海でおもいっきり楽しんだ私達はただいま夕食を食している。
悠「わぁお。これほんとに高校生が臨海学校で食べる夕食?」
箒「そうだな。普通の高校ではまず無理だな」
悠「流石は天下のIS学園ってところかな?」
夕食には刺身のオンパレードが待っていた。本マグロにウニにイクラと贅沢な海の幸が並べられていた。
席はこんな感じになっている。
――――――
――――――
本音 | |清香
セシリア| |静寢
悠 | |箒
シャル| |一夏
ラウラ| |癒子
とこんな感じだ。
ラウラ「嫁よ!タコが有るぞ!」
悠「うん。タコは有るけど、ラウラが今箸で掴んでるのはイカだよ」
ラウラが身を乗り出して、悠に箸で掴んだ『イカ』を見せる。
悠「ん?どうしたのセシリア」
さっきから横でモジモジしているセシリアが気になり、悠が話し掛ける。
セシリア「い、いえ。……何でも有りませんわ(あ、足が痺れてきたとは、言えませんわ!)」
セシリアは悠の横に座ろうと悠が来る前に着いており、悠が来ると自分の横に誘導したのだった。だが、セシリアはイギリスで大抵は椅子に座って食事を済ませていた。日本に来てもそれは変わらず、学食でも椅子が有り、授業でも椅子が有った。だから、座布団の上に正座で座る事が無かったのだ。故に段々と足が痺れてきて、まともに食事も出来ていなかった。
セシリア「お気になさらないで下さい(この席を獲得するときの苦労に比べれば)」
悠「……仕方無いな~。セシリア、はいあ~ん」
セシリア「へ?」
悠「足が痺れて食べれないんでしょ。今更椅子の方に行けなんて言わないよ。でも、折角のお刺身何だから食べなきゃ勿体ないでしょ。だから、あ~ん」
悠はセシリアの刺身を箸で掴み、セシリアの前に差し出す。
セシリア「(ゆ、夢のようですわ~!)で、ではお言葉に甘えて、あ~ん」
パクッ
悠「どう?美味しい?」
セシリア「はい。とても美味しいですわ(悠さんが食べさせて下さったので、より美味しく感じますわ///)」
と、悠が次の刺身をセシリアにあげようとしたとき
本音「あー!ゆーちゃんがセッシーにあ~んしてるー!」
癒子「ずるいよセシリア!私もしてほしい!」
清香「私も私も!」
セシリアにあ~んをしたのが本音に見付かり、段々と騒がしくなっていく。
バンッ
千冬「貴様ら静かに食事も出来んのか!如月」
悠(はいはい。私が怒られるんですね)
悠は覚悟を決めて千冬の方を向く。
千冬「私にマグロの赤身をくれないか?」
千冬が悠の高さに合わせて屈み、悠の刺身を指差す。
悠(……あれ?)
千冬「何をしている。速くくれないか」
悠「あ、はい。どうぞ」
悠は千冬の要求通りに刺身のマグロの赤身を箸で掴み、千冬の口元に持っていく。
千冬「……あ~んは?」
悠「……え?」
もしかして千冬姉それをしたかったの?
悠「あ、あ~ん」
千冬「あ~ん」
パクッ
千冬は口元に僅かに笑みを浮かべてマグロの赤身を食べた。
千冬「うん。美味しかったよ。では失礼するぞ」
パタンッ
千冬は満足したのか、部屋から出ていった。
悠(ただの嫉妬かい!)
