酔いどれプリンツに絡まれて……
絡み酒というのは厄介な酒癖である。
アルコールによる自己の解放────普段感情を抑えている人ほどその傾向が強い、などと言われている。
「ばあぁぁ~ん、えはふふふっ、た~だ~い~ま~指揮官」
派手に部屋の扉が破られた。
鉄血のミステリアス美女・プリンツ・オイゲン────普段の物憂げな性格の欠片すら残っていない酒乱ぶりである。
「うわっ!? え、プリンツ? ……明らかに酔ってるね。酒が入ったときの煩さだ……」
そういえば重桜の面々で宴会を行うのが今日だったな、と小耳に挟んでいたことを思い出す指揮官。
どうも、この酔っ払いはそこに混じってきたらしい。
というのも、現在の彼女の衣装が、重桜の面々が正月に着るという振袖なのだ。
記憶が正しければ、昨年の正月で初めてお披露目したものである。
恐らく周囲に合わせる衣装がこれしかなかったので、再び引っ張り出してきたのだろう。
鶴の羽根を思わせる白と、忍び装束を想起させる黒。
左右で対照的な色合いの上に、金や赤で彩られた絢爛な模様が非常に映えており、煌びやかな藍色の牡丹や、亀の甲羅に似せた亀甲紋と呼ばれる、幾何学的な文様がプリンツの妖艶さをより際立たせていた。
それに加え、着崩れにより肉付きの良い太腿と脇乳が丸見えであり、特に右胸の黒子を見せつけるように晒しているので、非常に目のやり場に困る格好となっていた。
「やっだぁ~指揮官ってばつめたぁ~い、ん~ふふふふ」
「ちょ、近づく前に服を正して、ってくっさぁ……どんだけ飲んでるのこの子」
「だってぇ、重桜のお酒は本当に美味しいのよぉ。だからぁ、沢山持って帰ってきちゃった~」
一升瓶を勢いよく小机に並べる。
ラベルには「恋の記憶」やら、「仁王」やら、個性に溢れた酒名が記されていた。
「……え、まさかと思うけど、今から飲み直そうとしてない?」
「んもぉ、当然でしょう。私まだまだ飲み足りないもの……ほぉら、指揮官も早く注ぎなさいよ~」
「いや僕は別に要らな、ってもう盃に注いでる上に何かサイズがデカっがぶぶっぶぶぶ」
「ばぁ~ん♪ ほらほぉら、もう一杯♪ もう二杯♪ じゃんじゃん飲んじゃえ~」
「……げほっ、げはっ、そんな急に飲めるわけわがぼぼぼっぼぼ」
悪酔いしたプリンツはどうやっても止まらない。
鬱陶しいだけでなく、強引さまで普段の三倍増しなのだ。
一方的なさし飲みに持ち込まれ、矢継ぎ早に酒を浴びせられた指揮官は────完全に伸びた。
「あっははは、た~のしい~。ねぇ指揮官、もっと飲もうよ~」
「……さすがに、ちょっと、間を置かせて。明日仕事に出れなく」
「ざっぱぁ~ん」
「……」
豪快なこぼし方であった。
机に突っ伏した指揮官の頭に目掛けて、無情にも酒が降り注ぐ。
盃がほぼ並々の状態だったこともあり、衣服までも濡らして染み込むほどの被害を被る。
全身がアルコールの臭気で満たされていった。
頭皮までべとつく不快感に、さすがの指揮官も我慢の限界が来たのか、
「……プリンツっううぅ~」
掴みかかろうとしたものの、酔いで頭がぐらつき手がおぼつかない。
辛うじて襟を掠めただけに留まる。
しかしその際、プリンツの着崩れが余計に激しくなり、胸部の露出がとうとう人様の前に出れない領域にまで入ってしまう。
「あら~……ひっく、指揮官のぉ、け・だ・も・の~♪ 」
「え、ちが、これただの手の弾み……うぇっぷ」
何かを勘違いしてスイッチが入ってしまったプリンツと、肝臓の働きが追いつかず吐き気に苦しむ指揮官。かなり温度差が激しいのだが、それでもプリンツはお構いなしだ。
