悠視点
ガラガラ
千冬「どうもすみませんでした」ペコッ
職員室に連れていかれた俺と一夏はあの後、担任に保護者を呼ぶと言われ千冬姉を呼ばれた。
千冬「行くぞ二人とも」
千冬姉は何も言わない。何故喧嘩に成ったのか?とか、叱る事もしない。
千冬姉が丁度廊下を曲がろうとしたとき、急に動きを止めた。
俺も曲がり角に近付くと、見たことの有るポニーテールが見えた。
悠「箒?」
箒「!悠」
箒は立ち上がりこちらを心配そうに見て来た。
悠「どうしたんだ?こんな所で」
箒「す、少し用が有って…………」
箒はそう言うと千冬姉の前に行き思いきった様に
箒「あの!織斑君のお姉さん!二人を、二人を叱らないで下さい!二人は悪く無いんです。二人は助けてくれただけで、巻き込んだ私が悪いんです!」
俺は驚いた。箒はこんなにもいっぱい喋る方じゃ無い、でも箒は俺と一夏を庇おうとこんなにも一生懸命声を張り上げてくれている。不謹慎かも知れないが俺はその時凄く嬉しかった。
悠「箒あれは」
箒に声を掛けようとすると、千冬姉に手で制された。
千冬「悠。一夏。お前達は暴力を奮った事に後悔や反省はしているか?」
悠「反省はしてる。でも、後悔はしてないよ。だって俺が後悔したらあの三人が正しい事を言った見たいじゃ無いか。だから俺は後悔はしてない」
俺は千冬姉の目を真っ直ぐ見て言った。
一夏「俺もだよ」
千冬「そうか」
スッ
千冬姉は俺と一夏に手を近付けてきた。一夏は叩かれると思い目をつぶっている。俺も覚悟は出来ていた。
ペシッ
ペシッ
悠「イテッ」
一夏「イタッ」
だが、痛みは本の一瞬ピリッと来ただけで、思った程の痛みは来なかった。
悠「デコピン?」
千冬「手を出した事は悪いことだ。相手に武力だけでねじ伏せても何の解決にも成らない、それは分かるな?お前達は多勢に無勢で人を苛め用な子じゃ無いこと事は分かっている。それは弱い人間のやることだ、本当に強い人間は人を守って上げられる人間だ。私はお前達が強い人間で有ることが嬉しいぞ」
悠・一夏「千冬姉」
嬉しいと言ったときの千冬姉の顔は優しい顔をしていた。
千冬「ほ、ほら帰るぞ。一人で帰るのは危ないからこの子も一緒に帰ろう」
悠「うん。箒、一緒に帰ろ」
箒「ああ。悠、ありがとう」
俺達は四人で仲良く歩いて帰った。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
小学校四年
いよいよその時が来た。そろそろ『白騎士事件』が起きるころだ。俺が渡した『IS』のデータを全て束姉は解析した筈、そうなれば直ぐに『IS』を発表する。
箒との別れは刻々と近付いてきていた。
悠「一夏。今日の夕御飯は何が言いかな?」
一夏「う~ん。ハヤシライスが良いんじゃない?」
悠「ん、分かった」
今は家で夕御飯を用意している。千冬姉は今は家に居ない。用事が有るそうだ。
一夏「明日は晴れるかな~」ピッ
一夏が明日の天気を見るためにテレビをつける。
アナウンサー『今入った情報によると世界各国のコンピューターがハッキングされ、ミサイルがいつでも発射できるもようです』
えぇぇぇぇぇ!?今日!?あ、だから千冬姉居ないのか。居たら世界に向けてミサイルが発射されて、止める事が出来ず命中しちゃうな。
一夏「ゆ、悠!ミサイルが降ってくるって、早く逃げよ!」
一夏は今のニュースを見て慌てふためいている。
悠「一夏一旦落ち着いて、こうゆう時こそ慌てず焦らずだよ」
一夏「そ、そうだね」
アナウンサー『新たな情報が入りました。ミサイルの進行方向に謎の白い騎士のような人影が確認されました』
いよいよ来たな千冬姉。悪用されない為に父親の所から持ち出したけど、箒には悪い事をしたな。俺のせいで家族全員がバラバラに成っちゃったし、一夏にも会えなく成るんだから。
一夏「悠。白い騎士だってよ」
一夏は興奮気味に言う。
結局その後、原作通りにミサイルを『白騎士』が全て撃破して世界を救った。束姉も無茶をする。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
別れの時
白騎士事件が起きてから暫く経って、束姉は世界で唯一『IS』のコアを作れる事や構造、詳細データを持っている事から政府に連れていかれそうに成ったが、束姉のラボは既にもぬけの殻でデータも一切残っていなかった。箒ももうすぐ政府の重要人物保護プログラムのせいで各地を転々とさせられるから六年間は会えなくなる。一気に色んな人が居なくなると凄く寂しい。
スッ
うわっ!
