所詮は下手の横好きなので読んでみて判断してください。
(……っと、いけない! あんまり幸せで、大事なことを忘れるところだった)
晴人はすんでのところでとあることを思い出し、枕元に常備してあるティッシュ箱の中をまさぐった。
その中から取り出したるは、スキンないしコンドームないし、要するに避妊具である。
晴人も基本的にはいわゆる草食系ながら、並みの同年代男子と同様にそういったことに興味は持っているし、なんなら夏休み中はチャンスをうかがってもいた。
意図せずこの運びになったとはいえ、仕込んでおいたのだから使わない手はない。まさに備えあれば患いなし。
無論、何より一夏のことを想うがゆえの避妊である。
が、避妊具を見た一夏の反応は、晴人としてはかなり予想外のものだった。
「っ……!? ハル、待って! ……お、お願いがあるの」
「お、お願い? ……わかった、とりあえず聞かせて」
「……初めては、ちゃんとハルのことを感じたい……」
「ナツ、それは……」
いきなり腕を掴まれてお願いをされたかと思えば、それは晴人を受け止める側である一夏からの避妊具なしでの性交渉。
スキンを目撃した際の焦った様子と、お願いという時点でなんとなく察しがついたが、面と向かって提案されると困ってしまう晴人がいた。
これからしようとしてるってことは、決してフィクションなんかではない。
例え外に射精したとして、生で挿入している時点で妊娠のリスクは多かれ少なかれ発生してしまう。
断っておくが、晴人はなんなら一夏に自分の子を産んでもらうことが夢のようなものだ。
だから責任を負いたくない、なんて理由での躊躇いではない。ただ、今はそのタイミングではないというだけのことだ。
「ハルが私を想ってくれてるのはわかってるよ!? ……でも、やだ。自分でもわがままって思うけど、たかがゴム一枚でも、ハルとの初めてが何かに遮られちゃうなんて……」
晴人に恋してからというもの、こうなることを待ち望んでいた。
元男の一夏にとって、初めてを捧げるというのは普通の女性よりも特別であろう。
言い続けていることだが、晴人が最も男であった一夏を知る人物だ。
そんな男に性的関心を寄せられるなんてこと、一夏からすれば気をやってしまいそうなくらいに喜ばしい。
だからこそ、なによりだ。
たかがゴム一枚であろうと、一夏からすれば邪魔者としか思えない。
例えそれが、愛する男が自分を気遣って使おうとしたものだとしても。
「でも、それこそわがままだから……。何かあったら、全部私のせいだから。だからお願い、ハルとの初めては――――んむっ、むぅっ!?」
もしかしたら、意図しない膣内射精をしてしまうかも知れない。
もしかしたら、晴人が情欲に負けて膣内射精を我慢できないかも知れない。
それらの可能性を考慮すれば、やはり生での挿入は避けるべきだろう。
しかし、一夏はそれらのことが起きても提案した自分のせいだからと口にした。
だから避妊具なしでの性交渉をと、正確には言いかけた。
晴人からすれば、そんなふざけたことを口にさせるわけにはいかない。だからキスで言葉を遮った。
「ふぇぁっ、ちゅぅ、んっぷ……! ぷはっ! ……っふ、ハ、ハル……?」
「分け合うこと、じゃないのか。ましてやセックスなんて一人じゃできないんだぞ。それを自分一人のせいだからなんて、間違っても言っちゃだめだろ」
「で、でも!」
「わがままだから? 言えばいいじゃないか。僕らはなんだ? 恋人だよね。そんなのいくらでも聞くさ。なんなら、妊娠したいとかでも僕は叶えるよ」
「っ……!?」
晴人は一夏に対して僅かではあるが苛立ちを覚えた。
分け合うことをキーワードと定めたのに、もしものことがあれば自分だけの責任だからと言いかけたからだ。
後はだいたい言葉どおり。
セックスというのは二人でするものだ。
