着替え中
悠「ふぅ。(結局終わったのは最後から二番目か)」
ISに皆を乗せる度に硬直したりガン見してきたりだったから思うように進まず、終わったのは最後の方になってしまった。シャルロットやセシリア達が終わって行くときの千冬姉の顔が喜びに満ちていった時は本気で焦ったぜ。最後になったら何されるか分からなかったからな。因みに一番最後だったのは何も教えてなかったラウラのグループだ。
セシリア「(落ち着くのよセシリア・オルコット!普通に誘えば良いのですわ。一緒にお昼を食べませんかと)よし!あ、あの悠さん!」
悠「ん?何?セシリア」
セシリア「お昼をご一緒に食べませんこと!(言えましたわ!)」
悠「ん~別に良いけど(気付いてないのかな?)」
セシリアには死角で見えないのか、後ろには目を光らせた地獄の番人が二人。鈴と箒がセシリアの様子を伺っていた。
大方抜け駆けは許さんとかそんな所だろう。どうせ着いてくるし場所教えて行こうかな。
セシリア「ほ、本当ですの!?嘘では有りませよね!?」
悠「う、うん。嘘じゃないよ」
セシリア「ではお昼屋上に来てくださいまし!待っておりますわ!」
セシリアはルンルン気分で去っていった。
自分で場所言っちゃったよ。これはもう自業自得でしょ、私は悪くない。
鈴音「……聞いたわね」
隠れて見ていた鈴が、ハイライトの無い瞳で箒に言う。
箒「……ああ、セシリアの思い通りにはさせん」
これまたハイライトの無い瞳で箒が答える。
鈴音・箒「ふふ……ふふふふ!」
周りで見ていた他の生徒は、暗いオーラを纏った二人が笑っている姿を見て恐怖を覚え、あるものはトラウマになったそうだ。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
屋上
セシリア「どういう事ですの!」
昼休みになり、約束通り屋上に行くと何故か既に鈴と箒がスタンバっていた。そして、後からセシリアが来て間を置いて一夏とシャルロットが来た。あえて言っておこう。私は何もしていないし、喋っても居ない。この面子が集まったのは私のせいでは無い!
セシリア「どうして皆さんがここに居るんですの!悠さん!」
悠「いや私は誰にも言ってないよ」
セシリア「では何故!?」
チョイチョイ
箒と鈴がセシリアに向かって手招きをしている。
セシリア「ん?何ですの?」
セシリアは手招きに気付いて二人の方に歩いて近付いた。
箒「抜け駆けは許さん」ボソッ
鈴音「一人だけ良い思い出来る何て思わない事ね」ボソッ
セシリア「な!?」
三人は小声で何かを言っている。
一夏「なぁ、あの三人は何を話してるんだ?」
一夏が近付いてきて小声で話している三人を指差し不思議そうな顔をする。
シャル「やっぱり僕邪魔だったかな」
一夏と一緒に来たシャルロットが今の状況を見て自分は邪魔何じゃないかと言い出した。
まぁ多分ここに来たのも、一夏に連れて来られただけだろうし、そう思うのも無理はないよね。
悠「気にしなくて良いよ、何時もの事だから。ところで二人はどうしてここに来たの?」
場所を教えて着いて来たなら納得行くけど、場所を教えてないのに何で私達の居るところが分かったんだろ。
一夏「ああ、シャルルだけじゃ可愛そうだから皆で一緒に飯食おうと思って悠とか箒とか教室で探したんだけどよ。二人とも何処にも居なくってさ、他の人に聞いたら屋上の方に向かったって聞いたから、他にもセシリアとか鈴も一緒に行くの見たって言ってたから来たんだよ」
……一夏よ。それは早速ストーカー一歩手前では無いかな?他の人に見かけたか聞いて着いてくるなんて、今度やったらボコる。
一夏「それよりも、早く飯食おうぜ。さっさと食わねぇと昼休み終わるぞ」
悠「ん、それもそうだな。おーいそこの三人、お昼食べるよ~」
三人を呼ぶとぞろぞろと此方に歩み寄ってきた。途中で息なり競い始めて私の横に誰が座るかで揉めて、じゃんけんをして右に箒左にセシリアとなった。正面の鈴は少々不機嫌だが、今回は我慢して貰おう。因みにこんな感じで座っている。
悠
箒 セシリア
シャル
一夏 鈴
今日の昼は原作通りなら屋上で食べると分かって居たので、持ってきてない。一夏とシャルロットはそれぞれ購買でお弁当を買ってきた様だ。
鈴音「はい悠、これ食べても良いわよ」
正面の鈴が手元にプラスチックのケースに入った酢豚を見せながら箸をくれた。
悠「マジで!?良いの!?」
鈴音「良いわよ。はい」
鈴が取りやすいように酢豚を近付けてくれた。
悠「いただきま~す!」パクッ
こ、これは!?前に鈴の家で酢豚を食わせて貰ったこと有ったけど、それと同列かそれ以上だ!店に出しても恥ずかしくないレベルだぞこれは!
