ブゥゥゥゥンッ
私は今、バスに乗っている。席は前から二番目の席の
席と席の間の席だ。そして私の周りの席にはいつものメンバー(鈴音と簪抜き)が座っている。
何故私が真ん中か、それには谷よりも深い訳が有るのだ。
この度臨海学校に行くことになっていた私達は朝早くからバスに乗り、目的の場所に向かうのだが、バスに乗る際に問題が起きた。それは私の隣に誰が座るかと言うものだった。私は窓際の席に座れればそれで良かったのでスルーしていたのだが、途中から決闘と言う言葉が聞こえてきた為に仲裁に入り、平等にしようと私が真ん中になり右隣に箒、左隣にセシリア、後ろにシャルロット、膝の上にラウラが座っている。前の両隣の席は山田先生と千冬姉だ。
で、問題なのは
箒「悠。黒飴は要るか?」
セシリア「悠さん。クッキーなどいかがですか?」
シャル「悠。ポッキー食べない?」
ラウラ「嫁よ。チョコを食べろ」
四方向からお菓子攻めを受けている。さっきこれ等を全て口に突っ込まれて、口の中がカオスな状況になったのは謂うまでも無い。
千冬「おい悠」
千冬姉!助けてくれるの?
千冬「ガリガリ君も有るぞ?」
千冬姉~!(泣)
真耶「お、織斑先生」
おお!山田先生!貴女は女神だ!
真耶「ここにガリガリ君の季節限定ピーチ味が有りますよ」
味のチョイス変えただけかい!?山ピーのアホー!
結局止める事はできず、それぞれ美味しくいただきました。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
旅館
一組のバスから順に、二組のバスが止まり次々に生徒が降りてくる。
鈴音「へ~。結構綺麗な旅館ね。ねぇ悠………あんた大丈夫?」
鈴音もバスから降りてきて一組の中の悠を見つけると旅館の感想を良いながら悠に話し掛けたが
悠「…………」
悠は俯いたまま反応が無い。
簪「……何で悠は……こんな姿に?」
四組のバスも到着したようで、簪が鈴音と悠に近付いてきた。
鈴音「知らないわよ。あたしが来たときにはこうなってたわ」
簪「……酔ったとか?」
鈴音「悠に限ってあり得ないでしょ」
小学校や中学校の課外学習などで一緒だった鈴音は、その時にバスで普通に元気だった悠を見ているので、酔うのはあり得ないと否定する。
悠「…………」ブツブツ
鈴音「え?何?」
悠は僅かに口を動かしてブツブツ と喋るが声が小さくて鈴音と簪には聞こえなかった。
悠「……味が……味が……」
良く聞くと、悠は「……味が……味が」と呟いていた。
鈴音「味が?」
簪「味が……何?」
二人には何の事か分からず、首を傾げるばかりである。
そこへ
シャル「あ、鈴と簪」
箒、セシリア、シャルロット、ラウラの一組メンバーが揃った。一夏は千冬に部屋に連れて行かれました。
鈴音「あんた達、これはどういう状況よ」
悠を指差しながら真相を知っていそうな四人に聞く。
箒「いや、ちょっと」
シャル「なんと言うか」
セシリア「いろいろ有りまして」
三人は言いずらそうに言葉を濁す。だが、一人だけ超素直な娘が居た。
ラウラ「バスの中で嫁に菓子を沢山食わせてしまってな、そのせいで気分が悪くなってしまったらしい」
ラウラは何の誤解もされないような完璧な事情を話した。そう、何も間違いなく。
鈴音「へ~。じゃあ悠がこの状態なのはあんた達のせいな訳ね」
簪「……お仕置き」
悠LOVEな二人には恐らくどんな説得も通じないだろう。何せ愛する者が他の者に苦しめられたのだから。
この後、四人の頭には少し大きなたんこぶが有ったとか。
で、詳しく聞くとどうやらこう言う事らしい。
悠に皆お菓子をあげたい。
↓
全員いっぺんに悠の口の中にお菓子を突っ込む。
↓
悠は一気に口の中がいろいろな味でごちゃごちゃになる。
↓
ただいまバスの中で、たまに揺れたりもする。
↓
だんだん気持ち悪くなってくる。
↓
今の状況の出来上がり。
あげたお菓子一覧
⚪黒飴
⚪クッキー
⚪ポッキー
⚪チョコ
⚪ガリガリ君×2(ソーダ+ピーチ味)
鈴音は聞いただけで吐き気がした。
鈴音「そりゃいっぺんにあげたらこうなるわよ」
簪「悠……可哀想」
悠「もう大丈夫だよ。まだ少し舌に残ってるけど」
