※この作品はR-18です。

インフィニット・ストラトスの世界に黒猫が転生   作:悠之

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第二十二話

アリーナ

 

シャルロットとラウラが転校してきて早数日が過ぎた。ラウラは相変わらず誰とも馴れ合わず普段は一人で居る。シャルロットはよく私達と一緒に居るので、仲良くなれたと思う。だけど、まだシャルロットとの間には壁を感じる。きっと自信を男と偽って居るから、そんなに深く入り込めないんだと思う。

 

で、今アリーナで何をして居るかと一夏の特訓をしている。

 

何度かセシリアや鈴、箒とも模擬戦をしているが、箒には数回勝てたがセシリアと鈴には一、二回しか勝てていない。一夏は何故勝てないか分かって居ないようだ。

 

ついでに、私と模擬戦した場合100%勝ちます。どんな武器を使っても先ず負けることは有りません。

 

一夏「う~ん。悠は兎も角、セシリアと鈴に何で勝てねぇんだ?」

 

シャル「えっとね一夏、一夏がオルコットさんと凰さんに勝てないのはただ単純に射撃武器の特性を理解していないからだと思うよ」

 

一夏「一応理解してるつもりなんだけど……」

 

理解してるって、射撃武器を扱った事の無い一夏がそう簡単に理解出来るとは思えないんだけど。

 

悠「一夏、知ってるだけじゃ理解してるとは言えないぞ」

 

シャル「知識として知ってるだけじゃ射撃を避けられないから、間合いを詰められないでしょ。だからさっきもセシリアに間合いを詰められずに負けちゃったしね」

 

一夏「う、確かに瞬間加速も読まれてたし」

 

悠「一夏の機体は近接戦闘オンリーだからこそより射撃武器の特性を知っておかなきゃいけないんだよ。それに、私前に教えたよね。相手が射撃武器を持ってる場合は、間隔を空けてスピードに緩急をつけて相手を翻弄して隙を伺えって、さっきのセシリアは一夏のスピードを見極めようとして一夏を観察してたじゃん。そこに瞬間加速で突っ込んで行ったら誰だって落とせるよ」

 

このバカ、セシリアとの戦闘でセシリアが一夏を落とす為に一夏のスピードを見極めて居たのに気付かずに瞬間加速で突っ込んで、まんまと『スターライトmkⅢ』で打ち落とされて後は『ブルー・ティアーズ』の一斉放火でシールドエネルギーが0になった。

 

一夏「警戒してたつもり何だけど」

 

悠「つもりじゃ駄目なんだよつもりじゃ、射撃が上手い人だったら」バンッ

 

私は目の前で高速で動く的目掛けて、『ハーディス』の引き金を引く。

 

悠「この程度の早さだったら簡単に当てれちゃうよ」

 

的が止まると真ん中の赤い部分を的確に撃ち抜いていた。

 

シャル(片手銃を使ってしかもあんな遠距離から撃って当てるなんて普通は無理だと思うな~)

 

悠はトレインの能力を持っている。その為遠距離からの狙撃は得意中の得意なのだ。

 

一夏「成る程な、シャルルと悠の説明は分かりやすくて良いな!」

 

その言葉を聞いて黙って居ない人が三人

 

箒「何!?私の教えかたが下手だと言うのか!」

 

鈴音「そうよ!わざわざ付き合ってやってんのに!」

 

セシリア「わたくしの説明の何処が下手だとおっしゃるのですか!」

 

と、三人がこちらに突っ掛かって来た。

 

まぁ突っ掛かって理由はさっきの言葉だろう。だが、一夏がああ言うのも納得出来る。なにせ最初に教えていたこの三人の説明は

 

箒『だからズカーンとやってドカーンだ!』

 

擬音ばっかで意味不明。

 

鈴音『感覚よ感覚、何で分かんないのよ!』

 

持論の押し付け。

 

セシリア『攻撃を行う場合は、右斜め40度から切り込むのが良いと思います』

 

理論的過ぎて理解不能。

 

と言った具合で三人の説明は一夏では到底理解出来なかった。

 

悠「まぁまぁそう攻めるなって、一夏は初心者で理解するのも一苦労何だから、分かりやすい説明の方があってるんだよ。偶々三人の説明が一夏にあってなかった、ただそれだけだよ」

