~~前回までのあらすじ~~
対魔忍、八津紫を救出するため、そして
桐生佐馬斗を倒す為に龍門のビルに
潜入していた仮面ライダーは、紫と同じく桐生
に捕えられ、レイプされていたブラックの側近、
女魔界騎士イングリッドを救出。
仮面ライダー、紫は本来敵であるイングリッド
と一時的な協力関係を築き、桐生を撃破。
イングリッドは迎えに来たブラックと共に。
仮面ライダー達は紫、助け出した女性達と
共に東京キングダムを後にした。
東京キングダムでの一件から数日後。
あれから紫は検査と療養という事で
橘邸に滞在していた。
そしてその日は、任務を終えて戻っていた
紫の兄、九郎が橘邸を訪れて居た。
「改めて、兄として妹を救ってくれたことを
感謝する」
地上のハウスのリビングでテーブルを
挟んで向かい合う歩夢達3人と紫、九郎の
二人。
自己紹介を終えると、早々にそう言って
頭を下げる九郎。
「こちらこそ。妹さんがご無事で何より
でした。ですので、どうか頭を上げて
下さい」
笑みを浮かべながらそう促す歩夢。
「……そう言って貰えると、ありがてぇ。
とにかく、紫、無事で良かった」
「はい。……あの時橘さん達に、仮面ライダー
に来て貰わなければ、どうなっていたか」
『ブルッ』
その先を考え、僅かに身震いする紫。
「大丈夫です」
そして、それに気づいた歩夢がフォローを
入れた。
「桐生は完全に倒しました。だから
もう、大丈夫です」
紫を安心させようと、笑みを浮かべる
歩夢。しかし、紫は逆にその笑みを
見て、頬を赤く染め始めた。
「紫?」
それに気づいて彼女の方を見る九郎。
「どうした?顔が赤いぞ?ひょっとして
風邪でも拾ったか?」
「あっ!だ、大丈夫です兄様!
まだ少し疲れが抜けていないだけです!」
と、何とか誤魔化そうとする紫。
「っと、そうだった。実は橘さん。あんた
宛てに里から手紙を預かってきたんだ」
「手紙?僕に?」
疑問符を浮かべる歩夢に、九郎は懐から
取り出した封筒を渡した。
それを受け取り、封を解いて中身を
取り出した歩夢は、黙読で内容を
確認したが……。
「……そう言う事か」
しばらくして、息をついてから手紙を
テーブルの上に置く歩夢。
「歩夢、どうしたの?手紙に何か?」
何が書かれていたのか、気になって声を
掛けるアサギ。
「うん。手紙の内容は、僕に対魔忍として
復帰しないか、と言う誘いの物だったよ」
と言うと、アサギとさくらは驚き、紫と
九郎も別の点で驚いた。
「もしかして橘さん。あんた対魔忍
だったのか?!」
彼が元対魔忍であった事に、九郎と紫は
驚いていた。
「うん。最も、能力的には下の下。取り繕って
も下の中くらいの、弱い対魔忍だったから。
前線に出ても死亡する確率の方が高いと
言われてね。里を追放されたんだ。
……もう、10年くらい前の話になるかな」
「……すまんぇ、変な事を聞いちまった」
僅かに頭を下げる九郎。
「あぁいえいえ。気にしないで下さい。
……両親や周囲に勧められたのもあるんです。
このままでは対魔忍になっても死ぬかも
しれない。だったらいっそ、無関係な
一般市民になった方が安全だろうって」
「それで、歩夢は里を追放。外部の一般人
の家族に養子として引き取られたの」
あの日々を思い起こし、静かに呟く
歩夢とアサギ。
「もしこのまま僕が対魔忍になったとしても、
最悪アサギやさくらちゃんの足を引っ張って
しまう。そう思って、僕は里を出たんです。
でも、そのすぐ後でした。
……女性対魔忍が、妖魔に捕まったら、
どうなるのか。どんな残酷な運命が待っている
のか、僕は知っていました。
そして、アサギ達がもしそうなったら。
僕の中でやるせなさが芽生え、そして……。
彼女達を守る為に、マスクドライダーシステム
の開発に着手したんです」
「それが、仮面ライダーが生まれた理由」
歩夢の言葉を聞き、紫はギュッと自分の
胸の前で右手を握りしめた。
愛する女のために、力を手に戦う男。
それを愛される女の側から見れば、
その男はどれだけ輝いて見える事か。
紫は、そんな事を考えていた。
「うん!そして、アユ兄は私達がピンチ
の時、仮面ライダーとして助けに
来てくれたんだから!」
そう言って、歩夢の右隣に座っていたさくらは
彼の腕を自分の胸に抱き、誇らしげに笑みを
浮かべていた。
「って、さくらちゃん近い近い!」
九郎達が居るとあって、顔を赤くする歩夢。
「え~?アユ兄はぁ、こんな美少女が側に
いる事に不服なの~?私達って~、
未来を誓い合った仲じゃないの~」
「そ、それはそうだけど~!」
悪戯っぽい笑みを浮かべるさくらと
戸惑う歩夢のやり取りに、アサギと九郎が
笑みを浮かべていた。しかし紫は……。
