保健室
ラウラ「…ん……ここは」
ラウラが目覚めて最初に目に入ったのは、真っ白な天井だった。辺りには薬品の匂いが充満している。
千冬「気が付いたか」
ベッドの横には千冬が腕を組んで立っていた。
ラウラ「…教官……私は」
千冬「打撲が数ヶ所、他は問題無いそうだ。精神にも以上は無いようだな」
千冬はラウラの聞きたい事を察していたが、敢えて話題を逸らした。
ラウラ「…一体……何が起こったの……ですか?」
だが、ラウラは事情を知らずにはいお仕舞いと言う訳にも行かず、何が有ったのか千冬に聞いた。
千冬もこれ以上は誤魔化せないと思ったのか、真剣な表情で何が有ったか教える。
千冬「……これは機密事項だ。絶対に他言無用だぞ」
ラウラ「……はい」
ラウラは千冬の方を向き、強く頷く。
千冬「……VTシステム。過去のモンド・グロッソ優勝者、つまり私の戦闘方法をデータ化したものを強制的に使用者に行わす、と言う代物だ。使用者に強制的に無理な動きをさせる為に、使用者にはかなりの負荷をかける事になる。それが原因で各国の企業・組織等では開発が禁止されたのだ。今お前が動けないのはそのせいだ」
ラウラ「……発動……条件は……」
ラウラは一番気になって居たことを聞いた。いくら禁止された強大なシステムだとしても、発動条件が無ければ発動しない。ならば何故発動したのか。……答えは自(おの)ずと見えてくる。
千冬「……発動条件は、機体の損害レベルがDを越え、使用者の負の感情が最大限に達した時に発動するよう設定されていた」
ラウラは自分を責めていた。VTシステムを積んだのは自分では無いが、発動してしまったのは自分の心が弱かったからだ。自分は望んでしまった。力が欲しいと、結果VTシステムはそれに答えた。
ラウラ「……私の…せいですね」
ラウラは夕陽の茜色が射す窓を見ながら、静かに呟いた。だが、静かな保健室では小さな呟きも千冬には聞こえていた。
それを聞いた千冬は普段保健室では出してはいけない大きな声で叫んだ。
千冬「ラウラ・ボーデヴィッヒ!!」
ラウラ「ッ!?は、はい!」
ラウラは突然大声で呼ばれて、急いで窓の方に向いていた顔を千冬の方に向けた。
千冬「……お前は誰だ?」
千冬は問い掛けた。ラウラの瞳の奥を見ているような目でラウラを見ながら。
ラウラ「……わ、私…は」
ラウラは戸惑った。自分は誰だ。千冬にいろいろな事を教わったのに、結局自分は力に溺れた。そんな私が……
千冬「誰でも無いなら丁度良い!お前はこれから『ラウラ・ボーデヴィッヒ』になればいい。幸いにも、三年間はこの学園に居なければならない。存分に悩みそして見つけろよ小娘。それと、礼は言っておけ」
シャッ
千冬は後ろのカーテン、つまりラウラの横のベッドのカーテンを一気に開けた。
悠「……あ」
そこには包帯や絆創膏を顔や腕に着け、ニコニコした表情でベッドに寝ている悠だった。その表情から察するに最初から千冬とのやり取りを聞いていたようだ。
悠「ど、どうも織斑先生本日はお日柄もよく」
千冬「もう夕方だがな」
時間は七時近くになっている。
千冬「あまり無茶ばかりしてくれるなよ。心配が絶えないと言うのはなかなか辛い」
