執務室の窓を叩きつけるように、風がごうごうと吹き荒れている。
雨足は通り過ぎるサイレンの音のように、強くなっては弱くなるのを繰り返して、一向に遠のく気配が無い。母港は現在、台風による嵐の真っただ中にある。
ヒトヨンマルマル、昼を過ぎたばかりだというのに、空には暗雲が立ち込め、まるで夜が訪れたかのような薄暗さであった。
「こりゃ、遠征は止めておいて正解だったなぁ」
机に肘をつき、書類作成に没頭する指揮官、ふと首を上げ外の様子を伺いながら呟く。
今年は比較的数が少ないなと思っていた矢先に、近年でも勢力が大きい部類の台風が接近中との情報が流れて来た。あたかも、今まで不足していた分が収束したかのような強さであったため、指揮官はデイリー任務を含めた海域への出発を取りやめることにしたのだ。
この暴風雨により出撃や諸々の遠征が無くなったことで、艦船たちには思わぬ余暇が生じた。そこで「各人、自由に過ごし体調を整えるように」と指揮官は全員に通達した。
思い切ってリフレッシュの日に充てたのだ。
といっても外は猛烈な荒れ模様、基本は母港内で過ごす他ない。
学舎で思い思いの知識を学ぶ者もいれば、疼く身体を解消するために体育館内で出来るスポーツに興じる者もいるだろう。今日の分のしわ寄せは後々になって生じるだろうが、今は雨風がもたらした休暇を味わってくれれば幸いだ、と指揮官は思った。
「まぁ、行儀の悪い姿勢ですこと。目を悪くしてしまいますわよ、指揮官」
──ぽふっ。
指揮官の肩に顎を乗せるようにして、覗き込む顔がある。
一見して薄幸の愛玩人形を思わせるような、ほんのりと赤みを帯びた白肌と虚ろな紅の瞳。
しかしそのあどけない顔つきに反して、発する声は広い場所でもはっきりと聞こえるほどに芯が強く、透き通っていて気品を感じさせる。
足のつま先にまで伸びるほどの長髪は、無漂白の木綿のような生成り色であり、それが頭の左右で結われている。俗に言うツインテールである。
「フォーミダブル」
「肩が重いからどいてくれ、というご意見でしたらお断りしますわ」
「……左様ですか」
困惑気味の指揮官に対し、微笑を浮かべて楽しげな様子を見せているのは、イラストリアス級三番艦のフォーミダブルである。
「それにしても、あまり捗ってないご様子ですわね」
「この天気で気分もガタ落ちしてるからねぇ。それに、誰かさんが身体を乗せてきたから余計にやりづらいんですわ」
「──へぇ。それは私が重たい、ということかしら? し・き・か・ん?」
「え、いやちょま、ぐええっ、仮にもじょ、上官にヘッドロック決めるんじゃな、ああああっマジでムリムリ、謝る、謝るから止めてくれぇぇ」
華奢な見た目からは想像も付かない、艦船特有のパワーで指揮官の首を脇に抱えて締め上げると、数秒も経たないうちに降参の合図が出された。なお首絞めを食らっている間、指揮官の側頭部にはたわわに実った胸部装甲がむっちりと当たっていたので、離れるのが少し口惜しかったのは彼の中だけの秘密である。
物腰が柔らかく誰にでも親切で、包み込む光のような暖かい印象を与える長女・イラストリアス。
気分屋かつ自分勝手で、嫌いと公言しているはずの暴力に真っ先に頼るも、根は優しくとってもウブな次女・ヴィクトリアス。
彼女らに続く姉妹艦であるフォーミダブルは、ロイヤルレディらしい優雅な佇まいと言葉遣いを兼ね備えた、まさに貴族と呼ぶに相応しい女性——と言うのが表での所作。
実際の彼女は、次女に似た奔放な部分も持ち合わせており、むしろそちらの方が素の性格に近いのだが、普段は淑女たれと自分を結構抑えているのである。
「全く、いくら指輪を渡された間柄でも、言っていいことと悪いことがありましてよ」
ぷくぅと頬を膨らませた表情で腕組みをするフォーミダブル。
その左手の薬指には、ハートを形どったピンクカラーの宝石が嵌められており、室内の照明を反射して眩く煌めいている。
「いや、別に体重のことを言ったんじゃ……はい、すみません。俺が悪かったので甲板からフェアリーアルバコアをちらつかせるのは止めてください」
