「貸せ」
「あぅ」
自分でベルトを外し、ファスナーを下におろした。その瞬間に、狭い空間に閉じ込められていたものが勢いよく飛び出ていく。
「……二乃は、口でしてくれたっけな」
「…………わ、私もできるもん」
震える手で俺の下着をずりおろした三玖は、そのあとあぅあぅ言いながら数秒硬直して、それから意を決したように先端に口をつけた。温かさと柔らかさが直に伝わってきて、それだけで射精しそうになる。
俺のいっぱいいっぱいな様子を見て気を良くしたのか、彼女の攻め手が激しくなった。竿全体を咥えこみ、強く吸い、上下運動を繰り返し、こちらが迎える臨界点を低くしようとしてくる。
拳を強く握って、限界まで我慢をする。ここであっけなく果ててしまうのは、なんだか嫌だった。俺の女性遍歴が負けっぱなしになっていくような予感がして、それを本能が拒んだのだ。
三玖の肩を掴んで俺から引き剥がす。その勢いで彼女の体を仰向けに押し倒し、上に覆いかぶさった。
「フータロー?」
「やられっぱなしは性に合わん」
「へ? ……きゃ!」
片手で三玖の口を塞いだ。大声でも出されようものなら、あっという間に誰かに見つかってしまう。この状況を誤魔化す術など持っていないので、それは避けなくてはならない。冗談抜きに退学の危機に瀕してしまう。
よりにもよって俺が卒業できなくなるのは笑うことも出来ないから、三玖には静かにしていてもらおう。
「ダメだよ……汚いよそんなところ……」
「さっきまで俺のしゃぶってた奴がなに言ってんだ」
「で、でも、びしょびしょだよ?」
「……二乃にはしなかったな、これ」
「…………優しくね?」
「現金だなお前」
秘部に顔を寄せると、そこにこもる熱気が良く分かった。やたらとエロい匂いがするし、正気を保ち続ける自信がどんどん薄れていく。
スカートに潜り込む形になっているせいもあってか、諸々がなかなか逃れてはくれなかった。熱も、匂いも、ある分だけそこに蓄積され続けるのだ。
「……ぁ、あうぅ……」
独特の味だった。俺の人生で口にしたものの中で、これに類するものはない。美味しくはなくて、なんなら不味くすらあるのに、なぜだか病みつきになるような、おかしな風味。
奥から奥からあふれてくる液体を逐次舐めとりながら、舌先で敏感な部分を探し始める。大小の陰唇と核を中心に、その周辺をひたすら吸ったり、舐めたり、時には甘噛みしたり。
三玖が特に大きな反応を示した部分に集中攻撃しながら、おそらくは五分以上にわたって、彼女の女性器を俺の唾液で濡らし続けた。
そして、俺が要領を掴み始めた頃合いになって、三玖は、
「あ、あ、あ、壊れちゃう、おかしくなっちゃうよぉ……」
なんて言葉とともに、思い切り肉体をびくんびくんと震わせ、脱力した。とろんと蕩けた目は、焦点が合っていないように思える。
酸欠のように浅い呼吸を繰り返す三玖は、これだけでもう体力が尽きてしまったようだった。袖で隠した顔は、ずいぶんと火照っている。
「フータローのえっち……」
「そういうことはパンツ履いてから言え」
「フータローも履いてないじゃん……」
「俺のはお前が脱がせたんだろ。お前は最初から履いてなかった」
「でも、でもさぁ……」
いやいやをするように首を振りながら、俺の言い分を否定したがる三玖。だが悲しいかな、自分が変態さんであるという俺の指摘は、誹りではなく事実なのだ。普通の女子高生は学校でパンツを脱がないし、男子を物陰で犯さない。
「……フータローはえっちな女の子、嫌い?」
目元を指で隠し、だけどその隙間からこちらを窺いつつ、三玖は言う。
「……仮に嫌いって言ったらどうすんだよお前は」
「清楚路線を目指す」
「無理だよ。俺の中でお前のキャラはもう定まったんだから」
「……だからもう、えっちな子としてやっていくしかないじゃん」
「……なら、そのえっちな子は、次に何をするんだ?」
「…………舐め合いっこ、もうした?」
「…………してない」
「………………………………じゃあ、する」
ぺたぺたと地を這って体勢を変えた三玖は、俺の顔にそのお尻を向けてきた。それと同時に、俺の局部が彼女の手中に収まる。
実を言うと、先ほど出していないせいで、舐めている間もずっと暴発寸前だった。下手をすれば、自分の手で慰めてしまっていたくらいに。
