やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。with 貞操逆転世界 作:神納 一哉
この世界で生きていくことを決めた俺は、この世界の情報を仕入れるため、雪乃に入院中に使うパソコンが欲しいと頼んでみた。
さすがに数日はかかると思っていたのだが、驚いたことに次の日の朝、朝食後、一息ついているところに雪ノ下家の人がノートパソコンを持って俺の病室へと現れたのである。
雪ノ下陽乃、襲来。
「初めまして旦那様。あなたの第二夫人、雪ノ下陽乃です」
「…八幡です。よろしくお願いします」
「雪乃ちゃんの
うーん。こっちの陽乃さんもさすがというかなんというか、結構な強化外骨格の持ち主ですね。
「とりあえず
「ありがとうございます」
「固いなあ。緊張をほぐすためにとりあえずおっぱい揉んどく?」
「遠慮します。雪乃に子供ができるまでは、他の女に手を出すなと言われてるので」
「セックスしなきゃ大丈夫でしょ?」
「いや、陽乃さんのおっぱい揉んだら、抑えられる自信ないんで」
「足吊られているのに、おっぱい揉んだら我慢できなくて私に襲い掛かっちゃうの?いやーん。こわーい」
「いや、陽乃さんが発情して襲い掛かってきたら避けられないってことです」
「揉まれたくらいじゃ発情しないわよ」
「姉妹だし、一概にそう言えないんじゃないでしょうか」
「え?雪乃ちゃん、おっぱい揉まれて発情しちゃうの?」
「発情とは違うかもしれませんが、イってましたね」
「イってたかあ」
パソコンを机の上に置きベッドサイドの椅子に座った陽乃さんは、俺と一定の距離を保ったままで話をしていた。話の内容は結構ぶっ飛んでるように思えるが、こっちの世界では問題にならないようだ。
「
そんなことを言いながら陽乃さんは両手で自分の胸を揉んでいる。
「んー。その時になったらわかるか。一応、雪乃ちゃんが妊娠するまで八幡くんを抱いちゃいけないってことだからそれには従うけど。あ、挿れたらとかって言ったけど、私、処女だから。旦那様のために大切にとっておいたんだ」
「とっといたのってステータスのためでしょ」
「まあ、お〇んぽ様での破瓜は殆どの女の憧れだからねえ。…一部を除いて」
陽乃さんの表情が陰る。なんだろう、聞いてはいけないような気がしたので、聞かなかったことにした。
× × ×
おっと、
とりあえずお届け物と顔合わせは済んだことだし、撤収するとしますか。
「さてと。じゃあ、私は大学に行くのでこの辺で失礼するね」
「はい。わざわざありがとうございました」
ちょっとぐらい嫌味言ってもいいかな。
「やっぱり固いね。あのさ、私、婚約者なんだけど。もっと親しくしてくれても良いんじゃないかな?」
「…陽乃さんの方が年上ですし、会ったばかりで急に親しくはできないですって」
「それでもさ、もっとフレンドリーにしてくれても罰は当たらないと思うんだけど」
「その
「ふぅん。わかるんだ」
「ええ、まあ。人間観察が趣味なもんで」
大学の
床ドンならぬベッドドン(八幡くんがベッドに横になっているため、ベッドサイドまで近づいて上に覆い被さるようにして枕の横に手を付いた)をして、正面から八幡くんの顔を覗き込む。
「生意気ね、旦那様」
「外面のままでそんなこと言われてもなあ」
内心ドキドキしてるのを隠してるのよ。それぐらい察しなさい。
「…ほんと、生意気」
「婚約者なら二人の時くらいは、素の陽乃さんを見せて欲しいと思うのは我儘ですかね?」
「……別に、我儘じゃないと思うけど」
あー、駄目だ。仮面が作れないし、顔が熱い。気を引き締めないとだらしなくにやけてしまいそうだ。
「うん。今の陽乃さんとなら仲良くなれそうです」
うん、もう無理。ゴールしちゃっていいよね。これ。キスだけ、キスだけだから。そのぐらいは大目に見て、雪乃ちゃん。
そのまま八幡くんの唇に吸い付いて、軽く唇をハムハムした。男の唇ってだけでなんかクるものがある。念のためナプキンあてておいて良かった。
「雪乃ちゃんが妊娠するまでセックスはできないけど、仲良くしましょうね」