日に日に増していく千冬のシスコン力に、頭を悩ませる悠だった。
一夏「まったく千冬姉は相変わらず悠の事になると人格変わるよな。お、これ本わさだ」
シャル「本わさ?」
シャルロットは一夏の言った本わさの意味が分からず、本わさをそのまま口に入れた。
悠「あ、シャル!」
悠が止めようとするが、時既に遅し、本わさはシャルロットの口の中。
シャル「ッ!?ーッ!?」
シャルロットは顔を赤くし、涙目になりながらも精一杯笑顔を作り、悠の方を向く。
シャル「ふ、風味が有って美味しいね」
悠「いやいや無理しなくて良いから。はいお茶」
シャル「あ、ありがとう!ゴクゴク プハー 」
シャルロットは悠が渡したお茶を一気に飲み干し、口の中を洗い流す。
悠「本わさはね。本わさだけで食べるんじゃなくて、こうやって刺身にちょこっと着けて醤油も着けて、はいあ~ん」
本日三度目の「はいあ~ん」発動により、箒、ラウラの機嫌が悪くなる。
シャル「(箒とラウラの視線が痛いけど)いただきます!///」
パクッ
箒とラウラの殺気とも言える視線を受けながら、シャルロットは悠の差し出す刺身を口に入れる。
シャル「ッ!?美味しい!美味しいよ悠!」
悠「でしょ。良かった、喜んで貰えて」
シャル「うん。ありがとう悠」
どうやらシャルに日本の刺身の美味しさが分かって貰えたようだ。
だが、納得がいっていない人物が二人。
ラウラ「悠!私にも「はいあ~ん」をしてくれ!」
箒「何を言う!私が先だ!」
と、箒とラウラで悠の「はいあ~ん」争奪戦が開始された。しかし、長くは続かなかった。
バンッ
千冬「だから、貴様らは何度言えば分かるのだ!静かに大人しく食事をしろ!今度騒がしくしたら、今から海岸沿いをフルマラソンさせるぞ!」
バタンッ
恐ろしい鬼は一度は許してくれたが、二度は許してはくれないようだ。
それからは、皆静かに食事を済ませた。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
大浴場
カポーン
食事を終えた私達は、込み合う前にお風呂に入ろうと、いつものメンバーで大浴場に来ている。
鈴音「おおー!やっぱり旅館のお風呂は広いわねー」
IS学園もかなりデカイ大浴場だが、旅館だとやはり雰囲気などが違い、よりいっそう広く見える。
シャル「あ、あっちに露天風呂も有るみたいだよ!」
箒「こっちにはサウナが有るぞ」
ラウラ「悠。この泡の出ている風呂は何だ?」
セシリア「それはジャグジーですわラウラさん。ここにはジャグジーも有りますのね」
こんな贅沢を出来るとは、IS学園様々である。
簪「悠。後で……全部行ってみよ」
悠「そうだね。今日は全部のお風呂を制覇しよう!」
全員「「「「「「おおー!」」」」」」
私達は入る前に体の汚れを落とそうと、それぞれ鏡の前に座りシャンプーやリンスー、ボディソープで体を洗っていく。
箒「ゴシゴシ」
ボイーン
セシリア「ふ~んふ~ん♪」
タユンッ
シャル「ゴシゴシ」
プルッ
悠「よいしょよいしょ」
ボイーン
鈴音「……」
チマー
セシリア「?どうしましたの鈴さん」
下を向いたまま動かない鈴音を見て心配になったセシリアが、鈴音に声をかける。
鈴音「……不公平よ。何でそんなに大きいのよー!」
セシリア「キャー!り、鈴さん何を!?」
鈴音はセシリアの胸を見て、セシリアに飛び掛かった。そして、恨めしいとばかりにセシリアの胸を揉み出した。
箒「落ち着け鈴。こんなもの有っても邪魔なだけだぞ」
ピクッ
悠「そうそう。重いし肩は凝るし」
ピクッピクッ
セシリア「そうですわ。可愛い下着は有りませんし」
ブチッ
シャル「皆、それじゃ逆効果」
鈴音「もう遅いわよー!」
簪「デカイから……デカイから何なのよ」
鈴音に続いて、胸にコンプレックスを抱く簪も加わる。
ラウラ「私は悠の胸が好きだがな」
ラウラは軍人として動きやすさなどを重視しているため、たいしてスタイルは気にしていないようだ。
ってか、人の胸が好きって何さ。そりゃよく胸に飛び込んで来るけど。
そして、鈴音と簪の怒りが収まるまで大浴場では大乱闘が続いた。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
悠「ふぅ。何でお風呂入ったのに疲れてんだろ私」
お風呂を上がり、浴衣を着た状態で部屋に戻ろうとしていた。すると