「あ、さっきよりがちがちだ……」
「お前もぐちゃぐちゃだろ」
「そ、それはフータローがあんまり必死に舐めるから」
「うるせえ発情娘」
「……むう!」
握る手に力がこもった。それと同時に上半身が跳ねて、勢い余って彼女の陰部に顔を埋めてしまう。
それが号砲になったようで、再び彼女の舌が俺の陰茎にぐるりと巻きついた。負けじと俺も、さっき一番三玖が感じていた豆粒の部分を舐め倒す。それだけで、彼女の秘部は何度もひくひく蠢いた。まるで、喜びに打ち震えているみたいに。
だが、そうしている間に、俺も攻めを受けている。
じゅぼじゅぼと淫らな音を立てつつ、三玖は容赦なく俺を搾り取る態勢に入った。下腹部に力を込めることでどうにかあと一歩耐えているが、正直今にも全てをぶちまけてしまいそうだし、出来ることならそうしたい。ここまで耐え抜いたのだから、きっと最高の快感が俺を出迎えてくれるはずだ。
まだ見ぬ未知の領域を夢想しているうち、とうとう限界が訪れてしまった。こみ上げる強烈な射精感に屈した俺は三玖の口の中に大量の子種を流し込みながら、せめて反撃をと彼女の核を思い切り吸い上げる。どうやらこれが奏功したようで、二人がほぼ同一のタイミングで絶頂を迎えることと相成った。
「きもちーね、これ」
何か言い返そうと思ったが、息が乱れていて言葉が出ない。未だに三玖が俺のを掴んで離さないせいで、変な喘ぎが漏れそうだ。
さっさと離せという意図をこめて服の上から胸を揉むと、「ひゃんっ」なんて嬌声とともに彼女の体が浮き上がる。それに乗じて、どうにか再び三玖を組み伏せることに成功した。
「えっち」
「お互い様だ」
「……あっ、んうぅ……!」
「二乃は最初指一本でもきつきつだったのに、お前はこの段階で二本入るぞ。これがどういうことか俺に分かりやすく説明してくれ」
「それはっ、フータローがいっぱい濡らしたからっ……!」
「最初から太ももまで垂らしてたろ」
「…………」
「膨れっ面で誤魔化すな」
指を前後運動させると、分かりやすいくらいに彼女の全身が打ち震えた。相当気持ちいいのか、袖を噛んで声を潜めている。
……こういうのを見ると、嗜虐心にちょっとした火がつく。自分にそんな嗜好はないはずなのに。
「あいつはもっと気持ちよさそうにしてたのに、お前は意外と反応薄いのな」
「……なっ!」
「エロい女としてやっていくのなら、もっとなんかあるんじゃないか」
「で、でも。声出したらバレちゃう……」
「そんな心配する奴が学校でおっぱじめるわけないだろ。心のどこかで期待してたんじゃないか? 見られたり、聞かれたりするの」
「いじわる言わないで……」
「じゃあ、言い方変える」
「うぅ……」
「声、聞きたい」
「…………変な子って思わない?」
「それはもう思ってるから心配すんな。ここから評価が変わることなんてそうそうねえよ」
「いっ、いじわるぅ……。フータローのばかぁ……!」
とかなんとか言いながらも、言葉の端々が乱れ始めていた。俺の愛撫に合わせて普段からは想像もつかない高くて甘い声が、控えめながらに俺の耳朶を打つ。
「んっ、んぅ……!」
「三本入った」
「ゆっくり、ゆっくりしてぇ。またイっちゃうからぁ……! あっ、ダメ! そこ、敏感で……!」
言葉では俺を止めている癖に、三玖の腰は先ほどから快楽を求めるように、何度も何度も前へ後ろへ小刻みに振動していた。腕は思い切り俺を抱きしめていて、背中あたりからみしみしと関節の軋む音がする。
それにしても、ものの見事に性感帯が二乃と一緒だった。五つ子やっぱりやべえなあなんて思いながら、拙いテクニックで彼女の膣内をかき乱し……そして、三玖が高まってきたタイミングで、動きをぴたりと静止させた。
「へ……? なんで……?」
「ダメだって言うから」
「そ、そこはさ! なんとなく分かってくれなきゃ困る……」
「何を?」
努めて分かっていない風を装い、彼女から決定的な言葉を引き出そうとする。三玖には、他人のSっ気を引き出す才があるのかもしれない。
「……ここ、切ないの。早く、気持ちよくして?」
「…………」
「ここって?」と聞く案もあったが、流石にそれは気持ちが悪いのでやめておいた。自尊心が邪魔をするラインを割ってしまいそうだ。