『未来を誓い合った仲って、つまり、
結婚?じゃあ、橘さんはさくらと……』
彼女は、どこか羨ましそうにさくらに視線を
向けていたのだった。
「いやぁ、しかし仮面ライダーか。
こいつは橘さんが一から作り上げたのかい?」
「えぇ。アイデア自体は軍でも採用されている
強化外骨格、パワードスーツです。
僕はより高い攻撃力と機動性。そして何より
携帯性を従来の物からシェイプアップ
させた物を作ろうとしました。
それが、マスクドライダーシステムです」
「で、それを纏った姿が仮面ライダーって
訳か。……興味があるな。良ければ
少し話を聞かせて貰えないかな?」
と、九郎が言うと……。
「あっ!私も!改めてだけど、私達も
アユ兄の作ったライダーシステムについて
余り知らないからさ!」
「あっ、わ、私も、です」
更にさくら、紫が挙手しながら歩夢に促す。
「そう。……まぁ良いですよ」
そう言うと、歩夢は懐からゲーマドライバーと
ハリケーンニンジャガシャットを取り出した。
「マスクドライダーシステムの第1世代機は、
このベルト、ゲーマドライバーとガシャット
で構成されています」
「第1世代?って事は、まだ今後も開発を
続けるの?」
と、首をかしげるアサギ。
「うん。ゲーマドライバーのライダーなら、
大抵の妖魔を倒せる。けど、エドウィン・
ブラッククラスとなると、もっと力が
必要なんだ。もちろん今の物より
強力なガシャットの開発も行っているよ。
でも、いざと言う時の為にもっと強い
ライダーシステムが必要なんだ。
……使わずにすめば、それに越したことは
ない。でも、あればそれだけである程度
余裕が出来るからね」
「成程」
と、頷くアサギ。
「えっと、じゃあ説明を戻して……。
第1世代の特徴は、汎用性だよ。
変身する基礎となるのは、ベルトである
ゲーマドライバー。そのドライバーに
変身用のガシャットを装填する事で
変身。更に強化用ガシャットを装填
する事でパワーアップが出来るんだ」
「汎用性、と言うと、もしかして他にも
まだガシャットがあるの?」
と、アサギは問う。
「うん。……まず最初に僕が設計したのが、
10個のプロトタイプガシャット、
通称『プロトガシャット』。でも設計段階で
プロトガシャットは使用者にかなりの負担
を掛ける事が分かったから、あるのは
設計データだけ。そこから更に、
今度は負荷を低減させる物として
プロトガシャットのアップデート版、
つまり普通のガシャットを10個作った。
けど、そこである問題に行き着いたんだ」
「問題?」
と、首をかしげるさくら。
「そう。ライダーシステムの究極の到達点は、
『一騎当千』、『無双』という言葉の再現。
つまりは、どんな敵を相手にしても確実に
倒す事の出来るパワーを得る事。最初僕は
それを成す為にライダーシステムを開発
した。でもある時思ったんだ。
相手は組織。対する対魔忍は少数精鋭。
戦闘は必然的に、多数対一人か、
多数対少数。そうなると、如何に
ライダーが強くても一人じゃ手が
足らない場面が出てくる。
それに数が同等なら、最終的に個人の
パワーが物を言うからね。そのために
創り出した11個目のガシャットが、
僕の使うハリケーンニンジャなんだ」
「成程ね。あれは言わば、指揮官。
そしてその指揮を受けるのが、
あの一つ目の兵士達、と」
「そう言う事」
と言うと、ガシャットとドライバーを
しまう歩夢。
「あの」
その時、紫がおずおずとした感じで挙手した。
「質問なんですけど、そのライダーに
変身するのって、何か素質が必要
なんですか?」
「いや。元来の素質は必要無いよ。
適合手術、と言うか変身に必要な物を
体に投与し馴染めば普通に変身出来る
ようになるんだ」
「ほぉ?だったらその手術って奴を受ければ
誰でも変身出来る訳か」
と相づちを打つ九郎。
「まぁ、ね。現在僕の元にあるのは、僕が
所持する物を含めて、ドライバーが4つ。
変身用ガシャットがハリケーンニンジャを
含めて5つ」
「って事は、今のところアユ兄以外に
3人はライダーになれるって事だね」
「ッ」
『ライダーになれる』。その言葉が、
紫の中に響いた。
「そいつはすげぇな。……っと、もう
こんな時間か。それじゃあ紫、そろそろ」
そう言いながら立ち上がる九郎。すると……。
「あ、あのっ!私を、ここに住まわせて
くれませんか!?」
そんな事を叫ぶ紫。
「え?」
と、首をかしげ疑問符を漏らす歩夢。
「それはまた、何故ですか?」
「こ、今回は橘さんやアサギ様、さくらに
助けられました。私としてはその恩返しが
したいんです。それに、最強と言われる
アサギ様の元で、対魔忍としてもっと
強くなるように修行がしたいんです!
