悠と箒の部屋
悠「ふぁ~。今日はいろいろ有って疲れた~」
お風呂から上がり、寮の部屋に戻ってきた私と箒は寝る前のお茶を楽しんでいた。
箒「そ、そうだな。なぁ悠、その、優勝したときの褒美の事なのだが……」
ああ、そんなの有ったね。ごちゃごちゃしてたから忘れてたわ。
悠「ん?デートの事?良いよ。今度の日曜日に買い物に行こう。丁度臨海学校が有るから水着買わないといけないしね」
箒「ほ、本当か!嘘偽りは無いか!」
箒が目を血走らせて掴みかかる勢いで詰め寄ってきた。
悠「ほ、本当だよ。約束するよ」
箒「そ、そうか。約束だぞ。では、今日はもう寝るか」
箒は機嫌が良くなり自分の布団を被って眠る体制になる。
喜怒哀楽が激しいやつだな。まぁ、そこも可愛いっちゃ可愛いけどね。
私も疲れていたのか。すぐに眠りに落ちた。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
翌日
一夏「う~。至る所が痛い」
お風呂場事件の翌日。教室では一夏が顔に絆創膏を着けて項垂れていた。
箒「自業自得だ」
セシリア「お風呂を覗くなんて、つくづく猿ですわね」
箒・セシリア((それに、良いところだったのに///))
二人とも表向きは風呂を覗かれて怒っているように見せているが、内心では悠と良いところだったのを邪魔されたと言うのが、怒っている理由だ。
千冬「ほら、席に着け」
教室のドアから千冬姉と山田先生が入ってきた。皆は急いで席に着く。
真耶「おはようございます。あの、今日は転校生?と言うかその」
山田先生が苦笑いしながら、言葉を濁しながら話す。
真耶「と、兎に角入ってきて下さい」
ガラッ
教室のドアから新たに人が入ってきた。その姿は、長いブロンドヘアを後ろの方で縛り、ミニスカートを穿き綺麗な美脚を露にしている。顔立ちは中世的で美少女と言う言葉がピッタリだ。
あ~。今日だっけ。
シャル「シャルロット・デュノアです。皆さん、改めて宜しくお願いします」
シャルロットは礼儀正しくお辞儀をした。
真耶「え~と、デュノア君はデュノアさんと言う事でした。はぁ。また部屋割りを考え直さないと」
どうやら山田先生が疲れている理由は部屋割りを考え直さないといけないかららしい。ご愁傷さまです。
女子1「え?デュノア君って女なの!?」
女子2「おかしいと思った。美少年じゃなくて美少女だったわけね」
女子3「リアルオスカーキタコレ!」
女子4「って織斑君、同室だから知らないって事は……」
女子5「昨日って確か、男子が大浴場使わなかった?」
だんだんクラスの目線が一夏に向けられる。それもジトー っとした痴漢でも見る目をだ。
一夏「し、知ってたけど、悠の方が先に知ってたぞ!それに、昨日は風呂に入れなかったんだ!」
一夏が席を立ち上がり、必死に弁解する。
ってか、私の事簡単に売ったね。
ドカンッ
鈴音「ちょっと悠!あんたの方が先に知ってたってどういう事よ!ふ、二人だけの秘密なんて許さないわよ!」
あっれ~?そう言う理由で怒っちゃう?
簪「……浮気は……許さない」
まだ何にも無いけどね。俺達は
因みに言っておこう。教室に入ってきた二人は、ISを纏っている。
ラウラ「止めろ!私の……」
鈴音が壊したドアからラウラが入ってきて私の前に立ち両手を広げ、私を守ろうとしてくれる。
ラウラ「私の嫁に手を出すな!」
あら~。やっぱりそうなるよね。まぁこの場合は間違って無いから良いか。
クルッ
スッ
チュッ
はい。今何が有ったか説明しましょう。まずこのクルッ これはラウラが後ろ、つまり私の方を向いた音です。次にスッ これはラウラが私の顔に顔を近付ける音です。そして最後にチュッ これは分かりますね。皆さんの想像通り、ラウラの唇と私の唇が重なった音です。
ジュルッ
チュッ
チュパッ
おいおい。いくら何でもいきなりディーキスは無いっしょ。っつか誰に教わったの?教えたの誰!お仕置きもするけど感謝もします!