「もう……私を酔わせて、何をするつもりなのかしら」
「最初に入ってきた時から酔ってたでしょ、っあ、まさぐらないでよ、ああっ」
「えっははっははは~ん」
「いや何で下を脱がしにかかって、っああ駄目だ艦船の力に勝てない上に気分が、うえっ」
抵抗虚しく露出された下半身の武器は、当人の萎えを主張するように、普段と変わらぬ様相であった。
「ほら~縮こまってないで、はやくおっきくしなさいよ~」
指先で突いて催促するプリンツだが、べろべろに酔わされた指揮官にそれは叶わない。
多量のアルコールにより抑制された中枢神経では、興奮しようにも海綿体に流れる血流量が足りないのだ。
「……あのぉ、いい加減離れてくれないかなぁ」
「えっふふ、指揮官からお酒の臭いがする~」
「自分でぶっかけたこともう忘れたのか……ってそんなに寄りかかったら倒れ」
四肢に力が入らない指揮官は、プリンツの身体を支えきれず、そのまま畳の上へと押し倒されてしまう。
とろんと垂れた目で見つめてくるプリンツ。
両手でがっつり指揮官を捕らえており、脱出は不可能であると悟った。
「指揮官ったら、こんなところにお酒を隠してたのねぇっふふふふ~」
もたれ掛かるプリンツの和服は、乱れているどころの騒ぎではなかった。
肩をはだけた上に、腰の帯が緩んで紐状の下着が露わになっている。
太腿を股の間に差し込み、挟んで上下に擦りながらも、指揮官を弄る手は止まらない。
衣服の擦れる音が生々しさに拍車をかけていた。
「いただきまぁす~、れぅっぢゅっぷぷぷぷ……っはぁ~」
「ッ……首筋舐めないで、っは」
「駄目よぉ~全部ちゃんと飲まなきゃ~……んじゅぱ、ぢゅるるるる」
「だからっ、僕の身体に付いた汚いのじゃなくて、もっかい注げば、あっ」
「ん~っ……ここにもたくさんあるじゃなぁい……ずずずずっ、くっひひひひ」
肌に染み付いた酒を吸いだすように、プリンツの舌が首筋から鎖骨へと踊っていく。
弱点の責め方が沁みついているのか、酔いどれの状態でも的確に神経の集まった部分を舐め上げ、強烈に唇の跡を付けてくる。
鈍った神経系を再び呼び覚ます、情熱的な愛撫。
酒の味を堪能するにしては、あまりに刺激的な舌技である。
「んっふふふ、えっひひひ、やっと反応してきたわねぇ~」
「うぅっ……」
されるがままで数分経ち、感覚が鋭敏になる頃には、海綿体も弛緩のさせ方を思い出してきたらしい。硬くなりつつある逸物の気配を腿で感じたプリンツは、ぐりぐりと押し付けて血流が多くなるよう促し出す。押し返す感触に満足したのか、一度身体を起こすと机の上に余っていた瓶を掴んで、乱暴に蓋を開け始めた。
「つれなぁ~い指揮官様はぁ、こういう飲ませ方が好みなんでしょう~ほらぁ~」
肩を揺らして、肘の辺りまで振袖を下ろしていく。
すると、ただでさえ半分見えていた乳房が、弾け出るように露出され、指揮官は思わず息をのんだ。以前の経験から、すっかりプリンツの胸に対する耐性が無くなっている上に、完全には脱がさないフェチズムが働いて、極上のカンフル剤と化していた。
プリンツはそのまま指揮官の頭の方へにじり寄ると、自身のはだけた胸元へお酒を注ぎだした。片方の手で両乳を抱きかかえているため、谷間から抜けきらず、三角状の酒の水溜りが形成される。
「はやく顔を上げないと、全部こぼれちゃうわよぉ。飲みたいでしょう~えっひひひっ」
「……ちくしょう、言わせておけば」
なけなしの意志が彼を突き動かした。
