カチ、カチ。秒針の音に目を覚ます。
重たい瞼を見開き、時刻を確認。
フタヒトマルマル、既に日は落ち、黒き静寂が支配する時間である。
うたた寝にしては時が経ち過ぎている、そう感じた指揮官は立ち上がろうとして、足腰に力が入らなかった。
「なん、だと」
まるで生まれたての子鹿のように、踏ん張りが利かずカクカク震える膝。
手の力を借りようとして、後ろ手で縛られていると気付いた。縄によって椅子に括り付けられ、まともに動くことも出来ない。
敵襲、捕虜、それらの言葉が頭をよぎる。
だが、今いる部屋はいつも通りの指揮官の自室であり、ベッドの明かりのみでやや薄暗いことを除けば、特に異常は見受けられない。それに、最後の記憶は戦場ではなく、執務室でのデスクワークであった。
となれば、重要な点は1つ。最後に会話をしたのは誰だったか、だ。必然的に、その人物がこの事態を引き起こした可能性が高い。
真っ先に思い浮かんだ顔は、赤城、大鳳、隼鷹を筆頭とする"ちょっと愛が重たい組"の面々である。が、先日彼女たちに遠征組へと編入する旨を伝えたのが最後の接触であった。
その際、ちょっとした一悶着により危うく母港が火の海に沈みかけたが、何とかその場を抑えたことを鮮明に覚えていたため、容疑者リストから面々の名は早々に消える。
続いてベルファスト、シェフィールドらメイド隊の顔が思い浮かんだが、昼食に会ったのが最後。ロイヤル隊のお茶会にお邪魔し、そこは執務室ではない場所だったため、やはり彼女らも該当しない。
「確かその後は……」
執務室に戻った指揮官を待っていたのは、重桜艦隊からの報告書の山。大抵は指揮官の判子待ちのものであったため、順次それらを承認していく最中、訪問者が1人。
「失礼します、指揮官」
耳にかかった黒髪を搔き上げる仕草。二本の朱角と、身の丈ほどもありそうな長刀から、誰が訪ねて来たのかはすぐに分かった。
「そうか、秘書艦交代の時間だったか」
「はい、本日より秘書艦の任に就かせて頂きます、鈴谷です」
「うむ。新任でありながら堅実な仕事をすると評判は聞いている。気負わずに補佐をよろしく頼む」
「そんな、私には勿体無いお言葉を……」
「謙遜することはないさ。既に先輩の重桜艦たちの中にも上手く馴染んでいる様子、大したものだよ。重桜は何かと癖のある連中が多いからね、君のような緩衝材になり得る人材は願ったり叶ったりだ」
最上型重巡の三番艦、鈴谷。
メンタルキューブの解析が進んだことにより新たに加入した彼女は、一言で表せば優等生タイプであった。
両手が塞がっていて、扉の前で困っている人がいれば、さりげなく開けてあげるような、常識的で気遣いの出来る艦船であると指揮官は評していた。自己主張は控えめで、一歩引いた位置から物事を考えてくれるだろう、という期待があった。
鈴谷の仕事ぶりはやはり勤勉であり、秘書艦初日であるにもかかわらず、進捗は円滑そのもの。気がつけば、机を埋め尽くすほど積み上がっていた報告書は粗方片付いていた。
「どうぞ、指揮官。お飲み物です」
「おぉ、ありがとう」
一息つこうか、というタイミングで差し出された緑茶。何も言わずともこちらの意図を察し、用意する気配りにますます感心を深めた指揮官、特に疑う事もなくずずずっと緑茶を啜り、新緑の味わいを堪能する。
記憶に残っていたのは、そこまでであった。
「……そんな馬鹿な」
愕然とする指揮官。
この記憶が正しいのなら、突然の眠気、及び身体を蝕む倦怠感の原因は緑茶にあるということになる。あの緑茶は執務室に常備してあるもので、つい先日指揮官自身が仕入れたばかりの品。異物が混入するような事態は考えにくい。
あの瞬間、仕込まれた場合を除けば、だが。
「ふふふっ、お目覚めですか」
普段より少しトーンを落とした声が、後方より聞こえる。振り向く力の無い指揮官、前を向いたまま言葉を返す。
「鈴谷、か」
「ええ、他に誰がいると思うんです?」
「何故、こんな真似を」
「それを私に聞きますか。ご自身の方がよく分かっているのではないですか」
質問を返される形になったが、指揮官はまるで身に覚えがない。そもそも鈴谷と顔を合わせたのは、今日を含めてもまだ数回程度なのだ。
