※この作品はR-18です。

インフィニット・ストラトスの世界に黒猫が転生   作:悠之

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第三十八話

作戦開始少し前

 

悠と一夏と箒は作戦開始時間が数分前になったので、砂浜で準備していた。

 

悠(誰も………悲しませない)

 

一夏(やりとげて見せる!)

 

箒(やっと悠の隣に………私が悠の前で良いところを見せよう!)

 

それぞれの思いを抱きながら。

 

千冬『全員準備は良いか?』

 

悠・一夏・箒「「「はい!」」」

 

悠は箒の浮かれように不安を感じていた。それは悠だけでなく、一夏もそうだった。

 

一夏「なぁ箒。大丈夫か?」

 

箒「何がだ一夏。私は問題ない、寧ろいつもより体が軽く感じる程だ。どうした?不安か?」

 

やはりいつもと違い口調の軽い箒を、悠は心配せずには居られなかった。

 

千冬『時刻だ。全員ISを展開し、任務を開始しろ』

 

悠・一夏・箒「「「はい!」」」

 

千冬の指示に従い、それぞれISを展開する。

 

悠「『黒猫』」

 

一夏「来い!『白式』」

 

箒「『紅椿』」

 

漆黒と純白と真紅の機体を纏った三人が立っていた。

 

一夏「箒、頼むぜ」

 

箒「ふん。本来なら悠以外を乗せるなど、したくは無いが今回は仕方ない(いや寧ろ私が悠の上に乗りたいが)」

 

悠「良し、じゃあ行こうか」

 

ドシュンッ

 

その瞬間、『紅椿』と『黒猫』はその場から高速で飛び立った。

 

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 

何処かの研究所

 

研崎「くっくっく。いよいよか、さぁ存分に暴れてきなさい。『黒絶』(こくぜつ)」

 

研崎の前には全身が黒く、二メートルは有る機体がコードに繋がれて立っていた。頭部は骸骨になっており、左右に角が上向きに生えている。背中には一対の翼が着いている。手足の爪は獣のように鋭く、触ったら切れてしまいそうだ。ここまでなら人が乗っているかもと思うが、その機体には明らかに人には無いものを持っていた。それは、普通は二本の筈の腕が四本有ると言う事だ。

 

研崎「さて、『福音』も鳴り始めた。こちらも早々に出撃して貰おうかな」

 

研崎の言葉に答えるように、黒い機体の目が怪しく紫色に光る。

 

ガチャンッ

 

研崎がレバーを下ろすと、天井が開き空が見えるようになった。

 

研崎「行け、『黒絶』。総帥の為にあの実験体を連れてこい」

 

黒い機体『黒絶』は『PIC』を稼働させて浮遊し、天井の穴へとゆっくり飛び出した。

 

天井の穴へと到着すると、ブースターを使い一気に加速する。そのまま『黒絶』は空へと飛び立った。

 

研崎「くっくっく。さぁ悠、総帥の為の実験体となりなさい」

 

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 

海上

 

海岸を飛び立って数分。悠達は真っ直ぐ『福音』の元へと向かっていた。

 

千冬『もうすぐで目標ポイントだ。気を引き閉めてかかれ』

 

悠・一夏・箒「「「了解」」」

 

ピピッ

 

ハイパーセンサーに『福音』が表情される。その姿は原作で見た通り、全身が銀色で全身装甲になっていて顔は見えない。頭部からは大きな翼が生えていて、一見天使にも見える。

 

悠「良いか一夏、まずは箒と私で奇襲する。その奇襲で隙を作るから、お前はその隙をついて一撃で決めろ!これはお前が要の作戦だからな」

 

一夏『ああ、分かってるよ。悠と箒も気を付けろよ』

 

箒『誰に向かって言っている。悠と私なら必ず成功することが出来る』

 

いつもの箒と違い、自信に道溢れた言葉を言う。だが、ここはもう少し冷静に任務に当たらなければならない。悠はその事が頭から離れなかった。

 

悠「よし、じゃあここから更に加速して奇襲を仕掛ける。一夏は50メートル手前で待機して、隙が出来たら『零落白夜』を発動して『瞬時加速』で近付き撃墜する。これで問題ないね」

 

一夏・箒『おう(ああ)』

 

悠「じゃあ、行くぞ!」

 

それを合図に悠と箒は一気に加速した。『福音』との距離はどんどん近付き、50メートル手前で一夏は箒から離れて待機した。悠と箒はなおもスピードを緩めずに一直線に『福音』に向かって行く。

 

悠「先制は私が行くよ」

 

