※この作品はR-18です。

インフィニット・ストラトスの世界に黒猫が転生   作:悠之

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第十七話

何処かの研究所

 

ここではクラス対抗戦の映像が映し出されていた。それもいろんな角度から撮られていてアリーナに監視カメラが仕掛けられて居ることが分かる。

 

?「殺られてしまいましたね」モグモグ

 

食べ物を食べている髪が黒く短髪の大柄な男が物を口にしながら喋り

 

?「良いね~。アイツが欲しくなったぜ!研究には持ってこいだ」

 

ゴツい筋肉質の髪が茶色の男が口を三日月型に歪めて言う。

 

研崎「ダメだよ。あの娘は僕の娘だ、研究するなら僕がする」

 

眼鏡を掛けた細身の中年男性、悠の父親研究が映像を見ながら自分の娘の事を愛おしそうに見ている。

 

?「とか言って、こんなちっちゃい頃に逃げられたんでしょ~」

 

色気の漂う金髪の女性が手で身長を現しながら小馬鹿にしたように言う。

 

?「めんどくせ~からさっさと終わらせようぜ。そいつを殺すのか?捕まえるのか?」

 

無精髭を伸ばした髪が黒くボサボサの気だるそうな男が眠そうに結論を急がす。

 

?「羨ましいな~こんなに可愛い子を弄れる何てね」

 

青髪の前髪が顔を隠して表情の見えない男が爪を噛みながら映像を見つめて言う。

 

?「きしょいこと言ってんじゃねぇよ!腹立つんだよ!」

 

丸刈りの髪の赤い男が髪の長い男を見ながら腹立たしげに怒鳴る。

 

暗い部屋には映像の明かりだけが有り、それ以外は消されている。中央には丸いテーブルが置かれており六人の男と一人の女が囲むように座っている。その誰もが研究者であろう白衣を身に付けている。

 

無精髭の男「総帥まだかな~。ふわぁ~」

 

無精髭の男がテーブルに足を乗せながらデカイ欠伸をする。

 

研崎「少しは待って居られないのか?これだから平民は」

 

研崎が見下すように言い、眼鏡を持ち上げる。

 

丸刈りの男「そう言うテメーもさっきから何回同じ動作を繰り返してんだよ」

 

研崎「これは僕の癖です。癖にまで文句を言われる筋合いは有りません」

 

二人がにらみ合い不穏な空気が流れる。

 

?【そこまでにしないか】

 

突然暗闇の中から、重く恐怖を感じる声が響き渡った。その声を聞いたとたんに二人だけでなく他の者も黙りこんだ。

 

研崎「総帥、聞いて居らしたんですか?」

 

総帥【ああ、盗み聞きの様な真似をして悪かったね。ただ、普段集まらない君たちがどんな会話をしているか気になってね】

 

色気の漂う女「お人が悪いわ総帥、私達を試してた何て」

 

総帥の格好は全身を白いローブの様なもので覆い顔を幸福と憎悪を描いた様な仮面で隠している。

 

総帥【で、調査の結果はどうだった】

 

髪の長い男「その事ですが、僕の『ガーゴイル』が破壊されちゃってコアをあっちに取られちゃった見たいです。どうやら研崎の娘がやらかしてくれた見たいです。妬ましい」ブツブツ

 

髪の長い男は調査報告と少しの妬みを混ぜながら説明する。

 

総帥【成る程、なかなか優秀な様だな研崎】

 

研崎「ええ、自慢の娘です」

 

大柄な男「織斑 一夏と織斑 千冬の戦闘力を計りに行ったのにこれじゃ収穫無じゃないかな?」

 

筋肉質の男「良いんじゃねぇか?見る限り織斑 一夏にそれほど危なそうには見えないぜ?」

 

丸刈りの男「織斑 千冬も、あれ程度のハッキングをどうにも出来んとは、拍子抜けも良いところだ」

 

全員今の映像を見て素直な感想を口にする。

 