だから自分が一夏の誘いに乗って、そのうえでもしもが起きてしまったとするなら、それは自分のせいでもある。
苛立ちのせいか晴人にしては強めの語気と口調でそう告げると、一夏の股にムズムズっともどかしい感覚が走った。
「したい……。ハルと、生ハメイチャラブセックスがしたいよぉ……!」
「ナツ、本音を聞かせてくれてありがとう。それとごめんね、恥ずかしいかも知れないけどもうちょっとそのままでいてほしいな。初めてだし、スムーズに入れられる自信とかないからさ」
一夏の望みは何物にも遮られることなく晴人のペニスを感じることだが、どこか片隅にただ気持ちよくなりたいというのがあるのも嘘ではなさそう。
その証拠なのか、一夏は自らのヴァギナを左右に引っ張り、晴人が挿入しやすいよう準備を整えた。
開かれた真新しく桜色のヴァギナは、物欲しそうに受け口をヒクつかせている。
晴人は一夏の扇情的で淫らなおねだりに思わず生唾を飲み込み、平静を装いながらペニスが真っすぐになるよう軽く掴んで位置を定める。
狙いは一夏の股の中心部。艶めかしく晴人のペニスを待ち構えるヴァギナ。
晴人はそこへ亀頭をあてがうと、最終確認のため一夏へ問いかけた。
「ひと思いがいい? それともゆっくり?」
「……ひと思いに、お願い……」
「よし、それじゃリラックス。深呼吸でもしてようか。あんまり意識しないようにしてほしいけど、一応いちにのさん、でいくからね」
一夏が処女でなければこの確認も無用だったかも知れないが、膜を貫かれる痛みを考えれば大事な確認と言える。
一気にかゆっくりか、一夏はそんな二者択一に前者を選ぶ。晴人はなんだからしさを覚えた。
それならもはや言うべきことはない。後はいかに一夏に落ち着いてもらえるかだ。
晴人はあえて知ったような口調で語りかけることで、一夏を安心させるよう試みる。
すると素直な性格の一夏は、スーハーと深呼吸を開始。幾分か身体が脱力したようにも思える。
さぁ、これで全ては整った。
晴人は宣言どおりに合図でタイミングを伝えると、腰を思い切り前に押し出すことで、ヴァギナにあてがわれているペニスを一気に膣内へ沈めた。
「じゃあいくよ。いち、にーの、さんっ!」
「う゛っ、あ゛ぁ……ぐっ、う゛ぅ~……!」
愛撫がしっかりなされていた証拠なのか、それとも一夏が抱く晴人への想いゆえか。
ペニスは晴人が想像していたよりも、だいぶアッサリと根元まで膣内へと入りきった。
想像と違ったのは抵抗感だけでなく、処女膜を貫き破いたという確かなものも覚えない。
しかし、一夏のこの様子を見れば否応なしにわかる。
やはり痛みを伴うもので、大変なのは女性の方なのだと。
見れば、しっかりと晴人のペニスには鮮血が伝わり、純白のシーツに赤いシミを作っている。
本来ならば気の利いたことのひとつも口にするべきだったのだろうが、晴人にその余裕はまったくなかった。
(ナツの
晴人は先ほど愛撫で指先で覚えた膣内の動きを、モロにペニス全体で感じた。
柔らかく、それでいて緩くない絶妙な締め付け。
愛ゆえか、ペニスを奥へ奥へと追いやるかのようなひだの動き。
何より一夏が全力で自分を受け止め、ペニスを気持ちよくしようとしてくれていることがこれでもかと伝わって来る。
伝わって来る一夏の愛に負けぬよう、尻の穴に力を入れるようにして必死に射精感を堪える。
晴人が一夏に声をかけることができたのは、それからしばらくしてからのことだった。
「ナ、ナツ……。キミは、大丈、夫……?」
「ぃ、たいっ……。いたい、よぉ……!」
「っ……ナツ……!」
気を抜いたら出してしまいそうなため、晴人は言葉を途切れ途切れにさせながら一夏に問いかけた。
するとこれまた予想外。晴人が思っていたよりもずっと、一夏が痛がっている。