「ふふん、よろしい。それじゃケーキのご用意と足のマッサージ、お願いしますね」
「おまえほんとサボる気満々だよね?」
二人の力関係は、通常このようにフォーミダブルがほぼ主導権を握っている。
ケッコンして親密な仲になってからというものの、彼女は二人の姉に接する以上に遠慮が無くなり、指揮官とふたりっきりのときは面倒くさがり屋な一面も、茶目っ気のある一面も隠すことなく表すようになっていた。
その結果、秘書艦であるにも関わらず、指揮官の方が小間使いのように扱われてしまっているのだが。
指揮官の中での彼女に対する印象も、当初はロイヤルらしい高潔な態度からロンドンのビックベンに降り立つ天使のように思っていたのだが、今では堕天使、むしろ悪魔にまでイメージダウンしている。ドレスに裁縫された二枚の白翼も、彼にはすっかり黒ずんでいるように見えていた。
(まぁ、丁度休憩しようと思っていた頃合いだし、用意してやるか)
悪態を付きつつも甘い対応をしてしまうのは、惚れた弱みというものであろう。
指揮官は立ち上がると、部屋の隅に置かれた1ドア式の冷蔵庫へと手を伸ばす。
足の早いものを手軽に保管できるよう、最近になって設置した代物だ。
「おーい、苺のショートとチョコレートのどっちに」
──fire!!
湿った空気を吹き飛ばすような爆音が、突如として執務室に響く。
音源は机の傍にある筒状の小型スピーカー。これは、携帯情報機器などと数メートルの近距離で接続する無線通信機能が備わっているもので、そこから高音域の男性の歌声に合わせて電子楽器を用いたアップテンポな曲が流れていた。身体が勝手に動き出しそうな、気分が昂るダンス・ミュージックである。
「……フォーミダブルさん?」
「あっ、いけない。接続を切り忘れていましたわ」
フォーミダブルはいつ間にか、備え付けてあるソファーへと寝そべっており、その手元には長方形の携帯端末が握られていた。
「ってそれ俺の端末じゃん!! というか、パスコードどうやって破った!?」
「指揮官のことですから、ご自身の着任日とか昇進の日とか、記念になる日を選んでいると当たりを付けて片っ端から入力したら、この通り簡単に抜けられましたわよ」
「え、何で日付知っているの? 怖っ……」
思わぬリサーチを受けていたことが発覚し、指揮官は背筋に冷たいものが走る感覚に襲われた。
「へへへ、指揮官もこの楽曲がお気に召したようですわね」
「元々ユーロビートは好きだし、定番みたいなところあるし、度々鼻唄で聞かされていたら気になるのも自然というか」
「そ、その話は今しなくても良くってよ!」
慌てて発言を遮るように起き上がるフォーミダブル。
彼女は貞淑に振る舞っているときでも、時折糸が解れるようにボロが出ることがある。
鼻唄というのは、母校に帰還する際の気の緩みから思わず歌ってしまう癖のようなもので、指揮官が最初に目撃した際、見間違いかと目を疑ったのは言うまでもない。
「でも、この鬱蒼とした空気を変えるには丁度いい刺激だな」
「ええ。他のロイヤルの方々と御一緒の時は、落ち着いた楽曲が主になってしまいますもの。誰もいらっしゃらない今日くらい弾けても、罰は当たりませんことよ」
「だな」
さすがにケーキでお茶をするには合いませんけど。フォーミダブルが呟くと、指揮官も小さく笑った。そして彼女が座るソファーの前に膝をつくと、白磁色のタイツに覆われた細足にそっと手を伸ばす。
「どれ、気分が乗ってるうちに揉んで進ぜようじゃないか」
「まぁ、指揮官が進んでマッサージをするだなんて。明日はきっと猛暑になりますわね」
「どういう意味だよそれぇ」
フォーミダブルの足は陶磁器のように滑らかな触り心地で、いくら撫でまわしても飽きが来ない触感であった。
「どさくさに紛れて変なところに触れたら怒りますからね」
「はいはい」
「こら、言ったそばから踵を撫で回してますわよ指揮官」
「綺麗な形だったから、思わず」
「もう!」