悠「鈴!これ美味しいよ!お店開いても通じるんじゃないかな!」
鈴音「ふっふ~ん!でしょ。あたしも進歩してるんだからね」
鈴は座りながら腕を組んで凄いでしょと言わんばかりに笑顔で言う。
悠「そうだね。前は塩とこしょうの違いも分からなかったもんね」
あれは小学校六年の夏の事だった。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
小学校六年
鈴音の家
悠「何かごめんね息なり遊びに来て」
その日は一夏が他の友達とプールに行ってしまい、暇をもて余して居たので鈴の家に遊びに来たのだ。急に閃いたので、鈴に連絡せずに来てしまい迷惑を掛けてしまったかもしれないと思い、今は謝罪中だ。
鈴音「別に良いわよ。今日は特に予定無かったし(それに、悠が来るなら無理矢理にでも予定を開けるわよ)」
グゥゥ
鈴音「ん?何の音?」
鈴が音の出所を探して周りを見る。
鈴音「ねぇ悠、今の……悠?」
悠「……///」
今のは俺のお腹の音だ。昼に何も食わずに来たから腹が減っているようだ。だからって鈴の前でお腹の音が鳴るとは……恥ずかしい///
鈴音「……あんたお腹空いてんの?」
悠「……///」コクッ
俺は恥ずかしかったので、頭だけを動かし頷いた。
鈴音「そうならそうと言いなさいよ。待ってて今何か余ってないか聞いてくるから」
そう言って鈴はお店の厨房の方に行った。
暫くして鈴が戻ってきた。手には炒飯と餃子と何故かトマトを持っていた。
悠「え~と、何でトマトを?」
鈴音「厨房に行ってお母さんに余ってないか聞いたらね。炒飯と餃子を作ってくれて、冷蔵庫の中に有ったトマトをくれたの。野菜が足りないから食べないってさ」
お気遣いありがとうございます。鈴のお母さん。
悠「で、トマトはそのまま食べるの?」
鈴音「ふっふっふっ。トマトは塩で食べると美味しいのよ!」
鈴は変な自信を見せながら後ろからこしょうを取り出した。
…………え?
悠「り、鈴。それってこしょうだよね」
鈴音「は?何言ってんのよ。これは塩よ」
どうやら鈴は本気でこしょうが塩だと思って居るようだ。
悠「鈴、塩はね白いんだよ。それはこしょう」
透明な容器に入っているためラベル等が無いから説明しずらいが、スマホで画像を見せれば良いだろう。
悠「塩はこれだよ」
そう言ってスマホの塩の画像を見せる。
鈴音「え、えぇぇぇぇぇ!?」
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
屋上
悠「何て事有ったよね」
鈴音「も、もう何でそんな昔の事覚えてんのよ!早く忘れなさいよ!」
鈴は恥ずかしいのか目を反らしている。
悠「忘れる分けないでしょ。鈴との思い出の一つ何だからさ」
鈴音「ゆ、悠///(あたしとの思い出をそんなに大事に///)」
セシリア「コホンッ!悠さん、わたくしも作りましたのよ。お食べになってください」
……来たか。来てしまったか。いやセシリアがお昼を誘った時点で気付いてたけどさ。まぁ千冬姉の料理を食べた事あるし、あそこまで酷く無いでしょ。
前に千冬姉の料理を食べた事が有ったけど、肉は半生、野菜はサクサク、ご飯はトロトロのカレーを食わされた。その後病院に直行し一夏共々食中毒と診断されたると言う事が有った。
今思い出しても震えが止まらなくなる。ブルブル
セシリア「わたくしはサンドイッチを作って見ましたわ」
あ~やっぱりサンドイッチ何だ。サンドイッチをどうやったら不味く作れるんだろ。……あれ?「作って見ましたわ」だと、始めて作ったって事か!?