眉間に皺をよせ、目をきつく閉じ、その頬には涙が伝っていた。
瞬間、晴人の思考はパニックにより真っ白になってしまう。
どうするべきか、これはいったん抜くべきなのか。それとも慣れるまでこのままのほうがいいのだろうか。
晴人が呼吸を乱してそんな葛藤を繰り広げていると、一夏の言葉が痛いで終わらず続いていくことに気が付いた。
「よかっ、たぁ。ちゃんと、痛い。私、ちゃんと女の子だ。ハルに初めてを捧げた、女の子だぁ……」
「ナ……ツ……」
「痛い……けど、幸せぇ……! しあわせっ、幸せだよ、ハルっ。痛いけど、痛いのに、痛いから、幸せ……! はっ、ぁぁんっ、ひぁっ……!」
「ナツ……!」
一夏はただ痛がっているだけではなかった。
否、自分が痛みを感じていることそのものに、至極の喜びを感じているのだ。
元男という懸念、足枷。それらを吹き飛ばすかのように、ちゃんと痛みを感じている。
それこそ自分が女である証拠。晴人の女になったという証拠そのもの。
一夏は幸せで、幸せで、幸せで、幸せで堪らなかった。
痛みもその圧倒的な愛と幸福感とでしだいに薄れていき、思わず恍惚の表情で想いを愛する男に伝えると、今度は晴人の方が幸せの上限を一気に振り切ってしまう。
「あぁ……ナツと繋がってる。ナツとひとつになってる……! ナツ、ナツの膣内、すごく気持ちいい……!」
「あはっ、ん……! うれっ、しぃ……! 気持ちよく、なってぇ……! 私、ちゃんと覚えるから。ハルのおちんちんの形、ちゃんと覚えるからぁ! だから、いっぱい、私の膣内でこすって……! 気持ちよくなって!」
「くっ……ああああ! キミは、また、そうやってすぐ煽る! 長く楽しみたいのに、これじゃ……! くそっ、愛してる! ナツ、ナツ、ナツ! 大好きだ、愛してる!」
「んんんん!? ひぁあぁぁぁぁっ! あっ、あっ、あっ、あっつ、ふぁあっ!」
振り切ったとはいえまだ理性のほうが勝っているのか、晴人はすぐに射精してしまわぬよう、ゆっくり腰を前に出しては引いてを繰り返していた。
しかし、既にトんでしまっている一夏がとんでもないことを口走り始めるではないか。
一歩間違えれば病的なほどに愛している女が、あまつさえヴァギナで咥え込んだペニスの形を覚える宣言。
それでまだ冷静でいられるというのなら、それはもはや男ではない。
これで完全に晴人もトんだ。
残ったのは一夏の膣内を己のペニスでこすり上げ、一夏と共に快楽の坩堝へ堕ちていきたいという想いのみ。
歯を食いしばって射精感を我慢することだけ意識しつつ、晴人はぎこちないながらも腰を強めに前後させる。
すると、晴人と一夏の双方にとんでもない快感が突き抜けた。
晴人は食いしばった口元から垂れる涎を抑えられず、一夏はこれまでにない喘ぎ声をあげることでその度合いを示した。
「づ~……ダメだ、ダメだこんなのっ、気持ちよすぎる! 癖になる! 忘れられなくなる!」
「ひぃっ……! らめっ、らめらめぇ! ハルも煽っちゃやぁあ! 嬉し過ぎて、気持ちよすぎるよぉ! 変になっちゃうよぉ! はぁんっ、らめっ、いいっ、いいっ、ハルのおちんちん気持ちいい!」
晴人としては本能的に叫んで気を散らそうとしたのだろう。
そして本能的なだけに、かなりドストレートに想っていることがそのまま口に出てしまう。
要するに一夏の身体に夢中になってしまうということ。それはまた一夏を心から悦ばせる言葉だった。
いい意味で逆効果というか、いい意味で失策というか。
一連の流れによって、二人はまたそれぞれの性器に走る快感がより強く、より甘くなっていくのを感じた。
今の晴人はそこまで考えられないが、長くしようとするだけ無駄。
ブレーキの壊れた車で、急な坂道を駆け下りていくようなものなのだろうから。
なぜならまた、一夏が無意識に快楽を強くしにかかってしまう。