勤務時間中とは思えないほどのイチャつきぶりである。公私はきっちり分けるよう努めていた二人であったが、ほとんどの艦船が出払って寮舎か学園にいる特異な状況である。ユーロビートのリズムに乗せられるように、すっかり気分が舞い上がって普段とは違うことをするのに夢中になっていた。
──執務室を叩く優しいノックと包み込むような癒しの声音が聞こえてくるまでは。
「指揮官さま、フォーミダブル、お茶のお誘いに参りましたわ。お邪魔してもよろしいかしら」
イラストリアスがやってきた。
「どうぞ入って」
少しの間を置いて、指揮官の声が返ってくる。
中からドタバタと騒がしい物音が聞こえてきたので、イラストリアスはきっと二人仲良く休憩でもしていたのだろうと察知し、「仲睦まじいようで何よりですわ~」などと微笑ましく思っていたのだが、いざ執務室へ入るとフォーミダブルの姿が見えない。
指揮官が一人、自身の机へと座しているだけである。
雷の音に紛れて聞こえてきたテンポのいいバックグラウンドミュージックも、ピタリと止んでいた。
「指揮官さま、フォーミダブルはご一緒ではないのですか」
「──え、あ、あぁ。彼女は丁度資料を取りにいっている最中なんだ。いやー間が悪いなー……」
指揮官の声は明らかに上ずっており、様子が変だと一目で分かるほど挙動不審である。
ついでに手も小刻みに震えていて、どこか緊張した面持ちだった。
外の雷鳴は、心なしか激しさを増しているようである。
(私が義理のお姉さんの間柄になったから、ではありませんよね)
一瞬、指揮官が自分に遠慮しているのかと思ったイラストリアスだが、この動揺は何か隠し事をしていると考えた方が腑に落ちる。
「あの子はああ見えてお転婆なところがありますから、指揮官さまも手を焼いていらっしゃるのではないですか」
「いやほんとおっしゃる通りでアッッッッッ」
試しにフォーミダブルに関する話題に踏み込んでみると、突然指揮官が悶えるように机へと突っ伏す。一瞬だけドゴン、と床が震える音が指揮官の足元から発せられていた。
「……ちょっと、足の指打っちゃっただけだから」
そう言う指揮官だが、明らかに手で押さえているのは足の先ではなく腿の付け根の方である。
(もう、あの子ったら)
イラストリアスは察しが良かった。
「それで……お茶がどう、とか言ってなかったっけ」
「はい、ユニコーンちゃんとヴィクトリアスも交えて五人でお茶でもどうかと思いまして。でもまた次の機会にさせて頂きますわ。フォーミダブルもいないようですし」
「そ、そっか。わざわざ誘いに来てくれたのにごめん。余計な手間を掛けさせてしまったみたいで」
「ふふっ、構いませんのよ。以前のフォーミダブルは肩肘張って力んでいることが多かったのですけれど、指揮官さまとケッコンされてからは余計な力が抜けたようで、とても活き活きとしているのが私にも分かりますから」
イラストリアスは人差し指を唇に当てるような仕草を取りながら、「義理の姉として、妹のことをよろしくお願いしますね、可愛い弟さま。なんちゃって」などと珍しく冗談を言って立ち去って行った。
ぽよんぽよん、という擬音が聞こえた気がしたが、恐らく指揮官の空耳だろう。
「……十中八九見逃してもらったわ。後で何かお詫びの品を送らないと」
冷や汗を掻いたまま机の下を覗き込む指揮官。果たして、フォーミダブルは正座のままじっと座っていた。
「何も隠れる必要はなかったんじゃ……あとめっちゃ痛かった。加減して」
「あ、あんなだらけているところをイラストリアス姉さんには見せられませんのよ」
「もうバレてるんだからいいじゃない」
「良くない! もう一回いきますわよ、もう」
「ホント痛かったから勘弁して。抓られた場所赤くなってるよ絶対」
フォーミダブルが出てこれるように椅子を引く指揮官。
だがどうしたことか、彼女は体勢を崩さないまま机の下から動こうとしない。
黒のドレス衣装が暗闇の中に溶け込んでいて、まるで巣穴の中から様子を伺っているかのようである。もしかしてまだ怒っているのだろうか。そう思った指揮官が謝罪の言葉を続けようとすると、