 

箒「むぅ」

 

鈴音「まぁ悠が」

 

セシリア「そう言うなら」

 

三人は渋々と言った感じで落ち着く。

 

私達はその後また特訓を開始した。

 

シャル「一夏。一夏の『白式』って後付武装(イコライザ)が無いんだよね」

 

一夏の『白式』は『雪片弐型』で拡張領域(バススロット)を全部使ってるからな、そのせいで後付武装が無いんだよな。まぁ『白式』には『零落白夜』って言う凄技が有るから他のISにも引けは取らないだろう。

 

一夏「ああ、何度か千冬姉に頼んで調べて貰ったんだけど、拡張領域に空きが無いんだってさ。だから量子変換(インストール)は期待出来ないって言われたよ」

 

シャル「たぶんだけど、それは単一仕様の方に容量が行ってるからじゃ無いかな」

 

悠「あんだけ凄い効果が有るんだから当たり前っちゃ当たり前だよね」

 

シャルロットは思い出したように『白式』特有の能力を言う。

 

一夏「あ~。あの必殺技見たいなのか」

 

必殺技て、仮面○イダーとかウルト○マンじゃ無いんだから

 

シャル「うんそうそう。普通は第二形態移行(セカンドシフト)してからじゃ無いと、単一仕様は発動出来ないんだよ。第二形態移行してからでも単一仕様を発動するのは稀なのにそれが第二形態移行せずに単一仕様が使えるとなると、そうとうレアなケースだよ」

 

一夏「成る程な。近接戦闘だからこそ射撃武器の特性を理解しなきゃいけないか」

 

シャル「じゃあ特性を理解するために一夏も撃ってみる?」

 

シャルロットはさっきまで使用していたアサルトライフルを手渡す。

 

一夏「あれ?他の機体の武器って使えないじゃ無いか?」

 

おお!一夏、よく覚えてたな。感心感心。

 

シャル「普通はそうだね。でも、所有者が使用許可をすれば登録してる人全員使えるようになるんだよ。一夏はもう使用許可出したから使えるよ。目標の的はあれね」

 

シャルはそう言って、少し離れた位置に有る的を指差す。距離はさっきの私より大分身近いようだ。

 

一夏「こ、こうか?」

 

ダンッ

 

一夏が引き金を引いて弾が撃ち出された。だが弾は的からそれて後ろのアリーナの壁に当たった。

 

一夏「あれ?もう一回」

 

ダンッ

 

ダンッ

 

一夏は何度も的を狙って撃つが、全て外れてしまう。

 

一夏「何で当たらないんだ?」

 

どうやら一夏が撃つ際に撃った反動で僅かに手が動いてしまうようだ。ISではガッチリ固定されて反動とかあんまり感じないから分からないようだ。

 

しょうがない。ここは私が教えてやろう。

 

悠「一夏、ちょっとごめんよ」

 

私は一夏の後ろにまわり、腕の下から手を通してアサルトライフルを持っている一夏の手を包み込むように握る。

 

一夏「うおっ///」

 

その際に、一夏の背中に私の胸が当たって形を変える。

 

一夏(落ち着け織斑 一夏。何を意識してるんだ。後ろに居るのは兄弟見たいに寝食を共にした悠だぞ。こう言う時は……そうだ!偶数を言えば良いんだ!2、4、6、8、10、12……)

 

と、一夏が頭の中で葛藤している中、原因である本人は

 

悠(何意識して顔真っ赤にしてんだよ。私はシャルロットが一夏と密着するのを避けただけだ。男には興味は無いわ!)