箒『分かった』

 

悠「『ディオスクロイ』ふっ!」

 

悠は両手に『ディオスクロイ』を装備して、『福音』に殴りかかった。

 

だが、悠の攻撃は『福音』が体をずらしてため、かする程度で当たらなかった。

 

悠「ちっ!(流石は軍用IS。簡単には行かないか)『ヘイムダル』」

 

悠は『ディオスクロイ』を消して、右手に『ヘイムダル』を出すと鉄球を『福音』目掛けて投げた。

 

鉄球はブースターにより加速して『福音』に巻き付いた。

 

悠「今だ箒!」

 

箒『はあぁぁ!』

 

箒は『ヘイムダル』に捕まって動けない『福音』に『空裂』で上段から切りかかった。

 

福音『LaLaLa♪』

 

だが、その攻撃は『福音』のエネルギー弾によって届く事は無かった。

 

悠(くっそ!ウイングスラスターまでは抑えれないか)

 

福音『LaLa♪』

 

福音は更にエネルギー弾を悠の方にも放った。

 

悠「『セイレーン』」

 

悠は『セイレーン』を出して、エネルギー弾を受け流す。

 

悠「お次はこれだ。『ジークフリード』はっ!」

 

シュパパパッ

 

悠は両手にトランプ『ジークフリード』を出して、『福音』に向かって無制限に投げ続ける。

 

福音『LaLaLa♪』

 

『福音』もエネルギー弾を無数に発射し、『ジークフリード』を防ごうとする。

 

だが、それは悠の作戦通りの事だった。

 

一夏『うおぉぉぉ!』

 

『福音』の注意が悠に向いている間に、一夏が『零落白夜』を発動して、上空から『福音』のウイングスラスターを根本から切り裂いた。更に箒が下から『空裂』でもう片方の翼を切った。

 

『福音』は翼を失い、海へと落ちていった。

 

悠「(よし。ここからだ。ここからが本当の死闘だ。)箒、一夏。油断しちゃ駄目だ!何か嫌な予感がする。十分に注意しろ!」

 

一夏『ああ分かった悠』

 

箒『大丈夫だ悠。私がお前を守る』

 

ザバァ

 

福音『キュアァァァァ!』

 

『福音』は海の中から勢いよく飛び出してきた。ウイングスラスターが着いていた場所には、今はエネルギーの翼が生えている。

 

悠「箒、一夏。どうやら『二次移行』したらしい。『二次移行』したら奴は、恐らくさっきよりも強くなってる筈だ。一瞬も気を抜くなよ!」

 

一夏『分かった』

 

箒『了解だ』

 

悠「(まずはどのくらい性能が上がったのか試すか)『ウルスラグナ』」

 

ドンッ

 

悠は『ウルスラグナ』を出して、砲弾を『福音』に向けて撃った。

 

福音『LaLaLa♪』

 

だが、『福音』は何事も無いように砲弾を避けた。

 

悠「まだまだ!『エクセリオン』」

 

悠は『ウルスラグナ』を出したまま、右手に『エクセリオン』を着けて、糸を『福音』に絡み付ける。

 

悠「これで動けないだろ。食らえ!」

 

ドンッ

 

ズガアァァンッ

 

『福音』は今度は避けれずにもろに砲弾を受ける。

 

悠(ナターシャさんには悪いけど、少しだけ我慢してくれよ)

 

悠は『福音』と中のナターシャの事を気に掛けながら更に追撃しようとする。

 

次は『ウルスラグナ』を消し、『ハーディス』を出してそのまま『電磁銃』を放つ。

 

福音『La……LaLa…』

 

攻撃が止むと、所々装甲が剥がれた『福音』が姿を現した。

 

悠「一夏。今の内に『福音』を解放して上げてくれよ。これ以上『福音』の悲鳴は、聞きたくない」

 

一夏『……ああ。『零落白夜』はっ!』

 

ザンッ

 

一夏が『福音』を切ると、『福音』は壊れた人形のようにダランと動かなくなり、活動を停止した。

 

悠「よっと」

 

『エクセリオン』で『福音』を引っ張り海に落ちないように、お姫様だっこで支える。

 

そして旅館に帰ろうとした瞬間

 

悠「ゾクッ」

 

悠は野生の勘で咄嗟に右に飛び退いた。

 

ギュゴッ

 

バジャアァァァァン

 

悠の先程いた場所に黒い軌跡を残して、何かが通りすぎた。そして、海面には水柱が立ち。周りに海水の飛沫が舞う。

 