これは千冬姉に胃薬を頼もうかな。
セシリア「どうぞ召し上がれ」
セシリアはバスケットを開けて中からサンドイッチを一つ取り出した。
悠「(見た目は普通だな)いただきます」パクッ
ふむふむ。外はふわふわ中はぐちゃぐちゃ、辛くも有り苦くも有り時おり酸味が有るがはっ!!?
一夏「ど、どうした悠。急に動きが止まったけど……悠?」
悠「……ゴクリ。ぱ、パン類って結構喉乾くね」
私は何とか口の中の危険物質を飲み込み、わざとらしく飲み物を要求する。勿論セシリアにだ。
セシリア「あ、そうですわね。気が付かなくて申し訳有りませんわ!」
悠「き、気に……しないで」
セシリア「わたくし今すぐお飲み物を持ってきますわ!」スタスタ
セシリアは急いで屋上を出ていった。
鈴音「ちょっと悠、あんなにわざとらしく言ってセシリアに飲み物を買ってこさせる何てどうしたのよって悠ー!!」
バターン
私は顔を真っ青にしてセシリアが出ていくと同時に倒れた。余りの腹痛に耐えれなかった。
そんな私を見て皆が私の周りに集まってくる。
箒「どうしたんだ悠!しっかりするんだ!」
悠「…だ……だいじょ……ぶ」
鈴音「あきらかに大丈夫じゃ無いでしょ!無理しなくて良いから」
一夏「そんなに凄い味なのか?」
そう言って一夏はセシリアのサンドイッチに手を伸ばした。
悠「っ!?一夏……まっ……て」
だが、俺の声は届かず、セシリアのサンドイッチ(仮)は一夏の口の中に消えていった。
一夏「……」プルプル
食べてから数秒すると、一夏が震え始めた。
シャル「い、一夏?どうしたの?」
シャルロットも何も言わない一夏を心配に思い声を掛ける。
ドサッ
一夏はシャルロット言葉に答える事なく、私と同じように倒れた。
シャル「うぇ~!?一夏も!?」
鈴音「問題はそのサンドイッチのようね。一体何を具材にしてるのかしら」
箒「何にせよ、有害な物で有るのは確かなようだ」
全員がセシリアのバスケットから距離を置く。
その時
ガチャッ
セシリア「悠さん、お飲み物をお持ちしましたわ!」
屋上の扉を開けてセシリアが帰ってきた。手にはティーセットを持っている。どうやらわざわざ寮まで取りに行ったようだ。
悠「あ、ああ。ありがとうセシリア、ごめんね。何か気を使わせた見たいで」
私は何とか起き上がり、セシリアに心配させないようにする。
セシリア「そんな、良いんですわ。わたくしが気が付かなかったのがいけないのですから」
言えねぇ!!こんなええ子にサンドイッチ不味かった何て言えない~!!