「すまない。君が何に怒っているのか、私には見当がつかない。ひとまず拘束を解いて、きちんと話を聞かせてくれ」
指揮官は努めて冷静な態度で鈴谷にそう言った。このような上官に対する暴挙に、普通なら怒り心頭に発してもおかしくない場面であるが、それでは解決に繋がらないと指揮官は判断した。
「怒る? いいえ、怒っているのではありません」
コツ、コツ。
紅色に染まった厚底の靴が発する音が、だんだんと近くなる。それに合わせるように、彼女のハンドバッグの熊のキーホルダーが、パチン、パチンとエナメルの革に当たり、その反響音が指揮官の心をざわつかせる。
足音が止まった次の瞬間、
「ふーっ……」
生暖かい吐息。
ぞわぞわと耳をくすぐり、快楽信号を脳へと伝える。悪戯が過ぎるぞ、と指揮官は注意しようとしたが、震えてうまく言葉が出せない。有無を言わさず、鈴谷は舌先を耳へと這わせて、うねる様な動きで蹂躙を始めた。
「んふ……はむ……ちゅっ……。こうやって、耳たぶを甘噛みしてぇ……れろぉ……じゅるるっ……。耳の裏をなぞるように舐められたら、力抜けちゃいますよね。いいんですよ……ちゅぱ……ちゅぱ……鈴谷に身を任せて……じゅぶぶっ……気持ちいいところ、ぜぇんぶ可愛がってあげますから……」
とぐろを巻いた蛇のように、指揮官の耳に絡みつく舌。プルンとした唇が耳輪へと吸い付き、舌先でほじられるように刺激され、痺れるような快感がじんわりと脳内を埋めていく。
「はぁ……はぁ……あぁっ……待ってくれ鈴谷……」
「待ちません……じゅぶぶっ……じゅるじゅるじゅるるるっ……くちゅくちゅ……んっ……れろれろぉ……」
耳穴のうぶ毛を一本ずつ愛でるように、執拗に舌でほじくり回す。強く舐められる度にグチュグチュと独特な音が響き、ますます感度が上がっていく。
外側から内側へ。丹念に仕上げられた耳穴は血流がどくどくと集まり、敏感な性感帯と化していた。
あっ、あっ、とまるでイルカの鳴き声のような、甲高い声が漏れる。こんな情けない声を自分が出しているという事実を、指揮官は信じられずにいた。
「ちゅるるっ、ちゅるるる……じゅぱっじゅぱっじゅぱっ……」
舌先による攻めから、舌を広げてザラザラした部分を押し付けるような舐め方へと移行すると、吸い付くような動きが多くなった。
同時に、鈴谷の手が指揮官の胸部へと伸び、ぷち、ぷち、と1つずつボタンを外していく。白地のインナーが露わになると、Vネックからするすると手を潜り込ませ、固くなった指揮官の乳首をサワサワと弄り始めた。
「知ってるんですよ……ちゅぱ……ちゅぱ……んっ……男の人も乳首を弄られると……じゅぷじゅぷ……堪らなくなるんですよね……」
「ぐぉっ、ああっ鈴谷、指先が……」
「ヌルヌルでしょう? 予め唾液を付けていたので……。ほら、こうして乳輪を撫でるようにするのと……乳首をコリコリ弄るのと……どちらがお好みでしょうか。ふふふ、分かってます。両方してあげますね……」
手袋を付けてない左手が、輪を描くように指揮官の胸を弄 るかと思えば、親指と人差し指で乳首の先端を摘んで刺激する。チリチリとした快感が肺にまで染み込んでいくような感覚。上半身を快楽漬けにされた指揮官は、足首をばたつかせて紛らわすのが精一杯の状況だ。
「だいぶ出来上がってきましたね。そろそろ頃合いでしょうか、ふーっ……」
「うひぃ!?」
「ふふふっ、そんなに椅子をガタガタ揺らして。刺激が強過ぎましたか?」
散々舐め上げられた耳は、先程息を吹きかけられたときの何倍もの快楽信号を送ってしまう。料理人が下拵えをするように、鈴谷は指揮官が快楽をより受け入れ易い状態に仕上げたのだ。
「す、鈴谷……何故……」
「あら、そんな状態になってもまだ分からないんですね、理由。簡単なことです、とってもシンプルで、単純な事実。貴方が私を求めたからですよ」
「もと、めた?」
「ええ。鈴谷の顔、鈴谷の手、鈴谷の脚、鈴谷の胸……ずっと見てましたね? 分かっています、熱いシセンを注いでいたのは……。初めからこうされたかったのですよね。鈴谷に襲われて、滅茶苦茶にされたいって訴えていたんですよね?」
「君はなにを、言って」