一夏「お、悠。丁度良いところに」
悠「ん?一夏。何か用?」
一夏と千冬姉の部屋が開き、中から一夏が出てきた。
一夏「今千冬姉にマッサージするところ何だけど、悠もどうだ?最近悠に助けられっぱなしだしよ」
悠「(一夏は昔からマッサージ上手かったしな~)久々にやってもらおうかな」
私は疲れが溜まって居たので、一夏にマッサージしてもらう事にした。
千冬「ん?悠じゃないか。どうした?」
部屋の中には布団の上で胡座をかいている千冬が居た。
悠「丁度そこで一夏に呼び止められてさ、マッサージしてかないか?って誘われたの」
一夏「日頃の感謝を込めてさ、織斑先生と悠にマッサージしよかなって思って」
と言う訳でマッサージスタート。
悠「じゃあ最初は織斑先生どうぞ」
千冬「そうか。では頼むぞ」
一夏「よっしゃ任せろ!」
千冬は布団の上でうつ伏せに寝転がる。
一夏は千冬の足の位置に座り、足つぼマッサージを始める。
グリグリ
千冬「くっ!……ふぅ」
千冬は足のつぼを押される度に、痛そうなだが気持ち良さそうな声を出す。
一夏「千冬姉そうとう凝ってんな」
千冬「毎日お前たちの世話を焼かされて居るからな。あ、そこ」
千冬がマッサージされているのを眺めていた悠は不意に部屋の外から気配を複数感じた。
悠「(もう来たんだ箒達じゃあちょっとイタズラしようかな)ねぇ一夏。私にもして欲しいな」
部屋の外「ビクッ」
千冬「ん?ふふふ。一夏、私はまた今度この続きをしてもらう事にしよう。次は悠を気持ち良くしてやれ」
千冬は外に居る気配が誰のか気付いたのか、悠のイタズラに乗ってきた。
悠「や、優しくしてね///」
部屋の外「ガタタッ」
ヤバイ楽しい(笑)
悠は部屋の外で動揺している数人の反応をとても楽しんでいた。
一夏「じゃあ行くぞ」
グイッ
一夏は背中に股がった状態で、腰にマッサージを始める。
悠「あ、ああぁ///」
部屋の外「ガタタタッ」
部屋の外からそうとう壁に張り付いているらしく、もう少しで襖が倒れて仕舞いそうだ。
一夏「痛かったか?」
それでも一夏は、マッサージに夢中で気付いていない。
悠「大丈夫だよ。段々気持ち良くなってきたから」
千冬は先程から笑いを堪えている。
正直、私も笑いを堪えるのに必死だ。
ギチギチ
すると、襖が重量に耐えれなくなってきて、今にも倒れそうだ。
千冬は流石に襖が倒れて破れてしまっては不味いと思ったらしく、襖を開けに立った。
バンッ
箒・セシリア・鈴音・シャル・ラウラ・簪「「「「「「きゃあっ!」」」」」」
襖を一気に開けると、箒、セシリア、鈴音、シャルロット、ラウラ、簪が雪崩れ込んできた。
千冬「貴様等は何をしているんだ」
箒・セシリア・鈴音・シャル・ラウラ・簪「「「「「「え~と、その~」」」」」」
六人の少女はそれぞれ違う方向に目を反らす。
悠「まぁまぁ織斑先生、許してあげて下さいよ」
バッ
悠が声を掛けると、六人の少女はいっせいに悠の方を向いた。
だがそこには六人の少女が思い描いていた図とは違う光景が広がっていた。
シャル「あれ?悠?」
箒「一体何を?」
悠「ん?何って、一夏にマッサージして貰ってるんだよ。ふぅ。気持ち良かった。ありがとう一夏」
一夏「ああ、いつでも言ってくれたらやるぞ」
六人の少女は自分がお門違いの間違いをしていたことに気が付いた。
千冬「何だお前ら。部屋の前で何を想像していたんだ?」
悠(あらら、この人楽しんでるよ)
千冬は六人の反応を見て、更に楽しんでいた。
一夏「ん?皆なにしてたんだ?」
一夏は未だにどういう事態なのか分かっていなかった。
千冬「おい一夏。今の内に風呂にでも入ってきたらどうだ?」
千冬は部屋に女子だけを残し、一夏を退室させる。
千冬「悠。冷蔵庫に飲み物が入ってるからこいつらと一緒に飲んで良いぞ」
悠「(はいはい口止め料ね)分かりました織斑先生」
そして悠は皆にオレンジジュースを渡した。
箒・セシリア・鈴音・シャル・ラウラ・簪「「「「「「い、いただきます」」」」」」ゴクッ
ニヤリ
六人がジュースを飲むと千冬はニヤリ 笑みを浮かべた。
千冬「飲んだなお前ら」
セシリア「え?この飲み物何か入ってらっしゃるんですの?」
ラウラ「ま、まさか自白材!?教官!私は何もしていません!」
簪「………流石に……生徒にそんなもの………飲ませない」
当たり前でしょ!教師が生徒にそんな事したら即クビだよ!