それを言うと、千冬はドアの方に歩いていった。
千冬「ああそれと、お前は私にはなれないぞ。そして悠はやらんからな!」
かなり危ない発言を残し、保健室を出ていった。
ラウラ「……『如月 悠』。その傷は……私のせいで」
ラウラは顔を俯かせ私に聞いてきた。
悠「ん?違う違う。これはラウラを助けた後に現れた侵入者にやられたの。だがら、ラウラは悪くないよ。それと、ラウラには見せて起きたい物が有るんだよね。ちょっとこっち見て」
私はラウラを自分の方に向かせる。私はラウラに顔を近付け、私の目を指差す。
ラウラ「ッ!?それは!?『ヴォーダン・オージェ』!?」
そう、私の目には神の特典として『ルシフェル』と言うナノマシンが埋め込まれている。そのせいかは知らないけど、目の色は元から金色になっている。
悠「違うよ。これは『ルシフェル』って言うんだ。能力はあんまり変わらないけど、他にも動体視力の向上って言うのが有るんだよ」
ラウラ「……如月は適合に成功したのか?」
悠「そうだね。成功っちゃ成功だけど、正直最初はキツかったかな?動体視力が良くなると頭の回転も早くしないといけないし、体は追い付かないしで苦労したよ」
私は苦笑いしながら今までの苦労を語った。
悠「ラウラ、ここでは一人で悩む必要は無いよ。少なくとも私がラウラの側に居るから」
私はそれを言うとベッドから起き、保健室から帰る準備をする。
ラウラ「待て!何故お前は私にそこまでする!私はお前にあれほど酷い事をしたんだぞ!」
悠「……千冬姉に憧れてたんだよね。それはまるで妹が姉に近付こうとするように、だとしたら私達は姉妹だよ。私も何度も千冬姉に近付こうとしたんだよ。だから、私達って結構似てるのかもね」
剣道では一度も勝ててないし、モンド・グロッソに出てる千冬姉見て見惚れたし。
悠「じゃあ、私はもう行くね。ゆっくり休むと良いよ」
私はそれを最後に、保健室から退室した。
悠「……盗み聞きはあんま良い趣味とは言えませんよ」
千冬「ふっ。お前を待っていただけだ。……ラウラの事、ありがとう。悠には辛い思いばかりさせているな」
恐らくさっきのナノマシンの話も聞こえて居たのだろう。千冬姉は優しく私の頭をぎゅっと抱き締めた。
千冬「私はお前を守れないな。情けない姉だよ」
悠「守って貰ったよ。千冬姉が居るだけで、私の心はいつも安全だよ。それに、一人の女として愛するって言ってなかった?」
千冬「ふふっ。そうだったな」
親の愛情を知らない私には、千冬姉の側が一番安心する場所何だよ。それだけは、これからも変わらないかな。
悠「じゃあ、そろそろ寮に帰るね」
千冬「ああ、引き止めて悪かったな」
千冬姉はゆっくりと私を開放してくれた。
千冬「寄り道せずに、気を付けて帰るんだぞ」
悠「分かってるよ。じゃあさようなら織斑先生」
私は頭を少し下げて、廊下を歩いて帰った。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
保健室
ラウラ「一人で悩むな、か。教官が惚れたのも無理は無いな」
だが、敵は多い上に千冬が居る。
これまでで最難関のミッションになりそうだな。しかし、必ずややり遂げて見せる!