ドキュンッ
その時、私の顔の真横を青いレーザーが通った。
セシリア「おほほほ。外して仕舞いましたわ。今ならデート二日間で許して差し上げますわ///」
黒い顔でめっちゃ可愛い事言ってる。
鈴音「何してんのよ!あんたとキスして良いのは、あたしだけよー!」
鈴音は『龍砲』を放った。
あれ~?最近では可愛い事言いながら怖い事すんの流行(はや)ってんのかな?
この距離じゃ避けようが無いので、取り合えず目を瞑って痛くないように祈っとく。
ラウラ「大丈夫か嫁!」
ラウラが呼ぶので目を開けると、ISを纏い右手を前に突き出した状態のラウラが立っていた。『龍砲』はラウラが防いでくれたらしい。いやー『AIC』やっぱ便利だわ。
簪「……私は……デート一回で……許す///」
許すって言うなら『夢現』こっちに向けないで!ほらめっちゃ振動してんじゃん!当たったら綺麗に切れちゃうじゃん!
チャキッ
箒「……悠。目の前で堂々と接吻を交わすとは良い度胸だな」
箒のどこから出したか分からない刀が首筋に添えられる。
これはちょっとマジで逃げた方が
カチャッ
シャル「悠?僕も今の事について説明して欲しいな。説明しだいではデートかお買い物だからね」
後ろにはISを纏い『ガルム』を私に押し当てているシャルロットが、不気味な笑みを浮かべて佇んでいた。
てゆ~か。それって説明してセーフでもアウトでも、結局デート決定じゃん!
前門の阿修羅、後門の羅刹、更には右門に般若、左門に鬼。逃げようにも逃げられない。例えこの地獄を抜けても、スナイパーが逃がしてくれる訳無いか。
千冬「貴様ら何をしている」
そこへ、一番怖い鬼神が降臨した。ヤバイ!千冬姉の出席簿が金棒にしか見えねぇ!
元々教室に居て、この騒動が起きてから呆れて固まって居たのが、ようやく元に戻ったらしい。
バシンッ
箒「くっ!」
バシンッ
セシリア「きゃうっ!」
バシンッ
鈴音「いたっ!」
バシンッ
シャル「あうっ!」
バシンッ
簪「はうっ!」
バシンッ
一夏「ぐはっ!何で俺まで」
バシンッ
悠「いてっ!」
千冬姉はラウラ意外の七人に一発ずつ出席簿を降り下ろした。
千冬「オルコット、凰、デュノア、更識。学園内でのISの使用は許可されない限り禁止だ。それを分かった上でISを展開したのか?それぞれ反省文五枚だ」
実際に学園内では許可無くISを使用するのは禁止されている。皆それを知っているので、ぐうの音も出ない。
千冬「織斑、如月。お前達はこの騒動の原因だ。よって反省文七枚だ」
原因じゃなくて被害者何だけど。
千冬「篠ノ之。お前は刀を校内で持ち歩くな。外だと確実に銃刀法違反だ反省文三枚」
まさか外では持ち歩かないだろ。…………持ち歩かないよね。
千冬「それと、悠は私の物だ!分かっているなボーデヴィッヒ」
ラウラ「教官でも、それは譲ることは出来ません」
バチバチ
二人の間で火花が散る。
お願いだからもう少し隠そうよ。ほら見てみなよ。教室に居る皆が顔真っ赤にしてひそひそ話してるじゃないか。
箒・セシリア・鈴音・シャル・簪(ライバルは強敵!だけど、負けられない!(負けられませんわ!))