「取り繕っても無駄です。今日だってチラチラ、鈴谷の胸を見て何を妄想してたんですか。素直になりましょう指揮官、正直になれば、鈴谷がぜぇんぶ望むことをして差し上げます……」
制服の中でパンパンに張った胸を、まるで強調するかのように下から持ち上げる鈴谷。
改めて見ると結構なバストサイズで、見るものを圧倒する重厚感とエロスを兼ね備えていた。まるで暗示にかかってしまったかのように、指揮官は目が離せなくなる。
「ふふふ、そうですか。やはり鈴谷の胸がお好きですか。ズボンに張ったおテントさんが、更に窮屈そうになっていますよ」
そう言われた指揮官、自分の勃起状態をようやく認識する。耳舐めによる昂りが凝縮したかのように、今にもズボンを突き破りそうなほど、猛々しく盛り上がっていた。
「足、開いちゃいますね」
鈴谷はそっと指揮官の膝へ手を添え、ゆっくりと股を開かせる。力の入らない指揮官に、抗う術はない。
するすると鈴谷は間に潜り込み、わざとらしく胸を強調しながら、隆起したズボンを間近で眺めるようにしゃがんだ。
「分かりますよ、指揮官が望んでること。鈴谷のおっぱいで、気持ちよくなりたいのでしょう? いつものシセンと同じぐらい……いいえ、それ以上に熱く、煮えたぎった、欲望の白濁で汚してしまいたいのでしょう」
今度は自分のシャツのボタンを外す鈴谷。出来上がった隙間から、溢れてきそうな程むっちり詰まった下乳と、黒のブラジャーがチラ見えしており、さらなる興奮を煽る。
「ふふふっ、釘付けですね。この入り口から、指揮官のおちんちんをずっぷりと迎え入れて、ブラできつきつになったおっぱいの中で揉みくちゃにされるんですよ。先っぽから根元まで、全部鈴谷の乳内に入っちゃったら、きっと気持ち良すぎて、おかしくなっちゃうかもしれませんね」
そう言いながら、パンパンに張ったテントへと手を伸ばす。そっと触れるように撫で回したかと思えば、指先で盛り上がりをなぞっていく。指揮官の我慢も、いよいよ限界だ。
「鈴谷ぁ……」
「えぇ、分かってますよ。これ以上焦らすのも可哀想ですから、そろそろおちんちんを外に出してあげますね」
カチャカチャ。ベルトが外れる音と共に、トランクスから突き出すように現れた指揮官の肉棒は、既に先走りでヌルヌルの状態。さながら、自分から潤滑油を提供しているかのよう。
「さぁ、じっくり見てください。指揮官のおちんちんが、谷間の中に消えていく様子を……」
先端を下乳へと当て、そこから一気に丸呑みするかのように、ずっぷんとシャツの中へ挿乳。
そのまま上へと突き進み、真っ赤な亀頭がシャツの布地の下から押し上げるように主張した。
「鈴谷のおっぱいでも、顔を出せちゃうくらい大きいだなんて。とっても素敵」
たぷん、たぷん。始まりを告げるように、ゆっくり上下へと乳肉を扱き出す。ぎちぎちに締まった爆乳おっぱいの中で、びくんびくんと脈動する陰茎が、今にも飛び跳ねてきそうな勢いだ。
「はっ、はっ、ふふっ、時間をかけてじっくり力を抜いた甲斐がありましたね。今にも腰を浮かせてしまいたいのに、自分からは動かすことも出来ず、さぞもどかしいでしょう。心配しなくても、ちゃんとずりずりしてあげますから」
ぱちゅん、ぱちゅんと、わざとらしく水音を立てるように竿を扱き上げる。亀頭がシャツを突き破りそうなほど、何度もぐいっと当たり、その部分だけがじんわりと滲んでいる。パイズリの激しさが増すほど、ブラの位置が徐々にずれていき、次第にその姿が露わになっていく。
「んっ、ふっ、これ、気になりますか。この前Z23さんに選んでもらったんです。とってもセクシーなデザインで、私気に入ってるんですよ……くすっ、えぇ、分かってます。汚したいんですよね、このブラジャー。いいんですよ、汚しても。
このまま鈴谷のおっぱいオナホにぶちまければ、シャツも、ブラも、指揮官の精液の匂いで、好きなだけマーキング出来ますよ……」
どっぷん。今まで顔を出していた亀頭が、おっぱい肉の中へと入っていく。裏筋を刺激するよう、左右でぐりぐり、ぐりゅんぐりゅんと小刻みな動きが加わり、堪らず顔が緩んでしまう指揮官。もはや思考は定まらず、柔肉がもたらす快楽責めにただ身を委ねることしか出来ない。