総帥【侮ってはいけない、油断こそ最大の敵だ】

 

総帥の一喝により場の雰囲気が引き締まる。

 

髪の長い男「今度の標的は居かがいたしますか?」

 

総帥【そうですね。研崎の娘、彼女に来てもらいましょうか】

 

総帥は映像を止め、悠が映っている映像を見て言う。

 

研崎「では、僕の出番ですね。自分の私物は自分で取りに行きます」

 

色気の漂う女「とか言って、どうせ無人機使うんでしょ」

 

研崎「当たり前です。小娘を捕まえるのに親が直々に行く必要は有りません」

 

総帥【では、後は任せるぞ】

 

研崎「はい。お任せ下さい」

 

暗闇の中、静かに計画は進んでいた。

 

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 

保健室

 

悠「う、う~ん」パチッ

 

最初に見たのは真っ白な天井だった。そして鼻につく医薬品の匂い。

 

悠「あれ?……そっか、あのISに吹っ飛ばされたんだっけ」

 

自分が今着ている衣服と寝ているベット等を見て状況を把握し、さっきの出来事を思い出していた。

 

悠(私もまだまだトレインの力を使いこなせていないと言う事か)

 

ガラッ

 

急に保健室のドアが開いた。

 

箒「悠!目が覚めたのか!」

 

先ず箒が私が目を覚ましている事に気付き、慌てて入ってくる。

 

セシリア「え!悠さんが目覚めましたの!」

 

それに続いてセシリアも入ってくる。

 

鈴音「ちょっとあたしが先よ!」

 

鈴も入ってくる。

 

千冬「静かにせんか馬鹿者、ここは保健室だ。馬鹿騒ぎなら他所でやれ」

 

真耶「そうですよ。怪我人が居るんですから静かにしないといけませんよ」

 

三人の後に千冬姉と山田先生が三人に注意しながら入ってきた。

 

あれ?

 

悠「一夏は?」

 

一番に飛び出して来そうなのに、何処を見ても一夏の姿が見当たらない。

 

千冬「アイツか?アイツは敵ISを倒した後にお前に抱き付いて挙げ句の果てにはお姫様抱っこまでしたから、反省文を書かせている」

 

うえっ!何でそんな理由で?

 

箒「まったくアイツは、息なり抱き締めるなどと不埒な(私が抱き締めたかったと言うのに)」

 

人の事襲った人の発言とは思えないなおい。

 

セシリア「まったくですわ。あの猿発情期にも程が有りますわ(加勢出来なかった自分が情けないですわ)」

 

何か最近セシリアの中で一夏の呼び名が猿に成ってんだけど、何セシリアって一夏嫌いなの?

 

鈴音「人から悠を奪い取るなんて言い度胸よ(あたしが抱き締めてたのに)」

 

もう全然隠す気ねぇよ!隠すどころかFULLOPENだよ!

 

真耶「まぁまぁ皆さん(私も一瞬サブマシンガンを展開しようとしましたが)」

 

皆まともな事言ってるけど、何か黒いオーラと妬みの言葉見たいなの聞こえるけど多分幻聴だよね。

 

悠「反省文って、どんだけ書かせたの?」

 

窓から見える空が薄く茜色に染まっていたので、クラス対抗戦からどれだけの時間をかけて一夏が反省文を書いているのか気になり聞いてみた。

 

千冬「…………軽く百枚だ」

 

重っ!?軽くないよ!寧ろどんだけ罪重いんだよ!ただ私を姫抱っこしただけでしょ!そんだけでこれだけって、デートしたら一夏殺されるな。

 

と一夏のこれからを心配していると、箒が近付いてきて頭を下げてきた。

 

箒「すまなかった。私があの時あんな場所に居なければ」

 

ふっ。分かってる奴に説教は要らないな。

 

悠「そうだな。箒は命の危険性が有ったのに出てきた。だから、罰を与える。こっち来て」

 

こっちに来いと手招きをして箒を呼ぶ。箒は目をつぶりながらその時を待っている。

 