「キス、慣れてますね」
「あら、マウストゥマウスは初めてよ。ファーストキスだからね。雪乃ちゃんや後輩の身体で練習したの」
「女同士のキスはノーカンってわけじゃなくて?」
「さすがに女同士で口へのキスは抵抗があるわ。ほっぺとかおっぱいとかで練習するのよ。雪乃ちゃんもファーストキスだったんじゃない?」
「雪乃には告白の途中で初っ端からディープキスされたけど、ファーストキスかどうかは聞いていない。俺はファーストキスだったけど」
「ああ、雪乃ちゃん
「初めてかどうかにこだわりはないけれど、初めてを貰えたのなら嬉しいかな」
「もう、なんで君はそんなにクることを言うのかな。責任取ってよね」
そう言ってから再び八幡くんに唇を重ね、口腔に舌を差し込んで、じわじわと動かしていたら八幡くんの舌が私の舌に絡みついてきた。甘美な感覚が脳天に響く。男ががっついてくるなんて創作話でしかないと思っていたけど、実際にヤられちゃうと反撃できない。クラクラして性欲に流されそうになってくる。
「…っぷはっ。こ、これ以上は、ダメ。襲っちゃう。雪乃ちゃんを裏切っちゃう」
「あ、ああ」
「雪乃ちゃんが妊娠するまでは八幡くんも自重すること。
「お、おう。了解」
ベッドドンを解除してベッド脇に座る。軽くイきかけていたので足元が覚束なかったのだ。
「ああそうだ。パソコンの箱の中に私の婚姻届と八幡くんの印鑑を入れてあるから、名前を書いて雪乃ちゃんに渡しておいて」
「俺の印鑑ですか?」
「もともと伴侶用の印鑑は用意してあったのよ。それを持ってきただけ」
「あ、そうか。俺用の雪ノ下の印鑑ってことね」
「そういうこと。本当は婚姻届を出したら初夜も済ませちゃいたいところなんだけど、
「女の人って一人の男が複数の女を相手にするっていうのに忌避感はないんですか?」
「一部の例外を除けば、大体の女性はハーレム容認派だと思うわ。
「いや、俺は小町…、妹がいるし、母ちゃんとも普通に話すけど」
「さすがに家族とは話すわよ。私もお父さんとはお話しするもの。でも男の人が他人と話すこと、つまりこうして私と話してくれるのって珍しいことなんだからね」
× × ×
この世界は俺が考えていたよりもヤバいかもしれない。
普通に話すのも珍しいって何なの?どんだけこの世界の男って草食なんだよ。致命的なことをやらかす前に調べないと。
「ええと、陽乃さん。そろそろ大学に行かれた方がいいんじゃないですか?」
「んー。もう少しだけこのままで。実を言うとさっきので腰が抜けちゃったんだよね。わかりやすく言うとイっちゃったの」
「さいですか」
「もう八幡くんじゃないとダメになっちゃったから、責任取ってよね」
「善処します。っていうか今はヤれないんですから、お互いに刺激するようなことはやめましょうよ」
「言いたいことはわかるし正しいんだけど、八幡くんももう少し言葉を選んで欲しいなあ。男の口からヤるなんて言われちゃうと、ね」
「き、気を付けます」
「ヤれるようになったらいくらでも言っていいけどね。むしろ
「あの、陽乃さんも言葉を選んだ方がいいですよ。俺、SSランクなんで。言ってる意味、わかりますよね?」
「あっ、ごめんなさい」
内心ビクビクしながら軽く脅しをかけてみたら、あっさりと謝ってきた。あれ?こっちの陽乃さんって、魔王じゃない…だと!?
バツが悪そうにこちらを伺う陽乃さんは、謝る機会を伺っているときの小町に似ていた。
「まあ、お互いさまってことで」
「うん」
しょんぼりしている陽乃さんも新鮮だな。そんなことを考える八幡なのであった。
簡単な補足
この世界の城廻めぐりは雪ノ下陽乃にお願いして、高校一年の時に陽乃によって玩具で処女を散らしています。(陽乃の言う一部の例外)
この世界の雪ノ下陽乃は八幡が考えているような強化外骨格を持っていません。八幡が強化外骨格だと思ったのは対男性用外面にすぎません。
同じ内容(雪乃が妊娠するまで~)を何度もやり取りしているのは、ハーレムの決まり事を守ることが女にとっては何よりも重要であることを示唆するためです。