 

知らず知らずのうちにフラれている一夏であった。

 

そして更に後ろでは

 

ゴゴゴゴ

 

箒「……」イライラ

 

セシリア「……」イライラ

 

鈴音「……」イライラ

 

三人の恋する乙女(もしくは鬼)がそんな密着状態の二人を見て冷静で居られる訳もなく、黒と紫のオーラが三人から出ていた。

 

一夏(ゾクッな、何だ!?今スゲー悪寒がしたんだけど)

 

鈍感で有名な一夏も殺気には気付くようだ。

 

悠「だから、銃身がぶれないように確りと持ってって、ちゃんと話し聞いてる一夏」

 

一夏「お、おお。ちゃんと聞いてるよ。確りと持てば良いんだな」

 

確り持てばって、そんな簡単に出来るのかな。

 

悠「じゃあもう一回撃ってみ」

 

銃から手を離し一夏から離れて銃を撃つように促す。

 

そして今から一夏が撃つと言うときに、周りで同じように練習していた生徒が騒ぎだした。

 

女子1「ね、ねぇ。ちょっとアレ」

 

女子2「ウソっ!?ドイツの第三世代型じゃん」

 

女子3「まだ本国でトライアル段階だって聞いたけど……」

 

あらら、先にあっちが来ちゃったか。

 

ピットの発射口の場所を見てみると黒いISがこちらを見下ろしていた。

 

ほぇ~。実際に目の前で見ると迫力が違うな~。特に肩の大型レールカノンはこちらに砲口を向けられても居ないのにびびってしまう程だ。これが黒い雨を意味する『シュヴァルツェア・レーゲン』か。

 

私は相手がどういう出方をするのか注意深く観察する。

 

ラウラ「織斑 一夏」

 

一夏「何だよ」

 

一夏も朝の一件でラウラの事を警戒しているようだ。

 

ラウラ「貴様も専用機を持って居るようだな。好都合だ!私と戦え織斑 一夏!」

 

一夏「嫌だ!」

 

ラウラの放つ異様な空気の中、一夏は堂々とラウラの方を向きながら否定の言葉を出した。

 

一夏「戦う理由がねぇ」

 

ラウラ「貴様には無くても、私には有る!」

 

一夏「何で俺をそんなに目の敵にすんだよ!俺がお前に何したってんだ!」

 

そりゃそうだよね~。一夏は会ったこと無いもんね。

 

ラウラ「貴様もそこの牝牛も……私が捻り潰す!!」

 

ん?牝牛?それってもしかして、私の事?

 

……誰が牝牛だぁぁぁぁぁぁ!!好きで巨乳になったんじゃないわぁぁぁぁ!!

 

ラウラめ、お仕置きが必要だな。ふふふっ。

 

箒「悠を牝牛呼ばわりとは聞き捨てならんな」

 

セシリア「悠さんは牝牛などでは有りませんわ!」

 

鈴音「あんた、そんなにリンチがお望みなの?」

 

どうやら三人にも火をつけてしまったらしい。

 

一夏「学年別トーナメントで戦えるんだからそこで良いだろ!」

 

嫌だめだ一夏!ラウラは今ここで調教する!

 

ラウラ「……どうしても戦いたく無いらしいな。ならば、戦わざるをえなくしてやる!」

 

ラウラはレールカノンをこちらに向けたまま砲弾を発射した。

 

私は咄嗟に一夏の前に出て手にオリハルコン製の羽衣『セイレーン』を出そうとする。ここで思いもよらないアクシデントが発生した。

 

一夏「!?悠!あぶねぇ!」

 

グイッ

 

悠「へっ?」

 

私が一夏の前に出た事により、私が盾になろうと勘違いした一夏は私の腕を掴んで引き寄せようとする。しかし、結構なスピードで一夏の前に出てきたので一夏は私を引き寄せれず逆に自分が前のめりになってしまった。当然腕を引っ張られた私も後ろに倒れそうになり、結果

 

ズガァァン

 

バランスを崩して『セイレーン』を出せずに砲弾が当たってしまった。

 

箒・セシリア・鈴音「ッ!?悠!?」

 

いってー!流石に装甲が薄いからダメージがもろに来るな。ったく!一夏が引っ張るから当たちゃったじゃんかよ。

 

で、当の本人はと言うと

 

一夏「悠!大丈夫か!くそっ!よくも悠を!」

 

ラウラに対して怒っていた。

 

ラウラ「やっとやる気になったか」

 

ラウラも一夏が怒って居るのを見て何時でも戦えるように構える。

 

チャキッ

 

と、ラウラの後方から銃が突き付けられる。それはさっきまで一夏が使用していたものと同じアサルトライフルだった。

 

シャル「そこまでだよ」

 

ラウラの後ろにはオレンジの機体『ラファール・リヴァイヴ・カスタムⅡ』を纏ったシャルロットがアサルトライフルをラウラの頭に突き付けて立っていた。

 