ふらふらと頭を上げた指揮官は、そのままプリンツの谷間へ顔を打ち付ける。
飛沫が跳ねるのにも構わず、拙い舌遣いで谷間酒を飲み干そうとする。
乳房が揺れて不安定なのが煩わしくなったのか、気付けば両手でプリンツの双丘を鷲掴みにしていた。指が乳肉へと沈み込み、振袖の皴がより険しくなるほど強い力で掴みながら、一心不乱に吸い上げる。
しかし、プリンツが間髪を入れず酒を継ぎ足していくので、一向に枯れる気配が無い。
「もう……飲めない……限界」
やがて耳まで朱色に染まった指揮官は、力尽きてそのまま乳のクッションへと顔が埋もれた。顎が丁度谷間へと収まり、身を預けると最上の柔らかさで顔面を癒してくれる────鼻先まで酒の水位が上がっていなければの話だが。
よく顔を谷間で挟まれる行為を乳に溺れる、などと言うが、実際に谷間で溺死する危険に晒されるとは指揮官も思っていなかっただろう。
「あらごめんなさぁい~」と言ったプリンツが注ぐのを止めなければ、本当にそうなっていたかもしれない。
「ひっく、えっふふ、こんなに腫らしちゃってぇ~、っはははは、そりゃ限界よねぇ」
「そっちじゃないって……」
訂正しよう、彼女は身を案じて中断したのではなかったらしい。
小馬鹿にした口調で意識を下半身へと向けている。
火照った手を伸ばすと、それ以上に熱く滾った肉棒を摩り始めた。
裏筋に沿って指を這わせていき、カリ首をなぞって登頂する。
酒ですっかり粘ついた掌が亀頭へと絡みつき、大きさを確かめるように擦っていく。
やはり酔いの影響が強いのか、普段の硬さには及ばないものの、勃起し切らない状態で甘く弄られるのはかえって心地良い快感を覚えさせた。
「ほらぁちゃっちゃと寝転がりなさいよ、だあぁ~ん」
かと思えば、プリンツの突き飛ばしによって指揮官は壁に激突し、そのままもたれ掛かる姿勢へと移る。
猫の手を作り、股の間へとすり寄って来るプリンツ。
ぶつかった痛みを訴えようとする指揮官だが、弛んだ胸を抱えて交互に揺らす様を見せつけられては、次の言葉が出てこない。
「あらあら~目が怖いわよぉ指揮官」
「……今のは思いっきり誘導してる。卑怯でしょ」
「んふふふ、それじゃあ~このびんびんに立ってるおっかなぁ~いモノ、没収しちゃおうかしらぁ」
「えっ、そんないきなり」
「だぁ~め、待ってなんかあげないわ」
重力に逆らい、跳ね上がる肉棒の上から覆い被さるようにして、乳房が包み込んでいく。
まだ乾いていない酒のせいか、ねっとりと粘つく乳肉から押し返してくる圧がとても強い。
プリンツはやや前傾姿勢となり、深い谷間に逸物が全部隠れるように動かす。
腰を膝の上に乗せる体位とは違い、プリンツ自身がうつ伏せの体勢のまま足の間に滑り込んでいるので、前後に引き抜く動作が多くなる。
べっとりとした胸が竿へと吸い付きながら離れ、近づくとふんわり押し付けるように包まれる。その繰り返しが堪らなく気持ち良い。
「んっふふ~やっぱりこれが好きなのねぇ、すっかり拗らせちゃってぇ」
「……僕の、せいじゃない。プリンツがそうやって、毎回胸で搾ってくるから、あっ、癖になって」
「でもちょっと動かしづら~い、ん~っ……れろぁ」
「いっ!? 」
前触れもなく、舌先から唾液を垂らして胸の中に注いでいく。
飲酒の影響か、ひんやりした口内で分泌された粘液はやや冷たい。
しかしそれも直に、乳と交わる熱によって煮えたぎっていくだろう。
そうして前に体重をかけると、ぐっしょり濡れた谷間が滑りよく肉棒を扱き上げ、指揮官は悶絶の声を漏らす。