「指揮官の出した我慢汁で、いやらしい水音が大きくなってます。そろそろ限界でしょう、耳舐めの時からずっと我慢させていましたから。いいんですよ、このまま鈴谷のおっぱいに、濃厚で雄臭いぶりぶりのザーメン、一滴残らずぶちまけましょう。ほら、ほら、イッて下さい、イッて……イケってんの!」
急に語尾を強めた鈴谷、それがトドメの合図となった。
びゅるるぅ、どひゅどひゅ、ぶびゅびゅびゅびゅ。弾けるように飛び出す精液。おっぱいオナホの中にある、あらゆる隙間を埋めていくように充満していく。収まり切らない分が、既に入り口から漏れ出していた。
「はぁ……とっても立派な射精でした。これで指揮官も、鈴谷にその気があるとはっきりしましたね。愛の証を、これだけ胸に吐き出したのですから」
下乳から垂れていく精液を掬い上げ、人差し指と中指の間で遊ばせる鈴谷。愛おしげに絡ませ、出来たアーチを指揮官へと見せ付ける。
「鈴谷……」
指揮官、未だぼんやりする頭のまま、鈴谷の名前を呼ぶ。何かを言いたげな表情に、とうとう堕ちたかと期待を込めた返事をしようとした彼女に向けて、
「それは……違う……」
否定。思わぬ拒絶。何気無く出てしまった、言の葉ひとつ。
一瞬にして凍える空気。
秘めていた彼女の苛立ちが、解き放たれる。
指揮官は踏んでしまった、地雷のど真ん中を。
「はぁ、ここまでやってまだ素直になれないなんて……呆れるぐらい強情よね」
普段の丁寧口調から一変した雰囲気に驚く指揮官。鈴谷はすくっと立ち上がると、急に指揮官の後ろへと移動する。ガサゴソと何か機器を弄るような音に不安を感じて逃げ出そうとしても、只でさえ力の入らない身体に射精直後の脱力が追い打ちとなり、動くことは叶わない。
ガシャッ。頭部に取り付けられたのは、ヘッドホン。綾波が時たま使用しているのと近いタイプのものだ。
「なんのつもりで」
そう言いかけた指揮官の口が止まった。いや、ヘッドホンから聞こえてきた音声により、言葉が続かなくなったのだ。
「指揮官が悪いのよ。いつまでも正直になれない悪い子は、オシオキするしかないでしょう……」
カチカチカチ。
音量を最大まで上げる鈴谷。それに合わせるように、指揮官の体の震えが大きくなっていく。
「ひっなんだこれ、あっ、鈴谷ッ、あっ、くっ、これ早く、あっ、あっ、止め」
「ダーメ。ダメよ指揮官。もっともっと、鈴谷に染まってくれなきゃ。これは、その為の儀式なんだから」
ヘッドホンから漏れ出す音。それはポップでもジャズでも、ヘビメタでもない。
指揮官の耳を満たすのは、あの音。
じゅるじゅる、くちゃくちゃと、隅々まで犯し尽くすような、鈴谷の舌音。
「綾波さんが教えてくれたの。バイノーラルという音声は、より耳元で囁かれるような臨場感を楽しめるんですってね。ふふふっ、どうです指揮官、左右同時に鈴谷から耳を責められるのは、とっても心地良いでしょう」
まるで鈴谷が2人に増えたかのような、激しい舌技。実際にされてるのと忖度無いほどの快楽責めの最大音量。指揮官、もはや喘ぐだけの雄犬へと成り下がり、肉棒は再び元の硬さを取り戻していた。
どたぷん。ずぽずぽという水音と共に、再び肉棒が乳肉へと迎え入れられる。いつの間にか元の位置へと戻った鈴谷が、2度目の着衣パイズリを始めていた。
「どうしました指揮官、そんなに目を見開いて、懇願する様に鈴谷をじっと見つめて。おちんちんの収まりがつかないということは、またパイズリで搾って欲しいんですよね。大丈夫です、何もかも全て、ぜぇんぶ分かってますから。安心して、精を胸に吐き出してくださいね……ダーリン♡」
再び元の口調に戻った鈴谷の、激しく胸を揺さぶる本気パイズリ。
両耳では、鈴谷のリップ音が延々とループしている。
ぐちょぐちょに溶かされるような、極楽の三点責め。
許して、と声を発したのを最後に、指揮官は人間の言語を失った。
おんおんと畜生の様に喘ぎ、ただ精子を谷間へと吐き出すのみ。
それは指揮官の隅々に鈴谷を刻み込むまで、終わる事はない。
調教を終えた指揮官はこの先、執務室で働いてるときも、戦術を練っているときも、鈴谷を見るだけでこの夜のことを思い出し、否が応でも興奮が収まらなくなるだろう。
そして誘われるがまま、鈴谷の与える快楽へと堕ちていく。
その愛の毒牙は、すでに戻れなくなるほど、深く指揮官を侵していた。