「……イラストリアス姉さんの仰ったこと、当たっていますわ」
「えっ?」
突然の発言に素っ頓狂な声を上げてしまう指揮官。
外から風の吹きつける音が強くなっていく。
「前に私がもう少し楽に生きたいとお話したこと、覚えていらっしゃいますか指揮官」
「も、勿論。だから俺なりに気の置けない関係になれるよう努めてはいるんだけど……も、もしかして空回りしてた?」
フォーミダブルは静かに首を横に振り、言葉を続ける。
「この指輪を頂いたときから、指揮官は私のありのままを出せる居場所になって下さいましたわ。自分の趣味を共有して楽しんで下さるパートナーが出来るだなんて、夢にも思っていませんでしたもの。イラストリアス姉さんやヴィクトリアス姉さんにもあまり見せない一面でも、受け入れて頂いて……指揮官は本当に、包容力のある御方ですわ」
「え、ほんと? やった、滅茶苦茶嬉しいッ」
「すぐ調子に乗って私に悪戯するところはどうかと思いますけど……ね!」
「上げてすぐ落とされた!?」
思わぬ感謝の言葉に絶頂まで昇った気分を一瞬で叩き戻され、指揮官はがくりと肩を落とした。
「まぁいいや。とりあえず出ておいでよ、ケーキも食べてないし」
「言われなくても今すぐ参り……」
ぴたっ。膝を上げようとしたフォーミダブルが静止した。正確には動こうとして動けなくなったように見える。
「……痺れましたわ」
「十五分くらいその姿勢でいれば、そりゃあねぇ」
「見ていないで手を貸してくださいませ指揮官。このままじゃ一生机の下暮らしですわ」
「そんな大袈裟な……仕方ない」
足に力が入らない様子のフォーミダブルを助け起こそうと、指揮官がそのか細い腕を掴んで引き上げようと試みた瞬間であった。
ぴしゃあ、という閃光とともに一際大きな雷が母港へと落ち、これまでにないほどの轟音が響き渡った。その影響なのか、執務室の電灯がチカチカと点滅している。
驚いたフォーミダブル、きゃんと短い悲鳴を上げると、指揮官に寄り掛かるようにしてそのまま倒れ込んでしまう。結果として、頭だけが机の下から脱出した体勢のまま、指揮官の下半身に抱き着くような恰好になっていた。
「い、今のはでかかったわぁ……大丈夫かフォーミダブ、ル……」
何とか起き上がろうとした指揮官、ふにゅんという心地良い感触を自覚し、思わず言葉を失ってしまう。
リアス式海岸、と揶揄されるほど深い谷間を形成する彼女の乳が、指揮官の膝元付近でクッションのように潰れている。縦長で、手そのものがすっぽりと収まってしまいそうなほどの柔乳が押し付けられれば、たちまちどんな男であっても鼻の下を伸ばしてしまうだろう。
同時に、フォーミダブルの美しいツインテールを形成するため、白と黒とが交互に折り重なるように結ばれたリボンが、彼女の頭が揺れ動くたびに指揮官の腿を撫で上げ、むず痒い刺激を与えている。互いの感覚が共鳴するかのように指揮官の情欲を滾らせていき、否が応でも熱が集まっていくのを抑えられそうにない。
(まずい、はやくどかさないと本気で勃っちゃうよ)
焦りからもぞもぞと身体を動かす指揮官だが、倒れた際に甲板が足に絡みついたのか、抜け出すことが出来ない。それどころか、脚の動きに合わせて豊満な乳肉がぐにぐにと軟体動物のように形を変えるので、その扇情的な光景が余計興奮を煽るのだ。
ふと、顔を上げたフォーミダブルと目が合う。
目元でぱつんと整えられた前髪の下から覗くような紅の瞳。
普段冷たい印象を与えがちなその目は、今日に限って少し熱っぽいように思えた。
丁度その顔が指揮官の股の近くにあるのだ、男性器の起立に気づかぬはずがない。
「その……ごめん」
不可抗力だから、という言い訳よりも先に謝罪の言葉が出てきた。
指揮官の中では、せっかくいい雰囲気だったのをつまらない性欲で台無しにしたと負目に感じていたのだろう。
しかし、そのムードは思わぬ方向へと転じる。
前触れもなく、フォーミダブルは指揮官の腰を抱えるとそのまま元居た机の下へと引きずり込んだのだ。