ラウラ「如月……悠」
誰も居ない保健室に静かに響いた名前は、今までで一番愛おしい者の名だった。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
食堂
シャル「悠大丈夫かな?」
セシリア「しかた有りませんわ。織斑先生に「絶対安静だから部屋に入るな」と言われてお顔も見ることが出来ませんでしたもの」
そうなのだ。一夏を含めた乙女達五人は保健室に悠を運んだ後に、千冬に門前払いを受け面会すら出来なかったのだ。勿論悠はそこまで重傷出はなく、千冬が門前払いをした理由はラウラとの話が有ったからなのだが、それを知らない五人は千冬が悠を独り占めしたんじゃないかと、疑いを密かに持っていたりする。
簪「……悠ならきっと大丈夫、すぐに帰って来る」
一夏「まぁ悠の無茶は今に始まった事じゃ無いしな」
四人は心の中では心配しながら、それを表に出さないようにしていた。表に出すと止まらなくなって仕舞うからだ。だが、二人は違った。
鈴音「……何でそう思うのよ。悠だって不死身な訳じゃ無いのよ!」
箒「…………(また何も出来なかった。あの場に居たのに、何も……)」
鈴音は自分の油断のせいで悠を危険な目に会わせたと自分を責め、箒は近くに居たのに何もすることが出来なかった事を歯痒く思っていた。
シャル「……鈴」
セシリア「……鈴さん」
簪「……そんな事、皆分かってる。……それでも、悠は大丈夫って……信じたい」
鈴音「あんたに何が分かんのよ!」
鈴音の心は不安定になっていた。自分のせいで自分の好きな人が傷付いた。でも、誰もそれを言わない。自分の事を気遣って居るのか。だが、それは余計に自分を惨めにした。その事が頭を支配していた。
悠「こらこら喧嘩しない」
鈴音「煩いわね!ちょっと黙ってて悠!」
鈴音は一番左に座っているシャルロットの横に座る悠に、見向きもせずに声だけで判断して黙るように叫ぶ。
はい
3
2
1
シャル「うわっ!悠!?」
シャルロットは手に持ったパンを落とし
セシリア「ええ!?悠さん!?」
セシリアはフォークを落とし
簪「ッ!?悠!?」
鯖(さば)の切り身が宙を舞い
一夏「ぶっ!げほっ!悠!?」
一夏がお茶を吹き出し
箒「んぐっ!?悠!?」
箒が食べ物を飲み込み
鈴音「なっ!?ええ!?ゆ、悠!?」
鈴が二度見した
悠「ん?どしたの?」
当の本人は何故皆が驚いているか分からないようだ。それもその筈、皆は千冬に追い返されたが、悠は皆が来たこと自体知らないのだ。当然、皆が自分が重傷を負った為に会えないと言われた事は、悠は知らない。
鈴音「悠!?あんた大丈夫なの!?」
鈴音が凄い勢いで詰め寄ってきた。
悠「大丈夫だよ。そんなに大きな傷は無いしね」
セシリア「ホッ そうですか。大丈夫なら良かったですわ」
セシリアは胸を撫で下ろして、心底安心したようた表情を見せた。
簪「……無事で、良かった」
簪も若干潤んだ瞳で、良かったと小さく呟いている。
鈴音「……ごめん悠」
悠「え?何が?鈴に何かされた覚え無いんだけど?まさか!?私の私物何か壊したの?」
鈴音は凄く落ち込んだ表情で頭を下げるが、悠はなんの事か分からず変な答えに至っていた。
鈴音「そうじゃないわよ!あんたに怪我を負わせた責任は、あたしに有るのよ!」
鈴音は辛そうな顔をしながら、必死に何故自分が悪いかを伝えた。
悠「……別に鈴のせいじゃ無いけど?だって、鈴は寧ろ私を守ろうとしてくれたでしょ。結果はどうあれ、鈴が助けようとしてくれたんだから、鈴は悪くないよ」
鈴音「でも!」
悠「でもは無し!この話はこれで終わりなの!ほら、早く食べないとお風呂に入れないよ」
尚も食い下がろうとする鈴音を止め、強制的に話を終了する。正直本当にお風呂の時間がヤバイのだ。
シャル「ほ、ほんとだ!もうこんな時間!」
セシリア「お風呂は乙女にとって欠かせない物ですわ!」
皆は急いで残り少ないご飯食べ終えて、大浴場に向かった。
因みに一夏は
一夏「おお!このかつおのたたきうめーぞ!なぁ悠も食ってみな……いか?あれ?皆どこに行ったんだ?」
一人ポツンッ と取り残されていた。
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大浴場
カポーン
悠「ふぅ。間に合って良かった~」
箒「汗臭いままなど嫌だからな。風呂は毎日欠かせないな」
全員、お風呂が入れなくなる一時間前に大浴場に集合し、ピンチを切り抜けたのであった。
にしても、ここは天国か桃源郷だな。
ここは大浴場で皆当然の事ながら裸だ。まぁ、箒とセシリアと簪はタオルで少し前を隠しているが、そこには女の園が広がっていた。シャルロットはまだ皆に女だと明かして居ないから、この場には居ない。
箒の高校生とは思えないようなたわわに実った巨乳は、タオルで隠すことが出来ずにはみ出している。
セシリアの決め細やかな肌に金色の髪がしっとりと着き、色っぽさを醸し出している。
鈴の華奢な体は発展途上でまだまだ幼さが残って居るが、やはり綺麗な肌をしている。胸も小さな膨らみが有り何とも可愛らしい。
簪の鈴よりも大きいBカップの胸はタオルに隠されながらもチラチラと見える。その柔らかそうな膨らみは今にも触りたくなる魅力を秘めている。
……ヤバイ!鼻血が今にもナイアガラの滝の如く流れ出しそう何だけど!