お願いします!」
と、咄嗟に思いついた理由を並べ、
頭を下げる紫。
「住むって。まぁこの家自体まだ部屋は
余ってるし、下にも部屋がたくさん
あるから問題無いけど……。
二人はどうする?」
と、歩夢。
「私は、別に構わないわよ。強くなりたい
と言う彼女の意思を尊重するわ。
さくらは?」
更にアサギ。そしてさくらは……。
「う~ん。まぁ私としては別に
断る理由が無いから良いっちゃ
良いんだけど……」
と、肯定しながらもどこか歯切れの
悪いさくらだった。
で、最後は……。
「そう言うのは、やっぱり家長である
歩夢が決める事ね。私は歩夢の決定に
従うわ」
「そうだね。私もアユ兄が決めた事なら
文句は無いよ」
と、家長である歩夢に任せる二人。
そして肝心の歩夢は紫を見つめるが……。
「………」
『じ~~~~~っ!』
目を輝かせ、断ったら今にも泣き出しそうな
その表情に、歩夢は断れる訳も無く……。
「わ、分かりました。じゃあ、その、
これからよろしく」
「ッ!はいっ!ありがとうございます!」
そして、紫の橘邸移住が決定した。
数日後。少しの家具と共に越してきた紫に、
早速部屋が割り当てられた。
「ふぅ、荷物はこれで全部かな?」
「はい。ありがとうございます橘さん」
その部屋に家具などを運び込む歩夢と紫。
そんな時。
「う~ん、紫ちゃん、別に名字じゃなくても
良いよ?」
「え?」
「アサギとさくらちゃんも、下で呼び合う
仲だし。最悪呼び捨てでも良いからさ。
僕も下の名前をちゃん付けな訳だし」
「そ、そうですか!?じ、じゃあ、
えっと、歩夢、さん」
「うん。じゃあ、改めてよろしくね、
紫ちゃん」
そう言って、右手を差し出す歩夢。
「ッ!はいっ!」
そして紫は、笑みを浮かべながらその手を
取るのだった。
こうして、橘家に新たな入居者、紫が
加わったのだった。
それから数日が経った。
紫はアサギを師事し、時間があれば彼女と
戦闘訓練を行っていた。また、
さくらと同世代、と言う事もあって
紫もさくらと同じ学校へ転校。
学生と対魔忍を兼任していた。
しかし、ある日。
『よし。今夜こそ、歩夢さんに告白
しよう!そして、さくらのライバル
宣言を!』
好意を寄せる歩夢に告白しようと
息巻いていた紫は、夜になって歩夢を
探した。上のダミーハウスの部屋には
居なかったので、地下へと降りた
紫は、彼の部屋へと向かった。
しかし……。
『よし、今日こそ!』
そう思い、扉の取っ手に手を掛けた時。
「あ、あぁっ!んぁっ!」
突如、中からさくらの嬌声が聞こえてきた。
ビクッと体を震わせながら指を止める紫。
そして彼女は、恐る恐ると言った感じで
ゆっくりと扉の隙間から中をのぞき込んだ。
そこで行われていたのは、夜の営み。
アサギとさくらが、歩夢と愛の営みに
ふけっていた。
「あ、アユ兄!アユ兄!んぁぁ!」
仰向けになっている歩夢の上に跨がる、
いわゆる騎乗位の体勢のまま腰を
上下に動かしながら、さくらは嬌声を
上げる。
その動きに合わせて震える胸の動きは、
何と扇情的な事か。しかしそれだけ
では無かった。
「あ、歩夢ぅ」
アサギは、さくらとは反対に歩夢の顔の上
に跨がっていた。よく見れば、歩夢の舌が
アサギの秘所をペロペロと愛撫している。
「ふぁ、あぁ!アユ兄!おちんぽ、
おっきい!あ、あぁぁ!」
「舌、舌ァ!ペロペロ、気持ち、
良い!んっ!ふ、うぅぅぅ!」
二人とも、恍惚とした表情を浮かべながら
体を震わせていた。
パンッパンッと腰を上下させるさくら。
秘所とクリを舌で愛撫され、腰を
震わせるアサギ。
「んぁ!アユ兄の、おちんちんピクピク
ってぇ!イク!イクのアユ兄!?