不意に目の前が真っ暗に成った。
?「だ~れだ」
悠「その声は、束姉」
束「ピンポンピンポ~ン!だいせ~かい~!」
悠「どうしたの?急に来るのは何時もの事だけど」
今は一夏も千冬姉も家には居ない、故に束姉と二人きりだ。
束「うん。ゆーちゃんには言っておかなきゃいけないかなと思って」
悠「?それって『IS』の事。だったら俺は別に気にしていないよ。寧ろアイツ等に悪用されるよりよっぽど良かったよ」
束「うぅぅぅ。うわ~ん!ゆーちゃんの優しさが心に染みるよ~!」
ギュー
悠「よ~しよし。どさくさに紛れて胸とお尻を触らないで下さい」
束「ふむふむ。確実に成長しているね。二週間前よりも確実に大きく成ってる、これは期待出来そうだね♪」
何で二週間の事を束姉が知ってるの!?まさか盗撮か!千冬姉が帰ってきたら俺の部屋をチェックしてもらおう。
束「ゆーちゃん今の下着じゃもうそろそろ危ないから、ブラに変えた方が良いよ。それにパンツは熊さんよりもウサギさんの方が似合ってると思うよ」
ちょ、この人には親しき仲にも礼儀ありって言葉通用しないのか!?何で何から何まで知ってんだ!熊さんのは千冬姉が似合いそうだからって買ってきたんだよ!断ったら襲われそうだから素直に履いてるんだ。っておい!!
悠「束姉その手に握り閉めているのは何かな?」
束「あ、これ?これはゆーちゃんが昨日洗濯に出したおパンツだよ。何時も寝る前にこうやってスーハースーハーしてるんだ~」
今すぐ警察を呼ぼう。そして速やかに刑務所に放り込んで貰おう。
束「次いでにこっちのが一昨日のおパンツだよ」
最近妙に下着が減ると思ったらあんたの性か!!クソッこんなにも近くに下着泥棒が居たとは不覚。
悠「それで、本題は?」
束「……やっぱりゆーちゃんにはばれちゃうか~。実はね、お別れを言いに来たんだ。何か周りの蚊みたいなのがブンブン五月蝿いからここを離れようかなって思ってね。でね、もし良かったらゆーちゃんも一緒に来ないか~って、どうかな?」
人を蚊呼ばわりとは、束姉は何時も通りって訳でもないか。
俺に語りかけてくる束姉の顔は何時もと同じ笑顔だが、笑顔の裏には寂しそうな雰囲気が見え隠れしているように見えた。
悠「束姉と一緒に行きたいのはやまやまだけど、俺は行けないよ」
束「……どうしてかな?一応理由を聞きたいな~」
悠「束姉と行くのが嫌とかそう言うんじゃ無いんだ。でも今はこの場所で一夏や千冬姉と共に歩んで行きたい、ただそれだけなんだ」
それに一夏には後々『亡国機業』(ファントム・タスク)が接触してきて第二回モンド・グロッソ決勝で千冬姉が不戦敗に成っちゃうからな、それは避けたいな。
束「そっか、じゃあやっぱりここでバイバイだね」
束姉が手をヒラヒラさせて玄関に向かって体の向きを変える。
悠「なに言ってるんですか。バイバイじゃ無くて『またね』です」
束「ッ!!うん!またね!」
束姉は少し目の端を光らせながら俺に向き直り手を振る。
悠「うん束姉。またね」
俺も少し涙腺が緩みながら束姉に手を振る。
次に瞬きをして束姉を見ると、そこに束姉の姿は無かった。
悠「お茶でも飲んで行けば良いのに、忙しい人だな」
おまけ
千冬「悠。風呂が沸けたぞ、久し振りに一緒に入るか?」
悠「う、うん///良いよ///」
女の体に成って数年立つが、未だに千冬姉と風呂に入るのは恥ずかしい。何たってあの千冬姉だからね、今でも十分にスタイルが良いから目のやり場に困る。でも、最初は千冬姉が俺を引きずってまで俺と一緒に風呂に入って居たから終始顔が真っ赤で、その仕草を見た千冬姉が鼻息荒くしていたのはまだ記憶に新しい。ま、それが原因で別々に入り始めたんだけどね。
悠「さて、替えの下着とパジャマは…………あれ?」
引き出しの中を探すと、下着が数枚無くなっていて代わりに
悠「ウサギ?」
ウサギのパンツが数枚有った。
悠「あのウサギ。油断も隙もねぇ」
最後の最後まで、束姉は束姉だった。
千冬「お、何だ可愛い下着だな。珍しいじゃないか、どうしたんだ?」
悠「いやその、選択肢をウサギに奪われちゃって」
千冬「?」
ちょい感動作風です。いかがてしょうか。