思わず桃源郷を前にして、鼻血を吹き出しそうになるのを必死に抑える。
あ、後周りの皆が何故静かなのか。それはね、こうなってるからだ!
箒「ハァハァ///(ゆ、悠の裸。私はこの体と体を重ねた事が、有るのか///)」
鈴音「ハァハァ///(悠の、裸///あぁ///しゃぶり着きたい///)」
セシリア「ハァハァ///(悠さんのお体、何と美しいのでしょう///いつ見ても素晴らしいですわ///)」
簪「ハァハァ///(悠の……裸///触っても良いかな///揉んだりしても……怒らないかな///)」
皆もれなく変態だった。
皆の悠を見る目が獲物を狩るハンターの目になっていたと、悠は語った。
鈴音「ゴクッ ゆ、悠///ちょっとあんたの胸、触らせなさいよ///」ハァハァ
我慢出来なくなったのか。鈴音は悠に胸を触らせろとねだってきた。
セシリア「ちょっと鈴さん!抜け駆けは許しませんわ///」ハァハァ
あ~駄目だ。ここには敵しか居ないわ。
モギュッ
悠「うひゃっ///」
いつの間にか後ろに回られていたようで、後ろから胸を鷲掴みにされた。
簪「……観念して、大人しく……揉まれて///」
どうやら後ろから胸を鷲掴みにしているのは簪らしい。
成る程、この背中に感じる柔らかい感触は簪の胸か。なかなか良いな。
悠「ちょ、ちょっと待とうよ!冷静に、冷静になろう」
箒「すまない悠///もう我慢出来ないようだ///」
私の願いも虚しく、全員一気に襲い掛かってきた。
モミモミ
チュパッ
ペロッ
簪は胸を揉み続けて、鈴も乳首を口に含み、口の中でコロコロと舌で転がしたり、強く吸ったりと乳首を弄んでいる。セシリアは私の口に吸い付き、口の中に舌を入れてきて、濃厚なディープキスを繰り広げている。箒は私の腰に抱き付き、ヘソや太股等を念入りに舐めている。
ようするに、全身を拘束されて身動きが取れない状態だ。
悠「ちょ、んっ……プハッ あんまり吸わないで///」
全員全く聞こえて居ないようで、夢中で私の体を吸ったり舐めたりしている。
だが、その時
ガラガラ
一夏「久し振りの風呂だな。最近はシャワーばっかりだったもんな」
一夏が風呂場の脱衣場に入ってきた。恐らく原作通りに山田先生に風呂に入っても良いと言われて入りに来たのだろう。
正気に戻ったのか。行動を止め全員脱衣場を見ている。脱衣場にはガラスの向こう側に一夏の影が見えている。
鈴音「な、何で一夏がここに居んのよ!」
箒「わ、私が知るわけ無いだろう!」
そうこうしている内に、一夏がタオルを腰に巻いて入ってきてしまった。
一夏「おー!やっぱ広い風呂はい…い……な?」
流石ラッキースケベ。ハーレムが無くても健在だな。
全員「「「「「入ってくんな!この変態!!!!!」」」」」
取り合えず皆で桶を投げて制裁を加えておこう。
一夏「何で俺ぇぇぇぇぇ!?」
ドンガラガッシャーン