良いよぉ!イッてぇ!中出し
して!さくらのおまんこもイクから!
あっ!あっ、あっ、あっ!」
「あ、歩夢ぅ!わた、私もぉ!
あぁ!も、もうダメ!腰、
砕けちゃう!ふぁぁぁっ!」
甘い声を漏らす二人。そして……。
「「イ、イクゥゥゥゥゥゥゥゥッ!!!」」
二人はほぼ同タイミングで絶頂した。
『ビュクビュクンッ!!』
更に、さくらの方は膣内にザーメンが
吐き出されている。
『ペロペロッ!』
アサギの方も、絶頂している所を更に
舐められている。
「「ふぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」」
『『プシャァァァァァァッ!!』』
そして二人は、おまんこから愛液を
大量に噴き出した。
さくらは、体をビクビクと震わせ
ながらアサギに向かって倒れ込み、
それを受け止めるアサギ。
「お、お姉」
「さくら」
そして二人は顔を近づけ……。
『『チュッ』』
キスを交わす。二人は互いの胸に
手を当て、乳首を刺激しあいながら
舌を絡ませる。
3人には、今という時間が幸福だった。
愛おしい家族と肌を重ねる、今
と言う時間が。
だが、その時。
『ドサッ!』
『『『ビクッ!!』』』
突如聞こえた物音に驚き体を
震わせる3人。しかし次の瞬間、アサギ
は側にあったシーツを引っ掴んで投げ、
視界を塞ぐ壁を作った。
次いでさくらと歩夢も、ベッドから
飛び起き、近くの物陰にアサギと
一緒に飛び込んだ。
対魔忍、仮面ライダーとして戦っている
3人の咄嗟の反応としては妥当な所
だろう。3人は冷や汗を流す。
しかし、攻撃などそもそも無い。
「……。大丈夫、かな?」
僅かに物陰から顔を出した後、
立ち上がった歩夢はバスローブを
纏って机の上にあったゲーマ
ドライバーを巻き、ガシャットを
手に静かに扉を開けた。
そしてそこでは……。
「む、紫ちゃん!?」
3人の痴態を見ていた紫が何故か
顔を赤くした状態で倒れていた。
~~~
今、紫は夢を見ていた。
彼女は、強かった。常人では持つ事すら
敵わない武器を使って、襲い来る敵を
倒していく。
『自分は強い』。彼女はそう思っていた。
でも、それが驕りとなった。
敵の絡め手によって捕えられ、
純潔を散らしてしまった。
好きでも無い男に陵辱され、感じて
しまう自分自身が、酷く惨めに思えた。
だが後悔している場合では無い。
更なる悪意が、彼女を壊そうと
襲いかかってくる。
「いやっ!いやぁっ!」
泣き叫んだ所で、助けなど来ない。
涙を流した所で、悪意の塊は止まらない。
願った所で、現実が変わる訳ではない。
少しずつ、絶望が彼女の心を蝕む。
だが……。
『ゲキトツクリティカルストライク!』
けたたましくも勇ましい電子音声が
響き渡り、紫の前まで迫っていた悪意の
塊達を、横合いから飛んできた物体が
なぎ払い、消滅させる。
「あっ」
紫が声を出した時には、拘束が消えていた。
彼女はその場にへたり込んだ。
そして、飛んできた物体がそれを
放った人物の左腕に戻る。
情熱、と言う言葉が似合いそうな、真っ赤で
堅牢な鎧を身に纏い、額に輝く勝利の
Vサイン。
そしてどこか力強さと優しさを思わせる、
輝く瞳。
そして、その人物、『仮面ライダー』は
ゆっくりと彼女の前に歩み寄ると、静かに
右手を差し出した。
「もう、大丈夫」
彼の言葉を聞いた瞬間、紫の中に安堵の
気持ちが広がる。
彼女にとって、その声は時に穏やかな
水のように優しく彼女を包み込み、
不安を払い。
時に正義の炎を烈火の如く燃えたぎらせ、
紫を襲う闇を払う。
彼は童話で語られる王子様のようだった。
敵であろうと涙に暮れる物に手を
