまぁあんな稚拙で陰湿なトラップばかり思いつきますね」
褒めてるのか貶してるのかホントに分からないが、あからさまなBB弾地雷を置いてそれを避ける道に別のトラップを作るのは基本じゃないかと思う。他にも専門学生時代に作ったワイヤートラップとかリモコン式BB弾爆弾は相手も驚いてたし、うみこさんもその完成度に舌を巻いたのか素直に賞賛されて俺も鼻が高くなってしまう。
「まぁ狙って撃つより罠にかかって驚く顔を見る方が好きなんで」
「ゲスですね」
「知能派と呼んでください」
戦場の破壊神のうみこさんと戦場の魔術師の俺がチームを組んだから百戦錬磨でしたねと笑ってみせる。
「自陣に潜り込まれてもあれだけのトラップがあれば安心できますからね」
嘲笑って一蹴されると思っていた言葉に予想外にも首肯して見せたうみこさんに驚きを隠せずいると、うみこさんは「どうしました?」と首を傾げてくる。
「いや、なんでもないですよ。それよりこれからどうします?」
互いに筋トレを日課としてる者同士、午前中に数時間バトってもまだ体力は有り余っており、午後からの出勤もないため完全にフリーとなっている。もう少しサバゲーを楽しんでもよかったのだが、折角の休みに一日中サバゲーというのは味気ないとうみこさんが切り出したのでそれに従ってサバゲーフィールドから離れて街の方へ来た。
「さて、どうしましょうか」
おっと、質問を質問で返すのはダメですよ。学校で先生に教わりませんでしたか? とまぁ、普段なら出てこない煽り文句が出てくるくらい今の俺は壊れてるらしい。
「とりあえず飯っすね」
時計を見れば12時はとっくに過ぎており、トラップを仕掛け回ったり逃げ惑ったりしたので腹は減っている。うみこさんもお腹が減ってるのだろう「そうですね」とお腹を摩る。
「何かリクエストがなければ私が食べたいもので構いませんか?」
「人間の食べれるものなら」
「私をなんだと思ってるんですか?」
「この前の意趣返しですよ」
熱心に働いてるのに引きこもり扱いされたからね。それに親からは家賃だけでそれ以外は自分で何とかしてるし…いや、家賃だけっていうけどかなりありがたいですありがとうございます。と、ここから離れた遠方で暮らす両親に頭を下げる。
「そうですか。では行きましょうか」
俺の仕返しに淡々と返したうみこさんは目的地へと歩き始める。それに追従する形で足を進めること数分。
「ここです」
「ここっすか…」
昼間からまぜそば専門店に来るのも驚きだが、女性にこういう場所に連れてこられるのも驚いた。はじめちゃんとはハンバーグレストランとかファミレスしか来たことないし、他に食事を共にした女性だと滝本だろうか。それでもイタリアンレストランだったし、女性らしさを感じるものだったが、まぜそばからは女性らしさが微塵も感じられない。まぜそば屋に見せかけたパスタ屋なら話は別だか店前に置かれたメニューを見る限りそれはなさそうだ。
「何にします?」
前屈みでメニューを凝視していたうみこさんはメニューを決定したのか俺の方を振り向く。ラーメンとかうどんはよく食べるけどまぜそばは初めてなんだよなぁ。大抵、はじめてくる店は当店の人気ナンバーワンみたいなポップがついてるのを選ぶのだが、残念ながらこの店にはそれがない。第2の選択肢だと同じのでになるのだが、うみこさんとの食事が初めてなので何を頼むかが分からない。そのため危険が付き物だし、食いきれないと店主に失礼に当たる。
「じゃあ…」
そう言って指さしたのは第3の判断基準となる1番大きく描かれたモノだ。こういうのは暗に「これが一番スタンダードなモノ」と示していて、これがこの店の看板メニューだということを無言ながら語りかけているのだ。
「なるほどそれですか。いいですね」
「うみこさんはどれにするんですか?」
「私はいつも食べてるこれですかね」
指差したのを見るとネギと辛子が多めのなんとも形容し難いモノだったが、うみこさんが食べるのなら納得できるかなというものだった。
へーと聞いといてアレな声を出してしまったがうみこさんは特に気にすることなく店の中に入ると券売機で注文を済ませる。俺もそれに倣ってお金を入れてボタンを押して出てきた券を店主と思わしきおじいさんに渡した。
「あれうみこちゃん、今日は彼氏連れかい?」
「いいえこれは違います」
「これ言うな」
俺がうみこさんの隣に座るなりそう声をかけてきた店主に、うみこさんは首を振る。これ呼ばわりされたことにツッコミを入れると店主は調子よく笑って、俺の前のカウンターにご飯と唐揚げを出す。
「1時間だけのサービスだ。好きなだけ食いな」
「え? あぁどうも」
こんなの頼んだかと思ったが、ラーメン屋でいうギョーザやキムチのサービスかなと思ってカウンターから自分の前まで持ってくると割り箸を割って手を合わせる。
「いただきます」
唐揚げをご飯の上に乗せて共に一口で咀嚼する。2時間ほどサバゲーで痛めつけられた身体に鶏肉の旨みと白米の豊潤さが体に染みていく。これもあたらしい筋肉の一部になるのだなと感動していると、隣で俺の食いっぷりを見ていたうみこさんがふふっと微笑んだ。
「なんすか」
「いえ、別に」
なんでもないように俺と同じく唐揚げとご飯を食べ始めるうみこさんに訝しげな目を送るが、以前の滝本と同じく自分の好きな店を気に入って貰えて嬉しいという感情かと考えると特にこれ以上言及する気は無くなった。