恋する乙女達は、自分の意中の相手をゲットするために燃え上がった。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
夕焼けで茜色に染まった教室で二人の女生徒が話をしていた。二人以外には誰も居ないようだ。
シャル「ねぇ悠。夕日が綺麗だね」
女生徒の内の一人、シャルロットが窓際により外を眺めながら言う。
悠「そうだね。こんな毎日がずっと続けば良いのに」
もう一人の女生徒、悠も窓際に近付き、シャルロットの近くに歩み寄る。
シャル「僕は、もっと悠と二人きりの時間が欲しいな///」
シャルロットは悠の肩に手を起き、耳元に顔を近付けて囁く。
悠「う、うん///私もだよ///」
悠は肩に置かれたシャルロットの手に自らの手を重ね、シャルロットを見る。
シャル「悠。もう我慢出来ないよ///キス、して良い?」
悠「い、良いよ///私もしたくなったから///」
二人は互いに顔を近付け、だんだんと距離が近くなり、最終的にゼロになる。
チュルッ
悠「ん……んふ///」
シャル「ん……んん///」
チュッ
プハッ
シャル「悠///」
スルッ
シャルロットの手が悠の制服の中に滑り込む。
悠「あ///しゃ、シャルロット///」
そして二人の影は一つに
ガバッ
シャル「はっ!///」
シャルロットは勢いよく目を覚まし、ベッドから起き上がる。
シャル「ハァハァ(さっきのは夢?///)」
シャルロットは顔を赤くし、先程見ていた夢を思い出す。
シャル(ゆ、夢でも良いから最後までイきたかったな~///……な、何考えてるんだろう///)
シャルロットは頭をブンブンッ と振って考えを消す。
おもむろに隣のベッドを見る。
シャル「あれ?」
だが、そこには新しくルームメイトになった『ラウラ・ボーデヴィッヒ』の姿は無かった。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
同時刻
悠「う、う~ん」
悠は下着姿でベッドの中で眠っていた。
悠「ん?(何か柔らかくて温かい物がある)」
布団の中に自分以外の温もりを感じた悠だが、知っての通り悠は朝が苦手だ。悠は気にするどころか、その温もりに抱き付いた。
?「ふ///んん///嫁は大胆だな///」
悠「ん~。嫁?」
悠は寝惚けながらも嫁と言う単語が耳に残った。そして、自分が抱き付いている物をちゃんと観察するとそれは、綺麗な長い銀髪で白く決めの細かい肌に鍛えられて引き締まったウエストに慎ましやかな胸、そして決め手には黒い眼帯が外れて見えている金色の瞳だ。
悠が知る人物の中でこれだけ特長が有る人物を悠は一人しか知らない。
悠「え?……え!?ラウラ!?」
裸のラウラが横に寝ているのには、流石に悠も目が覚めた。
ガバッ と一気に起き上がり、その勢いで布団も一緒に捲れる。捲れるとラウラを隠している物が全て無くなり、『シュヴァルツェア・レーゲン』の待機形態である黒いレッグバンドだけになった。
悠「ら、ラウラ///何て格好してんだよ///(原作通りとは言え、実際に見ると焦るな///)」
自分の格好も黒の上下の下着だけなのだが、今はラウラの事しか見えていないので、自分の格好に気付いていない。
ラウラ「うむ。夫婦とは包み隠さぬものだと聞いたのでな」
クラリッサァァァ!良くやってくれたと誉めてあげよう。
ラウラ「しかし、嫁は温かいな。それに良い匂いがする」
ラウラは正面から私に抱き付き、胸に顔を埋める。
悠「ちょラウラ///くすぐったいよ」
ガチャ
箒「おい悠。起きたのか?珍しい……な」
恐らく鍛練をしていたであろう箒が、バットタイミングで帰ってきた。
そして箒はこちらを見て固まっている。それはそうだろう。何せ、箒から見たら私(半裸)とラウラ(全裸)が抱き合っているようにみえるのだから。
箒「な、何をしているのだ悠」
箒が目元をヒクヒク とさせながら聞いてくる。その様子から箒が怒っているのは一目で分かる。
ラウラ「夫婦の一時を邪魔するとは無粋だな」
箒「ふ、夫婦ぅぅぅぅ!?」
や、ヤバイ!箒がマジでキレる!
ラウラ「さっさと私と嫁の愛の巣から出ていけ。これから私達は夫婦の営みをするのだ」
箒「い、いいい営み!?///どういう事だ悠!」
ああ!何で私に振るの!?
悠「いやどういう事って言われても……」
箒「それにここは『私と』悠の愛の巣だろう!」
え!それ初耳何だけど!
箒は『私と』を強調して言った。
ラウラ「ほぅ。私と張り合うと言うのか」
箒「張り合う程の事じゃない。悠は私のだ」
二人の後ろに虎と龍が見える。
この後、睨み合いが一時間続き。事情を説明するのに三十分掛かり、誤解を特頃には箒とのデートの数分前になっていた。