彼女の要求に逆行するのはここらへんでやめておこうと思い、指を引き抜く。再び「なんで?」と問われたが、答えは行動で示すことにした。
腕の力だけでどうにか彼女を持ち上げて、俺の太ももの上に座らせる。ちょうど、陰部どうしが向かい合う姿勢になるように。
「こっちのがいいだろ」
「……うん」
亀頭を裂け目にあてがう。高い体温がそこを通して伝わってきて、背中がぶるりと震えた。長い前戯のせいかそこはとろとろにとろけてしまっているから、今にも吸い込まれて行きそうな錯覚に襲われる。
早く挿れたいという思いと、また避妊しないのはまずいだろという思いが混在するせいで停止していた状況を動かしたのは、目の前の女の子だった。
「……するする入るね。私、処女なんだけど」
「処女の痴女とか性質が悪すぎる……」
三玖が俺を強引に抱き寄せて、根元まで連結した。体の一部だけが湯船に浸かっているように熱くて、思わずここが学校であることを忘れる。
「お腹……奥がきゅんきゅんする……」
「おま……っ、あんま締めつけんな!」
「でっ、でも、どこに力入れればいいか分かんなくって……!」
「一回脱力しろ。死にはしないから。……ほら、深呼吸」
規則的に背中を叩いてリズムを作ってやると、三玖の胸のあたりがそれに合わせて上下した。同時に、下半身にかかっていた圧が優しいものに変わる。動く前に果てるみっともない事態だけは避けられそうだ。
「フータロー、慣れてるね」
じとじとした目で見つめられる。補助してやったのになんでそう恨めしげなんだよ。
「あ、そうだった。フータローは二乃といっぱいえっちした後なんだった」
「……なに、嫉妬してんのかお前?」
「私は初めてなのにフータローは初めてじゃないんだもん。不平等」
「嫉妬でこんなことするとか、お前やっぱりエロい奴だな……」
「これで公平になると思ったんだもん。公平にいこうぜって、フータローが言ったんだよ?」
「……もっと読解力磨いて行こうな」
「む~……」
俺を責めるように、彼女の腰が何度か弾んだ。そこで生まれる快感をどうにか顔に出さないよう心掛けながら、三玖の細い腰に手を回す。
「座位は二乃としてないから、どうすればいいかちょっと謎だが」
「……なら、こう、でいいんじゃない……?」
確かめるように、あるいは俺に分からせるように、彼女は一度、大きな、そしてゆっくりとしたストロークで腰を振った。
「フータロー……キス、お願い」
「…………」
片手を首に回して、唇と唇をくっつけ合う。唾液は先ほどよりも粘度を増していて、三玖の興奮が明確に伝わってきた。
上下から、同時に水音がする。唾液と愛液が奏でる淫らなメロディに合わせ、満を持して俺も腰を動かした。
「…………んっ、すご……」
奥を突くたびに、彼女のキスは激しさを増す。こちらの呼吸を阻害しかねない勢いで、舌が絡み、口の中がめちゃくちゃに犯される。
二点から同時に襲ってくる快楽は俺の脳を溶かすにはあまりに十分で、それからしばらくは、何を考えるでもなくただ猿のように腰を打ち付け、舌を絡め合わせた。
そして、いよいよ俺の耐久が限界に差し掛かった頃のことだった。
廊下の奥から、ぺたり、ぺたりと足音が響いてきたのは。
「三玖、止まれ、人だ」
「……や、やだ……」
「ああ、見られたらガチで人生終わっちまう……」
「……ここでお預けはやだ……」
「おま……ぐっ」
嫌なのはそっちの方かよ?!とは言えなかった。というより、もう音を発するのが危険な距離になっていた。角度の都合で姿が見えているわけではないけれど、足音の反響具合を考えるとかなり接近していると考えていい。そして、近づいているのが生徒であれ教師であれ、見つかったら一発で大問題だ。ここはなんとしてでも姿を隠し通さなきゃいけない。
……それだというのに、三玖の体はすぐそこに迫った最大級の快楽を享受するのに躍起になっていて、腰も舌も、まるで大人しくなる気配がなかった。腕で抱いて限界まで密着し音を小さくしようとしても、彼女は膣を自力で伸縮させることにより、俺の精をどうにか搾り取ろうとしてくる。