悠「ただの口止め料だよ」
悠は冷蔵庫からビールの缶を一本取り出して千冬に渡す。
千冬「ありがとう悠」
プシュッ
ゴクッ
千冬「プハーくー!」
千冬はビールを飲み、そこらのサラリーマンのような動作をする。
千冬「ん?どうしたお前ら、いつものばか騒ぎはしないのか?」
いつも騒がしい面々がやけに静かなので、千冬がどうしたのか声を掛ける。
セシリア「いえ……その」
簪「織斑先生と……面と向かって話すのは………初めてなので」
どうやら皆、千冬の前で緊張しているようだ。
千冬「篠ノ之、凰。お前達もか?」
箒「織斑先生と最後に面と向かって話すのは、何年も前の事ですから」
鈴音「わ、私も」
悠(まぁ、千冬姉の前で面と向かって話せる生徒何て、私か一夏ぐらいしか居ないからな)
皆千冬姉の事を憧れの目で見るものが多いため、千冬姉から一歩退いて話すのだ。故にゼロ距離で話せるのは、家族である私か一夏しか居ないと言う訳だ。
千冬「そうか。まぁ楽にしていれば良いさ。ところで、お前達は悠のどこが好きなんだ?」
箒・セシリア・鈴音・シャル・ラウラ・簪「「「「「「っ!?げほっげほっ!」」」」」」
千冬の突然の発言に、全員驚いてむせる。
シャル「い、いきなり何を///」
セシリア「それも本人が居る前で///」
千冬「確かに悠は家事も出来るし料理も上手い。更に性格も良くて可愛い、嫁に貰える奴は幸せ者だ」
あ、あんまり誉めすぎないで欲しいな///皆も居るのに目の前で言われると恥ずかしいし///
千冬「どうだ。欲しいか?」
箒・セシリア・鈴音・シャル・ラウラ・簪「「「「「「くれるんですか!?」」」」」」
千冬「誰がやるか!悠は永遠に私のものだ!」
あ~この人シスコンがドンドン日増しに強くなってるな。
箒・セシリア・鈴音・シャル・ラウラ・簪「「「「「「えぇぇぇぇ!!」」」」」」
千冬「奪うくらいの気持ちでないとどうする。だが、渡しはしないがな」
悠(千冬姉酔ってるのかな?千冬姉がこんな事言うなんて)
普段は言わない物言いから、千冬は既に少し酔っているのではと、悠は思った。
その後、千冬は六人全員に悠のどこが好きかを聞いた。悠は終始顔を真っ赤にしていた。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
何処かの研究所
研崎「くそっ!まさか二機とも破壊された上に、一人も道連れに出来ないとは!」
研崎は壁を殴り怒りを露にする。
総帥【研崎】
そこへ白いローブを身に纏った総帥が姿を現した。
研崎「そ、総帥。申し訳有りません。ですが、次こそは必ず!」
研崎は冷や汗をかきながら総帥に頭を下げる。
総帥【貴方のISを倒すとは、貴方の娘はなかなかやりますね。では次はこれを使って見なさい】
総帥がそう言うと総帥の手に一本の長い槍が展開された。
研崎「総帥、これは」
研崎はその槍から放たれる禍々しいオーラにただの槍出ないことが分かった。
総帥【これは『魔槍ゲイボルグ』これを貴方に渡します。好きに使いなさい】
研崎「はっ!ありがとうございます!」
総帥はそのまま背を向けて去っていった。
研崎「ははは!これが有れば………早速私の最高傑作に改造を加えねば」
研崎が研究室の奥に有る影を見て不気味に笑う。