「あははっ、だらしない顔になってるわよ~指揮官。やっぱり好きなんじゃない~」
「うっ、こんな、酔っぱらったまま責められて、んっ」
「もぉ、無駄な抵抗しないでさっさと射精しなさいよ~それとも締め付けが足りない~?」
────むぎゅうぅぅぅ。
上から押さえ付けていた両手の圧が高まり、より乳肉の密着が激しくなった。
先端から根元まで隙間なく圧迫され、乳房全体の重みをひしひしと感じる。
普段ぶら下げている脂肪の塊はこんなにも重いのだと、身を以って味わわされる。
それを奉仕のために使わせている事実が、何よりも射精欲を煽った。
「ぱん、ぱん、ぱん♡ どんどん硬くなっているわよ~そんなにおっぱい射精したいのかな~ふふふ」
酔ったプリンツはいつになく饒舌だった。
悶える指揮官の顔をもっと引き出そうと、乳の動きに合わせて変化する水音を、わざわざ言葉にして告げてくる。
「そーれ、ぐりぐり~♡ 」
「ああっ、あっ、それだめっ」
「ふ~ん、それってなぁに? こうやってぎゅっと寄って、ずっぷんと落とされるのがだめぇ?」
「分かってるならやる、なぁ……!」
「えっははっ、腰浮いちゃってる~か~わいい~♡ 」
否が応でも身体を反らしてしまう指揮官。
小刻みに打ち付け、波打つ乳房の動きに耐えかねたのか、肉棒がぶるりと震え出す。
尿道を昇る精液が放出寸前だと訴えかけている証だった。
「ふぅん、もう限界なのねぇ。何も言わなくても分かるのよ指揮官。あれから何回私にこれ……パイズリさせたのか覚えてるかしら?」
「……」
「そうよねぇ、思わず口を閉じちゃうくらいはやってあげてるわね~」
互い違いに擦れる双丘が速さを増していく。
「うっふふ~ここまで言ったら、もう気付いてるでしょう? 最後にはぁ、何て言えばいいんだっけ? 」
「……あぅ」
「ん~?」
「……
降参の言葉と同時に、根元から搾り取るように乳肉が締め上げられる。
その中へと、鉄砲水のような精液がたっぷりと放たれた。
射精の勢いで暴れる肉棒を、きつい乳圧が抑え込む。
脈動を繰り返すたび、つま先まで伸びきった足が痙攣を起こし、逃げ場のない快楽が身体中を駆け巡っていく。最後まで乳の中へと出し切れるよう、徐々に乳房を緩めて揺さぶると、残っていた白濁液もぶるりと噴き出した。
「相変わらず量が多いわねぇ。ほら見なさい~こんなに糸引いてるわよ~」
谷間に架かった精液の糸を、伸ばしたり縮めたりして弄ぶプリンツ。
あんまりやりすぎると振袖にまで垂れてしまうよ、と言いたかった指揮官だが、射精直後の動悸に加え、依然として続いている酔いの苦しみに耐えるのが精一杯だった。
その後、暫くぶっかけられた男汁で遊んでいたプリンツだが、突如何かを閃いた顔をすると、胸から精液を掬い上げてそのまま口へと運んで行った。
そしてあろうことか、余っていた酒をそのまま喉にぶつける勢いで飲みだしたのだ。
「……ぷっはぁ~、ちょっと~肴にしては塩気が足りないわね~」
「いや……そういう問題じゃないと思う」
「ん~? あんたも飲んでみれば分かるわよ~」
「は? え、何で酒を含んだまま顔近づけて、いや、やだやだやだ、なんで自分の出したもので飲まなきゃいけないのさ、そもそもこれ以上の酒は本当にもどすからタンマ、やだあああっ」
翌日、執務室の机に強壮剤を並べて、げっそりとした顔の指揮官がいたそうな。
ついでにプリンツはけろりとしていた。
6.5話のあやねる演技があまりにも脳内解釈一致だった……
浮気ばっかですいません
一度書いた子はこういう形式になると思います
感想評価お待ちしております