ビシッ

 

箒「いたっ!」

 

箒が額の痛みで目を開け、悠を見ると悠は手をデコピンをした状態で少し微笑みながら箒を見ていた。

 

悠「別に箒のせいで私自信に何か有ったらとか、そんなんで箒に謝って欲しいんじゃ無いんだ。私が箒に注意したいのはもしあの時、一夏の攻撃が間に合わなくて箒にビームが当たってたらと思うと怖いんだ。もし箒が死んでしまったら、何も出来なくなるんだ。一緒に話せない、笑えない、泣けない、遊べない、そんなことになるのが怖かったんだ。だから、それさえ分かってくれればそれで良いんだよ」

 

あの時の自分が忘れてさえ居なければって後悔もかなり有るけどね。

 

箒「悠、すまない。そして、ありがとう」

 

箒は俯きながらもう一度謝罪とお礼を言った。だが、今度の謝罪にはさっきとは違う意味が込められて居るような気がした。

 

悠「ところで鈴、何で布団に入って来るんだ?」

 

鈴音「……」ビクッ

 

ばれないと思って居たのか布団の膨らみがビクッと動いた。

 

小柄な体型の鈴だが、それでも明らかに布団が不自然に膨らんで居ることが分かる。

 

セシリア「鈴さん!貴女一体何をしていますの!そんな羨まゴホンッはしたない!」

 

箒「そうだぞ!どさくさ紛れて油断も隙も無いな」

 

とか言ってセシリアは右側に来て手を握ろうとしてるし、箒は逆の手を握ろうとしるじゃん。

 

千冬「何にしろ、身体に余りダメージは無いようだな。ギリギリで出した黄金の鎧のおかげ、と言ったところか?」

 

流石は千冬姉、何でもお見通しのようだ。

 

悠「あの距離から攻撃を受けたら絶対防御が有れど、精神的にダメージを受ける可能性も有ったからね。鉄壁の防御力を誇る鎧『ア・バオア・クー』どんな攻撃を受けても罅一つ入らない優れものです」

 

セシリア「どんな攻撃を受けても、とは言い過ぎじゃ有りませんか?」

 

鈴音「そうよ、あたしの『龍砲』でも傷付かないの?」

 

いつ出てきたのか、鈴が珍しくセシリアの意見に賛成する。

 

悠「鉄壁の防御力を誇る鎧『ア・バオア・クー』とは言ったが、それ以外の武器も罅一つ入らないよ。何せ全部〈オリハルコン〉製だからな」

 

真耶「オリハルコンとは聞いたことが有りませんね」

 

千冬「私も見たことも聞いたことも無い、一体何だそれは」

 

他も知らない様で首を傾げている。

 

悠「当たり前だ。〈オリハルコン〉は何処に有るか分かって居ないし、見つかっても加工することが出来ないから何の役にもたたないからな」

 

千冬「加工が無理とはどういう事だ」

 

悠「そのまんまの通りだよ。世界最高金属とも言われる〈オリハルコン〉はその強度故に切ることも打つ事も溶かす事さえ無理だ」

 

鈴音「な!?そんなのもう無敵じゃない!」

 

セシリア「ISのビームでも無理となると、核兵器に近い物をしようしないとどうにも出来ませんわね」

 

そう、並大抵の威力じゃ傷は愚か汚れすら浸けられない、だがそこに矛盾がしょうじる。

 

箒「待ってくれ、加工が無理だと言うのならどうやってISの武器にしたのだ」

 

箒が驚き混じりの顔で聞いてきた。

 

悠「加工が唯一出来る場所が有るんだよ。訳あって何処かは言えないが、そこで私のISは作られた(ウソで~す)」

 

千冬「言えないとは何故だ」

 

悠「今日は質問が多いね。言ったら皆に危害が及ぶからだよ、それだけは避けたい。以上!この話はお終い」

 

これ以上色々聞かれると流石に困るので、話を終わらす。

 

千冬「そんな事で誤魔化せると…………はぁ。体に異常が無ければそのまま寮に帰って良いぞ」

 

千冬姉は追及しようとするが、何かを諦めた様に溜め息をつくとそれ以上何も聞いてこなかった。どうやら私の気持ちを察してくれたようだ。

 

悠「は~い。ありがとうございます」

 

箒「ん、んん!何処か痛むので有れば肩を貸しても良いぞ///」

 

何で最近ずっとデレデレだったのに今はツンデレ?