差し伸べ、悪しき者を決して許さない。
慈愛と力強さを兼ね備えた、紛う事なき、
『人の上に立つ存在』。
そんな彼が、自分に手を差し伸べてくれた。
思いに、胸が張り裂けそうになる紫。
叶うのなら、紫は己の胸の内を、今ここ
で叫びたかった。
『あなたを愛しています』、と。
『恋は盲目』、とは良く言った物だ。
今の紫なら、例えどれだけのイケメンが、
多くのプレゼントや高価なプレゼントと
共に彼女に告白したとしても、玉砕は
免れないだろう。
それほどまでに、紫はただ一点。
歩夢を、仮面ライダーを見つめているの
だから。
今の彼女に、彼以外の『男』は映らない。
彼女もまた『仮面ライダー』、『英雄』の
背中を。『誰かを守る』、その決意を
背負って戦う『英雄の背中』を見てしまった。
そこに、他の男が入り込む余地など無い。
だから、紫は手を伸ばす。
彼の隣に立ちたいと思うから。
自らの思いを、彼に伝えたいから。
彼女は、光に向かって手を伸ばす。
~~~
「はっ!?」
そして、紫の意識が覚醒した時、
彼女は無意識の内に天井へと手を
伸ばしていた。
『ガバッ!』
慌てて体を起こす紫。
「あ、紫ちゃん。気がついたんだね」
不意に声が聞こえた。紫がそちらに
視線を向けると、寝間着を着た
歩夢が、側に椅子を置き座っていた。
更にその隣には、バスローブ姿の
アサギとさくらも居た。
「え?あ、その、わ、私、は……」
「大丈夫むっちゃん。廊下で
倒れてたんだよ?」
「ッ、廊下、で?」
さくらの言葉に、戸惑いながらも
記憶を呼び起こす紫。
そして、思い出した。
そう、あれは、『ショック』だった。
それだけだった。
歩夢と交わるさくらとアサギ。
二人の妖艶な姿を見て、紫は
一瞬、絶望した。それで気絶して
しまったのだ。
そして……。
「ご、ごめんなさい!わ、わた、
私!覗くつもりなんて!」
「お、落ち着いて紫ちゃん。僕達は
気にしてないから」
咄嗟に宥めようとする歩夢。
しかし……。
「し、失礼します!」
彼女は起き上がり、部屋を
出て行こうとした。が……。
「待って」
彼女の手をさくらが掴んで止めた。
「は、離して!私は……!」
「むっちゃん、アユ兄が好きでしょ?」
「ッ!」
何かを言おうとした紫を制したさくらの
言葉に、紫は息をのみ顔を真っ赤にする。
「なっ、ど、どうして、それを……」
戸惑いながらも問い返す紫。すると
さくらは笑いながら答えた。
「そりゃ~ね~。むっちゃんの日頃からの
アユ兄に向ける視線を見てれば
気づくよ。ねぇお姉ちゃん」
「そうね。あれはどう見ても恋する乙女
の熱い視線だったわね」
「え?!なっ!?そ、そこまでバレて……!」
憧れのアサギと友人のさくらに、そこまで
バレていたことに驚き顔を真っ赤にする紫。
しかし、直後紫はいたたまれなくなった。
彼女はここから離れたかった。あんなに
仲睦まじい姿を見せられては、今更告白
したところで、振り向いて貰えるか
分からない。
そんな思いが、彼女の中にあった。
だから、次の言葉が予想外過ぎた。
「じゃあ、むっちゃんは私のライバル
だね」
「え?」
ライバル、と言う言葉に呆けた声を
上げてしまう紫。
「だってそうでしょ?同じ人が
好きなら、恋愛のライバルじゃん」
「ら、ライバル?……で、でも、
二人はもう、あんなに仲良くて、
それに婚約まで……」
「うん。確かにアユ兄とはそこまで
行ってるよ。……でも、婚約は
婚約。まだ結婚した訳じゃないし。
だから、正直に言うとむっちゃん
にはまだチャンスがあるんだよ」
「ッ」
チャンス、の言葉に息をのむ紫。
しかし彼女はすぐに頭を振った。
「で、でも!それじゃ、その!