「繋がってる、ね……」
「ナツ……。うん、うん、言いたいこと、わかるよ。僕らは今、身体だけじゃなくて、心もっ、繋がってるから」
「んくっ、一緒、一緒だ、嬉しい……! わかる、よ。ハルが私で、気持ちよくなってくれてるの。わ、たし、それが一番、気持ちよくて! ハルが気持ちいいのが、気持ちよくってぇ!」
「僕も、僕もだよ、ナツ。キミと一緒に昇りつめてる感覚がたまらないんだ!」
それでなくても名前を呼び合うだけで意図を察することのできる二人だ。
セックスなんていう直接愛し合う行為に至ってしまえば、考えていることが手に取るようにわかるのはもはや必然。
そして言葉としてその事実を確認し合うことで、また二人の熱は激しく燃え上がっていく。
晴人の繋がり始めた時の懸念はどこへやら、共に気持ちよくなりたいと想う気持ちがそうさせるのか、晴人のピストン運動は激しいながらも長時間耐えられている。
いつか訪れてしまう終わりになんて構ってはいられない。
今感じてる幸福を、快楽を、例え刹那的だろうともそちらに目を向けていたい。ということなのかも。
もっと、もっともっと、心と身体の繋がりを求めた二人は、どちらともなく両手を差し出した。
「ハルの手、つなご? んぃ、ギュってしてっ、離さないでっ」
「ごめん、余裕ないから、強く握り過ぎちゃうかも知れないけど」
「うん、そのくらい、でぇっ……! いい、よ。強く握って、ほしぃっ……! 安心するからっ、もっと気持ちよくなれるからっ」
「わかった。それじゃあ、全力でっ」
科学的にも証明されている、手を繋ぐことで至極簡単に伝えられる安心感やぬくもり。
言葉どおりにより気持ちよくなることを目的に、二人は固く強く手を握り合った。
すると一夏の膣内の締りがまた甘くなり、晴人のペニスがより固く大きくなるではないか。
きっとそれは気のせいなんかではなく、やはり二人の愛がそうさせるのだろう。
「あっ、っく……ふぅぁ!? ハ、ハル、なんか変、変だよぉ。なんかくるっ、きてるっ! 波みたいなのが、すぐ、そこまでっ……んぁ! ひぃぅ、ふわぁああぁぁぁぁん!」
「……僕が言うのもなんなんだけど、それ、イクってやつなんじゃないかな」
「イ……ク? これが、イク? 私、イっちゃうの? あぁ、私、イっちゃう……。初めてなのに、ハルにイかされちゃうのぉっ……!」
一夏が急に身体を大きく跳ねさせたかと思えば、未知の感覚が迫りくるのを察知した。
晴人が動くたび襲い来る感覚とはまた違うため、一夏はある種の恐怖を募らせてしまう。
晴人にとっても初めてなので憶測でしかものを言えないが、それはいわゆる絶頂なのではないかと告げた。
恐怖まで抱きかけたというのに、なんとも目から鱗な言葉ではないか。
確かにそうだ。自分はもうすぐ達しそうなんだと自覚が芽生えた途端、一夏の表情はだらしなく歪んでいく。
どこかボーっとしたような、少し虚ろな様子で迫りくる絶頂に酔いしれる一夏の表情を見てか、晴人のペニスが膣内でビクビクと大きく跳ねる。
どうやら晴人も限界が近いらしい。
いや、初めてにして一夏という名器を前にして、むしろよく耐えたほうだろう。
「ナツっ、僕もそろそろ……! けどせめて、ナツをイかせてから……!」
「うん、うんっ、ハルのおちんちんでイかせてほしいのっ! ハルのおちんちん、おちんちんっ……オチンポっ、オチンポぉ! オチンポでイキたい、イかせてぇ!」
「が、がん、ばるっ! くあっ……! ナツ、ナツ、ナツ、ナツ、ナツ!」
「ああああっ、あぁん! 八ル、ハル、ハルぅ! ひぃっ、ひぃぁぁぁぁっ! はぁん、ふぁん、うぅん! い、いぃぃぃぃ……! イっ……くっ……! イク、イクっ、イク、イク、イク!」
流石の晴人とはいえ男のプライドでもあるのか、せめて自分が達するのは一夏の後と、我慢に我慢を重ねてラストスパートをかけた。