「へっ!? フォーミダブルなにして」
ぴりっ、という小さな電気が走ったような刺激を感じる。
より正確にいえば、ズボンを押し上げるように形成された緩やかな膨らみを、指でそっとなぞるような刺激だ。あうっ、という情けない声が指揮官から漏れる。
下半身が薄暗い空間に飲み込まれてはっきりとは見えないが、今確かに、フォーミダブルは指揮官の怒張へと布越しに触れたのだ。
「──全く。指揮官はどうしようもないくらいの変態ですわね」
変態。
フォーミダブルの口から発せられたとは思えない強烈なワード。
それは痺れ薬のように指揮官の思考回路へと浸透していき、徐々に麻痺させていく。
ジジジジ、とファスナーが下ろされる音がする。
我慢が効かない肉棒は、外への扉が開かれたのをいいことに、その勇ましくいきり立つ姿を外界へと晒した。
「……相変わらず、グロテスクな造形。こんな近くで観察するのは初めてですけど」
息を呑む様子が闇の中からも伝わってくる。よく目を凝らすと、おちんちんをまじまじと見つめる赤の双眼があった。フォーミダブルのような美少女にじっくりと恥部を視姦されているという事実が、ますます海綿体の血液量を増していく。
徐に衣服が擦れる音がした。指揮官のではない、フォーミダブルが胸元の今にも零れそうな布地をずり下ろしたのだ。ぷるん、とボールが跳ねるように爆乳が露わになる。その圧倒的な質量は薄暗い空間の中でも、確かな存在感を示している。単純なサイズではイラストリアスの方が上だが、彼女より更に小柄な体格のゴスロリ爆乳はその不足を補って有り余るほどの威力だ。
この体勢でおっぱいだけを露出するという前準備。
まさか、と思った指揮官、ペニスに感じる粘性の液体が彼女の分泌した唾液であると察した瞬間、予感が確信へと変わった。
「おま、こんなこと一体」
──ずぷり。
どこで、とも誰から、とも言いかけた口は、挿乳の与える快感によって強制的に閉じさせられた。はっきりと彼女の口からは告げられていないが、ペニスを包む弾力に富んだ柔らかさはどう考えても乳肉によるものだ。
「指揮官が私の趣味に勘づいたように、私も指揮官の趣向なんてとっくにお見通しですもの」
「うそ、だろ……」
「むしろどうしてバレてないと思っているのかが不思議なくらいですことよ。メイド隊の間では、誰を一番見ていたかなんて話題に上るくらいバレバレですのに」
何と言うことだ。指揮官は絶句してしまった。
そんなに露骨だっただろうか。確かに盗み見したことは一度や二度ではない自覚があるようだが。
「こんなはしたない行為のどこがお気に召しているのか、私には点で理解が及びません。ですけど、私以外の女性に現を抜かすのはもっと腹が立ちましたので、情けはかけませんわよ指揮官」
たゆんたゆんと、下から掬い上げるようにおっぱいが揺らされる。男根をふんわりと包む柔肉が波打つように弾んでいき、じわじわ溶けていくような快楽を与える。
「あっこれやばい……」
「もう降参ですの? まだ白旗を上げるには早いのではなくて?」
左右の乳房が別々に、上下、上下と交互に揉み込むように動かされる。
ぬめぬめとした刺激がおちんちんをじっくり責め立てている。刺激自体はまだ緩やかであるため、まずはフォーミダブルの風船のように膨らんだ乳感を味合わせる恰好となった。
ぐっと歯を食いしばって、断続的な快感を耐え忍ぶ指揮官。
母性の象徴ともいえる、女性の中でも屈指の柔らかな箇所。
それを男性の最も弱い箇所で堪能するのだから、これが気持ち良くないはずがない。
ましてやそれが、フォーミダブルのようにペニス全体をすっぽりと覆えるほどなら尚更である。
パイズリはHカップから、というのはとある過激派の言であるが、彼女のサイズはそれを優に超えているのは明らかだった。
(想定以上にいやらしいですわね、この行為)
フォーミダブルはたどたどしい手つきながら、円を描くように両乳を擦り合わせて、柔肉ですり潰すようにペニスを挟み込むと、指揮官はますますだらけ切った顔になってしまう。