まだ四人を睨む二人をやっと復活した悠が大丈夫だと言うが、顔色がまだ少し悪い。
悠「まぁ取り合えず部屋に行こうよ。じゃないと海に行けないよ」
鈴音「そうね。今回は悠に免じて許してあげるけど、次にこんなことが有ったらただじゃ置かないわよ!」
簪「次したら……お仕置き」
四人「「「「は、はい」」」」
四人は二人の圧力に気圧されて、反論出来なかった。
悠「ここが私達の部屋か~。結構綺麗な所だね」
セシリア「そうですわね。古風な感じで畳と言うのもなかなか良いものですわね」
気分も大分落ち着き、部屋に着く頃には治っていた。部屋はなかなか広くて高校生が泊まっても良いのか?と疑問に思うほどだった。
流石はIS学園と言ったところか。
同室の人は以下の通り
⚫セシリア
⚫本音
⚫静寢
⚫清香
の私を含めた五人だ。このメンバーだと夜ちゃんと眠れるか心配だ。
本音「わ~い!ゆーちゃんと一緒だ~」
静寢「ねぇねぇ、早く海に行こうよ」
清香「そうだね。早く海に行っていっぱい泳ぎたい!」
三人は女子高生らしい反応を見せる。
セシリア「わたくし達も着替えて海に行きましょうか」
悠「うん。早く着替えよう」
さてと、水着水着。
本音・静寢・清香「「「ふふふ。では早速」」」
バッ
あれ?
バックから出した水着が、突如元気っ娘三人娘に奪われた。
早い!?この私から水着を取るなんて、並みの人じゃできない筈。彼女らはいったい何者?
本音「怖く無いよ~」
静寢「すぐ終わるからね」
清香「ちょっと目瞑ってたらすむからね」
怪しいよ!なにその手の動き!ヘルプ!セシリアー!
セシリア「ゆ、悠さんの生着替え///」ハァハァ
駄目だー!ここには敵しかっつーか変態しか居ないー!
ジリジリ と追い詰められていき、遂に部屋の隅に追いやられてしまった。
悠「お、落ち着いて。こんなことをしても誰も喜ばないよ」
セシリア「わたくしは嬉しいですわ!///さぁ、水着を///」
や、ちょ、止め。あぁぁぁぁぁぁぉっ!!!
私はこの日、女は容赦が無いと言う事を学んだ。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
海
はぁ~。海に入る前から疲れちゃったよ。何であの人等はあんなに元気なの?着替えさせ終わったら何かホクホク してたし。
今私が着ている水着は、上下黒で上の水着にはヒラヒラが着いている。下は短いパレオを巻いている。
鈴音「悠!」
ドンッ
悠「わっ!何だよ鈴。ビックリするじゃないか」
後ろから鈴音にいきなり押されて、悠は一瞬体をビクつかせる。
鈴音の水着は鈴音にピッタリなスポーティーな水着だ。だが、それ故に色気が余り感じられない。
鈴音「む~。やっぱりデカイわね」
鈴音は悠の有る一点を見つめて悔しそうに呟いた。
鈴音「くっそ~。こんなの脂肪の塊よ!」
悠「それを何で私に叫ぶのかな?」
真っ正面から鈴音に叫ばれた悠は、呆れたように頬を掻いた。
セシリア「何を叫んで居ますの?」
そこへ青い水着を着たセシリアが、脇にビーチパラソルとシート、更にはサンオイルを持ってやって来た。
セシリアの水着は悠の水着と似ていて、違うのは色とパレオの長さくらいだ。
つーかセシリアめっちゃ海満喫してんじゃん。なにその海楽しいですスタイル。後浮き輪持ってたらコンプリートだよ。
セシリア「あ、そうですわ悠さん。わたくしとビニールボートに乗りませんこと?」
そうきたかー!まさか浮き輪じゃなくてビニールボートで来るとは、セシリア……恐るべし。ってかコンプリートしちゃったよ。
セシリア「その前に、オイルを塗りませんと。悠さんもいかがですか?な、何でしたら、わたくしが塗って差し上げますけど///」
セシリアがシートを敷いて、準備万端と言った様子で悠をシートの上に招こうとする。だが、その顔には下心が丸見えで、シートの上に行けばオイルを塗る以外にも何かされることは明白だ。
鈴音「うっふっふ。あたしが塗ってあげるわよ。ほら横になりなさいセシリア」
鈴音はセシリアの意図を察したのか、セシリアの後ろから近付きセシリアを押し倒しオイルを奪った。