どうやら私が一夏の前に出た瞬間にラウラの後ろに周り込んだようだ。

 

シャル「誰彼構わず喧嘩を売るのがドイツ人の礼儀なのかな。それとも、軍ではこういう事しか教えて貰えなかったの」

 

ラウラ「フランスの第二世代型ごときで私に喧嘩を売ると言うのか」

 

シャル「未だに量産化の目処が立たないドイツの第三世代型よりはましだと思うけど」

 

一触即発の状態で二人は睨み合っている。

 

教師『おい!そこの生徒何をしている!組と名前を言え!』

 

悠「一年一組むぐっ!」

 

一夏「ば、馬鹿!まともに答えるな!」

 

監視の先生が気付いたらしく、放送でこちらに組と名前を言うように言ってきた。私はふざけ混じりに組と名前を言おうとしたら、素早く一夏に口を塞がれた。

 

ラウラ「ふんっ!今日のところは命拾いしたようだな」

 

ラウラは悪党が言いそうな台詞を吐き捨てて、ピットの方に戻って行った。

 

少しの間静寂が流れた。

 

そして、

 

箒「悠!大丈夫か!」

 

セシリア「悠さん!」

 

鈴音「悠!」

 

一夏「悠!」

 

シャル「如月さん!」

 

全員が同時に動き出した。さっき撃たれた私を気遣って周りに皆が集まって来る。どこか傷付いて無いかあちらこちらを隅々まで触って確かめる。途中一夏がお尻に触ったので制裁(ISのぐーぱん)を加えておいた。

 

実際に損傷はそこそこ酷く、『黒猫』はスピード重視の機体なので装甲が薄くその薄さが仇となり、当たった左腕は装甲が剥がれて生身の腕が見えている。そして見えている腕はうっすらと青くなってきている。

 

シャル「た、大変!早く冷やさないと!」

 

適切な手当てだな。花丸だ。

 

箒「い、いやここは湿布を貼ってその上から包帯を巻いてだな」

 

気持ちは嬉しいが包帯を巻くほどの事じゃないぞ。

 

鈴音「こ、ここは中国秘伝の秘薬を!」

 

中国の秘薬って何だよ。怪しさ満点じゃないか。

 

セシリア「皆さん少しは落ち着いて下さい!今ヘリの用意をしますからそれで病院へ」

 

セシリアが落ち着け、私はどんだけ重傷なんだ。第一ヘリ何て呼ぶな!

 

一夏「取り合えず保健室に行かないか?」

 

一夏にしては珍しくまともな答えだ。さっき私を引っ張った事を許してやろう。

 

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 

保健室

 

保健の先生「はい。これでもう大丈夫よ。でも、痛んだり違和感を覚えたら直ぐに見せに来るのよ」

 

悠「はい。ありがとうございました」

 

一夏達の付き添いのもと保健室に来た私は保健室の先生に怪我を見せて適切に処置してもらった。全治二週間らしく思ったよりもダメージが大きかったようだ。

 

シャル「痕残らない見たいで良かったね」

 

セシリア「そうですわね。悠さんの綺麗なお肌に傷が残らなくて本当に良かったですわ」

 

鈴音「そうね。でも学年別トーナメントは大丈夫なの?」

 

ああ。確か学年別トーナメントは再来週くらいに有った筈だから、ギリギリってところかな。

 

悠「ギリギリ間に合うかな?」

 

鈴音「何で疑問系なのよ。あんたが大丈夫でも機体の方も結構ダメージ有ったから」

 

確かに『黒猫』は装甲が薄くて破損が酷かったけど、一応神がくれた機体だから直ぐに直せると思う。寧ろ直せなかったら神を殺しに行く。

 

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 

神「ゾクッな、何じゃ!?何かとてつもない殺気を感じたぞ!これはもしやワシを暗殺する手の者の殺気か!?」

 

天使「馬鹿言ってないでさっさと書類片付けて下さい」

 

神「ば、馬鹿て。君段々態度悪くなってない?」

 

天使「そんな事無いですよ。本当、使えない、神様、略してHTK」

 

神「HTK!?」

 

今日も神の世界は平和だった。

 

 

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