この一方的に快楽を与え、手玉に取っていくズリ行為は、思いのほか彼女の好奇心をくすぐっていた。
(次は逆に回してみましょうか)
先程と逆回転でおちんちんを揉み込むと、更に腰を浮かせて気持ちよさそうな反応を示すので、フォーミダブルはすっかり気をよくしていった。
「まぁ、指揮官。お返事もまともに出来ないほど感じていらっしゃるのかしら」
「はぁはぁ……」
モチモチの弾力におちんちんが呑み込まれるたびに、咀嚼されるようなぞくぞくとした快楽信号が背筋を走っていき、打ち上げられた魚のようにびたんびたんと身体が跳ねてしまう。
度重なるパイズリ行為により、先走りの液が次から次へと溢れ、深い谷間をよりドロドロに汚していく。
「ふ、フォーミ、俺、もう、我慢できな、あう」
指揮官の顔が一層険しくなる。ぎゅっ、ぎゅっ、と締め付けるような双房の動きが、カリ首を撫で上げてぞわぞわが昇ってくる快感に溺れそうになる。
──たぱん、たぱん、たぱん。
リズミカルに跳ねる胸の間では、既に我慢汁や唾液が入り混じった液体が糸を引いていて、扱かれる度に二本、三本と本数が変わる様を指揮官は見つめていた。それを意識することで射精への引き金をどうにか繋ぎ止めているのだ。
(きっとこの糸が途切れるような事態になったら、本当に決壊する)
既にコップから水が溢れだしそうなほど、尿道には精液が蓄えられている。
ほんの一押しされるだけで決壊寸前のおちんちんダム。
それを跳ね具合から察したのだろう、フォーミダブルは指揮官へと問いかけた。
「ティンドンティンドン♪ 限界寸前の指揮官にお知らせがあります」
こんなギリギリのときに何を、と思った指揮官であったが、
「先程の指揮官は、イラストリアス姉さんの胸が揺れるのを見ていましたよね」
──ぎゅむっ。
噴出寸前のペニスが乳圧によってせき止められる。
それは大好物を前にしてお預けを食らったかのような、地獄の辛抱であった。
「イラストリアス姉さんとフォーミダブル、本当はどちらに浅ましい欲情を抱いたのかしら? きちんと分かるように答えてね」
指揮官は悟った。彼女は単に言わせたいのだ。
分かり切った答えであろうと、指揮官の口から発せられることに意味があると。
そう、訴えているのだ。
「フォーミダブルがっ、つ、机の下に隠れてた時から」
「から?」
「い、いやもっと前、本当は肩に顔を乗せられて、髪の匂いが鼻をくすぐったときから、こ、興奮していて」
「よろしい。はい、幕引きよ♪」
鉄のように熱く、硬く滾った肉棒がラストスパートと言わんばかりに激しく乳肉に挟み込まれると、指揮官は鉄砲水のように勢いよく屈服の射精を胸に浴びせていく。どくどくとペニスが脈動するごとに、食い止められていた精子がおっぱいへと泳ぎだすようどんどん放出される。ねっとりとした汁がおっぱいにかけられるたびに、じんじんする熱感がフォーミダブルの乳房へと伝わって行った。
指揮官は完全に精魂尽き果てた様子で大の字に横たわっている。
「はぁ……こうした行為は勿論はじめてのことでしたが、指揮官の様子を見るに大成功のようですね」
「……」
「──おりゃ」
蹴り一閃。
指揮官の腹部にクリーンヒットすると、トリップから帰還したのか飛び上がるように意識が戻った。
「や、やばい。完全にイッてたよ俺」
「そんなことより、女の子を汚れたまま放っておくのはどういう了見なのかしら?」
「……すいません」
ウェットティッシュを用いて丁寧に拭っていく指揮官に対し「埋め合わせは明日の海でよろしくてよ」とフォーミダブルが告げる。指揮官はスケジュールを確認するときっちりオフの日であり、どうやら拒否権はないらしい。
あれほどうるさかった雨風と轟く雷も、二人の熱に押し負けたのか、いつの間にか過ぎ去っていた。
情報量が多くて難しいですねこの子
ザラの方が単純に書きやすいからみんなよろしくな(丸投げ)
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