セシリア「ちょ、鈴さん。わたくしは悠さんにオイルを」
鈴音「煩いわね。あんたにだけ良い思いはさせないわよ」ボソボソ
あ~らら。セシリアは鈴の嫉妬心に火をつけちゃったみたいだね。
鈴音「ほれほれ、た~ぷりと塗ってあげるわよ!」
セシリア「ちょ、鈴さん、そこは、あはは!」
鈴音は遠慮無しにセシリアの体にオイルを塗る。脇や首筋などにもオイルを塗るので、セシリアはくすぐったいのか笑いを堪えている。
セシリア「もう鈴さんいい加減に!」
押し倒された状態のセシリアが勢いよく起き上がった。しかし、丁度背中にオイルを塗っていた鈴音の指がセシリアの水着に引っ掛かり紐がほどけてしまった。
悠「ッ!?///セシリア!?前前!」
紐がほどけた状態で起き上がるとどうなるか。答えは簡単、水着はするりと落ちてしまい隠されていた柔らかな胸とその頂に有るピンクの乳首がさらけ出されてしまった。幸いなのはこの場に一夏が居ない事だ。
セシリア「へ?前?って、きゃあぁぁぁぁっ!?///」
セシリアはようやく自分が上半身裸だと気付いて、慌てて両手で胸を隠した。
女子1「ふぇ~。セシリアの胸って大きくて形も綺麗何だ」
女子2「羨ましい。私も胸大きくなりた~い」
周りに居た女子生徒はセシリアの胸を見て思い思いの感想を言う。
鈴音「あ~ほんとにごめんセシリア」
鈴音もその様子を見て、悪いことをしたと思いセシリアに謝る。
セシリア「り~ん~さ~ん!」
水着を着け直したセシリアがゆらりと立ち上がる。
セシリア「よくもあんな辱しめをしましたわね!しかも悠さんの前で、お待ちなさい!」
鈴音「わー!だからごめんってばー!」
二人は追いかけっこをしながら、砂浜を走ってどこかへ行ってしまった。
シャル「あ!悠、こんなところに居たんだね」
悠「ん?シャル。何か……よ…う?」
シャルロットに呼ばれて振り返ってみると、そこにはツインテールにした髪以外の全身をバスタオルでぐるぐる巻きにしたバスタオルお化け(ラウラ)がシャルロットの横に立っていた。
シャル「どうかな?」
シャルロットは頬をほんのり赤らめて、水着の感想を聞いてきた。
シャルロットの水着はシャルロットにピッタリなオレンジ色で、下はトラ柄のミニスカートのような水着を着ている。
悠「うん。とっても良く似合ってるよ」
シャル「えへへ///ありがとう」
シャルは顔を赤くし、嬉しそうに頬を掻いた。
悠「それで、そのバスタオルお化けは何?」
シャル「ああこれは、ほらラウラ。とっても可愛らしいから大丈夫だよ」
ラウラ「だ、大丈夫かどうかは私が決める!」
バスタオルに巻かれたラウラが話すが、バスタオルの上からだと顔の形しか分からないから、軽くホラーな感じになっている。
悠「ラウラの水着ってそれ?」
シャル「いやいやそんな訳無いでしょ」
ラウラがなかなかバスタオルを外さないから、ちょっと冗談を言ってしまった。つーかどうやったらこんな風にバスタオルを巻けるんだ?そこが一番不思議だ。
シャル「ッ!ふふふ。あ~あ、ラウラがそのままじゃ遊べないし、悠とは僕だけで遊ぼうかな~。ねぇ悠」
シャルロットがウィンクで合図する。
成る程ね。シャルもなかなか策士だな。
悠「そうだね。行こっかシャル」
私もシャルの作戦に乗る。
ラウラ「ま、待て!ええい!」
バッ
ラウラは自分も行こうともがくが、バスタオルで上手く動く事が出来ない。そして、ラウラはバスタオルを一気に取り払った。
周りの女子「「「「「「おお~っ!!」」」」」」
周りで様子を見ていた女子生徒は、ラウラの水着姿を見て歓喜の声をあげる。
ラウラ「ど、どうだ悠。変では無いか?」
ラウラの水着はかなり大胆な物だ。黒色で上も下も極端に面積が少なくヒラヒラが着いている。下の水着などもう少しで見えてしまうんじゃないかと言う程だ。
悠「似合ってるよ。可愛いねラウラ」
ラウラ「ッ!?///か、かか可愛い!?ゆ、悠もその、似合っているぞ///」
悠「ありがと」
いつの間にか私達の周りには甘い空気が漂っていた。
シャル「(な、何で二人で甘い空気を醸し出してるのかな?)手助けしたのは僕だけどさ。何でラウラだけ……」
シャルは二人の甘い空気を感じ取って嫉妬している。