ね、寝取られ、とかになるんじゃ……」
戸惑い、そう呟く紫。
「まぁ、確かにそうかもしれないけど、
でも。アユ兄がむっちゃんの事を
好きになったら寝取られ、とかとは
違うんじゃない?それに、アユ兄が
私よりむっちゃんに魅力を感じたら
結局、私はその程度だったって事だし」
と、あっけらかんとした表情で
答えるさくら。
そして……。
「それに、正直に言えばアユ兄の魅力って
言うのは側に居る私やお姉ちゃんだから
こそ分かってるつもりだよ。アユ兄、
女の人って言うか泣いてる人には
メッチャ優しいし。……それに、
アユ兄、ううん。仮面ライダーとして
戦う姿を見て、優しく接して貰えて、
守ってくれたら、やっぱり女の子として
好きになっちゃうって。普通は」
「そうね。……歩夢の戦う姿と決意を
見て、聞いて。そして歩夢の優しさ
に魅せられちゃったら、もう
顔が良いだけの男の甘い言葉程度じゃ
ときめいたり出来ないでしょうね」
と、アサギもさくらの言葉に頷く。
「歩夢は、身内贔屓に聞こえるかも
しれないけど、人間として完成して
いるとも思って居るわ。優しく、強く。
そして何よりも他者を思いやる心を
持っている。料理の腕も良いし
暮していても助かる事が多いし。
……歩夢に欠点なんてあるかしら?」
とまで言うアサギ。
ちなみに肝心の歩夢は、二人からの
べた褒めに顔を真っ赤にして悶えていた。
「まぁ、つまり。私達以外にアユ兄に
惚れる女の子が増えるかもって事は、
薄々分かってたんだよね。特に、
私達と同じような状況だった
むっちゃんなら、尚更ね」
「奴らに捕らえられ、絶望の中
差し出されたその手。
確かにね」
さくらの言葉に納得するアサギ。
「そ、それって、その、わ、私も
歩夢さんとの、恋愛競争に……」
「うん。そこに私やお姉ちゃんは文句
なんて無いよ。やっぱり女の子
だもん。好きな人の側に居たいし、
振り向いて欲しいって思うのは
当たり前だよね。だから、むっちゃんは
今私達のライバルなんだよ」
「ッ!……あ、歩夢さんは、良いん
ですか?」
と、今まで蚊帳の外だった彼に問う紫。
「うん、まぁね。……人に好かれて
悪い気はしないし。それに、紫ちゃんが
誰を好きになるのかは、紫ちゃん次第
でしょ?そこに僕が何かを言うのは
お門違いだよ」
その言葉は、つまり紫の歩夢への
思いを否定しないと言う事だった。
「そう、ですか。……うっ、うぅ。
良かった。良かったぁ……!
うぅ」
それはチャンスだ。諦め掛けていた
事の可能性が蘇り、紫はその場で嬉し涙を
流すのだった。
そして、約10分後。
「どうむっちゃん。落ち着いた?」
「あ、あぁ。すまない。ガラにも無く
涙など……」
今、紫はベッドの淵に座り、隣に
さくらが座って彼女の背中を
摩っていた。
「……なぁ、さくら。これから私は、
その、お前のライバルになった訳
だが……。その、よろしく頼む」
「うん。……でも、負けないからね
むっちゃん。私だってアユ兄への
想いで負ける気ないから!」
そう言って、さくらは笑みを浮かべた。
「ふふっ。ならば、私はその想いの
上を言ってみせる!」
さくらを見て、紫も笑みを浮かべながら
立ち上がった。
「お前には負けないぞ!さくら!」
「それはこっちの台詞だよむっちゃん!」
さくらも立ち上がり、紫を正面から
見つめる。そして二人は不敵な笑みを
浮かべながら互いに握手を交わすの
だった。
こうして、今日という日、紫はさくらの
ライバルとなったのだった。
のだが……。
「では、私はこの辺で失礼する」
そう言って、紫は出て行こうとした。
「え?むっちゃん、もう行っちゃうの?」
「は?」
疑問符を浮かべるさくらに、更に紫は首を
かしげた。
「私的には、てっきりエッチの腕を競うかな~
とか思ってたんだけど」
「なっ!?」
ボッ、と音がしそうな程顔が赤くなる紫。
「まぁやらないなら良いよ~。私と
お姉ちゃんはこれから第2回戦に
突入するだけだし~」
そう言うと、バスローブを脱ぎ裸になる
さくら。
「そ、そうね」
そして、アサギも顔を赤くしながら
バスローブを脱ぎ、裸になる。
「ア、アサギ様まで!?」
驚く紫を余所に、二人は歩夢に抱きつくと、
彼をベッドの淵に座らせ、ローブを
脱がせた。
「あっ!ちょっ二人とも!」
慌てて止めようとする歩夢。しかし
時既に遅し。
ローブが開け、下からビンビンに勃起した
彼のペニスが現れた。