無心でおかわり自由なご飯と唐揚げを食うことしばらくしてメインディッシュであるまぜそばが出てくる。中華そばにその底に少しある程度の汁とトッピングされたネギ、温泉卵、七味唐辛子、メンマ、チャーシューとまるで汁がないラーメンみたいだとそんな感想を抱く。
しかし美味そうではあるし、食欲を唆られるものではあるが、果たしてこれのどこがまぜそばなのだろうかと疑問を抱く。だがその直後にその疑問は吹き飛ぶことになる。汁とトッピングと麺を絡めるように混ぜ合わせて麺を啜るうみこさんを見て「なるほど」と納得したからだ。見様見真似で俺も温泉卵を白身と黄味で分けてガッツリ混ぜて汁と七味が麺に融合されたところで麺を啜る。
「うめぇ」
自然とその言葉が出るくらいには美味かった。七味が入ってるから少し辛いかと思ったがそんなことは無い。むしろこれくらいの刺激がちょうどいいかと思えるくらい汁と絡み合っていい味を出している。これがまぜそばか…と時の涙が見えてる気がする。
「それはよかったです」
再びふふっと笑みを浮かべたうみこさんにお礼が言いたくなるくらいには美味で唐揚げとご飯が食い放題という太っ腹ぷりを見せる店長には感謝のしようがない。とりあえずまた今度来ようと地図アプリに登録して俺とうみこさんは店を出た。
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「で、次はどうします?」
腹も脹れてもうお開きでいいんじゃないかと満足感に至っていた俺にそう問いかけてきたうみこさんに俺は顔を見合わせる。
「俺は特にもう行きたいとことかないんですけど」
暗喩にうみこさんがいきたいとこないなら帰りましょうと含んでみると、うみこさんは顎に手を置いた。知的な女性が考える所作をとるときによくやるポーズだ。もちろん今のは俺の偏見でしかない。
「そうですね、私も特にありませんね」
やりたい事をやって食べたいものを食べたからうみこさんは充足しており、特にこれからやることも思いついていないようだった。
「ですが、腹ごなしはしておきたいですね」
だが健康マニアというか、デスクワークばかりで身体を動かさないと知ってる人間故に、過度な食事を摂った後は運動がしたくなるらしい。
「腹ごなしって今からジムにでも行くんですか?」
「私は大丈夫ですが…そうなると別々になりますね」
一応確認でどこのジムに通ってるか聞いてみたが、うみこさんはジムなどには通っておらず家で出来る筋トレにとどめてるらしい。
「別に2人でしなくてもいいんじゃないですか」
柔軟とか組体操をするなら2人必要だが、筋トレは1人で出来る。確かに2人でやるとカウントとかタイムを測ってもらえるし、2人で出来る筋トレというのも存在するが社会人が休みの日にやることではないだろう。
「それはそうですが、貴重なサバゲー仲間なのでもう少し親交を深めておきたいです」
気付かないうちに仲間認定されていた。嫌じゃないんだけど複雑な気分だ。
「よし、では私の家に行きましょう」
「はい?」
突然の発言に思わず素っ頓狂な声が出てしまい、うみこさんに首を傾げられる。
「どうかしましたか?」
言えないな同期に家に連れてかれた挙句に搾り取られてそれ以降女性の家がトラウマになってるとか。
そもそも、最近の俺はおかしかったんだ。いくら歳下の女の子にモテてるからっていい気になって処女貫通なんてしちゃってさ。調子に乗ってあんなことやこんなことしてしまったり。自制が効かなくなったと言うべきか。
「意外だったんで」
うみこさんは多分俺のそういった事情を知らない。おそらく勘づいていても遠山さんくらいだろう。涼風は全くだろうし、滝本は涼風くらい、飯島とはじめちゃんは互いに1度共にしてるから知ってるだろう。だからほぼ全てを何故か把握してるのは遠山さんくらいだ。ほんとなんでなんだろ。
とりあえず、誤魔化すために出た言葉としては自然でうみこさんは「確かにそうですね」と頷いてみせる。
「イーグルジャンプに男性が少ないというのがありますが、家にお誘いしたのは貴方が初めてですね」
一昔前の俺ならドキッとしてた言い方だが、今となれば苦笑いを潰すための愛想笑いしか出て来ない。
「どうします?」
うみこさんなら断っても問題なさそうだが、この人の場合滝本のような他意はなさそうだし、筋の通らないことはしないタイプだ。俺から襲わない限り大丈夫だろう。
「じゃ少しだけ」
長居はするつもりなく夕方前に帰るか、もし夕食を馳走になるならなろうという心構えで承諾した。でも絶対に家には帰るそんな腹積もりで。そうしてやっとこさ足を動かした俺達は電車に乗ってうみこさんの家へと向かった。
そろそろ主人公の名前決めないとなと思いました。好きなキャラの名前くっつけて【仙道 ツカサ】とかでいいですかね。でも、割と居そうな名前だし「この名前でよかった」という羨ま死ねを回避するために改名しないといないように名前にします。
ではまた次回。
この主人公に対して好感が持てるか
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持てる
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持てない
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日常シーンでは持てる それ以外は〇ね
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普通くらい