 

セシリア「す、するのであれば淑女のたしなみを心得ているこのわたくしが致しますわ///」

 

心得ているならそもそも決闘何てしないんだけど

 

鈴音「あたしが付き添ってあげるわよ///」

 

さっきまで夜這いしようとしてた奴が言うと怪しく聞こえるから無し。

 

この後、寮に帰ったが道中三人で悠争奪戦が勃発し、悠は疲労が溜まる一方だった。

 

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 

IS学園の地下

 

暗がりの部屋の中、大きなモニターが有りそこには襲撃してきたISが映し出されていた。他にも研究室の様な台にボロボロの謎のISが置かれている。ここは学園の教師でも僅かな人間しか入れない場所だ。

 

カツカツ

 

そこへ人影が近付いていく。

 

千冬「どうだ山田君、何か分かったか?」

 

千冬は部屋の中で謎のISを調べていたもう一人の人影に話し掛ける。

 

真耶「はい。織斑先生が言った通り、無人機でした」

 

千冬「やはりそうか。コアはどうだった?」

 

真耶「コアは登録されていない物でした」

 

千冬「…………そうか」

 

真耶「何か心当たりが有るんですか?」

 

余り驚きを見せない千冬に、何か確信が有るのかと思い真耶が不思議そうな顔をする。

 

千冬「いや、無い。……今はまだ……な」

 

千冬の頭には悠が保健室で言っていた事が繰り返し響いていた。

 

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 

おまけ

 

教室

 

カリカリ

 

誰も居ない教室にただ一人一夏だけが机に座って何かを書いていた。

 

一夏「…………」

 

ただひたすら書いていた。

 

一夏「……ぐ……ぐぐ……」

 

だが、段々一夏が肩をぶるぶると震えさせ始めた。

 

一夏「ぐあぁぁぁ!終わらねぇ!後45枚も残ってるー!」

 

彼は今、千冬がただの嫉妬で出した反省文を書き続けていたのだ。千冬自信半分冗談で、少ししたら解放するつもりだったようだが、完全に忘れているようだ。

 

一夏「俺が一体何をしたんだぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」

 

夕暮れで赤く染まる校舎の中、一夏の嘆きの叫びが長く長く響き渡っていた。

 

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 

ァァァァァァ

 

千冬「?今何か聞こえたような……」

 

真耶「どうかされたんですか?織斑先生」

 

横に居る同僚が心配そうな顔で除き混んでくる。

 

私は何でも無いと首を振りながら答える。

 

千冬「いや何でも無い、少し疲れているのかもしれん」

 

真耶「そうですか。最近書類整理が多いですからね」

 

真耶が自分の机の上に置いてあった山のような書類を思い出しながら言う。

 

千冬「まったく、例年を越える馬鹿どものせいでこっちは書類の山だ」

 

千冬は腕を組、眉間に皺を寄せる。

 

真耶「まぁまぁそう言わずに、手の掛かる子ほど可愛いと言いますし」

 

千冬「手が掛かり過ぎだ。寮のドアは壊すし、命令無視はするし。はぁ」

 

千冬は最近有った出来事を思いだし、溜め息を漏らす。

 

千冬(そう言えば、何かを忘れて居るような……まぁ大事(悠)な事なら思い出すだろ)

 

どうやら千冬の大事な事の基準は悠のようだ。自分の弟が自分のせいで苦しんで居るのに気付かないとは、可哀想な一夏。

 

 

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