「ッ!」
それを見ただけで、紫は顔を赤くし、目を
見開きながらそれを凝視してしまう。
『あ、あれが歩夢さんの、お、おぉぉ、
お、おちんちん!?わぁ!改めて
見たけど、あ、あれが女のあそこに
入るの!?』
顔を真っ赤にしたまま戸惑う紫。
「それで、むっちゃんはどうする?」
その時、さくらの声にハッとなる紫。
「別に参加しなくても、しても。どっちでも
私は良いけど?」
さくらは、そう言って歩夢のペニスを
優しく手で包み込んだ。
「うっ」
それだけで体を震わせる歩夢。
「私は、今からもっとも~っと、アユ兄と
エッチするだけだし」
そう言って笑みを浮かべるさくら。
そして……。
「だ、だったら私もだ!わ、私の
魅力で歩夢さんをめ、メロメロに
して見せる!」
そう言って、彼女は意気込みベッドへと
向かった。
のだが……。
一時間後。
「あっ!や、やめぇ!あ!あぁぁぁぁ!
イク!イクイク!ふぁぁぁぁぁぁっ!!」
紫は、歩夢・さくら・アサギの3人に
よって徹底的にやられていた。
アサギとさくらが彼女のおっぱいを、
舌や手、指先を使って愛撫し、歩夢の
ペニスが彼女の膣内をゴリゴリと抉る。
更に時折さくらの指先が紫のクリトリス
を刺激する。文字通り、猛撃。
快楽の波が隙間なく彼女の体に襲い
掛かっていた。
「イクゥゥゥゥゥゥゥゥッ!」
『プシャァァァァァァァッ!』
そして、3人からの愛撫に紫は
絶頂し、潮を吹いた。
ガクガクと体を震わせる紫。しかし……。
『パンッパンッパンッ!』
『チュ~チュパッ!レロ~』
3人からの愛撫は終わらない。
「あ、あぁぁぁぁぁぁ!
んぁぁぁぁぁ!だ、ダメェ!
イッて!イッてるのにぃぃ!
おまんことおっぱい、ダメェェェッ!
あぁぁぁぁぁぁ!」
イッて敏感な体を、しかし容赦なく
快感が襲いかかる。
文字通り、快感が濁流となって紫の
頭に押し寄せる。
「紫、ちゃん。そろそろ、僕も」
「あ、あぁ!良い、ですよぉ!
中に!中に、下さい!歩夢さんの
子種!私に恵んで、くだ、
んぁぁぁぁ!」
快感に喘ぐ紫。そして……。
「イ、イクッ!」
彼が叫んだ次の瞬間。
『ドビュドビュッ!』
熱々のザーメンが紫の子宮目がけて
発射された。
「んあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
それだけで、紫は幸福感に包まれながら
絶頂を迎えるのだった。
「あ、あぁ」
今、紫はベッドの上で未だに残る快感の
余韻に時折体を震わせていた。
『す、すごい。これが、純愛セックス。
あの時のような忌諱感なんて無い。
むしろ、嬉しくて、気持ちよくて、
もうどうにかなってしまいそうだ』
快感に体を震わせながらも、ベッドに
横になる紫。
しかし次の瞬間。
『ジュルルルルッ!』
「んひぃっ!?」
突如、彼女のおまんこを誰かが啜る。
驚きそちらに視線を向ける紫。
見るとさくらが紫のおまんこに舌を
入れていた。
「さ、さくら!?お前何を!?」
「ん~?ぷはっ。いや~ごめんごめん。
アユ兄のが溢れてたからついね」
そう言って、てへっ、と笑みを浮かべるさくら。
「お、お前な~~!」
その仕草に紫は額に青筋を浮かべた。
が……。
「それで、どうだった?私達3人からの、
ラブラブ愛撫攻撃は」
「ッ!」
その言葉を囁かれ、紫は顔を真っ赤にした。
「そ、その……。気持ち、良かった」
そして、ごにょごにょと小声で
呟いた。
「そっか。……でもねむっちゃん。
今日は言わば、むっちゃんの歓迎会、
なんだよ」
「え?」
彼女が疑問符を浮かべた次の瞬間。
「紫」
「え?」
さくらと反対側からアサギが迫る。
そして……。
『『チュッ』』
「ん!?ん~~!」
紫の唇を、アサギが奪う。更に……。
「紫ちゃん。行くよ」
一度は抜けたペニスを、紫の中へと
挿入しようとする歩夢。
「ん~!ん~~!」
キスで口を塞がれながら、止めようと
する紫。しかし、無意味だった。
『ズプププッ!!!』
「んんんんんんん!!!!!」
キスされながらも、喘ぐ紫。
今、彼女の目の前には憧れたアサギ
の顔があり、紫をのぞき込みながら
舌を絡ませ合っていた。
歩夢も、腰を振りパンパンッと乾いた音
を部屋の中に響かせる。
「ん!んふぅっ!ん~~~!」
キスされながら、紫の胸の内は高鳴る。
憧れのアサギと好意を持つ歩夢に
抱かれ、紫の心臓は高鳴っていた。
「どう?むっちゃん?気持ちいいでしょ?