それはまさにラストスパートと表現するにふさわしく、マラソンの残り数メートルを駆け抜けるダッシュを連想させる腰ふりだった。
晴人が射精するのが先か、それとも一夏が絶頂するのが先か。
あえて表現するならこれは愛し合うがゆえのノーガードでの殴り合い。
晴人は全てをかなぐり捨て、一夏を絶頂させんがため腰を振る。
一夏も快楽に身を任せつつ、精液を搾り出さんため晴人のペニスを全力で締め上げた。
互いの肉が打ち付けられ合うパンパンという破裂音。
グチョグチョに濡れた一夏のヴァギナが、晴人のペニスで抉られる水音。
そして二人の言葉にならない喘ぎ声のみが、この室内を支配している。
そんな音が交わることで奏でられる愛のハーモニーが響くことしばらく、ついにその瞬間が訪れた。
「はりゅ、しゅきぃっ、しゅきっ、しゅきっ、らいしゅきぃっ! あいひへるぅ! はりゅのこと、あいひへりゅのぉおおおおっ!」
「ああ、そうだよ、僕もだナツ! ナツのことを愛してる! これから何度だって愛し続ける! だから、だからっ……! イってくれ、ナツっっっっ!」
「んっ、っくぁ……! いぃっく……! イク、イクっ! イクうううううううううううっ!」
「うぐぅ……ぁっ……! しまっ、締まる、締りがぁ! あぁっ、僕も、出る……出るっ!」
もはや一夏は活舌すら回らない。
そしてそんな姿がまた晴人を興奮させる。
晴人は本気で今日で腰が壊れても構わない。とすら思った。
それを顕著に表すように力強く、それでいて素早く一夏の膣内をとにかく突き上げる。
すると一夏は絶頂を迎え、ベッドから背中が離れるほど身体を大きく弓なりに逸らした。
と同時に、一夏の膣内がこれでもかと言うほどに締まる。
それはもう、これまでの締め付けはなんだったのかと言いたくなるほどに。
その今日一の締め付けで、晴人も限界を迎える。結果的にはほぼ同時のフィニッシュとなった。
晴人は一夏のヴァギナから思い切りペニスを引き抜くと同時に、溜めに溜めた精液が、まるで火山噴火のように勢いよく亀頭から放たれた。
ペニスが何度も何度も跳ねるたび、ビュグビュグと飛び出ては留まるところを知らない。
晴人に着弾位置を調整している暇なんてあるはずもなく、熱く濃い白濁は一夏の下腹部、腹部、胸部をまんべんなく汚していった。
自慰をしたところでこんな濃さと量が出るはずもなく、晴人は射精の快感と同時に達成感や倦怠感にも似た何かをブレンドしたような感覚に酔いしれる。
だがまるで精液と共に生命力が放たれているような気がするのもまた事実で、晴人は腰をガクガクとさせながらグラリと大きく前に倒れ込みそうになる。
「はぁっ、はぁっ、はぁっ、はぁっ……!」
「す、ごい……すごいよ……。ハルの精液、こんなにたくさん……。ドロドロに汚されちゃってる……。ハルにマーキングされてる……」
腕を支えにしてなんとか一夏にのしかかるのだけは避けたものの、下に居る一夏もまた余韻に身を震わせているから目に毒だ。
しかも自らの身体に精液をぶちまけられたことを喜ぶ趣旨の台詞つき。
流石にここから二回戦にまでは発展しないが、どうしようもない愛しさが過ってしまうのは周知の事実。
すると自然に唇を重ねている二人がいた。
舌を絡め合うながらもそこまで激しいわけでなく、まるで互いに労うかのようなキスだった。
ひとしきり愛を伝え合った後は、またしてもただボーっとしてお互いを見つめ合う。
正気を取り戻すという表現は行き過ぎかも知れないが、二人が後始末を開始したのは本当にそれから長時間が経過してからだった。
晴人の精液は一夏にかかったためベッドは無傷。
一夏の身体にかかったぶんをティッシュで拭きとり次第、二人は生まれたままの姿でタオルケットに潜り込むようにして添い寝を開始。