悠達は全員、何かが飛んできた方向に目を向ける。

 

そこには、黒いISが浮かんでいた。『シュヴァルツェア・レーゲン』のような威圧感じゃなく、『黒猫』のように鋭さが有るわけでも無い。そのISはもっとどす黒い何かを秘めていた。

 

悠「(何だあのIS。クソ親父の仕業か!)一夏!箒!今すぐ逃げ―――」

 

悠は一夏と箒に逃げろ。と伝えたかったが、最後まで言うことは出来なかった。

 

悠の第六感が危険のアラームを鳴らして、悠を反射的に飛び退かせたからだ。

 

ザンッ

 

悠の居た場所には黒いISが黒い槍を突き刺した状態で、浮かんでいた。

 

悠(なんつー早さだ!今のは避けて無かったら間違いなく死んでたな)

 

箒『無事か悠!』

 

一夏『大丈夫か悠!』

 

一夏と箒が慌てて近寄ってくる。

 

悠「大丈夫。紙一重で避ける事が出来たから。それよりも、二人は『福音』の操縦者を連れて早く撤退しろ」

 

箒『な、何を言っている!悠一人を置いていける訳無いだろ!』

 

一夏『そうだ!しかもあんな化物見たいな強さの奴を一人で相手するなんて無理だ!』

 

悠「だからだよ。化物見たいな強さだからこそ、全員で撤退するのは難しい。さっきのアイツの動き見たでしょ。アイツは強い、恐らく今ここで束になってかかっても、アイツは倒せない。だから、今は二人で撤退して他の皆を連れてきて欲しいんだ」

 

一夏『くっ!必ず戻ってくるからな!絶対に無理すんなよ!』

 

一夏は悔しいのを堪えて悠の指示通り、撤退するために悠に背を向けた。

 

箒『なっ!?お前まで何を言っているんだ!悠を一人で残して撤退出来るわけ無いだろ!私は悠と―――』

 

一夏『箒!今俺達がやらなきゃいけないのは一刻も早く旅館に戻って増援を呼んでくる事だろ!』

 

箒『ギリッ 悠!すぐ戻る!だから、それまで耐えてくれ!行くぞ一夏!掴まれ!』

 

一夏は箒の背に掴まり、箒は一気に加速してあっという間に見えなくなった。

 

悠「さてと、これで思う存分殺り合えるな」

 

悠は右手に『クライスト』左手に『マルス』を出して構える。

 

黒いIS『ギギギ』

 

黒いISも黒い槍を構えて悠を見ている。

 

黒いIS『ガ……ギ』

 

シュッ

 

黒いISは高速で悠に接近し、そのままの勢いで悠を槍で突き刺そうとする。

 

悠は紙一重でそれを避けると、左手の『マルス』を黒いISに向かって振り抜いた。

 

だが、『マルス』は空を切り、黒いISは下に降下していた。

 

悠(ちっ!やっぱ早さはあっちの方が上か。だとしたら、同時に三つ出すしか無いか)

 

悠は『BLACKCAT』の時の番人の武器を使うとき、必ず二つまでしか出さない。いや、厳密に言えば三つ以上同時に出せば体に多大な負荷が掛かるために出せないのだ。だが、目の前のISは今までのどんな敵よりも強力で限界を超えなければ悠自信が落とされかねない。故に悠は三つ同時に武器を出すことを決意した。

 

悠「(頼むからもってくれよ)『オシリス』」

 

悠は両手の剣とナイフに加えて、尻尾にアームを着けた。

 

悠「これで死角からの攻撃も防げる。こっからは私から攻めるよ!」

 

悠は両手の剣とナイフを交差して黒いISに突進した。

 

黒いIS『ギギ……ガ』

 

だがその攻撃も上体を反らされて避けられる。

 

悠(ふっ。その体制からは避けられないだろ)

 

悠は上体を反らしてカウンターをしようと右手の槍を握りしめた黒いISを見て、更にそのまま体を回転させて尻尾の『オシリス』を黒いISの側頭部に命中させた。

 

バギンッ

 

悠(操縦者が居るんなら今のでも軽い脳震盪(のうしんとう)になってくれるんだがな)

 

悠の思いとは真逆に、黒いISは少し傷付いた頭部を悠の方へ向ける。

 

だが、悠の攻撃も凄まじいと言える。世界でもかなりの強度を誇るISに一撃で傷を付けたのだ。流石はオリハルコン製の武器と言えるだろう。

 

悠「さぁ、ぶっ壊してやるからかかってこい」

 

戦いはまだ始まったばかりだ。

 

 

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