今日は、むっちゃんの歓迎会だから。
だからね、むっちゃんが気持ちよく
なって気絶するまで、私達3人が、
徹底的にイかせちゃうんだから。
覚悟、してね?」
そう、さくらは妖艶な夢魔のような笑み
と共に、紫の耳元で呟いた。
『あぁ、今日、私、3人に墜とされちゃう
かも』
さくらの言葉に、紫はそう考えながら、
3人の生み出す快感に飲まれていった。
そして、4人の夜の宴は、紫が快感で
気絶する真夜中まで続いたのだった。
その後日。
「ねぇ、さくらちゃん。一つ聞きたい
んだけど……」
「ん?何アユ兄」
「……これって、自分で言うのもあれ
だけど、僕の、その、ハーレムみたい
になってないかなぁって思って。
もちろん、さくらちゃんの事は好き
だし、愛してる。アサギと紫ちゃんも
大切に思ってる。けど、その、
何というか、こう言うのって節操が
無いんじゃないかな~って思って」
そう悩みを告白する歩夢。
「そっか。……でも、アユ兄なら
仕方ないかな、って私は思ってる」
「仕方ない、って?」
「だってそうじゃない?アユ兄、自分で
は気づいて無いかもしれないけど、
男としての魅力はトップクラス
だよ?特に、仮面ライダーとして
戦ってる事とか。守って欲しい
女の子からしたら、好きになっちゃう
って。まぁ実際、私やむっちゃんは
その良い例だと思うし」
「……でも、良いのかな?さくらちゃん
は、嫌じゃないの?僕が他の女の子と
キスしたり、エッチしたりして」
「う~ん。不平不満は無いって言えば
無いかな。アユ兄の場合、いつもちゃんと
愛してくれるし。……それに、好きな人
を友達や家族と奪い合うのって、
何かヤだな」
「さくらちゃん」
「私はアユ兄が好き。でも、同じくらい
お姉やむっちゃんも大切に思ってる。
だから、好きって気持ちで争いたく無い。
そう思うと、いっそ皆がお互いの事を
好きになれば良いんじゃないかな~って
思うんだ」
「だから、僕のハーレムみたいな今の
状態でも良いの?」
「うん!」
歩夢の問いかけに、さくらは屈託の無い
笑みを浮かべた。
「だから、ね。私の事、お姉の事、
むっちゃんの事。いっぱい、
い~~っぱい愛して、幸せに
してよね?」
そう言いながら、さくらは歩夢の首元
に両手を回す。
「私達の英雄。『仮面ライダー』」
「うん。守るよ。皆の、幸せを。
僕は、『仮面ライダー』だから」
そして、歩夢も優しくさくらを
抱き返すのだった。
それから、と言う物、4人の共同生活が
改めてスタートした。
毎日のように歩夢にアピールするさくらと、
負けじと張り合う紫。それを見て笑みを
浮かべるアサギと歩夢。
英雄と呼ばれる存在の元には、人が集う。
彼を支え、共に戦う人々が。
その流れは、数多くの川が出会い、一つの
大きな大河となっていくが如し。
始まりの英雄の元に、人々が集い、
その力は大きさを増していく。
八津紫は、そんな英雄、歩夢の元へと
やってきた一人に過ぎない。
戦いはまだ終わらない。しかし、
出会いもまた、止まる事は無い。
次の戦いと出会いも近い。
しかし今、4人は彼らだけの
平和な日常を謳歌するのだった。
第4話 END
次回からは、第3章アサギ2編です!
お楽しみに!
感想や評価、お待ちしています!