ベッドにしても枕にしてもタオルケットにしても、シングルなために正直なところ利便性はよくない。
が、二人は言葉なくして認識していたのだろう。定めたキーワードである、分け合うことを。
「初めて、どうだったかな。いい思い出になってくれたらいいんだけど」
「最高だったに決まってるじゃん。その、恥ずかしいこといっぱい言っちゃったし……」
「いや、でもめちゃくちゃ可愛かったよ。綺麗だったとも思う」
「それは、ありがとう……でいいのかな? ふふっ、ハルも素敵だったよ」
超至近距離で見つめ合う二人は、流れそのままにいわゆるピロートークを開始。
思いつくままに感想を述べて、思いつくままに互いを褒め合った。
そういうことで褒められることに羞恥心を覚えるながら、やはり嬉しいものは嬉しいもので。
話している内容は絶対に他人に聞かせられないが、和やかなムードで会話は進んでいく。
「ねぇ、ナツ」
「どうしたの?」
「これからも、たくさんしよう。いろんなことを試してみよう。それがただ気持ちいいだけじゃなくて、ちゃんと愛し合うことだってわかったから。だから、こんなにすごいことってないと思うんだ」
「ハル……。……うん、もちろん。したいことがあったら言って? 私もそうするから。だから、これからもずっと、ずっと、ず~っと、二人で、愛を確かめ合おうね」
「ナツ……」
愛の営みとはよく言ったものだ。晴人は今夜で大事さをよく理解した。
こんなものを知ってしまえばもう手放せられるはずがない。
愛する者と共に絶頂を目指すことの、なんと素晴らしいことか。だから晴人はそう語りかけたのだ。
文字にするのは無粋だが、体位やいわゆるプレイ。多岐に渡る方法で、これからも愛し合おうという宣言だった。
内心では引かれてしまうかと戦々恐々としていた晴人だったが、存外一夏もかなり乗り気らしい。
一夏の了承を前にして、晴人の愛おしさは軽く限界を迎えた。
盛り上がってしまうと現状ではよくないので、二人は触れ合うだけのキスを交わす。
そしてしばらく見つめ合い、クスクスと笑いあった。
「……流石に疲れたね」
「おっ、じゃあ目標達成かな」
「ははっ、そういえばそういう口実だったよね。じゃあ……おやすみ、しようか?」
「うん、そうしようそうしよう。私、今逃したらホントに眠れなくなっちゃいそう」
晴人は一気に瞼が重くなるのを感じた。済ますことをすべて済ませた安心感からか、気が抜けてしまったのだろう。
すかさず一夏が茶化すように目標達成と可愛らしくドヤ顔を浮かべる。
一瞬何のことだと顔をしかめた晴人だったが、そういえば始まりは寝付けなかったという理由もとい口実だった。
そう思うと余計に疲労感が増したのか、完全に脳は寝る体勢へと移行する。
一夏も異論がないのか、あくびをひとつしてから静かに目を閉じた。
「……ハル、おやすみ」
「……うん、おやすみ」
数秒の沈黙が部屋を包んだのち、一夏の囁くようなお休みと言う声が耳元で響く。
晴人も小声でそれにこたえると、タオルケット内にある一夏の手を探し当てて優しく握りしめた。
そして一夏は、更にそのうえから包み込むようにしてもう片方の手を重ねる。
二人は互いの存在を、繋がりを感じながら、深い深い眠りにつくのだった。
……その後二人が昼過ぎほどまでガッツリ寝入っていたことは、言うまでもないだろう…………。
頑張った。頑張りました。
努力が結果に結びついてるかは知りませんが、とにかく純愛にはなってると思います。
イチャラブセックスはいいぞ。
次回があれば、主に舐め合う展開になると思います。
どこをって? R18なんで文字どおりアソコしかないでしょう。
まぁどうしたって本編重視で執筆しますので、次いつお会いできるかは保証しかねますが。
首を長くして待っていただければ幸いです。