悠「ありがとう。今度は私がお弁当持ってくるよ」
セシリア「はい。お待ちして居ますわ」
私はセシリアの純粋な心に、真実を告げる事は出来なかった。今度は教えてあげよう。そして出来る事なら協力してあげよう。
私は心の中で固く誓った。
箒「ゆ、悠。私のも食べてくれないか?」
待ってました!箒の弁当って一夏が絶賛するほど美味しいらしいから、食べて見たかったんだよね。
箒「それとも、もう満腹になってしまったか?」
箒が顔を俯かせ気味に問う。
悠「いや、そんな事無いよ。私はいっぱい食べるし、箒の弁当なら大歓迎だよ」
箒は顔を上げてパアッと表情を明るくする。
箒「そうか!なら、はい」
そう言って箒から、一つの弁当を渡された。箒の手元を見ると、同じ弁当が有る。
悠「おお、開けても良いか?」
箒「当たり前だ。開けなければ食べれないだろう」
悠「そうだね。じゃあ」
パカッ
私はお弁当の蓋を開けた。中には金平ゴボウ、プチトマト、キャベツの千切り、ご飯、唐揚げが入っていた。一見シンプルだが、唐揚げの香りと新鮮な野菜の色合い等が上手く噛み合って見た目以上に美味しそうに見える。
悠「あれ?箒、箸は?」
弁当は貰ったが、弁当の中身を食べるための箸が見当たらない。
箒「す、すまない。忘れてしまったようだ(わざと)仕方無いから、わ///わわ私が食べさせてやろう///」
なん、だと!?それは私の役目では無いのか!?私が箒に「はい、あ~ん」をする流れだろ!なのに何故!?
箒「ほら悠、あああ~ん///」
悠「お///おう。あ~ん」
パクッ
モグモグ
は、恥ずかしい///一夏が居る前で何て///
ん?んん!?こ、これは!?
悠「お、美味しい!!めちゃめちゃ美味しいよこれ!!」
箒「そ、そうか。それは良かった(頑張って作った甲斐があると言うものだ。二桁を越えた辺りから止めようと思ったが、続けて良かった)」
悠「あれ?箒の分の唐揚げが無いよ。どうしたの?」
まぁ理由は知ってんだけどね。ここでこれ言わなきゃ進まないし。
箒「き、気にするな。私はこれだけで足りるから良いんだ(流石に唐揚げ十数個は食べ過ぎた。しかも全て失敗したものだから、味が果てしなく変だった)」
一夏「まさか箒、ダイエッバシッとぉぉぉぉ!!」
箒「一夏、貴様はもう少し女心を理解した方が良いぞ」
一夏が何かを言おうとした時、箒が一夏の顔をビンタして一夏が後ろにぶっ飛んだ。
一夏、乙女心を分かれとは言わないから、せめて空気は読んでくれ。
悠「まぁまぁそう言わずに、手掴みでごめんね。はい」
ヒョイッ
行儀が悪いが、弁当の唐揚げを指で掴み箒の口元に持っていく。
悠「美味しいから一緒に食べようよ」
箒「う、うむ///(ゆ、指で食べさせて貰うだと!?///ハァハァ///悠の指///ジュルリ)」
はっ!妖気か!箒からただ事では無い妖気を感じる。一体箒に何が!?(ただ箒が危ない顔をしているだけ)
悠「あ~ん」
箒「あ///あ~ん///」
パクッ
チュプッ
チュポンッ
箒に唐揚げを食べさせたが、指で唐揚げを掴んで居たので、指も一緒に箒の口の中に入ってしまい、箒の舌が指に絡み付いてくる。
悠「ちょ///箒///あ///」
チュル
チュッ
何とか箒の口から指を出すことに成功する。箒め、人の指に吸い付きおって、しかも周りに皆居るのに変な声出しちゃったじゃん。
箒「す、すまない///つい唐揚げを食べるのに夢中になってしまって///(悠の指、美味しかったな///)」
悠「気にしなくて良いよ」
周りが何も言わないので周りを見てみると
セシリア「……」
鈴音「……」
一夏「///」
シャル「///」
ちょ、そこの英国美少女と中国幼女怖いから!?そしてそこの男子生徒と男装美少女、顔を赤らめて目を反らすな!?ピュアか!
セシリア「あら?わたくしのお箸が消えてしまいましたわ」
サンドイッチに箸は必要無いだろ。
バキッ
鈴音「あれ?あたしの割り箸が無い」
ちょっと待て!今鈴の後ろからバキッて聞こえたぞ!何か折ったよね!って言うか割り箸だよね!
セシリア「仕方が無いので、食べさせて頂けませんか?」
鈴音「いやあたしが先よ」
箒「駄目だ!やらせるか!」
と、三人で詰め寄ってきて昼飯どころでは無くなってしまった。