こうなったらと、俺はもう声が漏れる隙間もないくらいに、三玖に深いキスをした。息を止めて、何の音も響かないように。こいつが求めているのは目先の気持ちよさなんだから、それさえ満たしてやればある程度は従順になってくれる。
脚まで使って三玖と一体化するレベルで密着し、二人の占める面積を極限まで小さく抑える。動いているところを見られないように、音を聞かれないようにと極限まで集中を研ぎ澄ましながら。
最中、足音が真横にやって来た。
心臓が大きく跳ね、体が強張る。それでも必死に息を殺して、この辛い時間が早く過ぎ去ってくれるように祈った。
足音は、一度俺たちのすぐ近くで止まった。いよいよここまでかと俺も死を悟ったが、どうにも俺は悪運が強いらしく、そのまま音源は遠くに離れていった。
「……………………っぷはぁ!」
「………………くるしーよ、フータロー」
「……お前が、動くの、止めないから……」
「あっ、あっ、フータロー、私、キちゃう……!」
三玖の体が大きく跳ねたタイミングで、俺の亀頭からも大量の精子が飛び出した。きっと、今の三玖の膣内は、俺ので真っ白に汚れている。
だらりと体を俺に預けて、三玖は言う。
「ね、もう一回……」
「…………」
俺の聞かん棒も、二回程度ではまるで収まってくれなかった。彼女の言質をいいことに、再び腰を振りだそうとすると。
『完全下校時刻です。まだ校内にいる生徒の皆さんは、ただちに下校の準備をしてください』
なんて、予めセットされたアナウンスが流れた。施錠のために職員の巡回が始まったら、もうさっきのようには隠れられない。
「帰るぞ」
「……いけず」
「…………近くに、人の来ない路地がある」
「……………………腰抜けちゃったから、腕組んで」
パンツとズボンを上にあげてから、三玖を抱え起こす。彼女は下着を装備していないので、なにも支度する必要がないらしい。
体重を容赦なくこちらに預けてくるせいで、胸の感触がリアルに伝わる。勃起の硬度は異常な次元に達しているので、この刺激は体に毒だ。
三玖の歩き方はおかしな内股で、控えめに見ても不審。誰にも見つかりませんようにと祈りながら、どうにか無傷で学校の敷地内から出た。
そして、家の方向とはまるで関係ない住宅街に足を向ける。自然に呼吸は早くなって、鼓動は跳ね回った。一刻も早くもう一度三玖を堪能したくてたまらない。
「フータロー」
耳元で、三玖が囁く。焦りに感づかれないように「なんだ」と簡潔に聞くと、三玖はその場で、再びスカートをたくしあげた。
「垂れてきちゃった」
「~~~~~~~~ッ!!!!!」
今回三玖の太ももに垂れてきていたのは、さっき注ぎ込んだばかりの俺の精子。
流石に、そんなものを見せられては我慢なんて出来なかった。
彼女の手首を強引に引っ張って、近くに都合よくあった公園に誘い込む。端の茂みにちょうど良く一本の木が生えていたので、三玖にそこへ手をつくよう促して、強引に後ろから犯した。
尻を突き出す三玖はさっきは抑えざるを得なかった喘ぎ声を大胆に漏らしながら、「もっと、もっと」と何度も何度もおねだりをしてくる。俺もその要求を飲んで、何回も、何回も、彼女の膣に射精した。息が果てて、彼女の腰が砕けるまで、ずっと。
「じゃ、ここまででいいよ」
「……おう」
「学校ではいつも通りに接してね」
「パンツ履いてくれるならそうする」
「……脱いで来たら、またしてくれる?」
「…………その時に考える」
五つ子の家にほど近い道路で、彼女と別れた。絶頂しすぎて意識が半分飛んでしまった三玖を正気に戻すのに割と時間を食ったから、時刻はもう九時を回っている。逆に言えば、それだけの間俺たちは繋がっていたということだ。なんとも末恐ろしい。
夜風に頭を冷やしながら、俺も帰路に着いた。こんなことがあったというのに謎の余裕が生まれていて、そのせいで、本日二回目となるケータイのチェックなんて行為に及ぶことになった。
……が、それは大いなる落とし穴で。
『フータロー君、三玖と何してたの?』
一花からの簡素なメール。それだけで、俺は全てを察してしまった。
あの時通りかかったのは一花で、こちらに気付かなかったのではなく、意図的に見逃したのだと。
「…………勘弁してくれ」
この後の展開に怯えつつ、頭を抱えた。相変わらず、俺の家庭教師業務の明日は見えてこない。